130 / 199
第七章 天使転輪
第129話 花園
しおりを挟む
「なっ、何を言っているいるんだ、お前は!」
「ひっひっひっ!」
花蓮は不敵に笑いながら砂浜に降り立つとその足元から様々な花が咲き出した。
「ここは海辺、水などいくらでもある!」
水鏡は再び海水で無数の水球体を作り出して火憐へとぶつける。しかし、花蓮は素知らぬ顔で立っていた。体のあちこちに当たる水球体が花蓮の体へと吸収されて、足元の砂浜に次から次へと花が咲き誇る。
「養分をありがとー」
水鏡がひとしきり水球体を打ち終え、息切れする頃には砂浜一面には有りとあらゆるこの世の花という花が咲き乱れていた。
「終わりか?随分と呆気ないな!さっきまでの余裕はどうした!」
「はぁ、、、はぁ、、、化け物め!」
「化け物?それは違うな」
花蓮は息切れして海上にいる水鏡へとゆっくりと歩きだした。
「お前はこの世界ともう一つ世界があることを知っているんじゃないか?」
「なっ、何故それを!?」
「お前の異能に触れて少しだけお前の蜜を吸わせてもらったからな」
「蜜だと、、」
「私の能力の一つだ。お前の記憶を覗かせてもらった。それで、、お前は知っているだろ?私という存在を」
「そんな、、まさか、、いや、しかしあの世界へのゲートはまだ開かれていないのに何故、、」
「なんだ?あれは知らないのだな。まぁよいよい。それじゃあな」
花蓮は水鏡の体に触れる。その瞬間、海一面に見渡す限りの花園が現れた。そして水鏡は最後の言葉も言い残せないまま花園の一部にされてしまった。
一息ついた花蓮は辺りを見回すと首を傾げた。
「ん?なんだここは、、、あっ、そうか!ここは違う空間だったな。まぁよい、手始めにここら一体を花で埋め尽くし昼寝でもするか。ひひっ!」
不気味な笑いを浮かべると火憐は詩い始めた。
「花咲き乱れ、狂い咲くは賛美の花、歌い歌いましょう、讃花の詩、可憐で花蓮な花園の上で、百合、薔薇、胡蝶蘭、チューリップ、ガーベラ、アネモネ、ダリア、ガーネット、ツツジ、スズラン、ラナンキュラス、ルピナス、アサガオ、ベゴニア、スイセン、アマゼラス、ライラック、あぁ、あぁ、数え出したらキリがない二〇万の可憐で美しい花達、好きなだけ好きなだけ狂い咲き乱れなさい。ひっひっひっひっひっひっひっひっ!!!」
花蓮は花園と化した海と浜辺の上を不気味に踊り周りながら、その花園の領域を増やしていった。
そして、火憐が花蓮になる少し前、島の火山地帯で涼香はエントリームの炎に苦戦していた。
「どうだい、俺の炎はアチいだろう?」
「そうですわね。鬱陶しいぐらいにね」
先ほどからエントリームは炎の弾丸を涼香へと浴びせ続けていた。氷の壁でそれを防いでいたが、時間が経つにつれて弾丸の熱量が上がっていることに涼香は気づく。
(どういう原理かはわかりませんが、先ほどからさらに暑さを感じますわね。この地形によるものか、奴自身の能力か、どちらにせよこの壁ではもう防ぎきれませんわね)
「ほい!」
エントリームは特大の炎の弾丸を氷の壁へと放つ。そして氷の壁を見事に貫通して、涼香の腹に大きな風穴を開ける。
「うっ!」
「いやいや、冗談だろ。あんたこんなじゃ死なんでしょ」
涼香はニヤりとして溶けていった。そして涼香は再びどこからともなく現れた。
「さすがに守りも飽きてきましたわね。では、攻めましょうか」
「ひっひっひっ!」
花蓮は不敵に笑いながら砂浜に降り立つとその足元から様々な花が咲き出した。
「ここは海辺、水などいくらでもある!」
水鏡は再び海水で無数の水球体を作り出して火憐へとぶつける。しかし、花蓮は素知らぬ顔で立っていた。体のあちこちに当たる水球体が花蓮の体へと吸収されて、足元の砂浜に次から次へと花が咲き誇る。
「養分をありがとー」
水鏡がひとしきり水球体を打ち終え、息切れする頃には砂浜一面には有りとあらゆるこの世の花という花が咲き乱れていた。
「終わりか?随分と呆気ないな!さっきまでの余裕はどうした!」
「はぁ、、、はぁ、、、化け物め!」
「化け物?それは違うな」
花蓮は息切れして海上にいる水鏡へとゆっくりと歩きだした。
「お前はこの世界ともう一つ世界があることを知っているんじゃないか?」
「なっ、何故それを!?」
「お前の異能に触れて少しだけお前の蜜を吸わせてもらったからな」
「蜜だと、、」
「私の能力の一つだ。お前の記憶を覗かせてもらった。それで、、お前は知っているだろ?私という存在を」
「そんな、、まさか、、いや、しかしあの世界へのゲートはまだ開かれていないのに何故、、」
「なんだ?あれは知らないのだな。まぁよいよい。それじゃあな」
花蓮は水鏡の体に触れる。その瞬間、海一面に見渡す限りの花園が現れた。そして水鏡は最後の言葉も言い残せないまま花園の一部にされてしまった。
一息ついた花蓮は辺りを見回すと首を傾げた。
「ん?なんだここは、、、あっ、そうか!ここは違う空間だったな。まぁよい、手始めにここら一体を花で埋め尽くし昼寝でもするか。ひひっ!」
不気味な笑いを浮かべると火憐は詩い始めた。
「花咲き乱れ、狂い咲くは賛美の花、歌い歌いましょう、讃花の詩、可憐で花蓮な花園の上で、百合、薔薇、胡蝶蘭、チューリップ、ガーベラ、アネモネ、ダリア、ガーネット、ツツジ、スズラン、ラナンキュラス、ルピナス、アサガオ、ベゴニア、スイセン、アマゼラス、ライラック、あぁ、あぁ、数え出したらキリがない二〇万の可憐で美しい花達、好きなだけ好きなだけ狂い咲き乱れなさい。ひっひっひっひっひっひっひっひっ!!!」
花蓮は花園と化した海と浜辺の上を不気味に踊り周りながら、その花園の領域を増やしていった。
そして、火憐が花蓮になる少し前、島の火山地帯で涼香はエントリームの炎に苦戦していた。
「どうだい、俺の炎はアチいだろう?」
「そうですわね。鬱陶しいぐらいにね」
先ほどからエントリームは炎の弾丸を涼香へと浴びせ続けていた。氷の壁でそれを防いでいたが、時間が経つにつれて弾丸の熱量が上がっていることに涼香は気づく。
(どういう原理かはわかりませんが、先ほどからさらに暑さを感じますわね。この地形によるものか、奴自身の能力か、どちらにせよこの壁ではもう防ぎきれませんわね)
「ほい!」
エントリームは特大の炎の弾丸を氷の壁へと放つ。そして氷の壁を見事に貫通して、涼香の腹に大きな風穴を開ける。
「うっ!」
「いやいや、冗談だろ。あんたこんなじゃ死なんでしょ」
涼香はニヤりとして溶けていった。そして涼香は再びどこからともなく現れた。
「さすがに守りも飽きてきましたわね。では、攻めましょうか」
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
私の好きの壁とドア
木魔 遥拓
ライト文芸
雪の降る日。受験帰りに痴漢に遭遇した主人公は、助けてくれた名前も知らないお兄さんに一目惚れする。
また会える可能性は低いと思っていたが、高校で再会。しかし相手は教師。さらに女性だった
それでも諦めない主人公の百合物語。
(本筋ズレの日常多め)
風月庵にきてください 開店ガラガラ編
矢野 零時
ライト文芸
正夫のお父さんはお母さんと別れてソバ屋をやりだした。お父さんの方についていった正夫は、学校も変わり、ソバ屋の商売のことまで悩むことになった。
あ~、正夫とお父さんは一体どうなるのだろうか?
