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第七章 天使転輪
第149話 扉の向こうに
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各所で戦いが始まっていたその頃、メイと白斗は島へ降り立ち森の奥へと進んでいた。
「おかしいな」
「ん?何がや?」
「この島は言うほどの規模はねぇはず。だが、未だに戦闘の火の手が何処からも上がってないっていうのが変だ」
「言われて見ればたしかにせやな。何かあったんやろか?」
「わからんが、今は島の奥へ進むぞ、、、そこに奴がいるかも知れんからな」
「せやな」
二人はさらに島の奥へと進んでいく。しばらく歩いていると不気味に口を開いている洞窟が現れた。
「この感じ、誰かいるぞ。静かな殺気が不気味なほどに伝わってきやがる」
(この感じは、、、)
メイはこの殺気に覚えがあった。
そして。二人が一歩踏み出した次の瞬間、白斗のまわりが歪み始めた。
「なっ、なんや!?」
「狼狽えんな!俺は大丈夫だ、お前は先に行け!」
「白斗!」
白斗はそのまま消えてしまった。残されたメイは硬く拳を握りしめると洞窟へと向き直る。
「行かんとな」
メイは洞窟へと入って行った。
しばらく歩いていると洞窟には似合わない大きな扉を一つ見つける。
「なんや?これ」
(!?)
「なるほどな、、、不気味な殺気が扉越しに来るわ」
メイはわかっていた、扉の向こうにいる人物が誰なのかを。きっとそれは避けられない戦い、メイ自身が決着をつけなければならない相手。
そしてメイは覚悟を決めて、大きな扉を開け放つ。扉の向こうの空間には明かりは無く真っ暗であった。そして、辺りを警戒しながら中へと入る。すると突然、辺りに蝋燭が灯り、中の様子が顕になる。扉の中には洞窟の中には似つかわしくない大広間が広がっていた。その奥の椅子に一人の少女、ルミが座っていた。
「ようやく来たか、、待ちくたびれた」
「随分とお待たせしてしまったみたいやな。それで何でこんな暗いところにおるんや?目悪なんで」
「お前を殺したくてたまらなかった」
「おいおい、無視かいな。話くらいしてや」
ルミは椅子から立ち上がり、ゆっくりとメイの方へと歩む。
「お前と話すことなど何もない」
ルミは会話を切ると早々にメイに向かって駆け出してきた。
「来るか!」
メイは身構えてルミを迎え撃つ。ルミは拳を握り、凄まじく速い拳打の連撃を繰り出す。しかし、今のメイにはそれは止まって見えていた。
「遅いわ!」
メイはルミの腕を掴み取りそのまま空中へと放り投げる。ルミは着地の際、受け身をとって衝撃を抑えた。
「驚いた。まさか今のを避けるだけではなく腕を掴んでくるとは、どうやら強くなったみたいだな」
「はぁ、、本気で来いや!お前の全部、うちが受け止めたるさかい!」
「言われなくても、殺してやるよ!」
ルミは先ほどよりも速い突きをメイへと叩き込む。
「はっは!ちょっとはマシになったな!」
「お前のそのヘラヘラしてるのが癪に障るんだよ!」
ルミは懐に隠していた無数のナイフを瞬時に取り出してメイへと投げる。
「くだらんことしよって!」
メイはナイフを避ける。だがしかし、ナイフはまるで自我を持っているかの様に、避けたメイへと向かってくる。
「せやったな!お前はモノに魂を吹き込めるんやったな!だが甘いわ!」
メイは拳に電撃を込めると飛んできたナイフへと放った。するとメイへと向かってきたナイフは粉々になって塵となった。
「以前よりも異能を使いこなせてるみたいだな」
「あぁ、以前のうちじゃあないで!さぁ、こっから見せたるさかい!」
メイは全身に雷を纏った。そして、次の瞬間、ルミの前から姿を消した。
「なるほど。異能の力で速度まで上がったというわけか」
そして、一瞬でルミの目の前へと姿を現すと雷を纏った拳で連撃を繰り出す。ルミは両腕を盾にしてその連撃から身を守るが、メイの拳にのっている電撃のせいで次第に腕が痺れてくる。たまらず、腕で受けるのをやめたルミはメイの連撃を避ける。
「遅い!」
ルミはメイの速さについてこれずに強烈な一撃をくらってしまい、そのまま壁まで吹っ飛ばされる。
「そんなもんなんか?うちは本気で来いって言ったはずやけど」
そう言われてルミは静かに立ち上がると、ゆっくりと顔を上げてメイを見る。
「お前はむかつく、、」
「なら、どうするんや?」
「行け、、人形の怨念達よ」
ルミがそう言うと大広間にあった扉の一つが開いて、中から無数の着物を来た和様人形がメイへゆっくりと向かってくる。
「こっわ!?」
「おかしいな」
「ん?何がや?」
「この島は言うほどの規模はねぇはず。だが、未だに戦闘の火の手が何処からも上がってないっていうのが変だ」
「言われて見ればたしかにせやな。何かあったんやろか?」
「わからんが、今は島の奥へ進むぞ、、、そこに奴がいるかも知れんからな」
「せやな」
二人はさらに島の奥へと進んでいく。しばらく歩いていると不気味に口を開いている洞窟が現れた。
「この感じ、誰かいるぞ。静かな殺気が不気味なほどに伝わってきやがる」
(この感じは、、、)
メイはこの殺気に覚えがあった。
そして。二人が一歩踏み出した次の瞬間、白斗のまわりが歪み始めた。
「なっ、なんや!?」
「狼狽えんな!俺は大丈夫だ、お前は先に行け!」
「白斗!」
白斗はそのまま消えてしまった。残されたメイは硬く拳を握りしめると洞窟へと向き直る。
「行かんとな」
メイは洞窟へと入って行った。
しばらく歩いていると洞窟には似合わない大きな扉を一つ見つける。
「なんや?これ」
(!?)
「なるほどな、、、不気味な殺気が扉越しに来るわ」
メイはわかっていた、扉の向こうにいる人物が誰なのかを。きっとそれは避けられない戦い、メイ自身が決着をつけなければならない相手。
そしてメイは覚悟を決めて、大きな扉を開け放つ。扉の向こうの空間には明かりは無く真っ暗であった。そして、辺りを警戒しながら中へと入る。すると突然、辺りに蝋燭が灯り、中の様子が顕になる。扉の中には洞窟の中には似つかわしくない大広間が広がっていた。その奥の椅子に一人の少女、ルミが座っていた。
「ようやく来たか、、待ちくたびれた」
「随分とお待たせしてしまったみたいやな。それで何でこんな暗いところにおるんや?目悪なんで」
「お前を殺したくてたまらなかった」
「おいおい、無視かいな。話くらいしてや」
ルミは椅子から立ち上がり、ゆっくりとメイの方へと歩む。
「お前と話すことなど何もない」
ルミは会話を切ると早々にメイに向かって駆け出してきた。
「来るか!」
メイは身構えてルミを迎え撃つ。ルミは拳を握り、凄まじく速い拳打の連撃を繰り出す。しかし、今のメイにはそれは止まって見えていた。
「遅いわ!」
メイはルミの腕を掴み取りそのまま空中へと放り投げる。ルミは着地の際、受け身をとって衝撃を抑えた。
「驚いた。まさか今のを避けるだけではなく腕を掴んでくるとは、どうやら強くなったみたいだな」
「はぁ、、本気で来いや!お前の全部、うちが受け止めたるさかい!」
「言われなくても、殺してやるよ!」
ルミは先ほどよりも速い突きをメイへと叩き込む。
「はっは!ちょっとはマシになったな!」
「お前のそのヘラヘラしてるのが癪に障るんだよ!」
ルミは懐に隠していた無数のナイフを瞬時に取り出してメイへと投げる。
「くだらんことしよって!」
メイはナイフを避ける。だがしかし、ナイフはまるで自我を持っているかの様に、避けたメイへと向かってくる。
「せやったな!お前はモノに魂を吹き込めるんやったな!だが甘いわ!」
メイは拳に電撃を込めると飛んできたナイフへと放った。するとメイへと向かってきたナイフは粉々になって塵となった。
「以前よりも異能を使いこなせてるみたいだな」
「あぁ、以前のうちじゃあないで!さぁ、こっから見せたるさかい!」
メイは全身に雷を纏った。そして、次の瞬間、ルミの前から姿を消した。
「なるほど。異能の力で速度まで上がったというわけか」
そして、一瞬でルミの目の前へと姿を現すと雷を纏った拳で連撃を繰り出す。ルミは両腕を盾にしてその連撃から身を守るが、メイの拳にのっている電撃のせいで次第に腕が痺れてくる。たまらず、腕で受けるのをやめたルミはメイの連撃を避ける。
「遅い!」
ルミはメイの速さについてこれずに強烈な一撃をくらってしまい、そのまま壁まで吹っ飛ばされる。
「そんなもんなんか?うちは本気で来いって言ったはずやけど」
そう言われてルミは静かに立ち上がると、ゆっくりと顔を上げてメイを見る。
「お前はむかつく、、」
「なら、どうするんや?」
「行け、、人形の怨念達よ」
ルミがそう言うと大広間にあった扉の一つが開いて、中から無数の着物を来た和様人形がメイへゆっくりと向かってくる。
「こっわ!?」
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