173 / 193
第七章 天使転輪
第173話 森の中で(三)
しおりを挟む
「何故、絶対に来ないと言い切れる?」
「それは、ここが本当のアジトだからだ」
「本当の?」
「あぁ。お前達からの襲撃はすでにわかっていた。だから、こちらで先に策を講じていたのだ」
「待て!何故俺たちがこの日に来るとわかっていた?」
「仲間に記憶を操作できる者がいてな。お前達の仲間の一人の記憶を少し変えさせてもらった。その者は我々の仲間だと思い込んでいる。だから、お前達の動きは手に取るようにわかった」
(ここへ来てから妙に用意が周到だと思ったが、やはり仲間の誰かが裏切ったということか)
「一つ言っておくが。そいつを責めてやるな。こちらが記憶を変えただけだからな。最初からこちら側であったということではない。記憶を改変したのは、つい先日の話だからな。全く間抜けな奴だ。のこのこアジトへやってきて捕まったのだからな。まぁ、何かショックを与えれば元に戻ると思うぞ」
「ふざけたことを、、、一体そいつは誰だ!?」
「ふむ、ここで教えてもいいが。それだと面白くないな。そうだな、お前が我々の仲間になるなら教えてやるぞ」
「誰がなるかよ」
「それは残念だ」
(こいつの言っていることが本当なら、早く皆んなと合流しないと)
「さっきも言ったが誰もここへは来ない。それに私からは逃げることもできん」
宗谷はまるで真宵の心でも読んでいたかのようにそう答えた。
「そういえば。さっきも言っていたが誰も来ないと何故言える?それにここが本当のお前らのアジトっていうのはどう言う意味だ?」
「言葉の通りだ。お前達が四方から来ることはわかっていたから、この島の各海岸線に空間移動の異能を仕掛けておいたんだ。侵入すれば別の空間へと飛ぶようにな」
「ふん、そんな大掛かりな仕掛けに先生達が気づかないと?」
「実際気づいてなかっただろ。なんせ、その異能力者は優秀だからな。そいつの能力は空間を生み出して、そこへ閉じ込めることができる力だ。そして、その空間から出るには術者を殺すか、解除させるかの二択しかない。生憎そいつは現在、私の手から離れているから、今はどこにいるのかもわからないな。まぁ、これは全部私の計画ではないがな」
(もし、それが本当なら。まずいな、、世界のバランスの危機だ)
「私の知る限りの強者は皆、この世に居なくなったということになる。今後の世界を見るのもまた一興だが、私は行く場所があるので生憎そうもいかないものでな」
「どこへ行くんだよ」
「そうだな、その前に一つ問おう、お前は神を信じるか?」
「はっはっ、いきなりなんだ?信仰でもしようって言うのか?」
「まぁ、そういう反応になるだろうな。しかし、本当にいるんだよ、それがな」
「ふん、バカバカしい。話はもういいか?お前が何をするのかには興味はあるが。今はなんであろうとそれを止めるのが俺たちの役目だ」
「役目か。それこそくだらんな、いや無駄というべきか。この私を止めようとも、もう遅い。もうじきあれが目覚める。そしたら私はこの世を去る」
「なんだ?死ぬのか?」
「いいや、この世界から上がるということだ」
「それは、ここが本当のアジトだからだ」
「本当の?」
「あぁ。お前達からの襲撃はすでにわかっていた。だから、こちらで先に策を講じていたのだ」
「待て!何故俺たちがこの日に来るとわかっていた?」
「仲間に記憶を操作できる者がいてな。お前達の仲間の一人の記憶を少し変えさせてもらった。その者は我々の仲間だと思い込んでいる。だから、お前達の動きは手に取るようにわかった」
(ここへ来てから妙に用意が周到だと思ったが、やはり仲間の誰かが裏切ったということか)
「一つ言っておくが。そいつを責めてやるな。こちらが記憶を変えただけだからな。最初からこちら側であったということではない。記憶を改変したのは、つい先日の話だからな。全く間抜けな奴だ。のこのこアジトへやってきて捕まったのだからな。まぁ、何かショックを与えれば元に戻ると思うぞ」
「ふざけたことを、、、一体そいつは誰だ!?」
「ふむ、ここで教えてもいいが。それだと面白くないな。そうだな、お前が我々の仲間になるなら教えてやるぞ」
「誰がなるかよ」
「それは残念だ」
(こいつの言っていることが本当なら、早く皆んなと合流しないと)
「さっきも言ったが誰もここへは来ない。それに私からは逃げることもできん」
宗谷はまるで真宵の心でも読んでいたかのようにそう答えた。
「そういえば。さっきも言っていたが誰も来ないと何故言える?それにここが本当のお前らのアジトっていうのはどう言う意味だ?」
「言葉の通りだ。お前達が四方から来ることはわかっていたから、この島の各海岸線に空間移動の異能を仕掛けておいたんだ。侵入すれば別の空間へと飛ぶようにな」
「ふん、そんな大掛かりな仕掛けに先生達が気づかないと?」
「実際気づいてなかっただろ。なんせ、その異能力者は優秀だからな。そいつの能力は空間を生み出して、そこへ閉じ込めることができる力だ。そして、その空間から出るには術者を殺すか、解除させるかの二択しかない。生憎そいつは現在、私の手から離れているから、今はどこにいるのかもわからないな。まぁ、これは全部私の計画ではないがな」
(もし、それが本当なら。まずいな、、世界のバランスの危機だ)
「私の知る限りの強者は皆、この世に居なくなったということになる。今後の世界を見るのもまた一興だが、私は行く場所があるので生憎そうもいかないものでな」
「どこへ行くんだよ」
「そうだな、その前に一つ問おう、お前は神を信じるか?」
「はっはっ、いきなりなんだ?信仰でもしようって言うのか?」
「まぁ、そういう反応になるだろうな。しかし、本当にいるんだよ、それがな」
「ふん、バカバカしい。話はもういいか?お前が何をするのかには興味はあるが。今はなんであろうとそれを止めるのが俺たちの役目だ」
「役目か。それこそくだらんな、いや無駄というべきか。この私を止めようとも、もう遅い。もうじきあれが目覚める。そしたら私はこの世を去る」
「なんだ?死ぬのか?」
「いいや、この世界から上がるということだ」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる