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第七章 天使転輪
第145話 見えざる敵
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「それで敵はどこにいるんだ?」
「わからん。なんか心当たりあるか?」
「いいや」
「なんや。それは頼りにならんな」
「あまり期待はするな」
「はぁ、あいよ」
(見えない敵か、前にもこういうことはあったけどな。おそらく異能によるものやな、姿を消す異能か、それとも全く別の特殊な異能か、、どちらにしても次の手を待つしか今はできないか)
「ん?」
ベルナは何かに気づいて剣を抜く。
「どうしたんや?」
「あぁ、何か来るぞ」
そう言った次の瞬間、何かがシャオの腕を掴んだ。
(ここや!)
シャオは掴まれた腕を引っ張ると何かが地面に転がった。
ザクッ!
「ちっ!外したか」
ベルナがそこに転がっていたであろう何かを剣で突き刺したが、どうやら外した様だった。
「何なんだ、透明人間か?」
「なるほどな。それが妥当やな。でも空から降ってきた刃物はどういうことかわからんな」
「たしかに、とりあえずここら一体に重力負荷をかけておこう」
辺りにあった木の枝はすべてへしゃげて粉々になった。
「安心しろ、主にはかてけはいない。しかしここからどうする?」
「アクションを待つ」
「待つっていっても多分これだと誰も動けんぞ」
「だから待つんや」
(もしこれが現象によるものだとしたら、必ず何か起こる)
しばらく何も起こらず膠着状態となる。
「何も無さそうだな」
そう言ってベルナが一歩前へ動き出すと再び空から無数の刃物が降ってきた。
「何だこれは!?」
ベルナは全ての刃物を弾き返す。
「わからん!」
シャオは考える。この森に入った時のことそれからベルナと会ったこと、ここに来てから気になることは何だ?ひっかかる点は、、、そして、シャオは一つの疑問に辿りついた。
「なぁ、ここに来る時、敵は居なかったのか?」
「ん?何だいきなり。そうだな、敵と言えばそこに失血死している男ぐらいか。まぁ弱すぎて話にならなかったが」
「そいつだ!おそらく!」
「何がだ?」
「あの男がこの現象の正体や!どういう異能かはわからんけど、能力者はあの男や!」
「何故そうなる?あっ、でも待てよ、、たしかあの男、死ぬ前に変なことを言っていたような」
「なんやて!それで何て言ってたんや!?」
「あぁ、呪われろとかなんとか、呪いの言葉を吐いていたな。くだらん戯言だと聞き流していたが」
「絶対それやん、、、」
(元凶はわかった、、でも、未だ能力の原理がわからん、、)
「あの男、本当に死んだのか?」
「なんやて」
二人は木の下でぐったりしている男を見る。
「たしかに私が殺したが、しっかり死んだのかは確認していない。もし、生きているのならそいつを完全に消し去ればこのわけのわからん状態から解放されるんじゃないのか?」
「たしかに、なら決まったな!」
「あぁ、私が確認しに行こう」
「いや、待て!うちが行く、何かあってはお前では戻れんからな。まぁ任せろ」
「なら頼む」
シャオはゆっくりと木の下の男へと近づいていく。しばらくは何も起こらなかった。しかし、男の方に近づくにつれて嫌な気配を感じ取ったシャオは一旦、立ち止まる。
「どうしたんだ!何かあったのか?」
ベルナは声をかけるがシャオは反応しなかった。いや、反応できなかったのだ。シャオの耳にはベルナの声が届かなかったのだ。声をかけられてるとも知らずにシャオを辺りを警戒し、動揺していた。
「何や!?何も聞こえへん、、なんやこれは!?」
シャオがベルナの方を振り向く、するとそこには闇が広がっていた。真っ暗な闇何もない真っ暗な闇。そしてシャオはその闇から伸びてくる無数の手によって四肢を引きちぎられた。
「わからん。なんか心当たりあるか?」
「いいや」
「なんや。それは頼りにならんな」
「あまり期待はするな」
「はぁ、あいよ」
(見えない敵か、前にもこういうことはあったけどな。おそらく異能によるものやな、姿を消す異能か、それとも全く別の特殊な異能か、、どちらにしても次の手を待つしか今はできないか)
「ん?」
ベルナは何かに気づいて剣を抜く。
「どうしたんや?」
「あぁ、何か来るぞ」
そう言った次の瞬間、何かがシャオの腕を掴んだ。
(ここや!)
シャオは掴まれた腕を引っ張ると何かが地面に転がった。
ザクッ!
「ちっ!外したか」
ベルナがそこに転がっていたであろう何かを剣で突き刺したが、どうやら外した様だった。
「何なんだ、透明人間か?」
「なるほどな。それが妥当やな。でも空から降ってきた刃物はどういうことかわからんな」
「たしかに、とりあえずここら一体に重力負荷をかけておこう」
辺りにあった木の枝はすべてへしゃげて粉々になった。
「安心しろ、主にはかてけはいない。しかしここからどうする?」
「アクションを待つ」
「待つっていっても多分これだと誰も動けんぞ」
「だから待つんや」
(もしこれが現象によるものだとしたら、必ず何か起こる)
しばらく何も起こらず膠着状態となる。
「何も無さそうだな」
そう言ってベルナが一歩前へ動き出すと再び空から無数の刃物が降ってきた。
「何だこれは!?」
ベルナは全ての刃物を弾き返す。
「わからん!」
シャオは考える。この森に入った時のことそれからベルナと会ったこと、ここに来てから気になることは何だ?ひっかかる点は、、、そして、シャオは一つの疑問に辿りついた。
「なぁ、ここに来る時、敵は居なかったのか?」
「ん?何だいきなり。そうだな、敵と言えばそこに失血死している男ぐらいか。まぁ弱すぎて話にならなかったが」
「そいつだ!おそらく!」
「何がだ?」
「あの男がこの現象の正体や!どういう異能かはわからんけど、能力者はあの男や!」
「何故そうなる?あっ、でも待てよ、、たしかあの男、死ぬ前に変なことを言っていたような」
「なんやて!それで何て言ってたんや!?」
「あぁ、呪われろとかなんとか、呪いの言葉を吐いていたな。くだらん戯言だと聞き流していたが」
「絶対それやん、、、」
(元凶はわかった、、でも、未だ能力の原理がわからん、、)
「あの男、本当に死んだのか?」
「なんやて」
二人は木の下でぐったりしている男を見る。
「たしかに私が殺したが、しっかり死んだのかは確認していない。もし、生きているのならそいつを完全に消し去ればこのわけのわからん状態から解放されるんじゃないのか?」
「たしかに、なら決まったな!」
「あぁ、私が確認しに行こう」
「いや、待て!うちが行く、何かあってはお前では戻れんからな。まぁ任せろ」
「なら頼む」
シャオはゆっくりと木の下の男へと近づいていく。しばらくは何も起こらなかった。しかし、男の方に近づくにつれて嫌な気配を感じ取ったシャオは一旦、立ち止まる。
「どうしたんだ!何かあったのか?」
ベルナは声をかけるがシャオは反応しなかった。いや、反応できなかったのだ。シャオの耳にはベルナの声が届かなかったのだ。声をかけられてるとも知らずにシャオを辺りを警戒し、動揺していた。
「何や!?何も聞こえへん、、なんやこれは!?」
シャオがベルナの方を振り向く、するとそこには闇が広がっていた。真っ暗な闇何もない真っ暗な闇。そしてシャオはその闇から伸びてくる無数の手によって四肢を引きちぎられた。
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