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第1章 変化の始まり
オーバーフロー #1
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ギルレイ、リミル、クライ、ピギルーイの四人は早速店から出て通りを真っ直ぐ北へと向かう。
「魔物はもう街に近いのか?」
『ああ、もう既に1周目に入ってるらしい』
そもそもオーバーフローというのは、森や川や海や山や渓谷や砂漠、つまり平原以外の魔物が生まれる場所全般、若しくは各地にあるダンジョンなどのどこかで急激に魔物が大量発生する事を指す。
オーバーフローが起こる理由はいくつかあるが、この時生まれた魔物は悪質なモノが多く放置は出来ないため、近くの街が討伐に動く。
リンドの森でオーバーフローが起こればほぼ間違いなくイレアが標的にされるためその対策が施されている。
イレアの街を囲む防壁もその1つだ。
街の外周にある3つの防壁は外側から順に、外壁、中壁、内壁という。
ギルレイの言う1周目というのは、外壁と中壁の間にある幅5m程の道のことだ。
中壁と内壁の間にも幅5m程の道があり、こちらは2周目と言う。
そこが最終防衛ラインでもある。
3つの防壁の所々に塔があり、防壁部分には階段が、防壁上部には衛兵の常駐場所が、その屋上部には見張り台が設けられている。
防壁の上は全て通路になっていて、常駐場所がある塔も通り抜けられる造りだ。
普段は、常駐場所にいる衛兵がその通路を巡回したり、塔の屋上の見張り台から外を警戒していたりする。
衛兵は門にも駐在していてこちらは出入りを管理したり、門の開閉をしたりする。
魔物がこちらに向かってくるのを衛兵の誰かが見つけたら直ぐ様、全ての門を閉じ、ギルドに知らせ、駐在している衛兵は全員配置につく。
魔法系の職業を得意とする者達が外壁の上に並ぶ。
戦士系の職業を得意とする者達は中壁の上で1周目と2周目に別れて降りる準備をする。
内壁の上には様々な職業の者がいるが1番多いのは支援系を得意とする者達だ。
そして北以外の門の外にも6人ずつ他街から来るものが居た時のために護衛兼防壁内部への案内役として待機している。
全員が配置に付くと他の門に回ってしまわないよう、外壁の北門のみを開けて1周目へと誘導する。
そしてまだそこそこ遠くても外壁の上の者達が魔法で牽制攻撃を開始する。
それでも侵攻してくるようであれば魔法による範囲攻撃で数を減らし、抜けてくるようであれば1周目にて戦士系の者が倒していく。
その間にギルドからの応援で冒険者が到着すると言った寸法である。
応援が来ても間に合わないような大規模侵攻の場合は中壁の南門を開け、2周目に魔物を流し、2周目の上で待機している戦士系の者が投入される。
もちろんそこにも冒険者が応援で入る。
応援が到着したとき問題がなさそうであれば内壁の北門を開けて門から出るが、開けることが難しい状況であれば内壁の塔から上に登り、内壁上部の通路から塔に架けられた橋を渡って中壁上部の通路へ行き衛兵の戦士達のように1周目と2周目に別れて降りていく。
「そっか、ならこのまま走って行った方が近いな」
<そうだな。今森に行っても遅いだろう>
『ああ、なるほど転移か。イレアでのオーバーフローは基本、衛兵が魔物を発見してからの防衛戦、篭城戦が殆どだからな』
「そっか、街の人からすれば森の中は見えないもんな。街を守りながらかー」
<俺らの住処が特殊だったからな。ギルレイ、少し前に森の奥でオーバーフローが起きたことがあるの知ってるか?>
『…予兆はあった。でも街には現れ無かった』
<実際に起こった。森の中だけで片付いたけどな。俺とリミルで全部殺ったから森の外に出なかっただけだ>
『そうか…やはりあの時あったのか』
『え?二人でって…出来るもんなんですか?』
『そうだな…ギルド管理者なら5万以上の大侵攻でも二人での殲滅は可能だろう。高位冒険者だと全員は無理だが内3割程が5万以内なら二人でも殲滅出来るかもな。魔物の強さや数、街を守りながらとかの条件によって変わってくるだろうが』
『そうなんですね…じゃあリミルさんって冒険者の中でもとても強い人だったんですね』
「そうなの?」
<そうだろ。話聞いてたか?>
「あんまり。内壁の北門が開けられて冒険者が出て行くのが見えたから」
『1周目への増援か、若しくは既に2周目に入ってるのか』
『2周目に入ってたら内壁の北門は閉めないとじゃないですか?』
『そうとも限らねぇ。まだ2周目に入って直ぐなら…それかたぶん、俺が行くって言ってあるから俺が行くまでは開けっ放しだ』
「さっすがギルマス!ギルレイが行くならって、信頼されてんね!」
『そうだな…つうかそれ言いたいだけだろ』
『ギルマス…ギルドマスターの事ですか…』
