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第五章 忘却再生
第102話 茶会
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日も少し傾きだした頃、館の前にようやく辿り着いた、ルクスリアと紅羽。大きな門を兵士が開けると門の前に皇王の側近が立っていた。少しお辞儀をするとゆっくりと紅羽達の元へと寄ってくる。
「お待ちしておりました、ルクスリア殿。私は皇王様の側近、アンメイと申します。本日、皇王様の所までご案内させていただきます」
「初めまして、本日はよろしく頼みます」
「はい、ではこちらへ」
紅羽達はアンメンに促されて中庭を抜けて客間へと移動する。客間は皇室の扉の突き当たり向かって右側の通路奥にある。扉を開けると客間と呼ぶには少し広すぎる空間がそこにはあって真ん中に大きな円卓が置かれていた。そして、そこでしばらく待つように言われた二人は壁に施された装飾などを見て時間を過ごした。しばらくすると皇王が側近と共に客間に現れた。
「これはこれは、長旅ご苦労様でした。私はこの街を治める皇王のナギと言います」
ナギは手を指し述べ、握手を求めるとルクスリアはそれに応える。
「こちらこそ、お招きいただいてありがとうございます。ヘイオーで治安維持局統括をしております、ルクスリア・ベルフェナーレと言います」
「紅羽から話は伺っております。早速ですが腰を下ろしてゆっくりとお話ししましょうか」
「そうですね。では、失礼します」
二人は大きな円卓を囲むようにおいてある椅子に座る。
「紅羽もアンメンも座れ。あまりかしこまった感じも好かん、ルクスリア殿も構わないですかな?」
「私もそちらの方が助かります」
「では、二人共椅子へ」
「はい」
「んじゃ座らせてもらうぜ」
二人も椅子に座ると、どこからか館のメイドが現れて茶菓子をテーブルの上へと並べる。
「ありがとう、今日は無礼講といきましょう。世間話でも混ぜながら色々とお話しをしましょうか」
「ふん、面白いお方だ、気に入りました。では遠慮なく」
主にルクスリアとナギの会話がほとんどだったが所々で紅羽が茶々を入れたりして会合という名の茶会は滞りなく進み、日が傾き始めた頃に話を切り上げて帰る事になった。
「今日は良き日でした。ルクスリア殿のことも知れたし、今後ともこのカンナギの京との交流もよろしく頼みます」
「こちらこそありがとうございました。ナギ殿がこんなにも話しやすい相手だとはつゆ知らず、今日はお互いに良き日でしたな」
「なんか、かしこまった話し方だと変な感じだなルクスリア」
「うるさい、お前はもう少しわきまえるんだな」
「あいよー」
「ではルクスリア殿、次回はヘイオーへ伺わせてもらいますよ」
「えぇ、その時は良きおもてなしでも考えておきます。では、、」
紅羽とルクスリアは館を後にした。
一方そのころ、糸音は森の奥へと進んだが特に何も無かったので頃合いを見て帰路についていた。
「特に何もなかったな」
日も落ちたころ、洋館の近くの森まで帰ってきた糸音は突然、背中に何かを感じた。それは先ほど居た森の奥の方からだった。
(なんだ?この感じ獣の殺気、、まさか、、)
「夜は獣の時間」
糸音は誰かに聞いた言葉を思い出した。糸音は再び、殺気を感じた森の奥へと向かった。
「お待ちしておりました、ルクスリア殿。私は皇王様の側近、アンメイと申します。本日、皇王様の所までご案内させていただきます」
「初めまして、本日はよろしく頼みます」
「はい、ではこちらへ」
紅羽達はアンメンに促されて中庭を抜けて客間へと移動する。客間は皇室の扉の突き当たり向かって右側の通路奥にある。扉を開けると客間と呼ぶには少し広すぎる空間がそこにはあって真ん中に大きな円卓が置かれていた。そして、そこでしばらく待つように言われた二人は壁に施された装飾などを見て時間を過ごした。しばらくすると皇王が側近と共に客間に現れた。
「これはこれは、長旅ご苦労様でした。私はこの街を治める皇王のナギと言います」
ナギは手を指し述べ、握手を求めるとルクスリアはそれに応える。
「こちらこそ、お招きいただいてありがとうございます。ヘイオーで治安維持局統括をしております、ルクスリア・ベルフェナーレと言います」
「紅羽から話は伺っております。早速ですが腰を下ろしてゆっくりとお話ししましょうか」
「そうですね。では、失礼します」
二人は大きな円卓を囲むようにおいてある椅子に座る。
「紅羽もアンメンも座れ。あまりかしこまった感じも好かん、ルクスリア殿も構わないですかな?」
「私もそちらの方が助かります」
「では、二人共椅子へ」
「はい」
「んじゃ座らせてもらうぜ」
二人も椅子に座ると、どこからか館のメイドが現れて茶菓子をテーブルの上へと並べる。
「ありがとう、今日は無礼講といきましょう。世間話でも混ぜながら色々とお話しをしましょうか」
「ふん、面白いお方だ、気に入りました。では遠慮なく」
主にルクスリアとナギの会話がほとんどだったが所々で紅羽が茶々を入れたりして会合という名の茶会は滞りなく進み、日が傾き始めた頃に話を切り上げて帰る事になった。
「今日は良き日でした。ルクスリア殿のことも知れたし、今後ともこのカンナギの京との交流もよろしく頼みます」
「こちらこそありがとうございました。ナギ殿がこんなにも話しやすい相手だとはつゆ知らず、今日はお互いに良き日でしたな」
「なんか、かしこまった話し方だと変な感じだなルクスリア」
「うるさい、お前はもう少しわきまえるんだな」
「あいよー」
「ではルクスリア殿、次回はヘイオーへ伺わせてもらいますよ」
「えぇ、その時は良きおもてなしでも考えておきます。では、、」
紅羽とルクスリアは館を後にした。
一方そのころ、糸音は森の奥へと進んだが特に何も無かったので頃合いを見て帰路についていた。
「特に何もなかったな」
日も落ちたころ、洋館の近くの森まで帰ってきた糸音は突然、背中に何かを感じた。それは先ほど居た森の奥の方からだった。
(なんだ?この感じ獣の殺気、、まさか、、)
「夜は獣の時間」
糸音は誰かに聞いた言葉を思い出した。糸音は再び、殺気を感じた森の奥へと向かった。
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