隣人はクールな同期でした。
氷萌
恋愛
それなりに有名な出版会社に入社して早6年。
30歳を前にして
未婚で恋人もいないけれど。
マンションの隣に住む同期の男と
酒を酌み交わす日々。
心許すアイツとは
”同期以上、恋人未満―――”
1度は愛した元カレと再会し心を搔き乱され
恋敵の幼馴染には刃を向けられる。
広報部所属
●七星 セツナ●-Setuna Nanase-(29歳)
編集部所属 副編集長
●煌月 ジン●-Jin Kouduki-(29歳)
本当に好きな人は…誰?
己の気持ちに向き合う最後の恋。
“ただの恋愛物語”ってだけじゃない
命と、人との
向き合うという事。
現実に、なさそうな
だけどちょっとあり得るかもしれない
複雑に絡み合う人間模様を描いた
等身大のラブストーリー。
陰キャ貧乏女子高生の成り上がり~借金回避するためにはフォロワー一万人をゲットせよ!~
すだもみぢ
ライト文芸
志保は貧乏陰キャを自覚する女子高生。
クラスの陽キャ集団に突き飛ばされ、高級自動車と事故を起こしてしまう。
自動車を運転していた男に「君の治療費と自動車の修理代を請求する。ただし、三カ月以内にアイドル、ニッキーのファンとしてSNSでフォロワーを一万人を達成すればそれをチャラにする」と言われて……。
ただでさえバイトで忙しい毎日がますます忙しくなっているはずなのに、あれ?どうしてだろう。なんか前より色々生きやすくなっているかも……?
前向きな無自覚系主人公が、見えないところで助けられて成長していくお話……かもしれない?
わたしの周りの人々(ダイジェスト版)
くるみあるく
ライト文芸
本作品「わたしの周りの人々(略称:わたまわ)」は沖縄人ヒロイン+韓国人宣教師+LGBT中国人の二重三角関係をつづった物語です。Amebaブログとノベルアッププラスに掲載している内容の一部をこちらへ転載します。
ameblo版「わたまわ」目次 https://ameblo.jp/ulkachan/entry-12686575722.html
ノベルアッププラス版「わたまわ」目次 https://novelup.plus/story/810948585/937751426
アラサー独身の俺が義妹を預かることになった件~俺と義妹が本当の家族になるまで~
おとら@ 書籍発売中
ライト文芸
ある日、小さいながらも飲食店を経営する俺に連絡が入る。
従兄弟であり、俺の育ての親でもある兄貴から、転勤するから二人の娘を預かってくれと。
これは一度家族になることから逃げ出した男が、義妹と過ごしていくうちに、再び家族になるまでの軌跡である。
僕らは出会う、青く輝く月明かりの下で。
望月くらげ
ライト文芸
二葉は市内で自殺スポットとして有名な鉄橋の上にいた。
このままここから飛び降りて死んでしまおう。
足をかけた二葉に声をかけたのはうっすらと向こう側が透けて見える青年だった。
自分自身を幽霊だという青年レイから死ぬまでの時間をちょうだいと言われた二葉は、タイムリミットである18歳の誕生日までの四週間をレイと過ごすことになる。
レイは死にたいと言う二葉に四週間の間、鉄橋に自殺に来る人を止めてほしいと頼み――。
四週間後、二葉が選んだ選択とは。
そして、レイの運命とは。
これは死ななければいけない少女と幽霊との切ない青春ストーリー
登場人物
水無瀬 二葉(みなせ ふたば)
高校三年生 17歳
18歳になる四週間後までに死ななければいけない
レイ
鉄橋の地縛霊。
自殺した少年の霊らしい。
死のうとした二葉の時間をもらい、ある頼み事をする
【完結】似て非なる双子の結婚
野村にれ
恋愛
ウェーブ王国のグラーフ伯爵家のメルベールとユーリ、トスター侯爵家のキリアムとオーランド兄弟は共に双子だった。メルベールとユーリは一卵性で、キリアムとオーランドは二卵性で、兄弟という程度に似ていた。
隣り合った領地で、伯爵家と侯爵家爵位ということもあり、親同士も仲が良かった。幼い頃から、親たちはよく集まっては、双子同士が結婚すれば面白い、どちらが継いでもいいななどと、集まっては話していた。
そして、図らずも両家の願いは叶い、メルベールとキリアムは婚約をした。
ユーリもオーランドとの婚約を迫られるが、二組の双子は幸せになれるのだろうか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる