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第七章 天使転輪
第174話 森の中で(四)
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「この世界から上がるだと?どういうことだ?」
「お前は考えたことがあるか?この今生きている世界が一つではないということを。それにおかしいと思わないのか。人間やキメラ、異能力者、吸血鬼、そんな魑魅魍魎が跋扈しているこの世がおかしいと。人間はどこから来たのか?異能力者は何故いる?その力はどこから?キメラは生み出されたとしても、吸血鬼は一体どこから来た?お前のその力はなんだ?私は考えた、これらは別の世界から来たのではと。そして、私はその過程で知ったのだ、異能の原点、その核心を」
「たしかに、そう考えるとおかしいな世界だな。だが、そんなことはどうでもいいんだ。お前の目的はなんだ?世界でもぶっ壊すのか?」
「ふん、聞いていなかったのか?私の目的はそんな小さいことではない。誰かのために何かを成すのではなく。私は私のために常に動いている。そして、私はかの者のいる原点なる世界を見つけたのだ。そこへ私は行く」
「へぇ、それでそれはどこにあるんだ?」
「理解できんだろう。その世界はこの次元の上に存在している」
「上だと?」
「そうだ。物理的にではなく、この世界とは別の次元と言えば理解できるか?」
「なるほど。つまり、別の世界に行こうということだな。なぜそこへ行く?」
「なぜ?愚問だな。この世界に飽きたからだ。私は人間以前に探求者だからな。あらゆる原点を見てみたいと思うのだ。だからこそ、私はそこへ行ってみたいのだ」
「それなら。何故、神無さんを攫った?」
「そこへ行くには彼女の力が必要だからだ」
「どういうことだ」
「ふん、本当に何も知らぬのだな。彼女は覚醒者だ」
「覚醒者?」
「そう。私が言う覚醒者とは簡単に言えば前世の記憶を持つ者のことを言う。前世と言えば、誰もが思いを馳せることだろう。自身の前世は動物か人間か、と考えるのが普通だが。もしそうでなくもっと上位の存在だったとしたら?」
「まさか、、さっきの話の流れからして神様とでもいうのか?」
「それは間違えではないが、少し違うな」
「ならなんだ?」
「天使」
「ふん、はっはっはっ!本当に頭がお花畑なのか?」
宗谷の答えに可笑しくなって真宵は吹き出した。
「何とでも言うがいい。しかし、これは真実だ。お前は不思議に思わなかったか?夕凪家の異能がどこからきているのか?」
「それは天与核だろう」
「ならその力の根源である天与核はどこから来たんだ?」
「たしかに、それは気になるな、、」
「なら教えてやろう。あれは天からの賜物だ。夕凪家はこれを長らく独占していたからな。かつては私もその力に目を当てられていたがな。しかし、今はそんな力などどうでもいい。私はその根源がみたいのだ。それが私の望み。そのためには天使ノ王の力がいるそうなのでな」
「なるほどな。誰からの入れ知恵かは知らんがお前が個人的にたどり着いた境地なのか?」
「いいや。さすがの私でもこの数年で辿りつけるはずもない。私の元には天使がいるからな」
「なっ、なんだと!?」
真宵は今までの話で一番の驚きをみせる。
(この話が全部妄想であったならいいことだが。もし、本当に全てが事実ならまずいな。天使というのがどれほどの脅威かは知らないが。これは早々に皆んなに伝えなければ。しかし、その皆んなは空間に隔離されている。なら、夕凪家に待機している皆に伝えるべきか)
真宵はナイフを構えて後ずさる。
「まだ話は終わっていないぞ夜月真宵」
「そんな、おったまげな話を聞かされちゃ、うかうかしてられないだろ、、」
「どうするというんだ?この島からは出れんぞ」
(攻撃は当てれるなら、どうやれば当てれるかもう一度やってやる)
「お前は考えたことがあるか?この今生きている世界が一つではないということを。それにおかしいと思わないのか。人間やキメラ、異能力者、吸血鬼、そんな魑魅魍魎が跋扈しているこの世がおかしいと。人間はどこから来たのか?異能力者は何故いる?その力はどこから?キメラは生み出されたとしても、吸血鬼は一体どこから来た?お前のその力はなんだ?私は考えた、これらは別の世界から来たのではと。そして、私はその過程で知ったのだ、異能の原点、その核心を」
「たしかに、そう考えるとおかしいな世界だな。だが、そんなことはどうでもいいんだ。お前の目的はなんだ?世界でもぶっ壊すのか?」
「ふん、聞いていなかったのか?私の目的はそんな小さいことではない。誰かのために何かを成すのではなく。私は私のために常に動いている。そして、私はかの者のいる原点なる世界を見つけたのだ。そこへ私は行く」
「へぇ、それでそれはどこにあるんだ?」
「理解できんだろう。その世界はこの次元の上に存在している」
「上だと?」
「そうだ。物理的にではなく、この世界とは別の次元と言えば理解できるか?」
「なるほど。つまり、別の世界に行こうということだな。なぜそこへ行く?」
「なぜ?愚問だな。この世界に飽きたからだ。私は人間以前に探求者だからな。あらゆる原点を見てみたいと思うのだ。だからこそ、私はそこへ行ってみたいのだ」
「それなら。何故、神無さんを攫った?」
「そこへ行くには彼女の力が必要だからだ」
「どういうことだ」
「ふん、本当に何も知らぬのだな。彼女は覚醒者だ」
「覚醒者?」
「そう。私が言う覚醒者とは簡単に言えば前世の記憶を持つ者のことを言う。前世と言えば、誰もが思いを馳せることだろう。自身の前世は動物か人間か、と考えるのが普通だが。もしそうでなくもっと上位の存在だったとしたら?」
「まさか、、さっきの話の流れからして神様とでもいうのか?」
「それは間違えではないが、少し違うな」
「ならなんだ?」
「天使」
「ふん、はっはっはっ!本当に頭がお花畑なのか?」
宗谷の答えに可笑しくなって真宵は吹き出した。
「何とでも言うがいい。しかし、これは真実だ。お前は不思議に思わなかったか?夕凪家の異能がどこからきているのか?」
「それは天与核だろう」
「ならその力の根源である天与核はどこから来たんだ?」
「たしかに、それは気になるな、、」
「なら教えてやろう。あれは天からの賜物だ。夕凪家はこれを長らく独占していたからな。かつては私もその力に目を当てられていたがな。しかし、今はそんな力などどうでもいい。私はその根源がみたいのだ。それが私の望み。そのためには天使ノ王の力がいるそうなのでな」
「なるほどな。誰からの入れ知恵かは知らんがお前が個人的にたどり着いた境地なのか?」
「いいや。さすがの私でもこの数年で辿りつけるはずもない。私の元には天使がいるからな」
「なっ、なんだと!?」
真宵は今までの話で一番の驚きをみせる。
(この話が全部妄想であったならいいことだが。もし、本当に全てが事実ならまずいな。天使というのがどれほどの脅威かは知らないが。これは早々に皆んなに伝えなければ。しかし、その皆んなは空間に隔離されている。なら、夕凪家に待機している皆に伝えるべきか)
真宵はナイフを構えて後ずさる。
「まだ話は終わっていないぞ夜月真宵」
「そんな、おったまげな話を聞かされちゃ、うかうかしてられないだろ、、」
「どうするというんだ?この島からは出れんぞ」
(攻撃は当てれるなら、どうやれば当てれるかもう一度やってやる)
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