天使ノ探求者

はなり

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第七章 天使転輪

第129話 花園

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「なっ、何を言っているいるんだ、お前は!」
 
「ひっひっひっ!」
 
花蓮は不敵に笑いながら砂浜に降り立つとその足元から様々な花が咲き出した。
 
「ここは海辺、水などいくらでもある!」
 
水鏡は再び海水で無数の水球体を作り出して火憐へとぶつける。しかし、花蓮は素知らぬ顔で立っていた。体のあちこちに当たる水球体が花蓮の体へと吸収されて、足元の砂浜に次から次へと花が咲き誇る。

「養分をありがとー」
 
水鏡がひとしきり水球体を打ち終え、息切れする頃には砂浜一面には有りとあらゆるこの世の花という花が咲き乱れていた。
 
「終わりか?随分と呆気ないな!さっきまでの余裕はどうした!」
 
「はぁ、、、はぁ、、、化け物め!」
 
「化け物?それは違うな」
 
花蓮は息切れして海上にいる水鏡へとゆっくりと歩きだした。
 
「お前はこの世界とがあることを知っているんじゃないか?」
 
「なっ、何故それを!?」
 
「お前の異能に触れて少しだけお前のを吸わせてもらったからな」
 
「蜜だと、、」
 
「私の能力の一つだ。お前の記憶を覗かせてもらった。それで、、お前は知っているだろ?私という存在を」
 
「そんな、、まさか、、いや、しかしあの世界へのゲートはまだ開かれていないのに何故、、」
 
「なんだ?は知らないのだな。まぁよいよい。それじゃあな」
 
花蓮は水鏡の体に触れる。その瞬間、海一面に見渡す限りの花園が現れた。そして水鏡は最後の言葉も言い残せないまま花園の一部にされてしまった。
一息ついた花蓮は辺りを見回すと首を傾げた。
 
「ん?なんだここは、、、あっ、そうか!ここは違うだったな。まぁよい、手始めにここら一体を花で埋め尽くし昼寝でもするか。ひひっ!」
 
不気味な笑いを浮かべると火憐は詩い始めた。
 
「花咲き乱れ、狂い咲くは賛美の花、歌い歌いましょう、讃花の詩、可憐で花蓮な花園の上で、百合、薔薇、胡蝶蘭、チューリップ、ガーベラ、アネモネ、ダリア、ガーネット、ツツジ、スズラン、ラナンキュラス、ルピナス、アサガオ、ベゴニア、スイセン、アマゼラス、ライラック、あぁ、あぁ、数え出したらキリがない二〇万の可憐で美しい花達、好きなだけ好きなだけ狂い咲き乱れなさい。ひっひっひっひっひっひっひっひっ!!!」
 
花蓮は花園と化した海と浜辺の上を不気味に踊り周りながら、その花園の領域を増やしていった。
そして、火憐が花蓮になる少し前、島の火山地帯で涼香はエントリームの炎に苦戦していた。
 
「どうだい、俺の炎はアチいだろう?」
 
「そうですわね。鬱陶しいぐらいにね」
 
先ほどからエントリームは炎の弾丸を涼香へと浴びせ続けていた。氷の壁でそれを防いでいたが、時間が経つにつれて弾丸の熱量が上がっていることに涼香は気づく。
 
(どういう原理かはわかりませんが、先ほどからさらに暑さを感じますわね。この地形によるものか、奴自身の能力か、どちらにせよこの壁ではもう防ぎきれませんわね)
 
「ほい!」
 
エントリームは特大の炎の弾丸を氷の壁へと放つ。そして氷の壁を見事に貫通して、涼香の腹に大きな風穴を開ける。
 
「うっ!」
 
「いやいや、冗談だろ。あんたこんなじゃ死なんでしょ」
 
涼香はニヤりとして溶けていった。そして涼香は再びどこからともなく現れた。
 
「さすがに守りも飽きてきましたわね。では、攻めましょうか」
 
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