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本編
第70話
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「おお、来たか」
ペットボトルの蓋を締めながらムナカタが立ち上がりヤヒロとアキラを迎える。
「すんません。遅くなりました」
ヤヒロが頭を下げると、ムナカタはゆるくかぶりを振った。そしてメンバーと――アコの方に振り向いた。
「では、すこし話をさせてもらっていいかな」
タビトは無意識にアコを見た。彼女はなにも知らないはずだが、悪い予感がするのか表情を硬くしている。
「今日はナウラオルカの仕事を見させてもらうために来た。ランが外されて、新人が入ると聞いてな」
ムナカタの視線がアコを鋭く射貫く。
「ヘアメイクはウル・ラドの魅力を引き出すために欠かせないものだ。だからこそ一流のメンバーを揃えてもらおうと、私はナウラオルカに多額のカネを払ってきた。しかしどうだ……我々のあずかり知らぬところで経験も技術力も足りないスタッフがメイクを担当し、まったく専門知識のない新人をつけられているというじゃないか。これを聞いたらさすがに心配になってね……こうして現状を確認しに来たというわけだ」
「――これは……タキトウの独断です。私がなんとかしますから、どうかもうすこし時間をください!」
「あの男の暴走を止められなかった君にいったいなにができると言うんだ?」
冷たい声が彼女の喉を塞いだ。
「彼らを見てみろ」彼はアコを威圧するように見つめたままタビトたちを手のひらで示し、「よくもこんなメイクでカメラの前に送り出すことができたな。みっともなく白浮きした顔が全国放送されるかと思うと、撮り直しを頼みたいくらいだよ。髪型も衣装に合っていないし、なんだこのザマは」
落ち着いた声だが、ムナカタの心中は怒りに満たされている。
ここまで未熟な人材が充てられているとなれば、ナウラオルカに軽視されているのは明らかだ。彼はストルムグループ会長の孫娘ミツキの影を脳裏に浮かべ胸の奥で悪態を吐いた。すべてはあの小娘が招いた厄災だ。貴重な戦力をライバルに奪われただけでなく、こんな貧乏くじを引くことになろうとは。
「――トーク番組収録、雑誌の写真撮影、ライブ……ランは現場に合わせてメイクをしていると言っていた。衣装との親和性はもちろん、照明の明るさや色、野外会場ならば天候まで考慮して手法を変えていると」
ムナカタの言葉を聞きながら、アコは心臓を冷たい手で握られているかのような気持ちになる。ランを失い、ひとりで背負わなければならなくなった責任が彼女の肩に容赦なくのしかかってきた。
「ランとハスタニの技術力に差があることは一目瞭然だ。ハスタニは助手としては有能かもしれないが、こうして見ると秀でた能力があるとはとても思えない。もっと言えば素人の域を出ないということだ。彼女の下についた新人もタビトについて回るばかりでまったく仕事をしていなかったようだし、チームとして破綻してしまっているじゃないか」
「新人のことは……申し訳ありません。もうすこしハスタニと新人とのあいだに信頼関係ができていたらこんなことには……」
「アコ」彼女の言葉を遮って首を横に振る。「スタイリストの君にヘアメイクアーティストの技量についてあれこれ言っても仕方がないことはわかっているよ。だがグループ全体の責任は統括リーダーとしての君にある。チームが危機に陥ったときこそ的確な判断力と柔軟性な思考を以て現場の陣頭指揮を執らねばならなかったな」
厳しく突きつけられ、アコは言葉もない。
「君のチームに対する信頼は消え失せた。現状、我々との関係の修復は不可能だ」
「待ってください社長!」
声をあげたのはタビトだった。しかしムナカタはそれ以上の発言を許さない。「もう決まったことだ」タビトを睨み据えると強い口調でそう告げて、アコをまっすぐに見つめる。
「――はっきり言おう。ナウラオルカとの契約は本日限りで打ち切らせてもらう」
今日は現場を視察しに来ただけで、アコに直接この言葉を伝えるつもりはなかった。本来の計画では、ナウラオルカの常務取締役であるタキトウに契約解消を求めてから、彼女と膝を突き合わせて話をするつもりだったのだ。
このような終わらせ方をすればアコたちとウル・ラドのメンバーのあいだに深い亀裂が入ってしまうだろうことはわかっている。ムナカタはそれを望んではいなかった。だが――現在の状況を目にしてみれば、そんな感傷など些末なものだ。
ナウラオルカにコケにされていることももちろんだが、アコの短慮な部分――仲間を買いかぶりすぎることや見通しの甘さに対しても憤懣やるかたない。ミツキ加入によりここまで壊れてしまったチームにウル・ラドを委ねるのは、一日たりとも我慢ならなかった。
「ランがいる君のチームはまさしく最高だった。君たちのような人材をこちらに派遣してくれていたナウラオルカを頼りにしてきたが……非常に残念だ。著しくパワーダウンしたチームに、うちの主力は任せられん」
「そんな……」わななく声を漏らした次の瞬間、アコは激しい哀しみと怒りに突き動かされ叫んだ。「私たちとの関係を切って、どうするつもりだよ!他にあてなんかないだろ!」
「もう他社に専属依頼をすることはない。これから先は自社で新たにスタイリストとヘアメイクの新部署を立ち上げてウル・ラドのサポートをしていく」
あまりの衝撃と言葉の重さに絶句した彼女を前に、ムカナタは残酷にも言葉を続ける。
「これまで熱心にウル・ラドを支えてくれた君には感謝している。長らく世話になったな……ありがとう」
アコは長いまつげに縁どられた目を見開いたまま立ち竦んでいたが、アキラの方にゆっくりと視線を動かして声を絞り出す。
「あんたたちはこれでいいの?……こんな終わり方で……」
「わかりきったことを聞くな」アキラが答えるより先に、ムナカタが言う。「お互い辛くなるだけだ」
「――どうして……」
アコは崩れるように椅子に座り込み、息を呑んだまま膝の上の拳を固く握りしめた。
「いったいどうやって人材を確保するつもり?今はどこもスタッフが足りてない状態なんだよ?美容に関する事業の実績もない企業が、即戦力になるヤツを引き抜くなんてとても無理だよムナカタさん。だから考え直してほしい。ランの後継だってあと少し時間をくれれば……」
「“篠ノ丸”のキリヨシさんを知っているか?」
ムナカタが訊ねると、彼女は気圧されたように押し黙ったのち細い声で返す。
「――もちろん。篠ノ丸が主催する講演会に毎年参加してるし、代表とも話したことあるけど」
「うちと篠ノ丸は先代からの付き合いでね。新部署を立ち上げるにあたって会長のキリヨシさんにスタッフを融通してもらおうと考えている。なかなか難しい交渉になるだろうが、なんとか頼みこんでみるつもりだ。もしうまくいけば、かつての君たちに匹敵するチームを作ることができるだろう」
そんなにうまくいくわけがないと、アコは思った。だが、まだ決まっていないにも関わらずここまで詳細に話すということは、すでに“それは可能である”と確信しているのかもしれない。恐らくそれだけ篠ノ丸との関係が深いのだ。
篠ノ丸のキリヨシといえば、美容業界で知らない者はいないほどの有名人である。アコはスタイリストであるが、ファッションとメイクは切っても切れない関係だ――ゆえに彼女は業界におけるキリヨシの功績をよく知っていた。
都内にて多くのサロンやエステを開業するだけでなく、美容理容の専門学校も創立して人材育成のために貢献することを惜しまない、業界の立役者。事業や学校の運営に力を入れ、海外のモデルたちを担当するメイクアップアーティストやスタイリストを招いた講演会も頻繁に開催している。
彼は常に新しいものを取り入れて業界内を騒がせ、話題に事欠かなかった。現役の時から雲の上の存在としての扱いだったが、表舞台から退いてからますます神格化されたといっていいだろう。
後継として彼の甥が選ばれ跡を継ぐことが決まったときに篠ノ丸は終わりだと噂されたが、その勢いは衰えることはなかった。現社長はキリヨシの意志をしっかり受け継ぎ、会社は歩みをとめず進化し続けている。そこから有能な人材を引っ張って部署を立ち上げることができるかもしれないとみれば、現状から大きく舵取りをするのは当然だ。もし自分がムナカタの立場ならば同じくそうする――アコは唇を噛んで俯いた。
「私の話は以上だ。近日中にオクモリ社長とタキトウ常務に会う予定だが、今の話を通しておいてもらえると助かる」
ホズミがムナカタのコートを取り彼の肩に掛ける。袖に腕を通すと、アコの返事を待たず踵を返した。
彼が去った空間で、アコは黙ったまま呆然と宙を見つめていた。彼女があまりにも悲痛な顔をしているので、タビトはたまらず声を掛ける。
