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第四章 捲土重来
第66話 狼煙
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一
神無が攫われて一週間が経ち、そして夕凪の屋敷にて再び会議が行われていた。
「さて、糸見達の報告からカジノは夜月と繋がっていた。それと宗谷達の居場所がわかった、北の国、ヘイオーの外れにある孤島にいるそうだ。実際ミツギが現地へ趣、宗谷が出入りしているのを目撃している。間違いないだろう」
「よし、じゃあ早速行くぞ」
「待て白斗、あの島に無闇に近づくとレーザーでやられるぞ。ミツギからの報告でどういうわけかあの島はレーザーで守られているらしい、そのレーザー使いをどうにかしないと島へは近づけない」
「レーザーね、志貴ならいけるんじゃないか?」
火憐が志貴に話しをふる。
「いや、そのレーザの成分にもよるから一概に防げるかわからない」
「なら、まずはレーザー使いを撃破ですわね、いい案がありますわ。レーザー使いへはメイが適任ですわ」
「面倒を見ている涼香が言うなら、それでいこうか」
「んで、布陣はどうする?」
「もう決めてある、四方から攻め入る。決行は明朝。さぁ反撃開始だ」
二
ヘイオーの外れに浮かぶ孤島の中心、地下空洞にある建物のとある部屋の玉座で眠っていた六花、それを起こしたのは一人の軽薄な男だった。
「睡眠中ですかい、姫さん」
「なんだエントリームか、何の様だ」
エントリームと呼ばれるその男は六花に近づくと膝をつく。
「いえいえ、吸血鬼の姫とお話でもと」
その瞬間エントリームの腕が吹き飛び、すぐに灰になって消えた。
エントリームは何食わぬ顔で腕の切り口から炎がでて再生する。
「蛇か」
「火です。ひどいじゃないですか、いきなり吹っ飛ばすなんて」
「さっさと、要件を言え」
「はいはい、近々来るそうですよ、アイツら、、えーと、、夕凪家だったけ」
「そうか」
「それだけですか?まぁ伝えましたよ」
「待て、ルミには私が伝える」
「わかりましたよ」
エントリームが部屋を去ると、玉座から立ち上がり影になりルミのいる部屋に一瞬で移動した。
「またか、ルミ」
ルミの部屋には夥しいほどの死体の山があった。バラバラに粉々に、その死体の山の上にルミは座っていた。
「いくら、吸血鬼といえどこれは殺しすぎだ」
「六花さんには言われたくないですね」
「ふん、もうじき夕凪家が来るそうだ」
「そうですか、ようやくルナの墓前に奴の首を、、、」
六花は静かにルミの部屋を去っていく。
三
(あぁついに私はあの地へ、長い夢がようやく叶うのだな、糸衛、お前が残したものは役に立たないものばかりだが、一つは役にたったな)
宗谷は一人椅子に座っていた。目を開けると一人の男が部屋へと入ってきた。
「どうだ、調子は?」
「あぁ、いい感じだ」
「羽虫共がこの島に向かっているそうだが」
「気にするな、所詮羽虫だろ。そんなことよりいつになるのだ?」
「もうじきだ、あのお方はまだ眠りについている。目を覚ませばすぐにでもゲートを開き行ける」
宗谷は再び、椅子に深く腰掛けると目を閉じる。
「楽しみだ」
ここから約十二時間後、運命の分かれ目の総力戦が始まる。そして、カジノの一件から遊に報告がいく少し前に遡る。北の国、ヘイオーの海岸で鼻歌を歌いながら闊歩する一人の少女がいた。
「るんるんるんーるーん、ふっふっふっふー、ん?」
少女は砂浜で打ちあげられている人間を発見する。そして近づき声をかけてみることにした。
「もしもーし、ってあれ?何でこんなところに、、、まぁとりあえず連れて帰るか」
少女、波風詩織は夕凪糸音を担いで、砂浜を歩き出す。
第四章 捲土重来 閉幕 第五章 忘却再生へ
神無が攫われて一週間が経ち、そして夕凪の屋敷にて再び会議が行われていた。
「さて、糸見達の報告からカジノは夜月と繋がっていた。それと宗谷達の居場所がわかった、北の国、ヘイオーの外れにある孤島にいるそうだ。実際ミツギが現地へ趣、宗谷が出入りしているのを目撃している。間違いないだろう」
「よし、じゃあ早速行くぞ」
「待て白斗、あの島に無闇に近づくとレーザーでやられるぞ。ミツギからの報告でどういうわけかあの島はレーザーで守られているらしい、そのレーザー使いをどうにかしないと島へは近づけない」
「レーザーね、志貴ならいけるんじゃないか?」
火憐が志貴に話しをふる。
「いや、そのレーザの成分にもよるから一概に防げるかわからない」
「なら、まずはレーザー使いを撃破ですわね、いい案がありますわ。レーザー使いへはメイが適任ですわ」
「面倒を見ている涼香が言うなら、それでいこうか」
「んで、布陣はどうする?」
「もう決めてある、四方から攻め入る。決行は明朝。さぁ反撃開始だ」
二
ヘイオーの外れに浮かぶ孤島の中心、地下空洞にある建物のとある部屋の玉座で眠っていた六花、それを起こしたのは一人の軽薄な男だった。
「睡眠中ですかい、姫さん」
「なんだエントリームか、何の様だ」
エントリームと呼ばれるその男は六花に近づくと膝をつく。
「いえいえ、吸血鬼の姫とお話でもと」
その瞬間エントリームの腕が吹き飛び、すぐに灰になって消えた。
エントリームは何食わぬ顔で腕の切り口から炎がでて再生する。
「蛇か」
「火です。ひどいじゃないですか、いきなり吹っ飛ばすなんて」
「さっさと、要件を言え」
「はいはい、近々来るそうですよ、アイツら、、えーと、、夕凪家だったけ」
「そうか」
「それだけですか?まぁ伝えましたよ」
「待て、ルミには私が伝える」
「わかりましたよ」
エントリームが部屋を去ると、玉座から立ち上がり影になりルミのいる部屋に一瞬で移動した。
「またか、ルミ」
ルミの部屋には夥しいほどの死体の山があった。バラバラに粉々に、その死体の山の上にルミは座っていた。
「いくら、吸血鬼といえどこれは殺しすぎだ」
「六花さんには言われたくないですね」
「ふん、もうじき夕凪家が来るそうだ」
「そうですか、ようやくルナの墓前に奴の首を、、、」
六花は静かにルミの部屋を去っていく。
三
(あぁついに私はあの地へ、長い夢がようやく叶うのだな、糸衛、お前が残したものは役に立たないものばかりだが、一つは役にたったな)
宗谷は一人椅子に座っていた。目を開けると一人の男が部屋へと入ってきた。
「どうだ、調子は?」
「あぁ、いい感じだ」
「羽虫共がこの島に向かっているそうだが」
「気にするな、所詮羽虫だろ。そんなことよりいつになるのだ?」
「もうじきだ、あのお方はまだ眠りについている。目を覚ませばすぐにでもゲートを開き行ける」
宗谷は再び、椅子に深く腰掛けると目を閉じる。
「楽しみだ」
ここから約十二時間後、運命の分かれ目の総力戦が始まる。そして、カジノの一件から遊に報告がいく少し前に遡る。北の国、ヘイオーの海岸で鼻歌を歌いながら闊歩する一人の少女がいた。
「るんるんるんーるーん、ふっふっふっふー、ん?」
少女は砂浜で打ちあげられている人間を発見する。そして近づき声をかけてみることにした。
「もしもーし、ってあれ?何でこんなところに、、、まぁとりあえず連れて帰るか」
少女、波風詩織は夕凪糸音を担いで、砂浜を歩き出す。
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