59 / 96
第1章 出会い
把握すべきこと #2
しおりを挟む
念の為ギルドマスターの部屋に入って話すことになりそのままルシノに続いて入室する。
ルスタフのギルドマスター部屋は3人がけのソファが3つルシノの執務机を囲むように配置されていた。
ソファの真ん中には机は置かれておらずクライが1つのソファの前に座る。
話しやすいよう、その他の2つのソファに2人ずつ角に集まるように座った。
『改めて聞くが本当にღ50なのか?』
『はい!ステータスを見る限りは…』
『鑑定してもいいか?』
『はい!大丈夫です』
ルシノは即座に《鑑定》を唱え隠蔽のされていない詳細なステータスを見る。
するとルシノにはこう見えた。
☆☆☆☆☆
*名前 クロト(黒澤 大翔)
*種族 渡人族_ღ50(解放されていません)
*性別 ♂(♂♂)
*契魔 なし
*状態 少し緊張
*職業 戦士_ф32(条件を満たしていないため使用不能)
攻撃系魔法詠唱者_ф30 (条件を満たしていないため使用不能)
防御系魔法詠唱者_ф30 (一部使用可能)
支援系魔法詠唱者_ф30 (一部使用可能)
薬師_ф50 (条件を満たしていないため使用不能)
錬金術師_ф50 (条件を満たしていないため使用不能)
鍛冶師_ф50 (条件を満たしていないため使用不能)
料理人_ф50 (一部使用可能)
*称号 異世界から来た者、リミルの被保護者
☆☆☆☆☆
ルシノは黙り込んだ。
絶句とも言えるがクロトのステータスは常軌を逸していた。
リミルから聞いていたので種族や称号については呑み込めたが、レベルのカッコ書きについては見たことがなかった。
まだ使えないとは言えこちらに来てすぐだと聞いているのに初期レベルもおかしい。
だからこそのカッコ書きだろうとは思う。
しかしそれについてもまだ分かっていない。
ハルバーからこちらに来た経緯については通信で聞いていたのだがハルバーには鑑定はしなかったので任せると言われていた。
何故かは分からないが使用制限がある分には暴走の危険性がないので安心出来る。
『全てに使用制限がかかっている。それと種族レベルも解放されていないとかで恐らくレベルの恩恵は全くないだろう。魔力量は分かるか?』
『えと…どうやって見んの?』
聞かれたリミルは訂正する。
「見るじゃなくて感じ取るんだ」
『え、数値で見れるわけじゃねぇの?』
恐らくゲームではそうなのだろうとあたりを付けリミルはその考えを改めさせる。
「それはゲームだろ?ここは現実だ」
『そうだな…似てるからつい。感じ取るってどうやるんだ?』
リミルは少し考えてルシノに視線を合わせると頷かれたのでクロトの背後に移動した。
魔力は核と呼ばれる部位にあり本来なら子どもの間にそれを把握する。
しかしほとんど大人の身体に近い状態でこちらに来たためそれが出来ないらしい。
核はレベルアップとともに成長して行くのだが元々ღ50の大きさでいきなり使えるようにするのは危険だ。
リミルは複雑な形に成長しているはずの核を、クロトの背中に当てた手を介して魔力を送り探った。
その枝分かれしている1部に魔力で触れクロトに認識させる。
「これが核の1部。触れてるのはわかるか?」
『うーん…ぼんやりとだけど、何かが何かに当たってる気がする』
「俺が魔力で触れてるのが核って言って魔力が貯められる所だ。ここに意識を向ければ魔力量が分かるはずだ」
『核?臓器みたいなもん?』
『臓器というより血管に近い。が、物質として存在するわけではないから魔力でしか触れられないんだ。俺みたいな神格の者は全身に核が蔓延っている』
それから少しの間核を意識させるとその後は話に戻り、神格についてクロトが質問するのでこの世界の種族についての常識を皆で教えた。
あくまで常識の範囲内で。
『ところで二人はギルド登録はどこでするのか決まったのか?』
『俺は生産職でやっていきたいからこの街が良いかな…って思ってる』
『あたしはお世話になるリミル君と同じとこの方が都合が良いかなって…』
3人がリミルを見るので良いんじゃないか?と言いかけて少し考える。
「そう言えば未成人のものの試験は保護者同伴だっけ?」
『『そうなの?』』
『ああ。規則でな』
「ならクロトが成人するまでは同じとこで同時に試験の方が楽だな…俺とは時期もズレるからどっちの街でも良いし、2人で決めてくれ」
話し合うまでもなくルスタフのギルドで登録することに決まった。
ニーナが直ぐに譲った形で。
