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第七章 天使転輪
第133話 約束
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「さてと、このコレクションはどこへ置きましょうか」
涼香は凍っているエントリームを見ながらそんな事を考えていた。
「そうですわ!城の門の前に飾りましょうか。そうと決まれば、まずは氷の結晶の中に入れてしまいましょう」
涼香はエントリームに向けて手を伸ばすと全身を氷の結晶で覆った。そして、エントリームはまるでショーケースに入れられたフィギュアの様になってしまった。
「さて、運びましょうか」
涼香が手を叩くと何もないところから無数の涼香が現れた。
「さぁ、分身体!共に城へと運びましょうか、、ん?」
涼香達が運ぼうとしたその時、ショーケースにヒビが入った。
「これは、、まさか」
分身体達はショーケースから距離をとった。
そして、ショーケースに次々にヒビが入るとショーケースは割れて、中からエントリームが出て来る。
「あっぶねぇ、、もうちょいでコレクションにされるところだったか」
涼香は一瞬だけ驚いたがすぐに平静に戻った。
「驚きましたわ。まさか、まだ生きていたなんて」
「俺も驚きだよ。また自分の体で動けるなんてな」
「ふっふっふ、どうやらそれを習得したんですわね。なら、もう少し楽しめそうですわね」
エントリームは涼香に指をさされて見ると体の周りに薄く赤いモヤの様なものがまとわりついていた。
「うおっ!なんだ、こりゃ?」
「ふっふっふ、なんですの、あなたまさか無意識で出していますの?それはそれで面白いですけど。あなたはそのモヤのおかげで私の世界で平気でいられるんですわよ」
「どういうこった?」
「天地創世に取り込まれた者は確実にその空間の影響を受ける。しかし、一つだけ空間の中で生きていける方法がありますのよ。それは自分の空間を微弱に体にまとわりつけることですわね。そうすれば空間の中でも影響を受けずにすみますわ」
「なるほどな。だから、あんたはさっき炎の柱の中でも平気で生きていたってわけか」
「まぁ、そうですわね。私の場合、それだけではないですが」
「なんだって?」
「何でもないですわ」
「そうかい。んで、続きはやるかい?」
「それもいいですけどね。しかし、外の様子が何やら騒がしいですわ。続きはまた今度ということで」
「いいのかい?俺を見逃して、まぁ言っても俺はここから出る方法がねぇんだがな」
「後でじっくり殺し合いをしましょう。ところであなた少し、いえ、かなり雰囲気変わりまして?」
「あぁ、どうやら俺は記憶を書き換えられて利用されていたらしい。名前すらも偽りに書き換えられていた。俺の本当の名前はコガネだ。全く、腹の立つ話だ」
「あらあら、お気の毒に。それで、あなたは今味方ですの?敵ですの?」
「いや、どちらでもない。ただ、、、あんたに頼みがあるんだが」
「何ですの?」
「異能についてもっと教えてほしい。俺はこの力を何も知らなさすぎる。そのせいで家族は死んで、弟にも迷惑をかけちまった様だからな。だから、あんたが知っていること全部教えてほしい、、頼む!」
「ふーん、何やら事情があるみたいですわね。さて、どうしましょうか。ただでは癪に障るので、何か対価をもらいましょうか」
「なんでもいいぜ」
「そうですわね、、、あっ!そうですわ!なら、あなたがさらに強くなったら私と再戦してくださいますか?私はあなたを気に入りましたの。あなたは才能もあるし伸び代は十分にあります。あなたはきっと私の素晴らしい好敵手になりそうですわ、ふっふっふ」
「なんだ、そんなことでいいなら、いいぜ!」
「なら、約束ですわね。さぁ、ならさっさと戻りましょう、っと言いたいところですが、あなたはここで待っていてくださいな」
「どういうことだ?」
「今、戻れば確実にあなたは死にますわよ。そこで、私が来るまで待っていなさいな」
「まぁ、わかった!なら、今のうちに修行でもしとくわ!」
「なら、私の分身体と遊んでいなさいな。では、、」
「あぁ、気をつけてな」
「ふっふ、不思議なものですわね。さっきまで殺し合いをしていた者同士ですのに」
涼香は凍っているエントリームを見ながらそんな事を考えていた。
「そうですわ!城の門の前に飾りましょうか。そうと決まれば、まずは氷の結晶の中に入れてしまいましょう」
涼香はエントリームに向けて手を伸ばすと全身を氷の結晶で覆った。そして、エントリームはまるでショーケースに入れられたフィギュアの様になってしまった。
「さて、運びましょうか」
涼香が手を叩くと何もないところから無数の涼香が現れた。
「さぁ、分身体!共に城へと運びましょうか、、ん?」
涼香達が運ぼうとしたその時、ショーケースにヒビが入った。
「これは、、まさか」
分身体達はショーケースから距離をとった。
そして、ショーケースに次々にヒビが入るとショーケースは割れて、中からエントリームが出て来る。
「あっぶねぇ、、もうちょいでコレクションにされるところだったか」
涼香は一瞬だけ驚いたがすぐに平静に戻った。
「驚きましたわ。まさか、まだ生きていたなんて」
「俺も驚きだよ。また自分の体で動けるなんてな」
「ふっふっふ、どうやらそれを習得したんですわね。なら、もう少し楽しめそうですわね」
エントリームは涼香に指をさされて見ると体の周りに薄く赤いモヤの様なものがまとわりついていた。
「うおっ!なんだ、こりゃ?」
「ふっふっふ、なんですの、あなたまさか無意識で出していますの?それはそれで面白いですけど。あなたはそのモヤのおかげで私の世界で平気でいられるんですわよ」
「どういうこった?」
「天地創世に取り込まれた者は確実にその空間の影響を受ける。しかし、一つだけ空間の中で生きていける方法がありますのよ。それは自分の空間を微弱に体にまとわりつけることですわね。そうすれば空間の中でも影響を受けずにすみますわ」
「なるほどな。だから、あんたはさっき炎の柱の中でも平気で生きていたってわけか」
「まぁ、そうですわね。私の場合、それだけではないですが」
「なんだって?」
「何でもないですわ」
「そうかい。んで、続きはやるかい?」
「それもいいですけどね。しかし、外の様子が何やら騒がしいですわ。続きはまた今度ということで」
「いいのかい?俺を見逃して、まぁ言っても俺はここから出る方法がねぇんだがな」
「後でじっくり殺し合いをしましょう。ところであなた少し、いえ、かなり雰囲気変わりまして?」
「あぁ、どうやら俺は記憶を書き換えられて利用されていたらしい。名前すらも偽りに書き換えられていた。俺の本当の名前はコガネだ。全く、腹の立つ話だ」
「あらあら、お気の毒に。それで、あなたは今味方ですの?敵ですの?」
「いや、どちらでもない。ただ、、、あんたに頼みがあるんだが」
「何ですの?」
「異能についてもっと教えてほしい。俺はこの力を何も知らなさすぎる。そのせいで家族は死んで、弟にも迷惑をかけちまった様だからな。だから、あんたが知っていること全部教えてほしい、、頼む!」
「ふーん、何やら事情があるみたいですわね。さて、どうしましょうか。ただでは癪に障るので、何か対価をもらいましょうか」
「なんでもいいぜ」
「そうですわね、、、あっ!そうですわ!なら、あなたがさらに強くなったら私と再戦してくださいますか?私はあなたを気に入りましたの。あなたは才能もあるし伸び代は十分にあります。あなたはきっと私の素晴らしい好敵手になりそうですわ、ふっふっふ」
「なんだ、そんなことでいいなら、いいぜ!」
「なら、約束ですわね。さぁ、ならさっさと戻りましょう、っと言いたいところですが、あなたはここで待っていてくださいな」
「どういうことだ?」
「今、戻れば確実にあなたは死にますわよ。そこで、私が来るまで待っていなさいな」
「まぁ、わかった!なら、今のうちに修行でもしとくわ!」
「なら、私の分身体と遊んでいなさいな。では、、」
「あぁ、気をつけてな」
「ふっふ、不思議なものですわね。さっきまで殺し合いをしていた者同士ですのに」
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