153 / 193
第七章 天使転輪
第152話 嘘つき
しおりを挟む一
「ルミ姉さん、もしね、、もし私が死んだらさぁどうする?」
「は?何言ってるんだルナ、、まぁ、そうだな私も、死ぬかな。ルナがいない世界なんて考えられないしな」
「そうだよね。だったらさぁ、、、何でまだ生きてるの?」
「え?」
「言ったよね。私が死んだらって!私との約束を破ったの?復讐なんて言っちゃってさぁ、、しかもボロボロじゃない!ルミ姉さんじゃあ、あの子に勝てないよ、、、本当に本当に嘘つき。嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、嘘つき、、、、ルミ姉さんの嘘つき!!」
ルミはルナの言葉に怯えてしまう。
「ごめん、、ごめんなさい、ごめん、私は、、弱い、弱い、ねぇどうすれば、、」
「じゃあ、死んでくれるの?」
「そうだ、よな、、そうだった、、私は死なないと、、、」
「そうだよ。だから姉さんはもう、私に身も心も頂戴」
「いいよ、、、」
そして、ルミの心身は刀の怨念に負けてしまい、ルミの目に映るルナは不気味に笑みを浮かべる。
二
「なんや?ちょっとやりすぎたんかな?」
メイは今し方、吹っ飛ばしたルミが心配になりゆっくりと近づいていく。
「!?」
すると、メイは今までに感じたことのない程の悪寒を覚える。薄寒い、深淵の中に泥を塗った様なドス黒い何かを感じた。
「誰や!?そこにおるのは!」
メイは立ち止まり警戒する。
(この感じ、、何者や?それにルミの気配が無い、、どういうことや!?)
土煙が捌けるとそこにはルミが刀を持って下を向いて立っていた。そして、ルミの周りにはさっきまで無かった不気味な邪気が漂っていた。
「ルミ、、なんか?」
次の瞬間、メイの腹をルミの刀が貫通していた。
「なっ!?」
(なんちゅう速さや!反射でも避けきれんかった!)
ルミはメイに刺さったままの刀を横に薙いで切り裂こうとするが、瞬時にそれに気づいたメイがルミを蹴り飛ばし後ろへと後退する。
(まずいな、、とりあえず、距離を置かな!)
「へぇ、すごいな。俺は心臓を狙った筈なんだが。やはり、お前は面白いな。こいつの中で見ていたがお前はどうやら戦いの天才の様だな」
(なんや?口調や雰囲気が変わった?)
メイは刺された箇所を押さえながらルミを警戒する。
(どうやら、致命傷はギリ避けれたみたいやな、、)
メイは目の前にいるルミではない何かに問いかける。
「なんやお前は?ルミじゃないやろ!」
「そうだな。ルミはもういない」
「どういうことや?」
「この少女はもう俺のものだ。俺は刀に取り憑いた怨念そのもの。こいつの心をちょっと突いたら簡単に体を明け渡してくれたぞ。全く、愚か少女だ、復讐だの、仇だの。俺はそういう感情が何よりも好物だからな、どんどん力が溢れてくる。そうだな、単純にバカにでもわかる様に言うとその力を制御できなくなったから乗っ取られたとでも言っておこうか」
「ほんまにアホやのう、、ルミ」
「そうだろ、この少女はバカだ、はっはっはっ!」
「黙れ!うちが言ってるのはそういう事やない。お前みたいなくだらんガラクタに乗っ取られるなんてアホやなってことや!」
「ガラクタだと、、お前、言葉には気をつけろよ。俺は怨念であると同時に神様でもあるだ。クソガキにガラクタ呼ばわりはされたく無いな。もっと敬えよ」
「そんなん知らんわ!お前の話なんかどうでもええわ!言わば寄生虫ってことかいな!」
「だから言葉に気をつけろと、、」
「うっさいわ!」
メイはルミの声を遮って話し続けた。
「とっとと目覚ましたるからなルミ!そのわけわからんやつぶっ飛ばしてな!それから再戦や!」
「無礼にも程があるぞクソガキ。それにぶっ飛ばすだぁ?お前は現実が見えていないってよく言われないか?」
「さぁね!とにかくお前をルミの体から追い出したるわ!」
「ふん、やれるものならやってみろ!はっはっ!今度はそっちから来いよ!」
「言われなくても、ぶっ飛ばす!」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる