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第七章 天使転輪
第171話 森の中で(ニ)
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真宵は宗谷の一挙手一投足に集中して、警戒を怠らず一定の距離を保ったまま、しばらく動かなかった。
「どうしたんだ?そっちがやる気だから待っているんだが」
(まずは、警戒しつつ一手をきるか)
真宵はナイフを取り出し、宗谷へと駆け出した。宗谷は不敵な笑みを浮かべて真宵の動きを見ていた。
(ふん、余裕ってか?舐められてるな)
真宵は宗谷との間合いに入るとナイフ宙へと投げた。
「ん?」
バンッ!バンッ!
真宵は懐から銃を取り出して至近距離で宗谷へと二発の弾丸を放った。
「その程度の攻撃、私へは届かないぞ」
しかし、真宵の放った弾丸は宗谷の体をすり抜ける。
「まだだ!」
真宵の放った弾丸は宗谷の向こう側へと、上下に交差する様に飛んでいくと交差線上で弾丸はぶつかり合い、一発は上へと跳ね上がると上空に未だ舞っているナイフへと当たり、そのままさらに上空でナイフは一人でに回転する。
「何をするつもりかは知らんが無駄なことだ」
「俺の放った弾丸は一発も無駄にしないさ」
バンッ!
真宵は宗谷の足元にある地面へと弾を放った。
「一体どこを狙っているんだ?」
真宵の放った弾丸は地面に着弾することなく弾かれた。弾かれた弾丸は宗谷の背後をとる。
「なるほど。一発目に同時に放った弾のもう片方は地面にめり込んでいたのか。そして、それに当てて私へと弾を弾かせた。やり方は見事だがしかし、私に見破られてしまっては意味がない」
後方から来る弾丸は宗谷をすり抜けた。
「そして上空に未だに舞っているナイフは時間差で地面へと、いや私の真上から落ちてくる、か」
上空を見上げた宗谷は自身に向かって落ちてくるナイフを掴み取ると真宵に向ける。
「悪くないやり方だ。威力はともかく、頭の回転の速さは見事だな」
真宵は懐からまたもやナイフを取り出し宗谷へと駆け出した。宗谷は手にしたナイフで真宵からの斬り込みをいなしていく。
「速さも申し分ない。一体どこでその技術を学んだ?」
「まぁね、いい師のおかげかな」
「そうか。たしかに動きがどことなくあの二人に似ているな。だからか、読みやすい!」
真宵は一瞬の隙をつかれて腕を掴まれた。そして、そのまま全身を宙へと浮かされると思いっきり地面へと叩きつけられた。
ドンッ!
「ガハッ!!」
「よくこれで今まで生き残れたものだ。いや、すまない、そういえばお前はここへくる前から連戦だったか。まぁそうでなくても弱すぎるがな。戦い方のセンスはいいがまだまだだな。ん?」
真宵は腕を獣化させて、宗谷の腕を掴み返すと背中に羽を生やし、宗谷ごと空へと一気に宙へと舞い上がった。
「なるほど。そういえばお前は鷹人間だったか、全く奇妙なものだ。しかし、お前の本当の力はそんなものではない」
「へっ、何を言っているのかさっぱりだな!お返しだ、落ちろ!」
真宵は上空から宗谷を地面へと叩きつける。
「獣の力になると筋力が増すのか。中々の威力だ。これでは空中で体制がとれないな。しかし、私の異能の前では無意味だ」
宗谷は地面へとぶつかると霧になり霧散した。
(どこだ!?)
真宵は辺りを見回す。宗谷が霧になった瞬間、気配が無くなって宗谷を見失った。
「ここだ」
「!?」
宗谷の声は真宵の真後ろ少し上の方から聞こえてきた。次の瞬間、振り返るより速く宗谷の踵落としが真宵へと炸裂する。そのまま真宵は地上へと真っ逆さまに落ちていき地面へと激突した。
宗谷は霧になり、再び地上に倒れている真宵のそばで霧から現れる。
ゆっくりと真宵は膝に手をつきながら立ち上がる。
「ほう、まだ立てるのか。思ったよりも頑丈な奴だな」
「はぁ、、はぁ、、」
(なんて力だ。片腕で人一人を宙へ浮かせて地面に叩きつけるなんて。それだけでも力は凄まじいことはわかる。後は、能力の特性さえわかれば戦える。それに何故だかはわからんが、さっき腕を掴めた!ということは攻撃も当てれる可能性があるということか。しかし、何故掴めた?あいつが能力を解除したからか?)
「一つ言っておくが、助けなど絶対に来ないぞ」
「どうしたんだ?そっちがやる気だから待っているんだが」
(まずは、警戒しつつ一手をきるか)
真宵はナイフを取り出し、宗谷へと駆け出した。宗谷は不敵な笑みを浮かべて真宵の動きを見ていた。
(ふん、余裕ってか?舐められてるな)
真宵は宗谷との間合いに入るとナイフ宙へと投げた。
「ん?」
バンッ!バンッ!
真宵は懐から銃を取り出して至近距離で宗谷へと二発の弾丸を放った。
「その程度の攻撃、私へは届かないぞ」
しかし、真宵の放った弾丸は宗谷の体をすり抜ける。
「まだだ!」
真宵の放った弾丸は宗谷の向こう側へと、上下に交差する様に飛んでいくと交差線上で弾丸はぶつかり合い、一発は上へと跳ね上がると上空に未だ舞っているナイフへと当たり、そのままさらに上空でナイフは一人でに回転する。
「何をするつもりかは知らんが無駄なことだ」
「俺の放った弾丸は一発も無駄にしないさ」
バンッ!
真宵は宗谷の足元にある地面へと弾を放った。
「一体どこを狙っているんだ?」
真宵の放った弾丸は地面に着弾することなく弾かれた。弾かれた弾丸は宗谷の背後をとる。
「なるほど。一発目に同時に放った弾のもう片方は地面にめり込んでいたのか。そして、それに当てて私へと弾を弾かせた。やり方は見事だがしかし、私に見破られてしまっては意味がない」
後方から来る弾丸は宗谷をすり抜けた。
「そして上空に未だに舞っているナイフは時間差で地面へと、いや私の真上から落ちてくる、か」
上空を見上げた宗谷は自身に向かって落ちてくるナイフを掴み取ると真宵に向ける。
「悪くないやり方だ。威力はともかく、頭の回転の速さは見事だな」
真宵は懐からまたもやナイフを取り出し宗谷へと駆け出した。宗谷は手にしたナイフで真宵からの斬り込みをいなしていく。
「速さも申し分ない。一体どこでその技術を学んだ?」
「まぁね、いい師のおかげかな」
「そうか。たしかに動きがどことなくあの二人に似ているな。だからか、読みやすい!」
真宵は一瞬の隙をつかれて腕を掴まれた。そして、そのまま全身を宙へと浮かされると思いっきり地面へと叩きつけられた。
ドンッ!
「ガハッ!!」
「よくこれで今まで生き残れたものだ。いや、すまない、そういえばお前はここへくる前から連戦だったか。まぁそうでなくても弱すぎるがな。戦い方のセンスはいいがまだまだだな。ん?」
真宵は腕を獣化させて、宗谷の腕を掴み返すと背中に羽を生やし、宗谷ごと空へと一気に宙へと舞い上がった。
「なるほど。そういえばお前は鷹人間だったか、全く奇妙なものだ。しかし、お前の本当の力はそんなものではない」
「へっ、何を言っているのかさっぱりだな!お返しだ、落ちろ!」
真宵は上空から宗谷を地面へと叩きつける。
「獣の力になると筋力が増すのか。中々の威力だ。これでは空中で体制がとれないな。しかし、私の異能の前では無意味だ」
宗谷は地面へとぶつかると霧になり霧散した。
(どこだ!?)
真宵は辺りを見回す。宗谷が霧になった瞬間、気配が無くなって宗谷を見失った。
「ここだ」
「!?」
宗谷の声は真宵の真後ろ少し上の方から聞こえてきた。次の瞬間、振り返るより速く宗谷の踵落としが真宵へと炸裂する。そのまま真宵は地上へと真っ逆さまに落ちていき地面へと激突した。
宗谷は霧になり、再び地上に倒れている真宵のそばで霧から現れる。
ゆっくりと真宵は膝に手をつきながら立ち上がる。
「ほう、まだ立てるのか。思ったよりも頑丈な奴だな」
「はぁ、、はぁ、、」
(なんて力だ。片腕で人一人を宙へ浮かせて地面に叩きつけるなんて。それだけでも力は凄まじいことはわかる。後は、能力の特性さえわかれば戦える。それに何故だかはわからんが、さっき腕を掴めた!ということは攻撃も当てれる可能性があるということか。しかし、何故掴めた?あいつが能力を解除したからか?)
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