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第1章 変化の始まり
お風呂上がりの話し合い #5
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「俺はよく使う魔法詠唱者、刀剣士、拳闘士かな。ギルレイは?」
『俺も同じ様なもんだが、初めて剣で戦ったのが訓練所で対人だったからな、戦士が主力だ。後はよく使う攻撃系魔法詠唱者と鑑定士だな』
条件によって取得できる職業が異なり、似た系統のものでも一応条件さえ揃えば重ねて取得が可能だ。
「回復が苦手って言ってたよな?てことは支援系魔法詠唱者が伸びなくてまだ纏まってないのか?」
『そうだな。攻撃系と防御系は楽にレベル100になったんだがな。支援系があと少し何だが。早く職業改変したいよ』
魔法詠唱者は最初それぞれ攻撃系、防御系、支援系に別れており、それぞれをレベルMAXにすることによって職業改変が可能になり一つに纏まる。
「支援系は最後の方は確か重傷を治すとレベルが上がりやすかったと思う。それか特大範囲に支援魔法か」
『そうか!ありがとうな。試してみるよ』
そこでピロンッと頭の中で音が鳴る。
ステータスの更新音だ。
早速見ると職業欄に先導者というのが増えていた。
教えた事で出てきたのか考えていると声がかかる。
『どうした?』
「いや、今先導者というのが追加されたんだ」
『そうか。俺も取得してるが的確なアドバイスをした時に稀に手に入る職業のようだ』
「詳しい条件がまだ判明してないんだな。特にこれといって思い当たらないしな」
『ああ。もしかしたら状況ではなく所持してる職業とかかも知れないな。そういや運び屋のレベルについてまだ聞いてなかったな。さっきの事といいリミルはレベルの上げやすい条件を知ってるのか?』
確かにその線もあるなとか考えていたら誤解が生まれていた。
「知ってるって言うか自分で見つけたんだよ。試行錯誤して」
『そうか…頑張ったんだな。ありがとうな、教えてくれて』
頭を撫でてくれる手に照れながら、良いよそれくらい。とボソボソ言っていると突然ギルレイが『あ!』と大きな声を出して吃驚した。
『さっきの条件の話だが、俺も自分で試行錯誤して見つけた事を人に教えた時だった。先導者の職業が出たのは』
「なるほど!じゃあそれが条件かもね」
『ああ。他にもあるかも知れないが、条件の一つである可能性は高いな。それで気が向いたらで良いんだがペティに運び屋のレベルの上げ方を教えてやって欲しい』
自分で見つけ出した情報を簡単に渡すことは難しい。
特に一度会っただけの人にというのはとても戸惑う。
だが先導者のレベル上げにはおそらく効果的だろう。
効果があれば先程判明した条件が確定となる。
でも無かったとしたら?
情報を顔見知りにタダで渡した上レベルアップも無しなんてことになったら?
後悔…するだろうか。
(気が向いたら、ね…)
ギルレイはレベルアップの可能性にかけ、街のためにペティの運び屋レベルを上げたかった。
しかしこれは勝手な願いなので判断をリミルに任せることにした。
リミルが考え込んでいると『そう言えば』とギルレイが話を切り出した。
『クライのステータス隠蔽は前の種族からのものか?それとも人種と違って受け継がないのか?』
<前の種族のものだ。ステータス隠蔽で前の種族も隠していたからそう思ったんだろう?>
ここまでずっと話を聞いているだけで余計なことは言わないとでも言うようにずっと黙っていたクライが漸く口を開いた。
クライはギルレイのことは信頼しているがステータスをリミル以外に詳しく話す気は無いようで、あまり話に入らないようにしている。
『そうか。その辺は変わらないんだな』
「俺もギルレイのステータス見てみたいんだけど」
ギルレイは仲が良かったので勝手にステータスを見たことが無かった。
だからこそ普段見せている3つも知らなかったのだがそれはギルレイもらしい。
面と向かって頼むのが礼儀だし、その方が少し詳しい内容を見せて貰いやすいという事だ。
なのでこの際リミルも見せてもらおうと思った。
『ああ。俺もレベルや1部の職業は隠させてもらうな』
「もちろん」
リミルが間髪入れずそう答えると笑ってリミルの頭を撫でた後、ステータスを弄り始めた。
誰にでも隠したいステータスの1つや2つは有るもんだ。
いや、1つや2つでは収まらないほど沢山あるもんだ。
人に見せられない職業も称号も条件が揃うとステータスに乗ってしまうのだからステータス隠蔽が出来るレベルになるまでは大変だ。
『こんなもんか。良いぞ』
『俺も同じ様なもんだが、初めて剣で戦ったのが訓練所で対人だったからな、戦士が主力だ。後はよく使う攻撃系魔法詠唱者と鑑定士だな』
条件によって取得できる職業が異なり、似た系統のものでも一応条件さえ揃えば重ねて取得が可能だ。
「回復が苦手って言ってたよな?てことは支援系魔法詠唱者が伸びなくてまだ纏まってないのか?」
『そうだな。攻撃系と防御系は楽にレベル100になったんだがな。支援系があと少し何だが。早く職業改変したいよ』
魔法詠唱者は最初それぞれ攻撃系、防御系、支援系に別れており、それぞれをレベルMAXにすることによって職業改変が可能になり一つに纏まる。
「支援系は最後の方は確か重傷を治すとレベルが上がりやすかったと思う。それか特大範囲に支援魔法か」
『そうか!ありがとうな。試してみるよ』
そこでピロンッと頭の中で音が鳴る。
ステータスの更新音だ。
早速見ると職業欄に先導者というのが増えていた。
教えた事で出てきたのか考えていると声がかかる。
『どうした?』
「いや、今先導者というのが追加されたんだ」
『そうか。俺も取得してるが的確なアドバイスをした時に稀に手に入る職業のようだ』
「詳しい条件がまだ判明してないんだな。特にこれといって思い当たらないしな」
『ああ。もしかしたら状況ではなく所持してる職業とかかも知れないな。そういや運び屋のレベルについてまだ聞いてなかったな。さっきの事といいリミルはレベルの上げやすい条件を知ってるのか?』
確かにその線もあるなとか考えていたら誤解が生まれていた。
「知ってるって言うか自分で見つけたんだよ。試行錯誤して」
『そうか…頑張ったんだな。ありがとうな、教えてくれて』
頭を撫でてくれる手に照れながら、良いよそれくらい。とボソボソ言っていると突然ギルレイが『あ!』と大きな声を出して吃驚した。
『さっきの条件の話だが、俺も自分で試行錯誤して見つけた事を人に教えた時だった。先導者の職業が出たのは』
「なるほど!じゃあそれが条件かもね」
『ああ。他にもあるかも知れないが、条件の一つである可能性は高いな。それで気が向いたらで良いんだがペティに運び屋のレベルの上げ方を教えてやって欲しい』
自分で見つけ出した情報を簡単に渡すことは難しい。
特に一度会っただけの人にというのはとても戸惑う。
だが先導者のレベル上げにはおそらく効果的だろう。
効果があれば先程判明した条件が確定となる。
でも無かったとしたら?
情報を顔見知りにタダで渡した上レベルアップも無しなんてことになったら?
後悔…するだろうか。
(気が向いたら、ね…)
ギルレイはレベルアップの可能性にかけ、街のためにペティの運び屋レベルを上げたかった。
しかしこれは勝手な願いなので判断をリミルに任せることにした。
リミルが考え込んでいると『そう言えば』とギルレイが話を切り出した。
『クライのステータス隠蔽は前の種族からのものか?それとも人種と違って受け継がないのか?』
<前の種族のものだ。ステータス隠蔽で前の種族も隠していたからそう思ったんだろう?>
ここまでずっと話を聞いているだけで余計なことは言わないとでも言うようにずっと黙っていたクライが漸く口を開いた。
クライはギルレイのことは信頼しているがステータスをリミル以外に詳しく話す気は無いようで、あまり話に入らないようにしている。
『そうか。その辺は変わらないんだな』
「俺もギルレイのステータス見てみたいんだけど」
ギルレイは仲が良かったので勝手にステータスを見たことが無かった。
だからこそ普段見せている3つも知らなかったのだがそれはギルレイもらしい。
面と向かって頼むのが礼儀だし、その方が少し詳しい内容を見せて貰いやすいという事だ。
なのでこの際リミルも見せてもらおうと思った。
『ああ。俺もレベルや1部の職業は隠させてもらうな』
「もちろん」
リミルが間髪入れずそう答えると笑ってリミルの頭を撫でた後、ステータスを弄り始めた。
誰にでも隠したいステータスの1つや2つは有るもんだ。
いや、1つや2つでは収まらないほど沢山あるもんだ。
人に見せられない職業も称号も条件が揃うとステータスに乗ってしまうのだからステータス隠蔽が出来るレベルになるまでは大変だ。
『こんなもんか。良いぞ』
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