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第七章 天使転輪
第168話 再生
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一
(圧勝だな)
(や、、めろ、!)
(ん?気絶したと思っていたのだが、、どうやらまだ意識があったようだな)
白斗は自我を保ちつつ必死で謎の力に抗っていた。
(ばーか、、俺はこの程度で気絶なんてしねぇよ。そんなことより早く俺の体を返しやがれ!)
(なんだ気づいていたのか)
(当たりめぇだろうが、俺の体なんだからよぉ。だからよぉ、、、さっさと返しやがれ!)
白斗が叫ぶと急に悪魔の様な翼が生えて黒い靄の様なものが溢れ出てきた。
(これは、、、かっか!思ったよりも面白いやつだ!こりゃあいい、先が楽しみだ!いいだろう、気が変わった!貴様の体を返してやろう!面白いものが見れたからな、朕は満足だ!かっかっかっかっかっ、、、)
声の主は急に上機嫌になると高らかに笑いだした。次の瞬間、白斗の視界が揺らぎ真っ黒になる。
ニ
(あぁ、、やられたな、、ふっふ、、まさか弟にやられるとはな、、まぁ、、これも罰か、、)
六花は白斗にやられ、地上へ落下していく。
(おそらく、この傷は治るだろう。だが、あれに対抗出来るだけの力が今の私にあるかどうかだな。あれは確実に異能だった。おそらくモノを変形させる異能なのだろう。そうするとあの壁を突破したのも頷ける)
ドンッ!!
六花は地上に落下した。辺りには血が飛び散り、骨は折れ、身が剥き出しになるほどの衝撃で地上へ落下した。だがしかし、さすがの吸血鬼の祖、すぐに傷口は回復し、元通りの体になる。そのまま六花は仰向けに寝ながら上空を見やる。上空からは白斗がゆっくりと地上の方へと降下してきていた。そして、羽の刃を六花へ向ける。
「やるといい、、私の負けだ。何百年と生きてきて、最後に殺されるのが天使でよかった、、それにお前でよかったよ、白斗」
白斗は刃を振りかざし、それを放とうとした。だが、その手から羽の刃が離れることはなく、ピタリッと止まった。
「なんだ?躊躇しているのか?」
「あああああああああ!!!!!!!!!」
次の瞬間、白斗は叫び声をあげて暴れだした。その様子をただただ茫然と見ていた六花は立ち上がる。
「な、、何が起こったんだ?」
しばらく暴れた後、白斗は地上へと落下した。そして、何かを抑え込む様に蹲って体を抱える。
「くっ、、そ、が、、お前はすっこんでろ、、!!!」
白斗が声を発すると背中にあった、いびつな両翼が砂の様に消えていった。
「はぁ、、、はぁ、、はぁ、」
「なんだかわからんが、戻ったみたいだな」
「ん?あぁ、、すまねぇな。待たせたな続きをしようぜ!」
「楽に死ねると思ったが、そうもいかないみたいだな」
「まだ、お前には言わせたい事があるから簡単に死んでもらったら困るんだよ」
「そうか、、、一ついいか?」
「なんだよ」
「私はお前と戦っていて違和感を感じた。お前、本気で私を殺そうとしていないな」
「ふん、たしかに俺はお前を本気では殺そうとしていない。お前をぶっ飛ばして、謝らせるのが俺の目的だからな」
「舐めているのはお前の方だな。そんな気持ちで私をぶっ飛ばすなんて百年早い。それに謝らせるとはなんだ?何についての謝罪だ?お前を吸血鬼にしたことか?それとも他の何かか?私にはその覚えがないのだが」
「ふざけて言っているわけではないみたいだな。いいぜ、教えてやるよ。俺にしたことは別に怒っちゃいねぇ、謝罪の言葉は俺じゃなくてあいつらにだ」
「あいつら?いったい誰のことだ?」
「お前、、、本当に覚えていないのか?」
六花は目を閉じて何かを思い出そうとする。しかし、いつも靄の様なモノがかかっていてはっきりと思い出せない。
「すまないな。何もわからない」
「ふん、なら俺が教えてやるよ。お前は俺たち弟や妹を皆殺しにした」
「弟?妹?なにを言っているんだ?」
「あぁ?もう一度言うぞ。お前は、俺たち兄弟姉妹を皆殺しにした。ミナト、シン、ウミ、タツ、ナノ、チナツ、ラック、フミ、サクト、そして、俺の実の兄ショウ。全員お前が殺したんだ、俺の目の前で。今のお前に死ねとは言わない、だが許しもしない。償い謝ってもらうあいつらに」
「なっ、、」
六花はその名前を聞いた瞬間、誰かの声が頭に響き、様々な映像が移り変わる。
(六花さん!今日もありがとう)
(六花姉さん、今日も特訓だ!)
(姉貴は俺らの大事な家族だ!)
(六花姉、あそぼうよー)
(僕はあなたみたいになりたいです、、)
気づくと映像は凄惨なものに変わっていた。六花の両手は血に染まり、無惨にも子供達が血まみれであちこちに倒れていた。その中の一人がこちらを見上げていた。
「ひっ!!」
六花はその目を見た瞬間、六花の中にあった心は怯えと悲しみ、恐怖、絶望、様々な感情が入り乱れぐちゃぐちゃになって不安定になる。
(なん、、で、僕らを殺すの??)
「うああああああああああああああああああああああああああああああああああらああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
六花はその光景を思い出し叫んだ。
(圧勝だな)
(や、、めろ、!)
