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第1章 変化の始まり
評判と依頼 #1
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ギルレイはエリエッタをリミル達に紹介するつもりだったようで『エリエッタに言っておけばよかった』とボソボソと言っている。
「キャビネットもエリエッタの店の隣にある無口なエリエッタのお兄さんの店で買ったよ」
『そうか。あいつの家具は質も良いし綺麗なデザインだからな。家にあるのはほとんどそこで買ってるな』
そこにグレモスを連れてピギルーイが来た。
挨拶を終えた二人にギルレイが口を開く。
『先程ギルドで報告を受けたんだがゴブリン連れの冒険者が捕まった。高位の冒険者チームにゴブリンを嗾けたようだ。返り討ちにあったゴブリンがテイムされたゴブリンに助けを求める所をその冒険者チームが目撃したそうだ』
<そいつ馬鹿なのか?高位冒険者チームに集団と言えどゴブリンが勝てると思ったのか?>
クライが呆れたように言っている。
ゴブリンは集団だと冒険者によっては脅威になり得るが高位にとってはとても弱い存在だ。
何百匹いても変わらない。
そんなに纏まって行動する種族でもないが、多くて百匹程度か。
『高位と知らずに襲わせたらしいがこれまでに何度もやっているみたいだ。そのうち死んでしまったチームが2つあったようだ。キッチリ償わせるがまずは詳しい取り調べが先だ』
昨日の昼頃には捕まって居たようで簡単な調書が取られたがオーバーフローが始まり、ギルドの地下牢に入れられていたらしい。
そして今朝その報告を受けたようだ。
ギルドに行った用はそれだけでは無さそうだがギルレイが言わないのでリミル達に関係ない事なのだろう。
『そうですか……捕まって本当に良かったです。そいつらに厳しい罰が与えられる事を願っています』
ピギルーイは殺された番を思い出しているのか苦しそうな表情をしている。
それをみたグレモスも励ますように声を掛けた。
『2つもの冒険者チームの方々が亡くなられているのですから厳しい罰が与えられるでしょう』
『ああもちろん。罰が軽いなど有り得ないし簡単には死なせない』
牢に入れられたゴブリン連れの冒険者はゴブリン共々自殺防止用の枷を付けられ、牢に繋がれている。
死んで楽になられてたまるかという意見から作られ、各ギルドの地下牢に必ず設置されている物だ。
取り調べた後罰が決まり、死んで行った人達の無念や遺された者たちの悲しみを思い知るまで罰が与えられる。
思い知った後は…その、まあ…色々だ。
本人の反省の度合いや遺族の意見によって罰後の処遇も変わる。
罰執行後に死刑という事もある。
今回はコレの可能性が高いだろう。
なんせ1チーム6人のパーティが2つ。
十二人も殺されてしまっている。
話の流れを変えようとリミルは気になっていた事を口にした。
「そう言えばさ、ピギルーイと番かもって言ってた女の子は?」
『俺は実はまだ会っていなくて…』
昨日の今日なのでリミルも何か進展を期待しての発言ではなく誰なのかどんな子なのかくらいは聞けるのではと思っての問いだった。
言葉が足りない事は自覚があるので、そのうち機会があればまた聞くことにする。
これはリミルの癖みたいなものだ。
『落ち着いてから会わせようかと思っています。まあ同じ職場なので何時でも会えるのですが彼女がピギルーイを気遣ってくれてまして』
<あいつか?>
クライが見る方向にこちらを見つめる女性がいた。
グレモスの店の制服を来たホステスだ。
『いえ、彼女とは別の従業員です。呼んでいるようですので1度失礼します。今日は昨日のお礼をさせていただきますので存分に楽しんで行ってください。本当にありがとうございました』
『客足も少しずつ戻ってるみたいで良かったな』
『ありがとうございます。今回はピギルーイが担当につきますのでオーダーは彼にお願いします。では、また後ほど』
そう言ってグレモスは中へ入って行った。
リミルは何となくそれを目で追いながら、つい気になっていた視線の主を探してキョロキョロする。
『どうしました?』
「いや、今日はペルルーイは居ないのかと思って」
リミルはペルルーイの視線を気にしていた。
悪意や敵意などは感じなかったので会って確認しようと思っていたのだった。
『ペルルーイは今日は休みですね。たぶん上の自室にいると思うので呼ぼうと思えば呼べますが?』
『んー…いやまた今度にするよ。知り合いでもないのに休みの時間を貰うわけにいかないしな』
ギルレイが『優しいな』と頭を撫でてくれるが、リミルは考え事をしていて気づかない。
何かあったときにギルレイ達を巻き込まないためにも個人もしくはクライといる時に話しかけてみようと考えていたのだった。
『そうですか。明日の午前中ならここで仕事していると思いますが。伝言などあれば伝えておきましょうか?』
『別に何も言わなくて良い…あ、でも話しかけるかもしれない事だけ言っといてくれるか?急に話しかけると吃驚するかもしれないから』
快く了承したピギルーイにギルレイが早速コース内容を注文し始める。