「それより、ピギルーイの汚名返上の為には街の人に戦ってる姿を見てもらった方が良いよな?」
『ならこのまま開けっ放しで大通りの門に近い場所で戦うか?』
「魔物はもう街に近いのか?」
『ああ、もう既に1周目に入ってるらしい』
そもそもオーバーフローというのは、森や川や海や山や渓谷や砂漠、つまり平原以外の魔物が生まれる場所全般、若しくは各地にあるダンジョンなどのどこかで急激に魔物が大量発生する事を指す。
オーバーフローが起こる理由はいくつかあるが、この時生まれた魔物は悪質なモノが多く放置は出来ないため、近くの街が討伐に動く。
リンドの森でオーバーフローが起こればほぼ間違いなくイレアが標的にされるためその対策が施されている。
イレアの街を囲む防壁もその1つだ。
街の外周にある3つの防壁は外側から順に、外壁、中壁、内壁という。
ギルレイの言う1周目というのは、外壁と中壁の間にある幅5m程の道のことだ。
中壁と内壁の間にも幅5m程の道があり、こちらは2周目と言う。
そこが最終防衛ラインでもある。
3つの防壁の所々に塔があり、防壁部分には階段が、防壁上部には衛兵の常駐場所が、その屋上部には見張り台が設けられている。
防壁の上は全て通路になっていて、常駐場所がある塔も通り抜けられる造りだ。
普段は、常駐場所にいる衛兵がその通路を巡回したり、塔の屋上の見張り台から外を警戒していたりする。
衛兵は門にも駐在していてこちらは出入りを管理したり、門の開閉をしたりする。
魔物がこちらに向かってくるのを衛兵の誰かが見つけたら直ぐ様、全ての門を閉じ、ギルドに知らせ、駐在している衛兵は全員配置につく。
魔法系の職業を得意とする者達が外壁の上に並ぶ。
戦士系の職業を得意とする者達は中壁の上で1周目と2周目に別れて降りる準備をする。
内壁の上には様々な職業の者がいるが1番多いのは支援系を得意とする者達だ。
そして北以外の門の外にも6人ずつ他街から来るものが居た時のために護衛兼防壁内部への案内役として待機している。
全員が配置に付くと他の門に回ってしまわないよう、外壁の北門のみを開けて1周目へと誘導する。
そしてまだそこそこ遠くても外壁の上の者達が魔法で牽制攻撃を開始する。
それでも侵攻してくるようであれば魔法による範囲攻撃で数を減らし、抜けてくるようであれば1周目にて戦士系の者が倒していく。
その間にギルドからの応援で冒険者が到着すると言った寸法である。
応援が来ても間に合わないような大規模侵攻の場合は中壁の南門を開け、2周目に魔物を流し、2周目の上で待機している戦士系の者が投入される。
もちろんそこにも冒険者が応援で入る。
応援が到着したとき問題がなさそうであれば内壁の北門を開けて門から出るが、開けることが難しい状況であれば内壁の塔から上に登り、内壁上部の通路から塔に架けられた橋を渡って中壁上部の通路へ行き衛兵の戦士達のように1周目と2周目に別れて降りていく。
「そっか、ならこのまま走って行った方が近いな」
<そうだな。今森に行っても遅いだろう>
『ああ、なるほど転移か。イレアでのオーバーフローは基本、衛兵が魔物を発見してからの防衛戦、篭城戦が殆どだからな』
「そっか、街の人からすれば森の中は見えないもんな。街を守りながらかー」
<俺らの住処が特殊だったからな。ギルレイ、少し前に森の奥でオーバーフローが起きたことがあるの知ってるか?>
『…予兆はあった。でも街には現れ無かった』
<実際に起こった。森の中だけで片付いたけどな。俺とリミルで全部殺ったから森の外に出なかっただけだ>
『そうか…やはりあの時あったのか』
『え?二人でって…出来るもんなんですか?』
『そうだな…ギルド管理者なら5万以上の大侵攻でも二人での殲滅は可能だろう。高位冒険者だと全員は無理だが内3割程が5万以内なら二人でも殲滅出来るかもな。魔物の強さや数、街を守りながらとかの条件によって変わってくるだろうが』
『そうなんですね…じゃあリミルさんって冒険者の中でもとても強い人だったんですね』
「そうなの?」
<そうだろ。話聞いてたか?>
「あんまり。内壁の北門が開けられて冒険者が出て行くのが見えたから」
『1周目への増援か、若しくは既に2周目に入ってるのか』
『2周目に入ってたら内壁の北門は閉めないとじゃないですか?』
『そうとも限らねぇ。まだ2周目に入って直ぐなら…それかたぶん、俺が行くって言ってあるから俺が行くまでは開けっ放しだ』
「さっすがギルマス!ギルレイが行くならって、信頼されてんね!」
『そうだな…つうかそれ言いたいだけだろ』
『ギルマス…ギルドマスターの事ですか…』
「それより、ピギルーイの汚名返上の為には街の人に戦ってる姿を見てもらった方が良いよな?」
『ならこのまま開けっ放しで大通りの門に近い場所で戦うか?』
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