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第1章 出会い
クロト #3
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文字の色や通知音量はその場に合った物が自動で選択されるようにし最適化した。
消費魔力はそこまで多くないがある程度のレベルが無ければ何度もやり取り出来ないだろう。
手紙の需要が落ちても困ると思ったのと必要な機能を加えた結果だった。
呪文探求者のレベルが低いので上がれば完成した魔法の編集も出来るかもしれないし、もう少し消費魔力を抑えられるかも知れないが今はこれが精一杯だった。
「とりあえず《チャット》は完成ということで《完成》」
リミルはよし、と通話の方も考え始めるがクロトが話しかけてきたので中断した。
『なあ、気になってたんだがなんで呪文は英語で喋りは日本語なんだ?』
「えいご?にほんご?呪文や喋りの言葉の違いか?それは恐らく翻訳されているから別の言葉に聞こえるのかも知れないが一応違いはあるな。んー…魔法はイメージが大切だろ?イメージを言葉にしたのが呪文で、普通の言葉はこの世界の言語だな。俺は歴史は習ってないからギルマスの誰かに聞く方が良いかもな」
文字についても聞かれたので、ほとんどその形から作られたものだと教えるとそういうのは"象形文字"と言うと教えられた。"にほんご"がそうらしい。
リミルは納得した。
「ならその"えいご"ってやつがイメージを言葉で表す言葉なんだろうな」
『そうだった気がする』
クロトは英語のひとつの単語に複数ある意味が日本語だとバラバラなのをイメージを表すと聞いて妙に納得した。
何かでそう言っていたのを聞いた気もする。
さて、とリミルは立ち上がった。
そろそろニーナの家から出てギルマスの所に報告に行って宿屋を探さなくてはならない。
『とりあえずノフテスの街に行かないと。ニーナ、種族レベルはいくつ?』
遅くなったがニーナは猫獣人だ。
黒い猫耳と黒い尻尾が生えている。
年齢は19歳らしいが普通の人にしてはレベルがあった。
『ღ22…色々あってレベル上げてるの』
「そんなに気にしなくていい。俺も色々あって年齢は恐らく20後半くらいだけど君の4倍はあるから」
ニーナはとても驚いたあと何やら考え込んでしまった。
この世界では子どもは守られる存在だ。
そんな者達がレベル上げなど周りが止めるので出来ない。
だがリミルの様な者も世界中探せば居るかもしれない。
ニーナが鍛える理由は分からないが。
そんな二人の様子に戸惑っているのはクロトだ。
『ここではレベル上げってそんなコソコソするもんなのか?』
この世界の常識は彼には通じないらしい。
説明すると、大事にされてるって事じゃん!と喜んでいた。
ならばと年齢を聞くと22歳だったので成人するまで鍛えずにおくか?と揶揄うと焦っていた。
それを見て溜飲を下げたリミルは保護者の許しが出ると冒険者登録出来ると教えた。
『俺の保護者って誰になるんだ?リミルか?』
「そういうのはギルマスに聞いてみないと分からないな」
するとニーナが考えが纏まったのか、ついて行くと言い出した。
どうやら本格的に強くなりたいらしい。
「んー…ニーナ、家族は?」
『いないの。最近魔物に…』
「そうか…」
クロトはニーナの肩をそっと抱き寄せた。
それを見つつ、リミルは二人の面倒を見ることになるが部屋はギルレイに借りてる状態だ。
どうしたものかと悩んだが先程作った魔法を思い出してギルレイに飛ばした。
*********
<驚かせてごめん。さっき作った魔法でまだレベルが低いから消費魔力がそこまで抑えられていないが、遠くにいてもやり取りが出来る魔法だ。>
<ほんとにリミルか?>
<これは魔力や個人名、相手の顔もイメージして放つ魔法だから偽装は出来ないよ。>
<そうか。そろそろノフテスじゃないか?>
<そうなんだけど、ハルバーに依頼されて村に来てて、そこで出会ったクロトと行動を共にしてくれって言われてて。>
<ああ。聞いている。仕方ないし俺の家で保護するから一緒に帰ってこい。>
<それが、一緒にいたニーナっていう女の子も来たいらしくて。>
<その子家族は?>
<魔物に殺られたみたいで強くなりたいらしい。俺としても力にはなってやりたいんだけど、今お世話になってる身でどうしようかと思ってさ。>
<そうだな…部屋増やすか。良いぞ、連れてこい。>
<ありがとう。助かるよ。>
<いや、リミルが誰かと交流を持つのは俺としては嬉しいからな。そういや始まりのダンジョンに行ったが俺しか入れなかった。凄いな、あそこの妖術と統括。>
<他のギルド管理者と?>
<クリードだ。>
<それは仕方ない。統括に紹介してないし俺たちと行った訳じゃないからな。>
<妖術がどんなものか気になってな。明日帰ってくるのか?>
<いや、恐らく明後日かその次の日だ。>
<わかった。気をつけてな。>
*********
そうしてギルレイとのやり取りを終え、二人に連れて帰れる事とお世話になっている人の家に行くのでお礼は直接その人に行って欲しい旨を伝えた。
『あたしは宿でも…』
『なら俺も!』
<そうなるから二人とも連れてくんだろ?>
クライは部屋が狭くなると思っているようで少し不機嫌である。
「クライ、ギルレイが部屋を増築してくれるみたいだから俺らの部屋はあのままだよ」
すると一気に機嫌が戻った。
とても分かりやすい。
『え?俺たちのためにそこまで!?』
「?ああ。そんなに驚くことか?確かに金はかかるけど帰ったらギルレイに返すし…」