『なら明日試験して登録だな。今夜も泊まってくだろ?』
「え、良いの?」
<部屋数足りなくないか?>
クロトとニーナは驚いていたがそれが気にならないくらいリミルは喜んでいた。
その様子に呆れつつクライも乗り気なので部屋の心配をした。
『問題ない。家をいじればいい話だからな』
建築屋を呼ぶ事を考えてふと思い至る。
<持ってるのか…>
クライは声に出てしまっていたがリミルと同じ考えに至ったようだ。
『まあな』
どうやら生産職だけでなく建築士も持っていたらしい。
建築士は造作者が職業改変した上位職でなかなか手に入れにくい職の一つだ。
<なら遠慮なく泊まらせてもらおう>
「ありがとう」
『『あ、ありがとう』』
『ああ』
ルスタフのギルドマスター部屋は3人がけのソファが3つルシノの執務机を囲むように配置されていた。
ソファの真ん中には机は置かれておらずクライが1つのソファの前に座る。
話しやすいよう、その他の2つのソファに2人ずつ角に集まるように座った。
『改めて聞くが本当にღ50なのか?』
『はい!ステータスを見る限りは…』
『鑑定してもいいか?』
『はい!大丈夫です』
ルシノは即座に《鑑定》を唱え隠蔽のされていない詳細なステータスを見る。
するとルシノにはこう見えた。
☆☆☆☆☆
*名前 クロト(黒澤 大翔)
*種族 渡人族_ღ50(解放されていません)
*性別 ♂(♂♂)
*契魔 なし
*状態 少し緊張
*職業 戦士_ф32(条件を満たしていないため使用不能)
攻撃系魔法詠唱者_ф30 (条件を満たしていないため使用不能)
防御系魔法詠唱者_ф30 (一部使用可能)
支援系魔法詠唱者_ф30 (一部使用可能)
薬師_ф50 (条件を満たしていないため使用不能)
錬金術師_ф50 (条件を満たしていないため使用不能)
鍛冶師_ф50 (条件を満たしていないため使用不能)
料理人_ф50 (一部使用可能)
*称号 異世界から来た者、リミルの被保護者
☆☆☆☆☆
ルシノは黙り込んだ。
絶句とも言えるがクロトのステータスは常軌を逸していた。
リミルから聞いていたので種族や称号については呑み込めたが、レベルのカッコ書きについては見たことがなかった。
まだ使えないとは言えこちらに来てすぐだと聞いているのに初期レベルもおかしい。
だからこそのカッコ書きだろうとは思う。
しかしそれについてもまだ分かっていない。
ハルバーからこちらに来た経緯については通信で聞いていたのだがハルバーには鑑定はしなかったので任せると言われていた。
何故かは分からないが使用制限がある分には暴走の危険性がないので安心出来る。
『全てに使用制限がかかっている。それと種族レベルも解放されていないとかで恐らくレベルの恩恵は全くないだろう。魔力量は分かるか?』
『えと…どうやって見んの?』
聞かれたリミルは訂正する。
「見るじゃなくて感じ取るんだ」
『え、数値で見れるわけじゃねぇの?』
恐らくゲームではそうなのだろうとあたりを付けリミルはその考えを改めさせる。
「それはゲームだろ?ここは現実だ」
『そうだな…似てるからつい。感じ取るってどうやるんだ?』
リミルは少し考えてルシノに視線を合わせると頷かれたのでクロトの背後に移動した。
魔力は核と呼ばれる部位にあり本来なら子どもの間にそれを把握する。
しかしほとんど大人の身体に近い状態でこちらに来たためそれが出来ないらしい。
核はレベルアップとともに成長して行くのだが元々ღ50の大きさでいきなり使えるようにするのは危険だ。
リミルは複雑な形に成長しているはずの核を、クロトの背中に当てた手を介して魔力を送り探った。
その枝分かれしている1部に魔力で触れクロトに認識させる。
「これが核の1部。触れてるのはわかるか?」
『うーん…ぼんやりとだけど、何かが何かに当たってる気がする』
「俺が魔力で触れてるのが核って言って魔力が貯められる所だ。ここに意識を向ければ魔力量が分かるはずだ」
『核?臓器みたいなもん?』
『臓器というより血管に近い。が、物質として存在するわけではないから魔力でしか触れられないんだ。俺みたいな神格の者は全身に核が蔓延っている』
それから少しの間核を意識させるとその後は話に戻り、神格についてクロトが質問するのでこの世界の種族についての常識を皆で教えた。
あくまで常識の範囲内で。
『ところで二人はギルド登録はどこでするのか決まったのか?』
『俺は生産職でやっていきたいからこの街が良いかな…って思ってる』
『あたしはお世話になるリミル君と同じとこの方が都合が良いかなって…』
3人がリミルを見るので良いんじゃないか?と言いかけて少し考える。
「そう言えば未成人のものの試験は保護者同伴だっけ?」
『『そうなの?』』
『ああ。規則でな』
「ならクロトが成人するまでは同じとこで同時に試験の方が楽だな…俺とは時期もズレるからどっちの街でも良いし、2人で決めてくれ」
話し合うまでもなくルスタフのギルドで登録することに決まった。
ニーナが直ぐに譲った形で。
『なら明日試験して登録だな。今夜も泊まってくだろ?』
「え、良いの?」
<部屋数足りなくないか?>
クロトとニーナは驚いていたがそれが気にならないくらいリミルは喜んでいた。
その様子に呆れつつクライも乗り気なので部屋の心配をした。
『問題ない。家をいじればいい話だからな』
建築屋を呼ぶ事を考えてふと思い至る。
<持ってるのか…>
クライは声に出てしまっていたがリミルと同じ考えに至ったようだ。
『まあな』
どうやら生産職だけでなく建築士も持っていたらしい。
建築士は造作者が職業改変した上位職でなかなか手に入れにくい職の一つだ。
<なら遠慮なく泊まらせてもらおう>
「ありがとう」
『『あ、ありがとう』』
『ああ』
0
お気に入りに追加
80
あなたにおすすめの小説
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】
永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。
転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。
こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり
授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。
◇ ◇ ◇
本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。
序盤は1話あたりの文字数が少なめですが
全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。
異世界複利! 【1000万PV突破感謝致します】 ~日利1%で始める追放生活~
蒼き流星ボトムズ
ファンタジー
クラス転移で異世界に飛ばされた遠市厘(といち りん)が入手したスキルは【複利(日利1%)】だった。
中世レベルの文明度しかない異世界ナーロッパ人からはこのスキルの価値が理解されず、また県内屈指の低偏差値校からの転移であることも幸いして級友にもスキルの正体がバレずに済んでしまう。
役立たずとして追放された厘は、この最強スキルを駆使して異世界無双を開始する。
あなたの冒険者資格は失効しました〜最強パーティが最下級から成り上がるお話
此寺 美津己
ファンタジー
祖国が田舎だってわかってた。
電車もねえ、駅もねえ、騎士さま馬でぐーるぐる。
信号ねえ、あるわけねえ、おらの国には電気がねえ。
そうだ。西へ行こう。
西域の大国、別名冒険者の国ランゴバルドへ、ぼくらはやってきた。迷宮内で知り合った仲間は強者ぞろい。
ここで、ぼくらは名をあげる!
ランゴバルドを皮切りに世界中を冒険してまわるんだ。
と、思ってた時期がぼくにもありました…
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
異世界でネットショッピングをして商いをしました。
ss
ファンタジー
異世界に飛ばされた主人公、アキラが使えたスキルは「ネットショッピング」だった。
それは、地球の物を買えるというスキルだった。アキラはこれを駆使して異世界で荒稼ぎする。
これはそんなアキラの爽快で時には苦難ありの異世界生活の一端である。(ハーレムはないよ)
よければお気に入り、感想よろしくお願いしますm(_ _)m
hotランキング23位(18日11時時点)
本当にありがとうございます
誤字指摘などありがとうございます!スキルの「作者の権限」で直していこうと思いますが、発動条件がたくさんあるので直すのに時間がかかりますので気長にお待ちください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる