天使ノ探求者

はなり

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第五章 忘却再生

第87話 別れ道の先

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要塞の最奥のエントランスにてルクスリアは鎖に繋がれて座らされていた。
 
「ようやく来たようですね」
 
「お前が勝てると思っているのか?」
 
「勝てますよ、要は夕凪糸音ですからね。調べましたからね」
 
「何を考えている」
 
「まぁ、そこで大人しく見ておきなさいな」
 
ジャックは不敵に笑うと近くにある椅子に座る。
 


「牢屋だな」
 
真っ直ぐ進んでいくと詩織は牢屋が左右にある道へ辿り着く。そして辺りを見渡しながら進んでいくと、牢屋のあちこちに目の死んでいる大人達が牢屋に入れられていた。
 
「酷い光景だな」
 
そして、牢屋がしばらく続くと扉があってそれを開けると空けた場所に出る。
 
「な、なんだこれは」

そこには悍ましい光景が広がっていた。大人と思しき眷属崩れが子供達を追いかけ回していた、そして捕まった子供は捕食され、それを上にあるガラス張りになった客席の様な場所から大人達が談笑しながら笑い見ていた。
 
「、、、、、」
 
詩織は進んでいくと眷属崩れ達を次から次へと殺していく。
 
「君たちは早く逃げなさいな」
 
生き残った子供達は詩織が来た道へ走っていった。上ではいまだに大人達が談笑しながら鑑賞していた。
 
「ゲス共が」
 
詩織はガラスを破壊しようとそこまで巻物の風で飛ぶがガラスはビクともしなかった。
 
(強化ガラスか)
 
詩織は上へ続く扉を探すと反対側に大きな扉があってそこまで駆け出す。するとその扉に辿り着いたその時、扉が開かれ中から無数の眷属崩れが現れる。
 
「有象無象共が」
 
 詩織は巻物を一本取り出した。それを広げると自らの手をクナイで傷つけて血を巻物に描かれた円に落とす、そして詠唱を始めた。
 
「汝、我と契約を契りしもののけよ血の盟約に従え」
 
すると巻物から一匹の狐が現れる。
 
「痛いからこれは使いたくなかったけど。妖狐よ、あのゲス共のところへ行き喰らい尽くせ」
 
妖狐と呼ばれた狐は眷属崩れ共の体をすり抜けて奥へと消えて行く。
 
「さて、皆殺しだね」
 
詩織は眷属崩れ達を皆殺しにしていく、肉を割き、骨を砕き、怒りの限りを尽くす。そして上では強化ガラスがあるせいで阿鼻叫喚は聞こえてこないが、妖狐が捕食を始めていた。


 
「外れかな」
 
紅羽は奥へと進んだが結局何もなかった。
 
「戻るか」
 
紅羽が来た道を戻ろうと振り向くとそこには子供が一人居た。
 
「お兄さん一人?」
 
「ん?君は何故こんなところに?」
 
「まぁいいや、死んでね」
 
「!?」
 
子供が走りながら突っ込んで来ると爆発した。
 
「な、なんだ!」
 
そして煙の中にさっきの子供がまだそこに立っていた。
 
「避けないでよ、僕だって痛いんだから」
 
「何してやがんだ!やめろ!」
 
子供は全く聞かずに再び紅羽に突っ込んできて爆発する。
 
「くそ!」


 
「なぁ、ルクスリア殿、暇つぶしに私の話を聞くといい」
 
「はぁ、相変わらずの演説好きだな」
 
「ふん、子供というのは実に良い武器だ。大人は子供に騙されやすい。特に純粋な者達なら尚更だ。っとその前に私の素晴らしい武具をお見せしよう」
 
ジャックは近くのテーブルから手のひらサイズの手榴弾を手に取ると、その栓を抜き投げ爆発させる。
 
「普通の手榴弾ならここで終わりだ、だが私が開発したこれは持続性がある爆弾でな、ほら見てみろ」
 
指された方向を見ると先ほど爆発した手榴弾が落ちていた、そして数秒ののち、再び爆発する。
 
「なっ!?」
 
「どうだ、こいつは爆発だけを起こし、栓を閉めない限り爆発をし続ける。だが限界があるのだ。10回が限界爆発数だ、それ以上は外殻が保たんのだ。そしてこれを死なない子供に持たせると、どうだ。最強の武器の完成だろ。悲劇の爆弾とでも名付けるかな」
 
「残酷な事を、、」
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