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第七章 天使転輪
第157話 異能暴走
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「異能の暴走、、、」
メイはその言葉を聞いた途端、真剣な顔つきになる。それもそのはず、それはメイにとっても心当たりのあることだったからだ。
「異能力者が全員、私達みたいにしっかりとコントロールできるわけではありませんわ。むしろ、異能を発現したての頃なんてあまり上手くコントロールができませんでしたし。ただ単にコントロールできないのであれば鍛錬すれば数日で日常生活を送る上で問題なく能力をコントロールできますわ。しかしそうじゃなく、あくまでこれは私の推測ですが。先日のルカさんの件や私が知っている情報を元に考えると異能には意思の様なモノがあると私は思っていますの」
「そんな、、力に意思なんて、、」
そう言うメイには心当たりは合った。あの時のルカがまさしく異能に操られている風だったことを思い出す。
「そう考えた時、何が原因で暴走するのか。おそらく異能の力は精神に大きく作用されると思われますの。実際に、あの時のルカさんや私が今まで見てきました異能力者の暴走は自己の精神的不安によるモノで起こり得ることだと考えられます」
「たしかにあの時、ルカの様子はおかしかった。じゃあ、そうなった時、やっぱり、、あん時みたいにしないといけないってことなんか、、」
「あの時は力の核が表へ出てきていましたが、あんなのは稀でしょう」
「じゃあ、どうすれば、、」
「言ったでしょう。異能は精神に起因すると。ならば正常に戻せばいいのですわ。まぁ、とは言ってもそれほど簡単な話ではないのですが」
「なるほど。じゃあ、もし次に誰かが異能を暴走させたら、声をかければええんやな」
「声が届くのかはわかりませんが。やってみる価値はあるでしょう。それに解決策は今のところそれしかないでしょう。もしくは最悪の場合、異能の核を壊してしまうか」
「待ってくれ。それって大丈夫なんか?」
「いいえ。さっきも言いましたが異能は精神に起因する。ならばその逆も言えますわ。つまり核を壊せば、最悪の場合、その人間は廃人になりますわね」
「そんなのダメや!」
「ならば方法は一つですわね。ですが覚えておきなさいメイ、人生にはここぞって時に心を鬼にして決めなければならない選択を迫られるもあると言うことを」
メイは涼香との会話を思い出して、目の前で正気を失って、今にも飛びついてきそうなルミを見る。
「涼香が言っていた、その時っていうのが今かもしれんな」
メイは大きく息を吸い込むと大声でルミへと呼びかける。
「ルミィ!!!うちがなんとかしたるさかい!任せときやぁ!!!!」
「うがぁぁぁぁ!!」
次の瞬間、ルミは雄叫びにも似たような声をあげて襲いかかってきた。メイはかろうじて攻撃を避けながら後ろへと下がる。
ルミは何故か一旦動きを止めて、再びこちらを警戒していた。
(なんか止まったな、、もしかしたら、ルミの自我が出てきたのかもしれんな。せやけどまずいな、体力がもうもたへん。それにもう電力切れやし、、)
「ええい!根性やぁ!!」
メイは自分の頬を叩くとルミへと駆け出した。そして、少し遅れてルミもメイへと駆け出す。ルミの鋭い爪がメイの体へと食い込む。
「ぐっ!!痛っいなぁ、、、ルミィィィ!!!!お前はこんなことでええかぁ!!!」
メイはルミの心へ届く様に叫びながら、ルミの手を掴んで頭突きをかました。それが効いたのか、ルミは悲痛な顔で後ろへと下がった。
「くっ、、そ、、はぁ、、はぁ、、」
(まじか、、意識が朦朧としてきたな、、せやけど、今のうちができることと言えば、、)
ルミの鋭い爪が食い込んだところから、ドバドバと血が流れ出てきて、メイはたまらず膝をつき、項垂れる。メイは最後の力を振り絞る勢いでルミへと呼びかける。
「ルイィィ!!目覚ませやぁぁぁぁ!!!!ルカが!!妹が見たらどう思うんじゃあ!!!!!!」