「アコ……」
「ほっといて。ひとりにして」
小さく掠れた声で言い残すと、アコは楽屋から出て行ってしまった。
ペットボトルの蓋を締めながらムナカタが立ち上がりヤヒロとアキラを迎える。
「すんません。遅くなりました」
ヤヒロが頭を下げると、ムナカタはゆるくかぶりを振った。そしてメンバーと――アコの方に振り向いた。
「では、すこし話をさせてもらっていいかな」
タビトは無意識にアコを見た。彼女はなにも知らないはずだが、悪い予感がするのか表情を硬くしている。
「今日はナウラオルカの仕事を見させてもらうために来た。ランが外されて、新人が入ると聞いてな」
ムナカタの視線がアコを鋭く射貫く。
「ヘアメイクはウル・ラドの魅力を引き出すために欠かせないものだ。だからこそ一流のメンバーを揃えてもらおうと、私はナウラオルカに多額のカネを払ってきた。しかしどうだ……我々のあずかり知らぬところで経験も技術力も足りないスタッフがメイクを担当し、まったく専門知識のない新人をつけられているというじゃないか。これを聞いたらさすがに心配になってね……こうして現状を確認しに来たというわけだ」
「――これは……タキトウの独断です。私がなんとかしますから、どうかもうすこし時間をください!」
「あの男の暴走を止められなかった君にいったいなにができると言うんだ?」
冷たい声が彼女の喉を塞いだ。
「彼らを見てみろ」彼はアコを威圧するように見つめたままタビトたちを手のひらで示し、「よくもこんなメイクでカメラの前に送り出すことができたな。みっともなく白浮きした顔が全国放送されるかと思うと、撮り直しを頼みたいくらいだよ。髪型も衣装に合っていないし、なんだこのザマは」
落ち着いた声だが、ムナカタの心中は怒りに満たされている。
ここまで未熟な人材が充てられているとなれば、ナウラオルカに軽視されているのは明らかだ。彼はストルムグループ会長の孫娘ミツキの影を脳裏に浮かべ胸の奥で悪態を吐いた。すべてはあの小娘が招いた厄災だ。貴重な戦力をライバルに奪われただけでなく、こんな貧乏くじを引くことになろうとは。
「――トーク番組収録、雑誌の写真撮影、ライブ……ランは現場に合わせてメイクをしていると言っていた。衣装との親和性はもちろん、照明の明るさや色、野外会場ならば天候まで考慮して手法を変えていると」
ムナカタの言葉を聞きながら、アコは心臓を冷たい手で握られているかのような気持ちになる。ランを失い、ひとりで背負わなければならなくなった責任が彼女の肩に容赦なくのしかかってきた。
「ランとハスタニの技術力に差があることは一目瞭然だ。ハスタニは助手としては有能かもしれないが、こうして見ると秀でた能力があるとはとても思えない。もっと言えば素人の域を出ないということだ。彼女の下についた新人もタビトについて回るばかりでまったく仕事をしていなかったようだし、チームとして破綻してしまっているじゃないか」
「新人のことは……申し訳ありません。もうすこしハスタニと新人とのあいだに信頼関係ができていたらこんなことには……」
「アコ」彼女の言葉を遮って首を横に振る。「スタイリストの君にヘアメイクアーティストの技量についてあれこれ言っても仕方がないことはわかっているよ。だがグループ全体の責任は統括リーダーとしての君にある。チームが危機に陥ったときこそ的確な判断力と柔軟性な思考を以て現場の陣頭指揮を執らねばならなかったな」
厳しく突きつけられ、アコは言葉もない。
「君のチームに対する信頼は消え失せた。現状、我々との関係の修復は不可能だ」
「待ってください社長!」
声をあげたのはタビトだった。しかしムナカタはそれ以上の発言を許さない。「もう決まったことだ」タビトを睨み据えると強い口調でそう告げて、アコをまっすぐに見つめる。
「――はっきり言おう。ナウラオルカとの契約は本日限りで打ち切らせてもらう」
今日は現場を視察しに来ただけで、アコに直接この言葉を伝えるつもりはなかった。本来の計画では、ナウラオルカの常務取締役であるタキトウに契約解消を求めてから、彼女と膝を突き合わせて話をするつもりだったのだ。
このような終わらせ方をすればアコたちとウル・ラドのメンバーのあいだに深い亀裂が入ってしまうだろうことはわかっている。ムナカタはそれを望んではいなかった。だが――現在の状況を目にしてみれば、そんな感傷など些末なものだ。
