13 / 14
出会い 2
しおりを挟む「なんだ!?」
「ぁ、ぁあ…、」
頭のなかで声がする。
「いきなりどぅした!」
どくどくと心臓が速く動いているせいで
息も荒れる。体が火照る。
「ぅう…、アツイ…」
「っ…!な、この匂いは…! _っ、」
[_フレテ…、オネガイ…]。
ぅるさい、だまれ…!そんなの望んでない!
[_デモ、カレハコタエテクレル]。
「すまない、」
「何を…」
[_ホラ、ヤサシイネ。マルデガラスニデモフレルミタイニソットダキカカエテハコンデクレテル]。
ぁあもう、思考が停止してしまいそうだ…。
「降ろせ…」
「無理だ」
「どこへ連れていくつもりなんだよ…」
「俺もお前もこのままではツラいだろう?誰にも邪魔されずにできる場所に連れていく」
「迷子だろ」
「さっき教えてくれただろ?」
くそっ、もぅ限界だ。
考えるのを止めよう。
今だけならそれも許されるだろ。
俺はゆっくりと眠るように目を閉じ、
考えるのを止めた。
「着いたぞ」
「ここは…」
目を開けると赤く染まった部屋にいた。
「ホテル。嫌だろうが我慢してくれ」
「もぅ好きにしろよ。今の俺には何もできない…」
「じゃあ、」
そぅ言うと彼は黙ってベッドの上に
俺をそっと置いて服を脱がし始めた。
それからは互いに無言の行為だった。
厭らしい音と自分の喘ぐ声、相手の荒い息。
それだけの音がこの空間を支配していた。
「くっ、んん…!もっ、すこしっ、ゆっくり…っ」
「っは、無理な願いだなっ!」
ただ思うのはいつもより
凄く気持ちがいいって事だけだ。
何故なのだろう。
「はっ、はぁっ、アンタっ、いったい…」
「今はそんな事、考えなくていい…」
「っんんん!ぁっ、あっ、」
「っ、そんなに締めるなっ」
「そんな事っ、言われてもっ」
「っ!」
「_ぁああ…!」
アツイ物が自分の中に入ってくる。
これでお互いに楽になるはずだった。
だけど_、
「ぁあっ!なんっでっ、さっきイッたのに…!」
「すまない、だがお互いにまだ楽になってないだろ?」
「ぅんんっ、」
あれからどのくらいたった?
いつの間にか気絶していたようだ。
「いたい…」
体を起こそうとしたがお腹と腰に
激痛が走りできなかった。
「あまり優しくできなくて申し訳なかった」
シャワーを浴びてきたのだろう。
濡れた髪をタオルで拭きながら謝ってきた。
「…、アンタ名前は?」
知っていたのに聞いていた。
「そぅいえば名乗ってなかったな。ラディルだ」
「王子様と同じ名前だな」
「良く言われる、顔も似ているだろ?」
「ふん、嘘つき」
「何がだ?」
「王子様は嘘をつくのが好きなんだな」
「何だ、知っていたのか」
「あれだけ街を出歩けば知らない方が可笑しいだろ」
「野良は表にあまり出てこないと聞いてるが」
「…、」
「お前の名前は?」
「…、」
「人に聞いておいて自分は名乗らないつもりか?」
「…メノウ」
「!そぅか、お前が…、」
「?」
「メノウ、急だが城での暮らしに興味は無いか?」
「は?」
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる