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本編
第30話
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彼は呆然とした顔のままフラフラとスマホに近づくと、誰からの着信か確認することもなく通話ボタンをタップする。
「タビト?」
耳に流れ込んできたのは、ホズミの声だ。
「電話に出られなくてごめんな」
「大丈夫。俺の方こそ忙しいのにごめん」
タビトは首を横に振り、意識的に明るく応える。
「もう那南城さんは来たか?」
「うん……」
「さっき、労基署の指導が入った件とスケジュール変更についての文書を那南城さん宛てにメールで送っておいた。よろしく伝えておいてくれ」
「――わかった」
「うちの会社がやらかしたことで迷惑かけてすまん」神妙な口調で言い、かすかに嘆息をもらす。「……ところで今夜の予定は?」
「特になにもないよ」
「じゃあ、久しぶりに一緒に夕食でもどうだ」
「アキラたちも来るの?」
「いや、断られた。ふたりだけじゃつまらないなら誰か連れて来いよ。友達とか」
脳裏に一瞬、チカルの姿が浮かんだが、すぐに打ち消した。彼は目元を冷たい手のひらで覆いつつ、重い気持ちのまま口を開く。
「ふたりで食べよ。静かに食べたい気分だから」
「そうか。ならそうしよう。実はもう近くまで来てるんだ。カフェで飲み物買ってから迎えに行く」
通話を終えた彼はドライルームの扉に目をやる。ホズミからの伝言と、出掛けることを伝える……たったこれだけのことなのに心臓が早鐘を打っている。
――本来の自分なら、もっと早くチカルと打ち解けられているはずだ。
職業柄様々な人々と交流してきたし、彼女のように物静かで人見知りな性格の人間などめずらしくもない。これまでも、控え目な彼ら彼女らと多くの仕事に取り組み、そして成功させてきた。近すぎず遠すぎない適度な距離感……寡黙で真面目な人間との関わり合いは、タビトにとって心地よいものだ。小さなことで騒ぎ立てるおしゃべり人間を相手にするよりずっといい。
だからこそわからない。どうしてチカルが“異例”で、こんなにも心を乱されているのか。
チカルに出会う前のタビトは、他人が自分のことをどう思っているかなんて興味はなかった。好意にせよ敵意にせよ、近づいてきた者たちは彼にとって等しく同じだ。自分を見つめてくる者には惜しみなく愛を注ぐ。それを受け取るか拒否するかはその人の自由だと、そう考えていた。
愛されていようが憎まれていようが、万人に同じ態度で接する……それが真のアイドルだ。他人が向けてくる感情をいちいち気にしていたら、この職業はとても務まらない。
空回りして白い目で見られたとしても落ち込んだりはしない。疎まれることや嫌われることを恐れない。鈍感さと楽観的な性格を盾に、これまでずっとうまくやってきたというのに――チカルを前にするとだめなのだ。なぞの焦燥感に囚われ彼女の反応を窺ってばかりで、自分の領域に引き込むことができない。
場の主導権は常に彼女の方にある。儚くも凛とした彼女の姿、その立ち振る舞いが、この心をさらい言葉を奪ってしまう。それに抗ってぺらぺらと調子よくしゃべったことが間違いだった。あのイラストを見たとき猫かクマのどちらかだろうとは思ったが、クマの方だったのか……
彼は立ち竦んだまま、何度もスマホの時計を見た。彼女はまだドライルームから出てこない。意を決してそっと近づき、ドアノブに手をかけたが開けるのをためらって……彼は肩を落とす。
傷つけたかもしれない。嫌われたかもしれない……弱気な言葉が頭の中を駆けめぐる。
さんざん逡巡したすえに書き置きを残し、鍵と財布、スマホだけを持って部屋を出た。
閑散としたエントランスを抜けると、真冬の風が彼の白い頬を打つ。空はすでに夕暮れの気配で、散り散りになった雲が南へと向かうのが建物の隙間から見えた。