メイはそのまま倒れ込んでしまった。
(あかん、、、死ぬのか、、今度こそ、、)
メイはその言葉を聞いた途端、真剣な顔つきになる。それもそのはず、それはメイにとっても心当たりのあることだったからだ。
「異能力者が全員、私達みたいにしっかりとコントロールできるわけではありませんわ。むしろ、異能を発現したての頃なんてあまり上手くコントロールができませんでしたし。ただ単にコントロールできないのであれば鍛錬すれば数日で日常生活を送る上で問題なく能力をコントロールできますわ。しかしそうじゃなく、あくまでこれは私の推測ですが。先日のルカさんの件や私が知っている情報を元に考えると異能には意思の様なモノがあると私は思っていますの」
「そんな、、力に意思なんて、、」
そう言うメイには心当たりは合った。あの時のルカがまさしく異能に操られている風だったことを思い出す。
「そう考えた時、何が原因で暴走するのか。おそらく異能の力は精神に大きく作用されると思われますの。実際に、あの時のルカさんや私が今まで見てきました異能力者の暴走は自己の精神的不安によるモノで起こり得ることだと考えられます」
「たしかにあの時、ルカの様子はおかしかった。じゃあ、そうなった時、やっぱり、、あん時みたいにしないといけないってことなんか、、」
「あの時は力の核が表へ出てきていましたが、あんなのは稀でしょう」
「じゃあ、どうすれば、、」
「言ったでしょう。異能は精神に起因すると。ならば正常に戻せばいいのですわ。まぁ、とは言ってもそれほど簡単な話ではないのですが」
「なるほど。じゃあ、もし次に誰かが異能を暴走させたら、声をかければええんやな」
「声が届くのかはわかりませんが。やってみる価値はあるでしょう。それに解決策は今のところそれしかないでしょう。もしくは最悪の場合、異能の核を壊してしまうか」
「待ってくれ。それって大丈夫なんか?」
「いいえ。さっきも言いましたが異能は精神に起因する。ならばその逆も言えますわ。つまり核を壊せば、最悪の場合、その人間は廃人になりますわね」
「そんなのダメや!」
「ならば方法は一つですわね。ですが覚えておきなさいメイ、人生にはここぞって時に心を鬼にして決めなければならない選択を迫られるもあると言うことを」
メイは涼香との会話を思い出して、目の前で正気を失って、今にも飛びついてきそうなルミを見る。
「涼香が言っていた、その時っていうのが今かもしれんな」
メイは大きく息を吸い込むと大声でルミへと呼びかける。
「ルミィ!!!うちがなんとかしたるさかい!任せときやぁ!!!!」
「うがぁぁぁぁ!!」
次の瞬間、ルミは雄叫びにも似たような声をあげて襲いかかってきた。メイはかろうじて攻撃を避けながら後ろへと下がる。
ルミは何故か一旦動きを止めて、再びこちらを警戒していた。
(なんか止まったな、、もしかしたら、ルミの自我が出てきたのかもしれんな。せやけどまずいな、体力がもうもたへん。それにもう電力切れやし、、)
「ええい!根性やぁ!!」
メイは自分の頬を叩くとルミへと駆け出した。そして、少し遅れてルミもメイへと駆け出す。ルミの鋭い爪がメイの体へと食い込む。
「ぐっ!!痛っいなぁ、、、ルミィィィ!!!!お前はこんなことでええかぁ!!!」
メイはルミの心へ届く様に叫びながら、ルミの手を掴んで頭突きをかました。それが効いたのか、ルミは悲痛な顔で後ろへと下がった。
「くっ、、そ、、はぁ、、はぁ、、」
(まじか、、意識が朦朧としてきたな、、せやけど、今のうちができることと言えば、、)
ルミの鋭い爪が食い込んだところから、ドバドバと血が流れ出てきて、メイはたまらず膝をつき、項垂れる。メイは最後の力を振り絞る勢いでルミへと呼びかける。
「ルイィィ!!目覚ませやぁぁぁぁ!!!!ルカが!!妹が見たらどう思うんじゃあ!!!!!!」
メイはそのまま倒れ込んでしまった。
(あかん、、、死ぬのか、、今度こそ、、)
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