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第2章 覚悟と旅立ち
更なるレベル上げ #1
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『そっかぁ…じゃあコツとか聞けないね…』
凄く残念そうに言われてうっとなる。
「効率的なレベルの上げ方なら教えてやれるから頑張って取得しろよ?」
『ほんと?ありがと!』
『なぁ、リミル。忍者も取得してたりしないのか?俺も効率的なレベルの上げ方教えて欲しい。』
『僕も!』
『俺も!』
リミルは困った。バラバラで教えると凄く時間が取られる。系統が似ているのだから3人まとめてはどうかと思ってしまう。
「4人に別々の物を教えると時間が1人の4倍取られるから、取得の系統が似てるアキリム、クロト、ジャックの3人をまとめて教えるなら良いよ。3人とも3つとも覚えとくと損は無い職業だし。」
『確かに。基礎からやる方が後々楽そうだし、基礎体力とかもついでに上げれて良いかも。』
『僕もより動けるようになるかも知れないし良いよ。』
『俺も忍者使ってみたいしな。』
3人とも所持職業が増えるのは嬉しいみたいだ。3つ同時は大変だと思うがまぁ、効率的なレベルの上げ方さえ教えたら後は各自でやってもらうしかないし、自分のペースでやればいい話だからそこまで心配する程でもない。
むしろ職業改変が目標のニーナの方が大変だろう。
「ならまずは体操者を取得して、次に軽業師を取得、最後に忍者を取得って流れでレベル上げも同時にやろうか。」
3人が了承してくれたので一応計画を立てつつニーナの心配をする。
「なぁリリアン。生き物使いの取得のコツを教えられる信頼出来る人っていないかな?」
『愛しい旦那様に聞いてみましょうか?彼、適任者探し得意だから。』
「うん。助かる。」
『待ってて!』
リリアンは仕事中に大好きな旦那様へ会いに行ける口実が出来て嬉嬉として向かった。仕事中には敬語を外さないのがモットーなはずのリリアンが、完全に気が逸れていて気づいていなかった。
リミルは確かに早い方が良いとは思ったがすぐに行ってくれるとは思わなかった。
リリアンにとってクリードは番で、クリードが告白した時にその事に気づくという、なんともドラマチックな出会いの2人だ。いつでもラブラブなのも仕方ないのかもしれない。
そんなことを考えているとクライがリリアンを庇うためか、リリアンの行動に呆気にとられていた皆に向かってリリアンへの共感を語った。
<今ならリリアンの反応も分かる気がするぞ。俺もジャックと離れていて会えると思うとソワソワするからな。>
それを聞いたジャックはクライに優しく触れながらリリアン達に同情した。
『俺らはあんまり別れて行動することが無いけどリリアン達は仕事柄仕方ないよなぁ…。』
『そうなんだ。あたしも成人したら番が分かるようになるのかなぁ…。』
まだ恋も愛も番も分からないニーナは成人が待ち遠しくなったらしい。
その様子をみてクロトが焦る。
『え…。俺じゃだめなの?』
『ダメとかじゃなくて、番じゃない人と付き合った後に番が現れたら悲惨なんだってさ…。よくわかんないけど。ママ達が言うには一緒になってくれる番が現れるのを待った方が幸せだって。成人したら番が分かるようになるらしいの。』
クロトへの気持ちが無いわけでは無いと思うのだが、確かにクロトが番でなかった時のことを考えると心配ではある。
クロトもそれがわかったのか祈り始めた。
『俺が番であってくれ。頼む、俺をこの世界に連れてきた神様。』
『神様に連れてこられたの?』
全員が思った疑問をニーナが代表して聞いてくれた。
『いや、わかんないけど。会ってないし。でもそうじゃなきゃ別の世界に転移とか説明がつかないし。』
『どうなんだろうね…。』
結局は分からないが答え合わせが出来ないのだからかも知れないで済ませるしかない。
『ニーナの近くに出現した意味があるんじゃない?番だから引き寄せられたとか!』
<アキリム、期待させるのは違った時に悲しい思いをさせるだけだからやめておけ。>
期待を持つと違った時辛いと分かっているからこそクライはアキリムを窘めた。アキリムもハッとなってクロトに謝った。
『そうだね、ごめん。』
『良いよ。そういう考え方もあるなって思えたし。でもクライが言うことも一理ある。期待はしないでおこうかな。ただ、神様がいるかは分からないけど願うのは自由だよな。頼むよ神様。』
クロトの変なポーズに皆で軽く笑っていると扉をノックする音が聞こえた。リリアンがクリードを連れて戻ってきたのだった。
『リリアンから聞いた。こういう時は適任の道場を教えたりもしてるんだが、今回の場合はそうもいかない。』
『何で?あたしには向いてないとか?』
ニーナが心配そうに聞いた。道場に向き不向きはないが、先生も人なので相性の善し悪しはある。それを心配しているらしかった。
『いや、担当がモーリスだからだ。まだラッセル達を任せているんだ。初日に他の道場生達とも揉めてな。モーリスの道場は人気で週5日で開いてるんだが、そのうち1日をアイツらだけの貸切にしたんだ。だから他の日は今抱えている人数で手一杯らしい。ラッセルとはお前の保護者であるリミルが絡まれているし、ジャックとも何かあったと聞いた。別の方が良いだろ?』
