稀有ってホメてる?

紙吹雪

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第1章 変化の始まり

お風呂上がりの話し合い #4

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成人していない者は親の許可なく冒険者にはなれない。

例え親が許可を出したとしても、ギルドが危険だと判断すれば冒険者登録が出来ない。

「そうか…ギルレイは確か1127歳だったよな?今のレベルの上がり方と俺くらいの時のレベルの上がり方に違いってあったりするか?」

リミルは、ふと疑問に思った。

自分は物心着いた頃から生きるためにレベルを上げていた。
そうして今、ベテランと言われる人達と同じくらいの種族レベルになっている。

これはレベルの上がり方に違いがあるのでは?と。

『ん?歳をとると上がりにくくなるのか?いやでもレベルが上がるに連れて上がりにくくなるもんだろ?』

「んーまあ、そうなんだけどさ。高位の人達って結構オッサンが多いだろ?そう考えると俺は結構楽にレベル上がってる気がして。それにペティがなかなか上がらないって言ってただろ?」

若ければ誰でもレベルが上げやすいのか、子どもの期間が上げやすいのか。

詳しいことは分からないがリミルには重要な気がした。

『結構楽にって言うが、俺は成人してすぐレベルを上げ始めたが楽なのは最初だけだったぞ?ペティのは職業クラスレベルだからまた別だろ?』

「そうなのか?最初が楽なのは俺も変わらないがオッサン達と比べるとな…(やっぱ成人するまでの期間って重要なんじゃないか?)確かに職業クラスのレベル上げは種族レベルとは違うな」

リミルはとりあえず、【子どもの期間は重要】と頭の片隅にメモをする。

ただ、これがわかった所で特に何かに使える訳でもないのだが気になったので仕方ない。

『じゃあ今度は俺から。リミルのステータスを見せれる限りでいいから見せてくれないか?おそらく種族レベルは80越えだろ?隠蔽も使えるはずだ』

種族レベルが5の倍数になる度に能力が解放されたりするのだが、種族レベル75でステータスが隠蔽可能になる。

ღ80を越えているとギルレイが確信したのもリミルが使っていた能力によるものだ。

「使えるよ。んー(レベルを一応伏せて、見せても問題なさそうなやつだけにしようかな)、よし。こんなもんかな?」

見られて困るような職業クラスや称号を隠し、レベルを伏せて表示した。

話してしまった事に関係するものも隠す必要はない。

『見てもいいか?』

「良いよ」

『《鑑定アプレイザル》』

☆☆☆☆☆
*名前 リミル
*種族 魔人族
*性別 ♂(♂♀)
*契魔 クライ
*状態 普通
*職業 狩人ハンター魔法詠唱者マジックキャスター刀剣士スローター料理人シェフ拳闘士モンク運び屋キャリー妖術師ソーサラー
*称号 クライの家族、森の住人、ダンジョン攻略者、魔物の救い手、地下迷宮の主ダンジョンマスター愚か者フールダー、フェンリルの主
☆☆☆☆☆

『ほう…あれ?加工師か魔工師あったよな?あれは隠す必要ないだろ?』

毛皮を加工して着ていたので取得していないわけが無かった。

魔工師も魔導具が欲しくて作るために取得した。

取得はしたのだが。

「いや、向いてないから」

『そうか?良いもの作ってたと思うが…』

作れるには作れるし、完成した物はそれなりに良いものだ。

ただ、問題がある。

「失敗の方が多すぎて生産職は向いていないことに気がついた。今はたまに趣味で作る程度だ。それだとそんなに失敗しないんだけどな…使えるって言うのは恥ずかしいから隠してる。唯一、料理人は真面まともに使えるよ」

素材が無駄になっていく。
それで使えると言うのは恥ずかしい。

ただ、欲しいものがない時に自分で作るしかないので素材を多めに用意して趣味と称して遊んでいる。
何故か分からないがその時の方が失敗が少ない。
失敗自体はするけどな。

器用で集中力もあるリミルだが、真剣に作ると何故か失敗する。

『まあ、向き不向きはあるよな。俺も回復系の魔法は殆ど使えてねぇし、隠蔽系は特殊能力スキル頼りだ』

「隠蔽系は魔法より特殊能力スキルの方が使い勝手が良いしな」

隠蔽系は魔法詠唱者マジックキャスターの魔法よりは狩人ハンターなどの特殊能力スキルを使う方が楽で素早く、職業クラスレベルによっては強力だ。

『確かにな。それにしても、聞いてた話を思い出しながら見ていくとお前の過ごしてきた情景が浮かぶような職業や称号が並んでるな』

「並べ替えが出来たら良いんだけどな。取得した順だもんな」

『普段は隠してるんだろ?隠せない3つは何を選んでるんだ?』

取得した順に職業クラス欄に追加されていくのでステータスを見ればある程度の為人ひととなりや経歴なんかが分かったりする。
それをステータス隠蔽で隠す。
ただ、全てを隠すことは出来ず、最低でも3つは残るのでどれを残すか選ばなくてはならない。
つまりは人に見せるものを選ぶのだ。

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