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第四章 捲土重来
第61話 フィの残した物
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「中々面白かったぞフィ。最後に俺の靴を汚したことは解せんがな。さて、シーバ、フィはルールを破り死んだ。あとはお前だけだ」
「く、くそ!」
シーバはシファに接近すると殴りかかるが再び吸血鬼が起き上がりシーバの前に立ち塞がる、シファは再び消えた。
(またか!厄介すぎだろこれ!)
「さて、どうするんだシーバ?」
若者達の中から声が届く。
「隠れやがってよ!」
(奴はどこだ、何かないか!フィがこんなに呆気なくやられるか、何かあるはずだこいつの能力を破る方法が)
シーバはフィの最期の言葉を思い出す。
(あとは頼んだ、か。あぁいう事を言うフィは絶対に何かある。俺はアイツとは一番付き合いが長いからわかるんだ。何だ、考えろ俺、馬鹿な頭で考えるんだ、血を吐いて派手に死にやがってよ、アイツ、、、ん?派手に死ぬ?、、らしくない事だな、、)
シーバはハッとして、会場内の人物を見渡す。吸血鬼から若者達やスーツの人間。そしてシーバは見つけた。フィが残した痕跡を。
「やっぱり、そういうことかよフィ!」
シーバは若者達の中へ走り出した、そして一人の少女へ拳で殴りつける。
少女は軽く壁まで吹き飛んだ。
「見つけたぜ、シファさんよー」
少女ではなくそれはシファだった。シファはフラフラになりながらかろうじて立ち上がる。
「な、、なぜわがっだ!」
顔は腫れていてうまく喋れないらしいシファ。
「おうよ!フィの血だよ」
「な、なんだど!やづの血?」
「あんたの靴についた血だ、フィの吐いた血はな、特殊な血なんだ。アイツは口にそれを含んでいた、それをお前の靴に吐いたんだ。あのフィが派手に血を吐いて死ぬかよ、そんな馬鹿で派手な死に方は俺にしか似合わねぇ、って言ってたからなアイツ」
「ばがな!だどじでもあいつはじんだぞ!はっはっ!どうするごれは!」
「たしかに死んだ。だがアイツの毒の中には特殊な物もあるんだよ、一時的に心臓を止めて死ねる毒物をアイツは持っている、おそらくそれを使ったんだろう。解毒はフィが持っているそれを飲ませればいける、だが時間があるしルールがあるからな。俺はフィとフィが殺った少年を担いで上に行く」
「まで、まだ俺はじんでないぞ、はっはっ、お前ばがが!」
「いいや、お前は死ぬ、ほら見てみろ」
「ん?」
シファは言われて若者達の顔を見るとそこには殺気に満ちた目がシファに向けられていた。
「ま、、まて、、おまえだぢ、、そうだ金だ金をやる、な、な、頼む!」
「さよならだシファさん」
シーバは振り返らず二人を担いで階段を上がっていった。その背後からはシファの醜い叫び声が聞こえてきた。
「く、くそ!」
シーバはシファに接近すると殴りかかるが再び吸血鬼が起き上がりシーバの前に立ち塞がる、シファは再び消えた。
(またか!厄介すぎだろこれ!)
「さて、どうするんだシーバ?」
若者達の中から声が届く。
「隠れやがってよ!」
(奴はどこだ、何かないか!フィがこんなに呆気なくやられるか、何かあるはずだこいつの能力を破る方法が)
シーバはフィの最期の言葉を思い出す。
(あとは頼んだ、か。あぁいう事を言うフィは絶対に何かある。俺はアイツとは一番付き合いが長いからわかるんだ。何だ、考えろ俺、馬鹿な頭で考えるんだ、血を吐いて派手に死にやがってよ、アイツ、、、ん?派手に死ぬ?、、らしくない事だな、、)
シーバはハッとして、会場内の人物を見渡す。吸血鬼から若者達やスーツの人間。そしてシーバは見つけた。フィが残した痕跡を。
「やっぱり、そういうことかよフィ!」
シーバは若者達の中へ走り出した、そして一人の少女へ拳で殴りつける。
少女は軽く壁まで吹き飛んだ。
「見つけたぜ、シファさんよー」
少女ではなくそれはシファだった。シファはフラフラになりながらかろうじて立ち上がる。
「な、、なぜわがっだ!」
顔は腫れていてうまく喋れないらしいシファ。
「おうよ!フィの血だよ」
「な、なんだど!やづの血?」
「あんたの靴についた血だ、フィの吐いた血はな、特殊な血なんだ。アイツは口にそれを含んでいた、それをお前の靴に吐いたんだ。あのフィが派手に血を吐いて死ぬかよ、そんな馬鹿で派手な死に方は俺にしか似合わねぇ、って言ってたからなアイツ」
「ばがな!だどじでもあいつはじんだぞ!はっはっ!どうするごれは!」
「たしかに死んだ。だがアイツの毒の中には特殊な物もあるんだよ、一時的に心臓を止めて死ねる毒物をアイツは持っている、おそらくそれを使ったんだろう。解毒はフィが持っているそれを飲ませればいける、だが時間があるしルールがあるからな。俺はフィとフィが殺った少年を担いで上に行く」
「まで、まだ俺はじんでないぞ、はっはっ、お前ばがが!」
「いいや、お前は死ぬ、ほら見てみろ」
「ん?」
シファは言われて若者達の顔を見るとそこには殺気に満ちた目がシファに向けられていた。
「ま、、まて、、おまえだぢ、、そうだ金だ金をやる、な、な、頼む!」
「さよならだシファさん」
シーバは振り返らず二人を担いで階段を上がっていった。その背後からはシファの醜い叫び声が聞こえてきた。
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