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第五章 忘却再生
第112話 予感
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一
「この辺りから匂いが完全に消えている」
三人は近くにあった小さい川へと辿り着いた。
「手分けして探すか」
「何かあったら必ず一人では行動せず、全員に知らせる様にしよう」
「了解」
糸音はしばらく辺りを散策しているとすぐに洞窟を発見する。そしてまだ近くに居た他の二人合流すると洞窟のことを伝える。
「なるほどな、そこが怪しいな」
「どうする?」
「慎重に行こう。案内してくれ糸音」
三人は糸音の案内のもと洞窟へと向かった。
洞窟へと近づくとさっきまでなかった霧が出てきた。
「なんだ、急に霧が」
「着いたぞ」
「ここか、確かに二人の匂いはこの奥からする」
「よし。紅羽、くれぐれも突っ走るなよ」
「あぁ、大丈夫だ」
三人が洞窟の奥へ進むとさらに霧が濃くなってくる。
「離れるなよ、二人とも」
「あぁ、、待て!」
「なんだ!」
糸音は辺りを見回すといつの間にかルクスリアが居ないことに気がついた。
「やられた!ルクスリアが居ない!」
「まじかよ!どうする糸音!?」
「とにかく、椿達はおそらくこの奥だ、首謀者もそこにいる。それにさっきから出ているこの霧は人為的なものだ」
「なぜ、そう思う」
「肌に伝わる感じが気味が悪い」
「直感か。でも、この霧は嫌な感じっていうのはわかるぜ」
「とにかく警戒しながら進もう。ルクスリアは吸血鬼だ、そう簡単には死なない」
「そうだな」
二人は警戒しながら奥へと進んでいく。
二
「糸音!紅羽!どこだ!?」
ルクスリアはいつの間にか逸れていた二人を探す。しかし霧が濃くなっていき、ついには何も見えなくなった。
「なんなんだ!この霧は!」
何も見えないルクスリアは前へと進んで行くと人影がルクスリアの前に現れた。
「誰だ!」
そう叫ぶとその人影は逃げ出す。
「待て!」
ルクスリアはその人影を追いかける。
(くそ!霧で前が見えない分、人影を追うことしかできない!)
人影を追っていたルクスリアは突如、霧が晴れていくのを確認する。
(なんだ!?急に霧が晴れて)
「!?」
ルクスリアの目の前にはいつかの間にか縄で捕まったジータが横たわっていた。ルクスリアは近づくと声をかける。
「ジータ!おい!しっかりしろ!」
ジータはゆっくりと目を覚ますと飛び起きた。
「こ、ここは!」
「安心しろ、助けにきた。ここは洞窟だ、、、なっ!なんだどういうことだ!?」
ルクスリアは驚く。霧が完全に無くなり、辺りが鮮明に見えた。ルクスリアは自分がまだいるのは洞窟の中だと思っていた。しかし、実際に辺りを見渡すと洞窟の近くにあった小さな川のほとりに居た。
(いつの間にか外へ出たのか、いやしかし洞窟からそれなりに距離がある、まさか最初から私だけここに居たのか、それとも何らかの方法で飛ばされた)
「ルクスリアさん、私はもう大丈夫です。椿姉さんを頼みます」
「あっ、あぁ、すぐに仲間が来る。ここでじっとしていろ」
「ありがとうございます」
ジータを近くにあった木の根元まで運ぶとルクスリアは再び洞窟へと急ぎ向かう。
(嫌な予感がする。無事でいてくれよ三人とも)
「この辺りから匂いが完全に消えている」
三人は近くにあった小さい川へと辿り着いた。
「手分けして探すか」
「何かあったら必ず一人では行動せず、全員に知らせる様にしよう」
「了解」
糸音はしばらく辺りを散策しているとすぐに洞窟を発見する。そしてまだ近くに居た他の二人合流すると洞窟のことを伝える。
「なるほどな、そこが怪しいな」
「どうする?」
「慎重に行こう。案内してくれ糸音」
三人は糸音の案内のもと洞窟へと向かった。
洞窟へと近づくとさっきまでなかった霧が出てきた。
「なんだ、急に霧が」
「着いたぞ」
「ここか、確かに二人の匂いはこの奥からする」
「よし。紅羽、くれぐれも突っ走るなよ」
「あぁ、大丈夫だ」
三人が洞窟の奥へ進むとさらに霧が濃くなってくる。
「離れるなよ、二人とも」
「あぁ、、待て!」
「なんだ!」
糸音は辺りを見回すといつの間にかルクスリアが居ないことに気がついた。
「やられた!ルクスリアが居ない!」
「まじかよ!どうする糸音!?」
「とにかく、椿達はおそらくこの奥だ、首謀者もそこにいる。それにさっきから出ているこの霧は人為的なものだ」
「なぜ、そう思う」
「肌に伝わる感じが気味が悪い」
「直感か。でも、この霧は嫌な感じっていうのはわかるぜ」
「とにかく警戒しながら進もう。ルクスリアは吸血鬼だ、そう簡単には死なない」
「そうだな」
二人は警戒しながら奥へと進んでいく。
二
「糸音!紅羽!どこだ!?」
ルクスリアはいつの間にか逸れていた二人を探す。しかし霧が濃くなっていき、ついには何も見えなくなった。
「なんなんだ!この霧は!」
何も見えないルクスリアは前へと進んで行くと人影がルクスリアの前に現れた。
「誰だ!」
そう叫ぶとその人影は逃げ出す。
「待て!」
ルクスリアはその人影を追いかける。
(くそ!霧で前が見えない分、人影を追うことしかできない!)
人影を追っていたルクスリアは突如、霧が晴れていくのを確認する。
(なんだ!?急に霧が晴れて)
「!?」
ルクスリアの目の前にはいつかの間にか縄で捕まったジータが横たわっていた。ルクスリアは近づくと声をかける。
「ジータ!おい!しっかりしろ!」
ジータはゆっくりと目を覚ますと飛び起きた。
「こ、ここは!」
「安心しろ、助けにきた。ここは洞窟だ、、、なっ!なんだどういうことだ!?」
ルクスリアは驚く。霧が完全に無くなり、辺りが鮮明に見えた。ルクスリアは自分がまだいるのは洞窟の中だと思っていた。しかし、実際に辺りを見渡すと洞窟の近くにあった小さな川のほとりに居た。
(いつの間にか外へ出たのか、いやしかし洞窟からそれなりに距離がある、まさか最初から私だけここに居たのか、それとも何らかの方法で飛ばされた)
「ルクスリアさん、私はもう大丈夫です。椿姉さんを頼みます」
「あっ、あぁ、すぐに仲間が来る。ここでじっとしていろ」
「ありがとうございます」
ジータを近くにあった木の根元まで運ぶとルクスリアは再び洞窟へと急ぎ向かう。
(嫌な予感がする。無事でいてくれよ三人とも)
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