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第七章 天使転輪
第148話 呪いvs 暴力
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「あー!!しつこいなぁ!」
シャオは黒い手から攻撃を受け続けていた。
(掴まれたら即死か、、ほんま厄介や。死体へ近づこう思ても黒い手に阻まれる。仮に近づけても、死体は黒い手によって守られる)
「はぁ、もうやめや」
シャオは急に動きを止めるそして黒い手が全身を掴みにくる。シャオの息の根は止まり再び死んで時が巻き戻る。立ち戻ったシャオにすぐさま黒い手が襲いかかってくる。しかし、シャオは黒い手が伸びてきている方へと駆け出し、黒い手を蹴りながら死体へと近づいていく。
「考えるのはうちの性に合わん!だから、力で解決することにした!」
シャオは脱兎のごとく死体へと近づき、ものの数秒で再び死体の目の前までやってきた。
そして拳を構えて一言。
「あんたの呪いとうちの暴力、どっちが強いか勝負や!」
シャオは黒い手からの攻撃を避けながら、強烈な拳を一発ずつ打ち込んでいく。死体は黒い手によって守られていたが、それでもお構いなしに凄まじい暴力を死した体へと打ち込んでいく。黒い手からの攻撃を避けては打ち込み、避けては打ち込み、一発一発、渾身を込めて打ち込んでいく。
パキッ!
「おー!ヒビが入ったちゅうことは効いてるみたいやな!」
しかしヒビが入ったところは再び黒い手で覆い隠される。
「隠しても無駄やで!さぁ、さぁ!もっと上げていくで!」
シャオはさらに速く、強く拳を打ち込んでいく。黒い手はたまらなくなったのか次第にヒビが入っていき、その度に黒い手の動きがどんどん鈍くなっていく。
「押し切るで!」
シャオはさらに畳み掛ける。もはや拳は血まみれになってしまったが構わず、今まで以上の力で拳を叩き込む。
パリッ!
そしてついに黒い手に覆われていた死体が顕になる。
「終わりやで!」
シャオは足を振り上げて、渾身のかかと落としを決める。死体は見事に真っ二つに裂かれた。
「まだやで!」
シャオは止まらない。追い討ちを仕掛ける様に更なる拳の雨を死体へと叩きつけ死体を跡形も無くミンチにしていく。打撃というよりそれは刃物やハンマーで行う解体作業の様であった。それをシャオは全て、己の拳一つで成していた。側から見れば凄惨な事件現場そのものである。
「ふぅ、終わったな、、早く洗い流したいわ」
死体は跡形もなく消え去った。残ったのは辺りに飛び散った血液だけだった。そして、シャオは近づいてきたベルナの存在に気づいて声をかける。
「おーい!ベルナ終わったで」
「おう、遅かったな。って血まみれじゃないか!」
「あー、これな。早く洗い流したいわ。それでこの有様はなんや?」
「あぁ、こっちもこっちで色々あってな」
ベルナは外側で起こった全て話した。
「なるほどな。敵がもう一人おったんやな。それで倒せたんか?」
「当たり前だ。最後は自害したがな。本当に呆気なかった」
ベルナはあの後、重力での押し合いをするつもりでいたのだったが、押し合いを始めた瞬間、透過の進行が無くなり、そのままその力は消えてしまったのだった。
「さて、邪魔が入ったが。再開だな」
「せやったな」
二人は互いに見合う。そして、今に始まりそうだった戦いは一人の男の声で中断された。
「ベルナ!こんなところにいたのか、ってなんだこれは!?」
森の中からヤサクと遊がやって来た。
「ちっ!もう来てしまったのか、、シャオ!戦いはまた今度だ」
「ん?ええんか?」
「あぁ、邪魔も入ったし、それに主は負傷しているしな」
「なんや、こんなん何でもないで」
シャオはニヤリとして血まみれの拳を見せつける。
「かっかっかっ!やはり面白いやつだな!主は!」
ヤサクと遊は二人の元へとやって来た。
「ベルナ!何があったんだ!?」
「あれあれ、ヤサクやんか!久しぶりやな!なんで来ないなとこおるんや?しかも遊と一緒に」
「相変わらずだな、シャオは。というか、お前、血まみれじゃないか!?大丈夫なのか?」
「あぁ!こんなん何でもないで!」
「そっ、そうか、、まぁ積もる話は後だ、それよりここで何があった?敵はもう倒したと聞いていたが、ベルナ?」
「はいはい」
ベルナは嫌そうにここであった出来事をヤサクに報告する。
「敵は死んでいて、その能力によって攻撃を受けていた。それから敵がもう一匹いやがって、それで二人で協力して倒した、それだけだ」
「本当にそれだけか?シャオに喧嘩をふっかけたりしたんじゃないのか?」
「ぐっ!はいはい、しましたよ!でも、仕方ないだろう」
「はぁ、お前というやつは」
「そんなことよりヤサク、これでここにいる全員は揃った。先ほどの話の続き聞かせてもらうぞ」
「ん?遊、話ってなんや?なんかあるんか?」
「シャオ、遊。お前達二人には真実を話そう」
「真実?」
シャオと遊は顔を見合わせる。
「糸衛から預かっている伝言とあれからの事を話そう」
シャオは黒い手から攻撃を受け続けていた。
(掴まれたら即死か、、ほんま厄介や。死体へ近づこう思ても黒い手に阻まれる。仮に近づけても、死体は黒い手によって守られる)
「はぁ、もうやめや」
シャオは急に動きを止めるそして黒い手が全身を掴みにくる。シャオの息の根は止まり再び死んで時が巻き戻る。立ち戻ったシャオにすぐさま黒い手が襲いかかってくる。しかし、シャオは黒い手が伸びてきている方へと駆け出し、黒い手を蹴りながら死体へと近づいていく。
「考えるのはうちの性に合わん!だから、力で解決することにした!」
シャオは脱兎のごとく死体へと近づき、ものの数秒で再び死体の目の前までやってきた。
そして拳を構えて一言。
「あんたの呪いとうちの暴力、どっちが強いか勝負や!」
シャオは黒い手からの攻撃を避けながら、強烈な拳を一発ずつ打ち込んでいく。死体は黒い手によって守られていたが、それでもお構いなしに凄まじい暴力を死した体へと打ち込んでいく。黒い手からの攻撃を避けては打ち込み、避けては打ち込み、一発一発、渾身を込めて打ち込んでいく。
パキッ!
「おー!ヒビが入ったちゅうことは効いてるみたいやな!」
しかしヒビが入ったところは再び黒い手で覆い隠される。
「隠しても無駄やで!さぁ、さぁ!もっと上げていくで!」
シャオはさらに速く、強く拳を打ち込んでいく。黒い手はたまらなくなったのか次第にヒビが入っていき、その度に黒い手の動きがどんどん鈍くなっていく。
「押し切るで!」
シャオはさらに畳み掛ける。もはや拳は血まみれになってしまったが構わず、今まで以上の力で拳を叩き込む。
パリッ!
そしてついに黒い手に覆われていた死体が顕になる。
「終わりやで!」
シャオは足を振り上げて、渾身のかかと落としを決める。死体は見事に真っ二つに裂かれた。
「まだやで!」
シャオは止まらない。追い討ちを仕掛ける様に更なる拳の雨を死体へと叩きつけ死体を跡形も無くミンチにしていく。打撃というよりそれは刃物やハンマーで行う解体作業の様であった。それをシャオは全て、己の拳一つで成していた。側から見れば凄惨な事件現場そのものである。
「ふぅ、終わったな、、早く洗い流したいわ」
死体は跡形もなく消え去った。残ったのは辺りに飛び散った血液だけだった。そして、シャオは近づいてきたベルナの存在に気づいて声をかける。
「おーい!ベルナ終わったで」
「おう、遅かったな。って血まみれじゃないか!」
「あー、これな。早く洗い流したいわ。それでこの有様はなんや?」
「あぁ、こっちもこっちで色々あってな」
ベルナは外側で起こった全て話した。
「なるほどな。敵がもう一人おったんやな。それで倒せたんか?」
「当たり前だ。最後は自害したがな。本当に呆気なかった」
ベルナはあの後、重力での押し合いをするつもりでいたのだったが、押し合いを始めた瞬間、透過の進行が無くなり、そのままその力は消えてしまったのだった。
「さて、邪魔が入ったが。再開だな」
「せやったな」
二人は互いに見合う。そして、今に始まりそうだった戦いは一人の男の声で中断された。
「ベルナ!こんなところにいたのか、ってなんだこれは!?」
森の中からヤサクと遊がやって来た。
「ちっ!もう来てしまったのか、、シャオ!戦いはまた今度だ」
「ん?ええんか?」
「あぁ、邪魔も入ったし、それに主は負傷しているしな」
「なんや、こんなん何でもないで」
シャオはニヤリとして血まみれの拳を見せつける。
「かっかっかっ!やはり面白いやつだな!主は!」
ヤサクと遊は二人の元へとやって来た。
「ベルナ!何があったんだ!?」
「あれあれ、ヤサクやんか!久しぶりやな!なんで来ないなとこおるんや?しかも遊と一緒に」
「相変わらずだな、シャオは。というか、お前、血まみれじゃないか!?大丈夫なのか?」
「あぁ!こんなん何でもないで!」
「そっ、そうか、、まぁ積もる話は後だ、それよりここで何があった?敵はもう倒したと聞いていたが、ベルナ?」
「はいはい」
ベルナは嫌そうにここであった出来事をヤサクに報告する。
「敵は死んでいて、その能力によって攻撃を受けていた。それから敵がもう一匹いやがって、それで二人で協力して倒した、それだけだ」
「本当にそれだけか?シャオに喧嘩をふっかけたりしたんじゃないのか?」
「ぐっ!はいはい、しましたよ!でも、仕方ないだろう」
「はぁ、お前というやつは」
「そんなことよりヤサク、これでここにいる全員は揃った。先ほどの話の続き聞かせてもらうぞ」
「ん?遊、話ってなんや?なんかあるんか?」
「シャオ、遊。お前達二人には真実を話そう」
「真実?」
シャオと遊は顔を見合わせる。
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