『え、あたしも払う!返すのは遅くなるかもしれないけど…』
『…え?』
消費魔力はそこまで多くないがある程度のレベルが無ければ何度もやり取り出来ないだろう。
手紙の需要が落ちても困ると思ったのと必要な機能を加えた結果だった。
呪文探求者のレベルが低いので上がれば完成した魔法の編集も出来るかもしれないし、もう少し消費魔力を抑えられるかも知れないが今はこれが精一杯だった。
「とりあえず《チャット》は完成ということで《完成》」
リミルはよし、と通話の方も考え始めるがクロトが話しかけてきたので中断した。
『なあ、気になってたんだがなんで呪文は英語で喋りは日本語なんだ?』
「えいご?にほんご?呪文や喋りの言葉の違いか?それは恐らく翻訳されているから別の言葉に聞こえるのかも知れないが一応違いはあるな。んー…魔法はイメージが大切だろ?イメージを言葉にしたのが呪文で、普通の言葉はこの世界の言語だな。俺は歴史は習ってないからギルマスの誰かに聞く方が良いかもな」
文字についても聞かれたので、ほとんどその形から作られたものだと教えるとそういうのは"象形文字"と言うと教えられた。"にほんご"がそうらしい。
リミルは納得した。
「ならその"えいご"ってやつがイメージを言葉で表す言葉なんだろうな」
『そうだった気がする』
クロトは英語のひとつの単語に複数ある意味が日本語だとバラバラなのをイメージを表すと聞いて妙に納得した。
何かでそう言っていたのを聞いた気もする。
さて、とリミルは立ち上がった。
そろそろニーナの家から出てギルマスの所に報告に行って宿屋を探さなくてはならない。
『とりあえずノフテスの街に行かないと。ニーナ、種族レベルはいくつ?』
遅くなったがニーナは猫獣人だ。
黒い猫耳と黒い尻尾が生えている。
年齢は19歳らしいが普通の人にしてはレベルがあった。
『ღ22…色々あってレベル上げてるの』
「そんなに気にしなくていい。俺も色々あって年齢は恐らく20後半くらいだけど君の4倍はあるから」
ニーナはとても驚いたあと何やら考え込んでしまった。
この世界では子どもは守られる存在だ。
そんな者達がレベル上げなど周りが止めるので出来ない。
だがリミルの様な者も世界中探せば居るかもしれない。
ニーナが鍛える理由は分からないが。
そんな二人の様子に戸惑っているのはクロトだ。
『ここではレベル上げってそんなコソコソするもんなのか?』
この世界の常識は彼には通じないらしい。
説明すると、大事にされてるって事じゃん!と喜んでいた。
ならばと年齢を聞くと22歳だったので成人するまで鍛えずにおくか?と揶揄うと焦っていた。
それを見て溜飲を下げたリミルは保護者の許しが出ると冒険者登録出来ると教えた。
『俺の保護者って誰になるんだ?リミルか?』
「そういうのはギルマスに聞いてみないと分からないな」
するとニーナが考えが纏まったのか、ついて行くと言い出した。
どうやら本格的に強くなりたいらしい。
「んー…ニーナ、家族は?」
『いないの。最近魔物に…』
「そうか…」
クロトはニーナの肩をそっと抱き寄せた。
それを見つつ、リミルは二人の面倒を見ることになるが部屋はギルレイに借りてる状態だ。
どうしたものかと悩んだが先程作った魔法を思い出してギルレイに飛ばした。
*********
<驚かせてごめん。さっき作った魔法でまだレベルが低いから消費魔力がそこまで抑えられていないが、遠くにいてもやり取りが出来る魔法だ。>
<ほんとにリミルか?>
<これは魔力や個人名、相手の顔もイメージして放つ魔法だから偽装は出来ないよ。>
<そうか。そろそろノフテスじゃないか?>
<そうなんだけど、ハルバーに依頼されて村に来てて、そこで出会ったクロトと行動を共にしてくれって言われてて。>
<ああ。聞いている。仕方ないし俺の家で保護するから一緒に帰ってこい。>
<それが、一緒にいたニーナっていう女の子も来たいらしくて。>
<その子家族は?>
<魔物に殺られたみたいで強くなりたいらしい。俺としても力にはなってやりたいんだけど、今お世話になってる身でどうしようかと思ってさ。>
<そうだな…部屋増やすか。良いぞ、連れてこい。>
<ありがとう。助かるよ。>
<いや、リミルが誰かと交流を持つのは俺としては嬉しいからな。そういや始まりのダンジョンに行ったが俺しか入れなかった。凄いな、あそこの妖術と統括。>
<他のギルド管理者と?>
<クリードだ。>
<それは仕方ない。統括に紹介してないし俺たちと行った訳じゃないからな。>
<妖術がどんなものか気になってな。明日帰ってくるのか?>
<いや、恐らく明後日かその次の日だ。>
<わかった。気をつけてな。>
*********
そうしてギルレイとのやり取りを終え、二人に連れて帰れる事とお世話になっている人の家に行くのでお礼は直接その人に行って欲しい旨を伝えた。
『あたしは宿でも…』
『なら俺も!』
<そうなるから二人とも連れてくんだろ?>
クライは部屋が狭くなると思っているようで少し不機嫌である。
「クライ、ギルレイが部屋を増築してくれるみたいだから俺らの部屋はあのままだよ」
すると一気に機嫌が戻った。
とても分かりやすい。
『え?俺たちのためにそこまで!?』
「?ああ。そんなに驚くことか?確かに金はかかるけど帰ったらギルレイに返すし…」
『え、あたしも払う!返すのは遅くなるかもしれないけど…』
『…え?』
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