(ん?気絶したと思っていたのだが、、どうやらまだ意識があったようだな)
白斗は自我を保ちつつ必死で謎の力に抗っていた。
(ばーか、、俺はこの程度で気絶なんてしねぇよ。そんなことより早く俺の体を返しやがれ!)
(なんだ気づいていたのか)
(当たりめぇだろうが、俺の体なんだからよぉ。だからよぉ、、、さっさと返しやがれ!)
白斗が叫ぶと急に悪魔の様な翼が生えて黒い靄の様なものが溢れ出てきた。
(これは、、、かっか!思ったよりも面白いやつだ!こりゃあいい、先が楽しみだ!いいだろう、気が変わった!貴様の体を返してやろう!面白いものが見れたからな、朕は満足だ!かっかっかっかっかっ、、、)
声の主は急に上機嫌になると高らかに笑いだした。次の瞬間、白斗の視界が揺らぎ真っ黒になる。
ニ
(あぁ、、やられたな、、ふっふ、、まさか弟にやられるとはな、、まぁ、、これも罰か、、)
六花は白斗にやられ、地上へ落下していく。
(おそらく、この傷は治るだろう。だが、あれに対抗出来るだけの力が今の私にあるかどうかだな。あれは確実に異能だった。おそらくモノを変形させる異能なのだろう。そうするとあの壁を突破したのも頷ける)
ドンッ!!
六花は地上に落下した。辺りには血が飛び散り、骨は折れ、身が剥き出しになるほどの衝撃で地上へ落下した。だがしかし、さすがの吸血鬼の祖、すぐに傷口は回復し、元通りの体になる。そのまま六花は仰向けに寝ながら上空を見やる。上空からは白斗がゆっくりと地上の方へと降下してきていた。そして、羽の刃を六花へ向ける。
「やるといい、、私の負けだ。何百年と生きてきて、最後に殺されるのが天使でよかった、、それにお前でよかったよ、白斗」
白斗は刃を振りかざし、それを放とうとした。だが、その手から羽の刃が離れることはなく、ピタリッと止まった。
「なんだ?躊躇しているのか?」
「あああああああああ!!!!!!!!!」
次の瞬間、白斗は叫び声をあげて暴れだした。その様子をただただ茫然と見ていた六花は立ち上がる。
「な、、何が起こったんだ?」
しばらく暴れた後、白斗は地上へと落下した。そして、何かを抑え込む様に蹲って体を抱える。
「くっ、、そ、が、、お前はすっこんでろ、、!!!」
白斗が声を発すると背中にあった、いびつな両翼が砂の様に消えていった。
「はぁ、、、はぁ、、はぁ、」
「なんだかわからんが、戻ったみたいだな」
「ん?あぁ、、すまねぇな。待たせたな続きをしようぜ!」
「楽に死ねると思ったが、そうもいかないみたいだな」
「まだ、お前には言わせたい事があるから簡単に死んでもらったら困るんだよ」
「そうか、、、一ついいか?」
「なんだよ」
「私はお前と戦っていて違和感を感じた。お前、本気で私を殺そうとしていないな」
「ふん、たしかに俺はお前を本気では殺そうとしていない。お前をぶっ飛ばして、謝らせるのが俺の目的だからな」
「舐めているのはお前の方だな。そんな気持ちで私をぶっ飛ばすなんて百年早い。それに謝らせるとはなんだ?何についての謝罪だ?お前を吸血鬼にしたことか?それとも他の何かか?私にはその覚えがないのだが」
「ふざけて言っているわけではないみたいだな。いいぜ、教えてやるよ。俺にしたことは別に怒っちゃいねぇ、謝罪の言葉は俺じゃなくてあいつらにだ」
「あいつら?いったい誰のことだ?」
「お前、、、本当に覚えていないのか?」
六花は目を閉じて何かを思い出そうとする。しかし、いつも靄の様なモノがかかっていてはっきりと思い出せない。
「すまないな。何もわからない」
「ふん、なら俺が教えてやるよ。お前は俺たち弟や妹を皆殺しにした」
「弟?妹?なにを言っているんだ?」
「あぁ?もう一度言うぞ。お前は、俺たち兄弟姉妹を皆殺しにした。ミナト、シン、ウミ、タツ、ナノ、チナツ、ラック、フミ、サクト、そして、俺の実の兄ショウ。全員お前が殺したんだ、俺の目の前で。今のお前に死ねとは言わない、だが許しもしない。償い謝ってもらうあいつらに」
「なっ、、」
六花はその名前を聞いた瞬間、誰かの声が頭に響き、様々な映像が移り変わる。
(六花さん!今日もありがとう)
(六花姉さん、今日も特訓だ!)
(姉貴は俺らの大事な家族だ!)
(六花姉、あそぼうよー)
(僕はあなたみたいになりたいです、、)
気づくと映像は凄惨なものに変わっていた。六花の両手は血に染まり、無惨にも子供達が血まみれであちこちに倒れていた。その中の一人がこちらを見上げていた。
「ひっ!!」
六花はその目を見た瞬間、六花の中にあった心は怯えと悲しみ、恐怖、絶望、様々な感情が入り乱れぐちゃぐちゃになって不安定になる。
(なん、、で、僕らを殺すの??)
「うああああああああああああああああああああああああああああああああああらああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
六花はその光景を思い出し叫んだ。
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