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第六章 修羅夢語
第125話 出発
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海岸へ着くと詩織は一旦、家に何かを取りに行く。しばらく待っていると森から椿が歩いてきた。
「椿、どうしたんだ?」
「いいや。もう行くってルクスリアから聞いて」
「うん。元気でな椿」
「あぁ、糸音も」
二人の間に静かな時間が流れる。
「糸音」
「ん?」
「またね」
糸音は少し驚いた。そんな糸音をよそに椿はそのまま森へと入って行った。しばらくして詩織が戻ってくる。
「待ったー?ってどうしたの糸音?」
「ふん、いや別に」
「あーそう。まぁ、いいや!じゃあ、行こうか!」
「あぁ」
詩織達はバイクに跨り、詩織がエンジンをつけてそのまま海の方へ発進する。
「ん?おいおい!待て!」
「え?なに?」
詩織は言われて止める。
「どこへ行くんだ?」
「いや、どこって孤島でしょ?」
「バイクでか?」
そう聞かれると詩織はニヤリとする。糸音は嫌な予感がした。詩織はこう言う顔の時は大抵良くないことなのだと。
「そう!このままバイクで行く!超スピードで走らせて海の上を走るんだよ」
「ちょっと、、まて、、うお!」
詩織はフルスロットルで海へと突っ込んだ。バイクはそのまま沈むと思いきや、なんと水の上を走っていた。
「なっ!これは!」
「あは!騙されたね糸音!これは水陸両用なんだよ!あははは!」
「全く、困ったやつだ」
二人は海の上を走って行き、急ぎ絶海の孤島へと向かった。
そして時は少し遡り、糸音達が出発する日の朝、まだ日の出も完全に上がっていない朝方、一隻の船が孤島へと近づいていた。その船には二人の黒いフードを被った男女が乗っていた。そして船を止めると島を観察する。
「霧がやばいな、こんなんで見つかるのか?」
「見つけたぞ」
「まじか!さすが吸血鬼やな!ほな行こか」
次の瞬間、二人は船から姿を消した。そして、一瞬で島の海岸の上空まで飛ぶ。そんな空中にいる二人に向かって細かいレーザー光速がどこからともなく放たれる。しかし、それはどれもこれも不発に終わる。
「どこや?」
「東の方向のあの高い木の近くだ」
「了解!」
女は言われた木の真上へと一瞬で移動する。そしてその真下を見ると男が一人居た。
「見つけたで!」
「なっ!化け物か!これでもくらえ!」
男は大量のレーザーを空中にいる女へと放った。しかし、女はその場所に止まり立っていた。そしてレーザーは全て女へと命中した。
「死んだな!まずは一人だ!なっ!?」
男は勝利したと確信した時、先ほど女のいた場所から煙が捌けると女は無傷で立っていた。よく見ると女の周りには少量の電磁波の円を纏っていた。女はその電磁波を操作して手の形にすると拳を構える。その電磁波も女と同じ様に拳の形へと変形する。そしてそれを地上にいる男に放った。電磁波の拳は真っ直ぐにまるで雷でも落ちていくかの様に男へと直撃する。
「うああああ!!!」
男は叫び声を上げて気を失う。空中にいる女が腕を組むと一陣の風が吹き、フードがとれる。
「おい!先に行くなよ」
一緒に来た男がようやくこちらへとやって来る。
「ええやんか。そんな事よりあれやな、なんか呆気ないな」
「たしかに、島の防御の要がこんなところにいるなんて、、罠かもしれんぞ」
「かっかっか!それはそれで良かったってことで!さぁ!開戦や!」
フードの女、雷々メイは高らかに笑った。
第六章 修羅夢語 閉幕
第七章 天使転輪
「椿、どうしたんだ?」
「いいや。もう行くってルクスリアから聞いて」
「うん。元気でな椿」
「あぁ、糸音も」
二人の間に静かな時間が流れる。
「糸音」
「ん?」
「またね」
糸音は少し驚いた。そんな糸音をよそに椿はそのまま森へと入って行った。しばらくして詩織が戻ってくる。
「待ったー?ってどうしたの糸音?」
「ふん、いや別に」
「あーそう。まぁ、いいや!じゃあ、行こうか!」
「あぁ」
詩織達はバイクに跨り、詩織がエンジンをつけてそのまま海の方へ発進する。
「ん?おいおい!待て!」
「え?なに?」
詩織は言われて止める。
「どこへ行くんだ?」
「いや、どこって孤島でしょ?」
「バイクでか?」
そう聞かれると詩織はニヤリとする。糸音は嫌な予感がした。詩織はこう言う顔の時は大抵良くないことなのだと。
「そう!このままバイクで行く!超スピードで走らせて海の上を走るんだよ」
「ちょっと、、まて、、うお!」
詩織はフルスロットルで海へと突っ込んだ。バイクはそのまま沈むと思いきや、なんと水の上を走っていた。
「なっ!これは!」
「あは!騙されたね糸音!これは水陸両用なんだよ!あははは!」
「全く、困ったやつだ」
二人は海の上を走って行き、急ぎ絶海の孤島へと向かった。
そして時は少し遡り、糸音達が出発する日の朝、まだ日の出も完全に上がっていない朝方、一隻の船が孤島へと近づいていた。その船には二人の黒いフードを被った男女が乗っていた。そして船を止めると島を観察する。
「霧がやばいな、こんなんで見つかるのか?」
「見つけたぞ」
「まじか!さすが吸血鬼やな!ほな行こか」
次の瞬間、二人は船から姿を消した。そして、一瞬で島の海岸の上空まで飛ぶ。そんな空中にいる二人に向かって細かいレーザー光速がどこからともなく放たれる。しかし、それはどれもこれも不発に終わる。
「どこや?」
「東の方向のあの高い木の近くだ」
「了解!」
女は言われた木の真上へと一瞬で移動する。そしてその真下を見ると男が一人居た。
「見つけたで!」
「なっ!化け物か!これでもくらえ!」
男は大量のレーザーを空中にいる女へと放った。しかし、女はその場所に止まり立っていた。そしてレーザーは全て女へと命中した。
「死んだな!まずは一人だ!なっ!?」
男は勝利したと確信した時、先ほど女のいた場所から煙が捌けると女は無傷で立っていた。よく見ると女の周りには少量の電磁波の円を纏っていた。女はその電磁波を操作して手の形にすると拳を構える。その電磁波も女と同じ様に拳の形へと変形する。そしてそれを地上にいる男に放った。電磁波の拳は真っ直ぐにまるで雷でも落ちていくかの様に男へと直撃する。
「うああああ!!!」
男は叫び声を上げて気を失う。空中にいる女が腕を組むと一陣の風が吹き、フードがとれる。
「おい!先に行くなよ」
一緒に来た男がようやくこちらへとやって来る。
「ええやんか。そんな事よりあれやな、なんか呆気ないな」
「たしかに、島の防御の要がこんなところにいるなんて、、罠かもしれんぞ」
「かっかっか!それはそれで良かったってことで!さぁ!開戦や!」
フードの女、雷々メイは高らかに笑った。
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第七章 天使転輪
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