ササッと決まってピギルーイがオーダーを伝えに行く。
暫くすると料理が運ばれて来て豪華さに驚きつつも三人は食べ終えた。
「キャビネットもエリエッタの店の隣にある無口なエリエッタのお兄さんの店で買ったよ」
『そうか。あいつの家具は質も良いし綺麗なデザインだからな。家にあるのはほとんどそこで買ってるな』
そこにグレモスを連れてピギルーイが来た。
挨拶を終えた二人にギルレイが口を開く。
『先程ギルドで報告を受けたんだがゴブリン連れの冒険者が捕まった。高位の冒険者チームにゴブリンを嗾けたようだ。返り討ちにあったゴブリンがテイムされたゴブリンに助けを求める所をその冒険者チームが目撃したそうだ』
<そいつ馬鹿なのか?高位冒険者チームに集団と言えどゴブリンが勝てると思ったのか?>
クライが呆れたように言っている。
ゴブリンは集団だと冒険者によっては脅威になり得るが高位にとってはとても弱い存在だ。
何百匹いても変わらない。
そんなに纏まって行動する種族でもないが、多くて百匹程度か。
『高位と知らずに襲わせたらしいがこれまでに何度もやっているみたいだ。そのうち死んでしまったチームが2つあったようだ。キッチリ償わせるがまずは詳しい取り調べが先だ』
昨日の昼頃には捕まって居たようで簡単な調書が取られたがオーバーフローが始まり、ギルドの地下牢に入れられていたらしい。
そして今朝その報告を受けたようだ。
ギルドに行った用はそれだけでは無さそうだがギルレイが言わないのでリミル達に関係ない事なのだろう。
『そうですか……捕まって本当に良かったです。そいつらに厳しい罰が与えられる事を願っています』
ピギルーイは殺された番を思い出しているのか苦しそうな表情をしている。
それをみたグレモスも励ますように声を掛けた。
『2つもの冒険者チームの方々が亡くなられているのですから厳しい罰が与えられるでしょう』
『ああもちろん。罰が軽いなど有り得ないし簡単には死なせない』
牢に入れられたゴブリン連れの冒険者はゴブリン共々自殺防止用の枷を付けられ、牢に繋がれている。
死んで楽になられてたまるかという意見から作られ、各ギルドの地下牢に必ず設置されている物だ。
取り調べた後罰が決まり、死んで行った人達の無念や遺された者たちの悲しみを思い知るまで罰が与えられる。
思い知った後は…その、まあ…色々だ。
本人の反省の度合いや遺族の意見によって罰後の処遇も変わる。
罰執行後に死刑という事もある。
今回はコレの可能性が高いだろう。
なんせ1チーム6人のパーティが2つ。
十二人も殺されてしまっている。
話の流れを変えようとリミルは気になっていた事を口にした。
「そう言えばさ、ピギルーイと番かもって言ってた女の子は?」
『俺は実はまだ会っていなくて…』
昨日の今日なのでリミルも何か進展を期待しての発言ではなく誰なのかどんな子なのかくらいは聞けるのではと思っての問いだった。
言葉が足りない事は自覚があるので、そのうち機会があればまた聞くことにする。
これはリミルの癖みたいなものだ。
『落ち着いてから会わせようかと思っています。まあ同じ職場なので何時でも会えるのですが彼女がピギルーイを気遣ってくれてまして』
<あいつか?>
クライが見る方向にこちらを見つめる女性がいた。
グレモスの店の制服を来たホステスだ。
『いえ、彼女とは別の従業員です。呼んでいるようですので1度失礼します。今日は昨日のお礼をさせていただきますので存分に楽しんで行ってください。本当にありがとうございました』
『客足も少しずつ戻ってるみたいで良かったな』
『ありがとうございます。今回はピギルーイが担当につきますのでオーダーは彼にお願いします。では、また後ほど』
そう言ってグレモスは中へ入って行った。
リミルは何となくそれを目で追いながら、つい気になっていた視線の主を探してキョロキョロする。
『どうしました?』
「いや、今日はペルルーイは居ないのかと思って」
リミルはペルルーイの視線を気にしていた。
悪意や敵意などは感じなかったので会って確認しようと思っていたのだった。
『ペルルーイは今日は休みですね。たぶん上の自室にいると思うので呼ぼうと思えば呼べますが?』
『んー…いやまた今度にするよ。知り合いでもないのに休みの時間を貰うわけにいかないしな』
ギルレイが『優しいな』と頭を撫でてくれるが、リミルは考え事をしていて気づかない。
何かあったときにギルレイ達を巻き込まないためにも個人もしくはクライといる時に話しかけてみようと考えていたのだった。
『そうですか。明日の午前中ならここで仕事していると思いますが。伝言などあれば伝えておきましょうか?』
『別に何も言わなくて良い…あ、でも話しかけるかもしれない事だけ言っといてくれるか?急に話しかけると吃驚するかもしれないから』
快く了承したピギルーイにギルレイが早速コース内容を注文し始める。
ササッと決まってピギルーイがオーダーを伝えに行く。
暫くすると料理が運ばれて来て豪華さに驚きつつも三人は食べ終えた。
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