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第五章 忘却再生
第70話 無双
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糸音は街へと入ると不思議な光景を目の当たりにした。普通の市民がそこかしこに居たのだ。ルクスリアから聞いたこの国の現状だと市民はひっそりと奥地で暮らしているはずだったからだ。
「なんだ、話しが違うな。いや、何か裏があるな。少なくとも幸せそうではない」
そう市民は普通に暮らしてはいるが、目に覇気は無かった。
「とりあえず急ぐか」
糸音が進んで行くとある民家の入り口での揉め事に遭遇した。
「おいおい、ここには七歳になる子供がいると記録にあるんだ、早く子供を寄越せ!でなきゃ、お前らは反逆罪として死刑にする!」
「ま、待ってください!うちの子は体が弱いんです!だからカサンドラ様のお役には立てないかと、、」
「何だ、反抗するのか?役に立つぞ、人体実験のな、はっはっは!!」
「おい」
「あ?何だテメェ、カサンドラ様に逆らうのか、ぶふ!!!」
糸音は男に声をかけるとぶん殴り、男は横に吹っ飛んでいった。
「早く中に入ってろ」
「あ、ありがとうございます!」
女は糸音に言われ家の中に隠れる。ぶん殴られた男は立ち上がると剣を抜き出す。
「てめぇ、舐めたマネしてくれたな。死刑だ!」
「甘かったか、もう少し力を入れたほうが良かったか、加減が難しいな」
「何言ってんだ、クソガキがー!!」
男は剣を片手に糸音に迫るが、糸音はそのまま男を素手で再び殴り飛ばした。そして男に馬乗りになると問いかける。
「おい、カサンドラとか言うのはどこだ?」
「は?なひをいってひゃがる」
「やり過ぎたか」
騒ぎを聞きつけておとこの仲間らしき奴らが十数人現れた。しかし糸音は顔色一つ変えずに十人共殴殺すると、男に向き直る。
「んで、カサンドラはどこだ?」
「ひっ、殺ひゃないれくえ!さひゃんとら様は城の王の間にひる」
「そうか」
糸音は立ち上がり、その場を後にした。去り際、男の頭は地面に落ちた。
糸音は古城の前に立つと門番らしき兵士を数人音も無く殺すと門をぶち破る。
「な、何事だ!」
「敵襲だ!」
場内が慌ただしくなるが、糸音は顔色一つ変えずに、向かってくる兵士を一人残らず皆殺しにした、頭を落とし、千切りにし、殴殺し、刺殺し、場内は一瞬にして血の惨劇と化した。
その様子を塀の上から見ていた詩織は関心していた。
「いや、マジで化けもんだなこりゃ。おかげで楽に地下に行けるねこれなら」
詩織は地下への階段を見つけて降りて行く。
「地下の兵士は全員地上へ行ったのか。マジで楽だなこりゃ」
詩織は目的の場所に着くと、件の人物を探す、すると一番最奥の牢に居た。
「ようよう、アニキー、元気ですかい?」
「ん?そのふざけた声は詩織か、来たのか」
男は鎖に繋がれぐったりしていた。
「そうそう、助けにきやした!っんで新しい仲間が今、カサンドラと対峙しているんじゃないかな、早く行こうか」
「新しい仲間か、そりゃ見てみたいな」
詩織は牢屋の鍵を破壊すると男を、連れ出して糸音の居る王の間に急ぐ。
糸音は王の間に向かう途中、妙な場所を見た。それは子供が何人も幽閉されていた部屋だった。おそらく人体実験、毒ガスの研究や武器の殺傷能力を子供で試す場所であることは明白だった。
「悪趣味だな」
そして糸音は王の間に着くと、そこには数人の兵士、もとい強面の屈強な男達が武器を構えて立っていた、そしてその玉座に腰掛ける男が居た。
「お前が、カサンドラか」
「なんだお前は、この俺様に用があるのか?あるのなら秘書を通せ無礼者が」
「とりあえず、こいつらは邪魔だな」
そう言うと糸音は目にも止まらぬ速さで兵士達を皆殺しにした。
「ほうほう、子供にしてはやるじゃ無いか」
「余裕そうだな」
「余裕さ、この俺に勝てるとでも?」
「殺せるね」
「舐めたガキにはお説教が必要だな」
カサンドラは玉座から立ち上がると近くにあった刀を抜いて糸音に向ける。
「説教してくれるのか」
ルクスリアは古城に辿り着き、中に入るとそこは惨劇だった、肉塊となった元人間がそこら中に落ちていた。
「こ、これは、、、、とにかく急ごう」
ルクスリアは王の間に急ぐと、その途中で詩織達に会う。
「おう、姉御じゃないですか」
「元気そうだな」
「そうでもないですよ」
三人は王の間に急ぐ、そして王の間に着いた彼らを待っていたのは死体が転がっている王の間とその玉座の前で糸音によって針剣で貫かれているカサンドラだった。
「な、何だこりゃ」
「糸音、まだ殺してないか」
糸音は無表情でルクスリアへと顔を向ける。
「あぁ、まだ息はあるがもうじき死ぬだろうな」
「そうか」
糸音は針剣を抜いた。そしてカサンドラは玉座によろけながら座る。
「よう、ルクスリアじゃないか、、」
「満身創痍だな、カサンドラ」
ルクスリアは玉座に近づいて、死にかけのカサンドラを見下ろす。
「楽しかったか、王様ごっこは」
「あぁ、それで、、何が聞きたいんだ?長くねぇから、、手短にな、、」
「ジャックは何を企んでいる、同盟を結んだと聞いたが、何か知っているか?」
「話がまわるのが、早いな、、奴は、国家統一をかかげてる、、それだけだ、、人体実験ある計画を、、持ちかけた、、男が、数日前にジャックの元に、、現れた、らしい、、そいつは、、も、、の、、、、、」
「逝ったか、、」
ルクスリアは糸音に向き直ると平手で頬をぶった。
「な!」
「おいおい、ルクスリア」
二人は驚いた、長年一緒にいた二人はルクスリアが感情的になるのを、ましてや人に手をあげるところを初めて見たからだ。
「糸音、やりすぎだ、兵士の中には市民の子供も居たんだぞ」
「そうか、だけど悪に与した者なら誰 何があろうとも悪に違い無いんだ。だから私は間違ってはいない」
糸音は静かに王の間を出ていく。
「おい!糸音!」
ルクスリアの声に何も反応せず、糸音は消えた。そして残された二人も糸音の後を続くようにアジトへと帰える。その後ルクスリアはカサンドラ達の後始末の為、数日アジトへは帰ってこなかった。
「なんだ、話しが違うな。いや、何か裏があるな。少なくとも幸せそうではない」
そう市民は普通に暮らしてはいるが、目に覇気は無かった。
「とりあえず急ぐか」
糸音が進んで行くとある民家の入り口での揉め事に遭遇した。
「おいおい、ここには七歳になる子供がいると記録にあるんだ、早く子供を寄越せ!でなきゃ、お前らは反逆罪として死刑にする!」
「ま、待ってください!うちの子は体が弱いんです!だからカサンドラ様のお役には立てないかと、、」
「何だ、反抗するのか?役に立つぞ、人体実験のな、はっはっは!!」
「おい」
「あ?何だテメェ、カサンドラ様に逆らうのか、ぶふ!!!」
糸音は男に声をかけるとぶん殴り、男は横に吹っ飛んでいった。
「早く中に入ってろ」
「あ、ありがとうございます!」
女は糸音に言われ家の中に隠れる。ぶん殴られた男は立ち上がると剣を抜き出す。
「てめぇ、舐めたマネしてくれたな。死刑だ!」
「甘かったか、もう少し力を入れたほうが良かったか、加減が難しいな」
「何言ってんだ、クソガキがー!!」
男は剣を片手に糸音に迫るが、糸音はそのまま男を素手で再び殴り飛ばした。そして男に馬乗りになると問いかける。
「おい、カサンドラとか言うのはどこだ?」
「は?なひをいってひゃがる」
「やり過ぎたか」
騒ぎを聞きつけておとこの仲間らしき奴らが十数人現れた。しかし糸音は顔色一つ変えずに十人共殴殺すると、男に向き直る。
「んで、カサンドラはどこだ?」
「ひっ、殺ひゃないれくえ!さひゃんとら様は城の王の間にひる」
「そうか」
糸音は立ち上がり、その場を後にした。去り際、男の頭は地面に落ちた。
糸音は古城の前に立つと門番らしき兵士を数人音も無く殺すと門をぶち破る。
「な、何事だ!」
「敵襲だ!」
場内が慌ただしくなるが、糸音は顔色一つ変えずに、向かってくる兵士を一人残らず皆殺しにした、頭を落とし、千切りにし、殴殺し、刺殺し、場内は一瞬にして血の惨劇と化した。
その様子を塀の上から見ていた詩織は関心していた。
「いや、マジで化けもんだなこりゃ。おかげで楽に地下に行けるねこれなら」
詩織は地下への階段を見つけて降りて行く。
「地下の兵士は全員地上へ行ったのか。マジで楽だなこりゃ」
詩織は目的の場所に着くと、件の人物を探す、すると一番最奥の牢に居た。
「ようよう、アニキー、元気ですかい?」
「ん?そのふざけた声は詩織か、来たのか」
男は鎖に繋がれぐったりしていた。
「そうそう、助けにきやした!っんで新しい仲間が今、カサンドラと対峙しているんじゃないかな、早く行こうか」
「新しい仲間か、そりゃ見てみたいな」
詩織は牢屋の鍵を破壊すると男を、連れ出して糸音の居る王の間に急ぐ。
糸音は王の間に向かう途中、妙な場所を見た。それは子供が何人も幽閉されていた部屋だった。おそらく人体実験、毒ガスの研究や武器の殺傷能力を子供で試す場所であることは明白だった。
「悪趣味だな」
そして糸音は王の間に着くと、そこには数人の兵士、もとい強面の屈強な男達が武器を構えて立っていた、そしてその玉座に腰掛ける男が居た。
「お前が、カサンドラか」
「なんだお前は、この俺様に用があるのか?あるのなら秘書を通せ無礼者が」
「とりあえず、こいつらは邪魔だな」
そう言うと糸音は目にも止まらぬ速さで兵士達を皆殺しにした。
「ほうほう、子供にしてはやるじゃ無いか」
「余裕そうだな」
「余裕さ、この俺に勝てるとでも?」
「殺せるね」
「舐めたガキにはお説教が必要だな」
カサンドラは玉座から立ち上がると近くにあった刀を抜いて糸音に向ける。
「説教してくれるのか」
ルクスリアは古城に辿り着き、中に入るとそこは惨劇だった、肉塊となった元人間がそこら中に落ちていた。
「こ、これは、、、、とにかく急ごう」
ルクスリアは王の間に急ぐと、その途中で詩織達に会う。
「おう、姉御じゃないですか」
「元気そうだな」
「そうでもないですよ」
三人は王の間に急ぐ、そして王の間に着いた彼らを待っていたのは死体が転がっている王の間とその玉座の前で糸音によって針剣で貫かれているカサンドラだった。
「な、何だこりゃ」
「糸音、まだ殺してないか」
糸音は無表情でルクスリアへと顔を向ける。
「あぁ、まだ息はあるがもうじき死ぬだろうな」
「そうか」
糸音は針剣を抜いた。そしてカサンドラは玉座によろけながら座る。
「よう、ルクスリアじゃないか、、」
「満身創痍だな、カサンドラ」
ルクスリアは玉座に近づいて、死にかけのカサンドラを見下ろす。
「楽しかったか、王様ごっこは」
「あぁ、それで、、何が聞きたいんだ?長くねぇから、、手短にな、、」
「ジャックは何を企んでいる、同盟を結んだと聞いたが、何か知っているか?」
「話がまわるのが、早いな、、奴は、国家統一をかかげてる、、それだけだ、、人体実験ある計画を、、持ちかけた、、男が、数日前にジャックの元に、、現れた、らしい、、そいつは、、も、、の、、、、、」
「逝ったか、、」
ルクスリアは糸音に向き直ると平手で頬をぶった。
「な!」
「おいおい、ルクスリア」
二人は驚いた、長年一緒にいた二人はルクスリアが感情的になるのを、ましてや人に手をあげるところを初めて見たからだ。
「糸音、やりすぎだ、兵士の中には市民の子供も居たんだぞ」
「そうか、だけど悪に与した者なら誰 何があろうとも悪に違い無いんだ。だから私は間違ってはいない」
糸音は静かに王の間を出ていく。
「おい!糸音!」
ルクスリアの声に何も反応せず、糸音は消えた。そして残された二人も糸音の後を続くようにアジトへと帰える。その後ルクスリアはカサンドラ達の後始末の為、数日アジトへは帰ってこなかった。
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