ナウラオルカにコケにされていることももちろんだが、アコの短慮な部分――仲間を買いかぶりすぎることや見通しの甘さに対しても憤懣やるかたない。ミツキ加入によりここまで壊れてしまったチームにウル・ラドを委ねるのは、一日たりとも我慢ならなかった。
「ランがいる君のチームはまさしく最高だった。君たちのような人材をこちらに派遣してくれていたナウラオルカを頼りにしてきたが……非常に残念だ。著しくパワーダウンしたチームに、うちの主力は任せられん」
「そんな……」わななく声を漏らした次の瞬間、アコは激しい哀しみと怒りに突き動かされ叫んだ。「私たちとの関係を切って、どうするつもりだよ!他にあてなんかないだろ!」
「もう他社に専属依頼をすることはない。これから先は自社で新たにスタイリストとヘアメイクの新部署を立ち上げてウル・ラドのサポートをしていく」
あまりの衝撃と言葉の重さに絶句した彼女を前に、ムカナタは残酷にも言葉を続ける。
「これまで熱心にウル・ラドを支えてくれた君には感謝している。長らく世話になったな……ありがとう」
アコは長いまつげに縁どられた目を見開いたまま立ち竦んでいたが、アキラの方にゆっくりと視線を動かして声を絞り出す。
「あんたたちはこれでいいの?……こんな終わり方で……」
「わかりきったことを聞くな」アキラが答えるより先に、ムナカタが言う。「お互い辛くなるだけだ」
「――どうして……」
アコは崩れるように椅子に座り込み、息を呑んだまま膝の上の拳を固く握りしめた。
「いったいどうやって人材を確保するつもり?今はどこもスタッフが足りてない状態なんだよ?美容に関する事業の実績もない企業が、即戦力になるヤツを引き抜くなんてとても無理だよムナカタさん。だから考え直してほしい。ランの後継だってあと少し時間をくれれば……」
「“篠ノ丸”のキリヨシさんを知っているか?」
ムナカタが訊ねると、彼女は気圧されたように押し黙ったのち細い声で返す。
「――もちろん。篠ノ丸が主催する講演会に毎年参加してるし、代表とも話したことあるけど」
「うちと篠ノ丸は先代からの付き合いでね。新部署を立ち上げるにあたって会長のキリヨシさんにスタッフを融通してもらおうと考えている。なかなか難しい交渉になるだろうが、なんとか頼みこんでみるつもりだ。もしうまくいけば、かつての君たちに匹敵するチームを作ることができるだろう」
そんなにうまくいくわけがないと、アコは思った。だが、まだ決まっていないにも関わらずここまで詳細に話すということは、すでに“それは可能である”と確信しているのかもしれない。恐らくそれだけ篠ノ丸との関係が深いのだ。
篠ノ丸のキリヨシといえば、美容業界で知らない者はいないほどの有名人である。アコはスタイリストであるが、ファッションとメイクは切っても切れない関係だ――ゆえに彼女は業界におけるキリヨシの功績をよく知っていた。
都内にて多くのサロンやエステを開業するだけでなく、美容理容の専門学校も創立して人材育成のために貢献することを惜しまない、業界の立役者。事業や学校の運営に力を入れ、海外のモデルたちを担当するメイクアップアーティストやスタイリストを招いた講演会も頻繁に開催している。
彼は常に新しいものを取り入れて業界内を騒がせ、話題に事欠かなかった。現役の時から雲の上の存在としての扱いだったが、表舞台から退いてからますます神格化されたといっていいだろう。
後継として彼の甥が選ばれ跡を継ぐことが決まったときに篠ノ丸は終わりだと噂されたが、その勢いは衰えることはなかった。現社長はキリヨシの意志をしっかり受け継ぎ、会社は歩みをとめず進化し続けている。そこから有能な人材を引っ張って部署を立ち上げることができるかもしれないとみれば、現状から大きく舵取りをするのは当然だ。もし自分がムナカタの立場ならば同じくそうする――アコは唇を噛んで俯いた。
「私の話は以上だ。近日中にオクモリ社長とタキトウ常務に会う予定だが、今の話を通しておいてもらえると助かる」
ホズミがムナカタのコートを取り彼の肩に掛ける。袖に腕を通すと、アコの返事を待たず踵を返した。
彼が去った空間で、アコは黙ったまま呆然と宙を見つめていた。彼女があまりにも悲痛な顔をしているので、タビトはたまらず声を掛ける。
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