凄く残念そうに言われてうっとなる。
「効率的なレベルの上げ方なら教えてやれるから頑張って取得しろよ?」
『ほんと?ありがと!』
『なぁ、リミル。忍者も取得してたりしないのか?俺も効率的なレベルの上げ方教えて欲しい。』
『僕も!』
『俺も!』
リミルは困った。バラバラで教えると凄く時間が取られる。系統が似ているのだから3人まとめてはどうかと思ってしまう。
「4人に別々の物を教えると時間が1人の4倍取られるから、取得の系統が似てるアキリム、クロト、ジャックの3人をまとめて教えるなら良いよ。3人とも3つとも覚えとくと損は無い職業だし。」
『確かに。基礎からやる方が後々楽そうだし、基礎体力とかもついでに上げれて良いかも。』
『僕もより動けるようになるかも知れないし良いよ。』
『俺も忍者使ってみたいしな。』
3人とも所持職業が増えるのは嬉しいみたいだ。3つ同時は大変だと思うがまぁ、効率的なレベルの上げ方さえ教えたら後は各自でやってもらうしかないし、自分のペースでやればいい話だからそこまで心配する程でもない。
むしろ職業改変が目標のニーナの方が大変だろう。
「ならまずは体操者を取得して、次に軽業師を取得、最後に忍者を取得って流れでレベル上げも同時にやろうか。」
3人が了承してくれたので一応計画を立てつつニーナの心配をする。
「なぁリリアン。生き物使いの取得のコツを教えられる信頼出来る人っていないかな?」
『愛しい旦那様に聞いてみましょうか?彼、適任者探し得意だから。』
「うん。助かる。」
『待ってて!』
リリアンは仕事中に大好きな旦那様へ会いに行ける口実が出来て嬉嬉として向かった。仕事中には敬語を外さないのがモットーなはずのリリアンが、完全に気が逸れていて気づいていなかった。
リミルは確かに早い方が良いとは思ったがすぐに行ってくれるとは思わなかった。
リリアンにとってクリードは番で、クリードが告白した時にその事に気づくという、なんともドラマチックな出会いの2人だ。いつでもラブラブなのも仕方ないのかもしれない。
そんなことを考えているとクライがリリアンを庇うためか、リリアンの行動に呆気にとられていた皆に向かってリリアンへの共感を語った。
<今ならリリアンの反応も分かる気がするぞ。俺もジャックと離れていて会えると思うとソワソワするからな。>
それを聞いたジャックはクライに優しく触れながらリリアン達に同情した。
『俺らはあんまり別れて行動することが無いけどリリアン達は仕事柄仕方ないよなぁ…。』
『そうなんだ。あたしも成人したら番が分かるようになるのかなぁ…。』
まだ恋も愛も番も分からないニーナは成人が待ち遠しくなったらしい。
その様子をみてクロトが焦る。
『え…。俺じゃだめなの?』
『ダメとかじゃなくて、番じゃない人と付き合った後に番が現れたら悲惨なんだってさ…。よくわかんないけど。ママ達が言うには一緒になってくれる番が現れるのを待った方が幸せだって。成人したら番が分かるようになるらしいの。』
クロトへの気持ちが無いわけでは無いと思うのだが、確かにクロトが番でなかった時のことを考えると心配ではある。
クロトもそれがわかったのか祈り始めた。
『俺が番であってくれ。頼む、俺をこの世界に連れてきた神様。』
『神様に連れてこられたの?』
全員が思った疑問をニーナが代表して聞いてくれた。
『いや、わかんないけど。会ってないし。でもそうじゃなきゃ別の世界に転移とか説明がつかないし。』
『どうなんだろうね…。』
結局は分からないが答え合わせが出来ないのだからかも知れないで済ませるしかない。
『ニーナの近くに出現した意味があるんじゃない?番だから引き寄せられたとか!』
<アキリム、期待させるのは違った時に悲しい思いをさせるだけだからやめておけ。>
期待を持つと違った時辛いと分かっているからこそクライはアキリムを窘めた。アキリムもハッとなってクロトに謝った。
『そうだね、ごめん。』
『良いよ。そういう考え方もあるなって思えたし。でもクライが言うことも一理ある。期待はしないでおこうかな。ただ、神様がいるかは分からないけど願うのは自由だよな。頼むよ神様。』
クロトの変なポーズに皆で軽く笑っていると扉をノックする音が聞こえた。リリアンがクリードを連れて戻ってきたのだった。
『リリアンから聞いた。こういう時は適任の道場を教えたりもしてるんだが、今回の場合はそうもいかない。』
『何で?あたしには向いてないとか?』
ニーナが心配そうに聞いた。道場に向き不向きはないが、先生も人なので相性の善し悪しはある。それを心配しているらしかった。
『いや、担当がモーリスだからだ。まだラッセル達を任せているんだ。初日に他の道場生達とも揉めてな。モーリスの道場は人気で週5日で開いてるんだが、そのうち1日をアイツらだけの貸切にしたんだ。だから他の日は今抱えている人数で手一杯らしい。ラッセルとはお前の保護者であるリミルが絡まれているし、ジャックとも何かあったと聞いた。別の方が良いだろ?』
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