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第1章 変化の始まり
生活の変化 #6
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「扉だらけの部屋だね」
『扉の数だけだとリビングと変わらないがここは書斎だからな。小さめに作っている。だからそう思うんだろ』
リミルの頭に手を置き、ギルレイは優しげにフッと笑った。頭に置かれた手が暖かいのか気持ち良さげだ。
「こっちは廊下だろ?そっちの扉は?」
『そこは俺の寝室だ。どうぞ』
ガチャっと奥の扉を引き開ける。
そこはダイニングより少し広い部屋で、外側の壁面中央に枕が壁に向いている大きなベッドがあり、それより手前に大きな姿見。その足元に小さめの円形の毛氈が敷かれ、書斎側の壁側にクローゼットが置かれている。ベッドの奥には周囲に程よく空間をとった位置に大きいサイズのカウチが中央に向いて置いてあり、小さめの円形のテーブルがカウチのそばに置かれている。ベッドの向こう側の枕元に小さめのキャビネットがちょこんと立っていて可愛らしい。廊下側の壁面奥には扉がある。
「雰囲気いい!落ち着いてて、大人っぽい!カッコイイ」
(キャビネットだけは可愛いけど!キャビネットは真似しよ!あとはハードル高い…)
<俺も好きだな、いい部屋だ>
(だよな~。クライも俺も他を知らないけどギルレイの寝室とリビングは好きだもんな!書斎は落ち着かない。狭いの苦手かな?森で暮らしてたから)
『趣味が合ったみたいで良かった。じゃあ今度は二人の部屋な』
(待ってましたー!いや、まだ早いか…)
<広さ見て家具の配置考えて買いに行くんだよな?>
『そうだ。二人で話し合って決めろよ?』
(趣味が合うから大丈夫だろ…たぶん!)
書斎から廊下へ出てすぐ横にある階段を廊下を左手に見ながら上がる。2階の廊下には階段を囲むように胸の辺りまでの壁がある。手すりのようなものか。
上がった先は少し広く、正面はバルコニーになっていて、先程通った庭と門が見渡せる。廊下や階段の配置は1階と同じ造りになっている。そのため、上がって右側は階段を避けるように廊下と接しているので、ちょうど書斎や応接間と同じ位置に扉がある。階段を上がって左側に廊下があり、廊下に面する壁に扉が二つある。廊下の奥にもこれまた1階と同じように扉があった。
『奥の扉は1階と同じで手洗いだ。二人の部屋は上がって左側すぐの扉。リビングの上だな。キッチンの上にあたる部屋は図書部屋だ。好きに読んで良いぞ。それから、応接間の上は倉庫にしているから必要なものがあれば使ってくれ。ちなみに、俺の部屋の上はアンリの部屋だったところだ。みるか?』
ギルレイが指を指しながら説明する。
「アンリの…見る!」
<俺は会ったことない人だがリミルの恩人だろ?見ておきたい。良いか?>
『ああ、来いよ』
(穏やかな顔だし、もう何年も前だもんな、昇華出来たのかな。俺も少し寂しいときはあるけど悲しんでたら怒られそうだもんな!)
ガチャっ
「わぁー、可愛い!でも爽やかで落ち着いてて好きな雰囲気だ!」
<爽やかで清潔感があって良いな!リルの花を思い出すな>
(リルの花?)
『そうか、それを聞いたらアンリも喜ぶだろうな…リルの花、好きだったんだ』
「何それ!どんな花?」
『奥の机に飾ってある花だ』
そう言ってギルレイは机まで行きガラスの器を持って戻ってきた。
『これがリルの花だ』
(めっちゃ可愛い…白い花弁が鈴みたいな形で固まっていて、中に種が1つ入っている。一つ手にとって振ってみると、リルリルっと音がなる。それが幾つも入っていて花束みたいだ)
「めっちゃ可愛い!これって枯れちゃうのか?」
『いや、これは魔法で加工してあるからな。枯れないしずっとそのままだ。結婚した時にアンリにあげた物なんだが、ずっと大事にしてくれてたんだ。だから何百年かはずっとそのままだったってことだな。気に入ったならリミルの部屋に置いてやってくれ。ここだと俺がたまに見に来るくらいだからな。その方がアンリも喜ぶだろ』
「良いのか?じゃあ大事に飾るな!」
<良かったな!俺もリルの花は好きだからいつでも見られるのは嬉しい>
(アンリも喜んでるといいな…)
『それじゃ、二人の部屋覗いたら街に行こう』
「そうだ!まだ見てないじゃん!」
そう言ってアンリの部屋を出る。
<何となくの方向性は決まったからあとは広さの確認とそれに合った家具を買うだけだ!>
「そうだな!」
『喧嘩だけはするなよ?』
ギルレイは疑いの眼差しだ。
<何となく考えてることが分かるんだ。だから問題ない>
「細かなズレは話し合って決めるし大丈夫だ」
『そうか』
そう言いながら扉を引き、開けてくれる。
<おお、結構広いな!>
「ホントだ!」
下の階のキッチン無しくらいの広さはある。
『それじゃ、買い物行こうか』
「行こう!」
<行くぞ!>
『扉の数だけだとリビングと変わらないがここは書斎だからな。小さめに作っている。だからそう思うんだろ』
リミルの頭に手を置き、ギルレイは優しげにフッと笑った。頭に置かれた手が暖かいのか気持ち良さげだ。
「こっちは廊下だろ?そっちの扉は?」
『そこは俺の寝室だ。どうぞ』
ガチャっと奥の扉を引き開ける。
そこはダイニングより少し広い部屋で、外側の壁面中央に枕が壁に向いている大きなベッドがあり、それより手前に大きな姿見。その足元に小さめの円形の毛氈が敷かれ、書斎側の壁側にクローゼットが置かれている。ベッドの奥には周囲に程よく空間をとった位置に大きいサイズのカウチが中央に向いて置いてあり、小さめの円形のテーブルがカウチのそばに置かれている。ベッドの向こう側の枕元に小さめのキャビネットがちょこんと立っていて可愛らしい。廊下側の壁面奥には扉がある。
「雰囲気いい!落ち着いてて、大人っぽい!カッコイイ」
(キャビネットだけは可愛いけど!キャビネットは真似しよ!あとはハードル高い…)
<俺も好きだな、いい部屋だ>
(だよな~。クライも俺も他を知らないけどギルレイの寝室とリビングは好きだもんな!書斎は落ち着かない。狭いの苦手かな?森で暮らしてたから)
『趣味が合ったみたいで良かった。じゃあ今度は二人の部屋な』
(待ってましたー!いや、まだ早いか…)
<広さ見て家具の配置考えて買いに行くんだよな?>
『そうだ。二人で話し合って決めろよ?』
(趣味が合うから大丈夫だろ…たぶん!)
書斎から廊下へ出てすぐ横にある階段を廊下を左手に見ながら上がる。2階の廊下には階段を囲むように胸の辺りまでの壁がある。手すりのようなものか。
上がった先は少し広く、正面はバルコニーになっていて、先程通った庭と門が見渡せる。廊下や階段の配置は1階と同じ造りになっている。そのため、上がって右側は階段を避けるように廊下と接しているので、ちょうど書斎や応接間と同じ位置に扉がある。階段を上がって左側に廊下があり、廊下に面する壁に扉が二つある。廊下の奥にもこれまた1階と同じように扉があった。
『奥の扉は1階と同じで手洗いだ。二人の部屋は上がって左側すぐの扉。リビングの上だな。キッチンの上にあたる部屋は図書部屋だ。好きに読んで良いぞ。それから、応接間の上は倉庫にしているから必要なものがあれば使ってくれ。ちなみに、俺の部屋の上はアンリの部屋だったところだ。みるか?』
ギルレイが指を指しながら説明する。
「アンリの…見る!」
<俺は会ったことない人だがリミルの恩人だろ?見ておきたい。良いか?>
『ああ、来いよ』
(穏やかな顔だし、もう何年も前だもんな、昇華出来たのかな。俺も少し寂しいときはあるけど悲しんでたら怒られそうだもんな!)
ガチャっ
「わぁー、可愛い!でも爽やかで落ち着いてて好きな雰囲気だ!」
<爽やかで清潔感があって良いな!リルの花を思い出すな>
(リルの花?)
『そうか、それを聞いたらアンリも喜ぶだろうな…リルの花、好きだったんだ』
「何それ!どんな花?」
『奥の机に飾ってある花だ』
そう言ってギルレイは机まで行きガラスの器を持って戻ってきた。
『これがリルの花だ』
(めっちゃ可愛い…白い花弁が鈴みたいな形で固まっていて、中に種が1つ入っている。一つ手にとって振ってみると、リルリルっと音がなる。それが幾つも入っていて花束みたいだ)
「めっちゃ可愛い!これって枯れちゃうのか?」
『いや、これは魔法で加工してあるからな。枯れないしずっとそのままだ。結婚した時にアンリにあげた物なんだが、ずっと大事にしてくれてたんだ。だから何百年かはずっとそのままだったってことだな。気に入ったならリミルの部屋に置いてやってくれ。ここだと俺がたまに見に来るくらいだからな。その方がアンリも喜ぶだろ』
「良いのか?じゃあ大事に飾るな!」
<良かったな!俺もリルの花は好きだからいつでも見られるのは嬉しい>
(アンリも喜んでるといいな…)
『それじゃ、二人の部屋覗いたら街に行こう』
「そうだ!まだ見てないじゃん!」
そう言ってアンリの部屋を出る。
<何となくの方向性は決まったからあとは広さの確認とそれに合った家具を買うだけだ!>
「そうだな!」
『喧嘩だけはするなよ?』
ギルレイは疑いの眼差しだ。
<何となく考えてることが分かるんだ。だから問題ない>
「細かなズレは話し合って決めるし大丈夫だ」
『そうか』
そう言いながら扉を引き、開けてくれる。
<おお、結構広いな!>
「ホントだ!」
下の階のキッチン無しくらいの広さはある。
『それじゃ、買い物行こうか』
「行こう!」
<行くぞ!>
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