マフラーを忘れたが取りに戻る気にならず、首を竦める。風に乱される黒髪を邪魔そうに払いのけながら、何度も白い息を吐いた。
しばらくして、一台の車がウインカーを点滅させながら敷地内に入ってくる。車寄せに停車し、窓が開いた。見慣れない車であったため思わず身構えたタビトであったが、運転席にいたのはホズミだ。
「びっくりした……」
そうつぶやいて目を丸くしているタビトを面白そうに見て、
「週刊誌の記者だとでも思ったか?」
「いつものミニバンじゃなかったからさ」意識して声のトーンを上げ、タビトは訊ねる。「ホズミさんの車?」
「もちろん。プライベートで社用車を使うわけにいかないだろ?」
促されて助手席側に回り、上等なレザーシートに身を預けた。年代物のセダンだが、内装は古さを感じさせず、埃ひとつない美しさだ。耳に心地よいチルアウト・ミュージックが流れる車内には、嗅いだことのあるムスクの匂いがかすかに漂っている。ホズミがジャケットを脱いだとき、ほのかに香ってくるあの匂いだ。
――ホズミは男から見ても魅力的である。実際に彼は、文句なしにモテた。
事務所のスタッフにも彼を狙っている者たちが山ほどいるがしかし、当の本人はどこ吹く風である。明らかな好意やあからさまな色仕掛け――いくらストイックなホズミとてだらしなく鼻の下を伸ばしそうなものだが、彼は至って平常通り。眉一つ動かさない。
勤続およそ20年、常に誰かしらの恋のターゲットになっているがどんなアプローチにも靡くことなく、彼は独身を貫き通してきた。ホズミとの付き合いは候補生時代も含めてもう4年ほどになるが、年々色男になっていくように思う。
モテ男ぶりは社外でも顕著だ。ファンのあいだでもホズミは有名で、なかにはメンバーよりも彼の方に夢中になっている者もいるという。40歳を過ぎた顔には常に疲れが滲んでいるが、そのアンニュイな表情が女性を惹きつける要素になっているに違いない。
平均年齢21歳のウル・ラドにはない大人の魅力。天真爛漫なアキラや、傍若無人なヤヒロでさえホズミには滅多に口答えしないのは、マネージャーとして信頼しているというだけでなく、憧れもあるのだろうとタビトは思う。
夕食の時間にはまだ早いこともあり、ホズミの用事に付き合った。資料を取りに会社に寄ったあと、新宿へ移動。オーダースーツと革靴を各専門店で受け取り、インテリアショップに寄った。どうやら自室のスタンドライトが壊れてしまったらしい。それも寝ぼけてぶつかり、倒してしまったことが原因とのことで、ホズミでもそんな失敗をするのかと意外に思った。それと同時に、ユウの活動休止の件や会社の不祥事でさすがの彼も疲弊しているのだろうとも。
諸々の用事を済ませ、車は銀座を目指し首都高を走る。車内は温かく、静かだ。
タビトは靴を脱いで膝を抱えた。等間隔に配置された照明灯が彼の顔を撫でながら後ろに流れていく。その規則的なリズムと車体が風を切る低音が眠気を誘い、それに抗うように何度も目をこすった。
「眠いなら寝ていいぞ」
「……ねえ、どこに連れてってくれるの」
「焼肉」
その言葉を聞くなり目を見開いたタビトは、手を叩いて声を弾ませる。
「やった!」
一気に眠気が飛んでいったようで、彼はいたずらっぽく笑いながら、
「でもさあ……銀座で焼肉って大丈夫?俺、たくさん食べるけど?」
「子どもが余計な心配しなくていい」
唇を尖らせ横目でホズミを睨む。彼も一瞬タビトに視線を寄こすと、口角に笑みを湛えつつ顎をさする。
「遠慮せず食えよ。銀座っていったって、よれたスーツと無精髭でも気兼ねなく入れるリーズナブルな店だから」
「――髭?……」彼は独り言ちて、暗がりのなかでホズミの口元を見つめる。「あ、そっか。なんか印象違うと思ったら……」
「今朝、剃る時間がなくてな。壊したスタンドライトの片付けに追われてたから」
「ホズミさんも髭脱毛したらいいのに。楽だよ?」
「遠慮しとくよ」
「痛いから?」
「おまえ、施術のあといつも涙目だったもんな。痛い痛いって大騒ぎしてさ……」
「からかうなら体験してからにしてよ」
「髭が似合うって言われてるから、やる予定はないね」
「言われてるって誰に?」
ホズミはかすかに笑ったまま答えない。
「タビト?」
耳に流れ込んできたのは、ホズミの声だ。
「電話に出られなくてごめんな」
「大丈夫。俺の方こそ忙しいのにごめん」
タビトは首を横に振り、意識的に明るく応える。
「もう那南城さんは来たか?」
「うん……」
「さっき、労基署の指導が入った件とスケジュール変更についての文書を那南城さん宛てにメールで送っておいた。よろしく伝えておいてくれ」
「――わかった」
「うちの会社がやらかしたことで迷惑かけてすまん」神妙な口調で言い、かすかに嘆息をもらす。「……ところで今夜の予定は?」
「特になにもないよ」
「じゃあ、久しぶりに一緒に夕食でもどうだ」
「アキラたちも来るの?」
「いや、断られた。ふたりだけじゃつまらないなら誰か連れて来いよ。友達とか」
脳裏に一瞬、チカルの姿が浮かんだが、すぐに打ち消した。彼は目元を冷たい手のひらで覆いつつ、重い気持ちのまま口を開く。
「ふたりで食べよ。静かに食べたい気分だから」
「そうか。ならそうしよう。実はもう近くまで来てるんだ。カフェで飲み物買ってから迎えに行く」
通話を終えた彼はドライルームの扉に目をやる。ホズミからの伝言と、出掛けることを伝える……たったこれだけのことなのに心臓が早鐘を打っている。
――本来の自分なら、もっと早くチカルと打ち解けられているはずだ。
職業柄様々な人々と交流してきたし、彼女のように物静かで人見知りな性格の人間などめずらしくもない。これまでも、控え目な彼ら彼女らと多くの仕事に取り組み、そして成功させてきた。近すぎず遠すぎない適度な距離感……寡黙で真面目な人間との関わり合いは、タビトにとって心地よいものだ。小さなことで騒ぎ立てるおしゃべり人間を相手にするよりずっといい。
だからこそわからない。どうしてチカルが“異例”で、こんなにも心を乱されているのか。
チカルに出会う前のタビトは、他人が自分のことをどう思っているかなんて興味はなかった。好意にせよ敵意にせよ、近づいてきた者たちは彼にとって等しく同じだ。自分を見つめてくる者には惜しみなく愛を注ぐ。それを受け取るか拒否するかはその人の自由だと、そう考えていた。
愛されていようが憎まれていようが、万人に同じ態度で接する……それが真のアイドルだ。他人が向けてくる感情をいちいち気にしていたら、この職業はとても務まらない。
空回りして白い目で見られたとしても落ち込んだりはしない。疎まれることや嫌われることを恐れない。鈍感さと楽観的な性格を盾に、これまでずっとうまくやってきたというのに――チカルを前にするとだめなのだ。なぞの焦燥感に囚われ彼女の反応を窺ってばかりで、自分の領域に引き込むことができない。
場の主導権は常に彼女の方にある。儚くも凛とした彼女の姿、その立ち振る舞いが、この心をさらい言葉を奪ってしまう。それに抗ってぺらぺらと調子よくしゃべったことが間違いだった。あのイラストを見たとき猫かクマのどちらかだろうとは思ったが、クマの方だったのか……
彼は立ち竦んだまま、何度もスマホの時計を見た。彼女はまだドライルームから出てこない。意を決してそっと近づき、ドアノブに手をかけたが開けるのをためらって……彼は肩を落とす。
傷つけたかもしれない。嫌われたかもしれない……弱気な言葉が頭の中を駆けめぐる。
さんざん逡巡したすえに書き置きを残し、鍵と財布、スマホだけを持って部屋を出た。
閑散としたエントランスを抜けると、真冬の風が彼の白い頬を打つ。空はすでに夕暮れの気配で、散り散りになった雲が南へと向かうのが建物の隙間から見えた。
マフラーを忘れたが取りに戻る気にならず、首を竦める。風に乱される黒髪を邪魔そうに払いのけながら、何度も白い息を吐いた。
しばらくして、一台の車がウインカーを点滅させながら敷地内に入ってくる。車寄せに停車し、窓が開いた。見慣れない車であったため思わず身構えたタビトであったが、運転席にいたのはホズミだ。
「びっくりした……」
そうつぶやいて目を丸くしているタビトを面白そうに見て、
「週刊誌の記者だとでも思ったか?」
「いつものミニバンじゃなかったからさ」意識して声のトーンを上げ、タビトは訊ねる。「ホズミさんの車?」
「もちろん。プライベートで社用車を使うわけにいかないだろ?」
促されて助手席側に回り、上等なレザーシートに身を預けた。年代物のセダンだが、内装は古さを感じさせず、埃ひとつない美しさだ。耳に心地よいチルアウト・ミュージックが流れる車内には、嗅いだことのあるムスクの匂いがかすかに漂っている。ホズミがジャケットを脱いだとき、ほのかに香ってくるあの匂いだ。
――ホズミは男から見ても魅力的である。実際に彼は、文句なしにモテた。
事務所のスタッフにも彼を狙っている者たちが山ほどいるがしかし、当の本人はどこ吹く風である。明らかな好意やあからさまな色仕掛け――いくらストイックなホズミとてだらしなく鼻の下を伸ばしそうなものだが、彼は至って平常通り。眉一つ動かさない。
勤続およそ20年、常に誰かしらの恋のターゲットになっているがどんなアプローチにも靡くことなく、彼は独身を貫き通してきた。ホズミとの付き合いは候補生時代も含めてもう4年ほどになるが、年々色男になっていくように思う。
モテ男ぶりは社外でも顕著だ。ファンのあいだでもホズミは有名で、なかにはメンバーよりも彼の方に夢中になっている者もいるという。40歳を過ぎた顔には常に疲れが滲んでいるが、そのアンニュイな表情が女性を惹きつける要素になっているに違いない。
平均年齢21歳のウル・ラドにはない大人の魅力。天真爛漫なアキラや、傍若無人なヤヒロでさえホズミには滅多に口答えしないのは、マネージャーとして信頼しているというだけでなく、憧れもあるのだろうとタビトは思う。
夕食の時間にはまだ早いこともあり、ホズミの用事に付き合った。資料を取りに会社に寄ったあと、新宿へ移動。オーダースーツと革靴を各専門店で受け取り、インテリアショップに寄った。どうやら自室のスタンドライトが壊れてしまったらしい。それも寝ぼけてぶつかり、倒してしまったことが原因とのことで、ホズミでもそんな失敗をするのかと意外に思った。それと同時に、ユウの活動休止の件や会社の不祥事でさすがの彼も疲弊しているのだろうとも。
諸々の用事を済ませ、車は銀座を目指し首都高を走る。車内は温かく、静かだ。
タビトは靴を脱いで膝を抱えた。等間隔に配置された照明灯が彼の顔を撫でながら後ろに流れていく。その規則的なリズムと車体が風を切る低音が眠気を誘い、それに抗うように何度も目をこすった。
「眠いなら寝ていいぞ」
「……ねえ、どこに連れてってくれるの」
「焼肉」
その言葉を聞くなり目を見開いたタビトは、手を叩いて声を弾ませる。
「やった!」
一気に眠気が飛んでいったようで、彼はいたずらっぽく笑いながら、
「でもさあ……銀座で焼肉って大丈夫?俺、たくさん食べるけど?」
「子どもが余計な心配しなくていい」
唇を尖らせ横目でホズミを睨む。彼も一瞬タビトに視線を寄こすと、口角に笑みを湛えつつ顎をさする。
「遠慮せず食えよ。銀座っていったって、よれたスーツと無精髭でも気兼ねなく入れるリーズナブルな店だから」
「――髭?……」彼は独り言ちて、暗がりのなかでホズミの口元を見つめる。「あ、そっか。なんか印象違うと思ったら……」
「今朝、剃る時間がなくてな。壊したスタンドライトの片付けに追われてたから」
「ホズミさんも髭脱毛したらいいのに。楽だよ?」
「遠慮しとくよ」
「痛いから?」
「おまえ、施術のあといつも涙目だったもんな。痛い痛いって大騒ぎしてさ……」
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「髭が似合うって言われてるから、やる予定はないね」
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