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第四章 捲土重来
第60話 反逆
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一
シーバはついに追い詰められてしまった。
「あっちゃー、やるじゃないか若者達よ。最後によー、話し聞いてやるよ」
「おっさん、何言ってんだ。普通そういうセリフはこっちが言うもんだぜ」
若者の中からリーダー格の男が出てきた。
「いやー、おっさんとしての優しさよ、オメェら追い詰められている目をしているぜ」
「うっせぇ、おっさんだな。お前をやればシファさんが解放してくれるってんだ、なら死に物狂いで人だって殺すさ」
「ほうほう、しかし仮にだが、お前が俺を殺ったとして他の連中は同じ恩恵があるのか?」
若者達はシーバのセリフにソワソワしだした。
「何だと」
「考えてもみろ、お前だって本当に解放してくれるかわからないんだぞ?」
「そ、それは」
(よしよし、いい感じだ)
「一つ提案してやろう、俺たちと手を組まねえか?」
「な、なんだと!」
「ここで一人決めて俺を殺すか、それとも協力してシファをぶっ飛ばすか、どうする?決めるのはお前達だ、若者の力ってやつを見せてくれるとおじさんとしちゃ助かるんだが」
すると、一人の男が前へ出てきてシーバの前で振り返る。
「俺は、おっさんにつくよ」
「て、てめぇ!」
「おっさんの言う通りだ。一人決めるなんてのはできない、俺たちは少なくともこのカジノ内でのゲーム仲間だからな」
少年のセリフにまた一人また一人と少年を筆頭に次々に武器を手放してシーバにつく。
「て、てめぇら!そうか、そうか、だが俺は一人でも生き残るぜ!死ねや!」
リーダー格の若者がシーバ達に迫るが一人の若者によってそれは阻止された。
「な、何しやがる」
リーダー格の若者は棒で殴られ気絶した。
「終わったな、よし!地下へ行くぜ!」
シーバは地下へと向かった。
ニ
「しぶといですね、あなたは」
フィは若者から巧みに逃げ切っていた。
しかし、刺されたダメージが時間を経てフィの体力を奪っていた。
フィはついに追い詰められてしまう。
「ようやく、尽いたか。さて終わりだな」
若者達はフィに迫ってくる。その時、階段から無数の足音が聞こえてきて若者達の群れを引き連れてシーバが現れる。
「ようよう!フィ!解決したぜ!」
「シーバ、やるじゃないか」
「な、なんだ!?貴様ら私の命令に叛くのか?ガキ共が!」
一人の若者が前に出てくる。
「シファさん、俺たちはあんたの道具じゃない、たしかに金を借りたのが間違いだった、だけどもうあんたの話は聞かない」
「金借りた分際で何言ってやがんだ!」
「たしかに借りた俺らが悪い、けどアンタには従いたくない」
「ふざけるよ、ガキ共が!もういい、お前らは皆殺しだ、やれ吸血鬼共」
シファの頭上から五匹の吸血鬼が落ちてきて、若者達に牙を向ける。
「おい、フィ!こいつらはいいんだよな!」
「あぁ!やれシーバ!」
「あいよ!」
次の瞬間シーバは若者達の間をすり抜けて吸血鬼を蹂躙していく。
「な、なんて怪力だ!」
その様子に驚愕するシファをよそに徐々に距離をつめて行くフィ。
(よし、やつは今シーバを見ている)
「し、しまった!?」
フィはシファに近づくと自身の手をシファの肌に触れさせる。しかしそれはシファではなかった、一人の見知らぬ青年だったのだ。
青年は苦しみその場で倒れた。
「ば、ばかな!」
「やっちまったな!フィ!お前が殺したのは客だぞ!俺はここだ!」
声のする方へ目を向けると青年が倒れた横にいつの間にかシファが立っていた。
「やられたか」
「フィ!!」
「頼んだぞ、シーバ」
血を吹き出してフィはその場に倒れた。
シーバはついに追い詰められてしまった。
「あっちゃー、やるじゃないか若者達よ。最後によー、話し聞いてやるよ」
「おっさん、何言ってんだ。普通そういうセリフはこっちが言うもんだぜ」
若者の中からリーダー格の男が出てきた。
「いやー、おっさんとしての優しさよ、オメェら追い詰められている目をしているぜ」
「うっせぇ、おっさんだな。お前をやればシファさんが解放してくれるってんだ、なら死に物狂いで人だって殺すさ」
「ほうほう、しかし仮にだが、お前が俺を殺ったとして他の連中は同じ恩恵があるのか?」
若者達はシーバのセリフにソワソワしだした。
「何だと」
「考えてもみろ、お前だって本当に解放してくれるかわからないんだぞ?」
「そ、それは」
(よしよし、いい感じだ)
「一つ提案してやろう、俺たちと手を組まねえか?」
「な、なんだと!」
「ここで一人決めて俺を殺すか、それとも協力してシファをぶっ飛ばすか、どうする?決めるのはお前達だ、若者の力ってやつを見せてくれるとおじさんとしちゃ助かるんだが」
すると、一人の男が前へ出てきてシーバの前で振り返る。
「俺は、おっさんにつくよ」
「て、てめぇ!」
「おっさんの言う通りだ。一人決めるなんてのはできない、俺たちは少なくともこのカジノ内でのゲーム仲間だからな」
少年のセリフにまた一人また一人と少年を筆頭に次々に武器を手放してシーバにつく。
「て、てめぇら!そうか、そうか、だが俺は一人でも生き残るぜ!死ねや!」
リーダー格の若者がシーバ達に迫るが一人の若者によってそれは阻止された。
「な、何しやがる」
リーダー格の若者は棒で殴られ気絶した。
「終わったな、よし!地下へ行くぜ!」
シーバは地下へと向かった。
ニ
「しぶといですね、あなたは」
フィは若者から巧みに逃げ切っていた。
しかし、刺されたダメージが時間を経てフィの体力を奪っていた。
フィはついに追い詰められてしまう。
「ようやく、尽いたか。さて終わりだな」
若者達はフィに迫ってくる。その時、階段から無数の足音が聞こえてきて若者達の群れを引き連れてシーバが現れる。
「ようよう!フィ!解決したぜ!」
「シーバ、やるじゃないか」
「な、なんだ!?貴様ら私の命令に叛くのか?ガキ共が!」
一人の若者が前に出てくる。
「シファさん、俺たちはあんたの道具じゃない、たしかに金を借りたのが間違いだった、だけどもうあんたの話は聞かない」
「金借りた分際で何言ってやがんだ!」
「たしかに借りた俺らが悪い、けどアンタには従いたくない」
「ふざけるよ、ガキ共が!もういい、お前らは皆殺しだ、やれ吸血鬼共」
シファの頭上から五匹の吸血鬼が落ちてきて、若者達に牙を向ける。
「おい、フィ!こいつらはいいんだよな!」
「あぁ!やれシーバ!」
「あいよ!」
次の瞬間シーバは若者達の間をすり抜けて吸血鬼を蹂躙していく。
「な、なんて怪力だ!」
その様子に驚愕するシファをよそに徐々に距離をつめて行くフィ。
(よし、やつは今シーバを見ている)
「し、しまった!?」
フィはシファに近づくと自身の手をシファの肌に触れさせる。しかしそれはシファではなかった、一人の見知らぬ青年だったのだ。
青年は苦しみその場で倒れた。
「ば、ばかな!」
「やっちまったな!フィ!お前が殺したのは客だぞ!俺はここだ!」
声のする方へ目を向けると青年が倒れた横にいつの間にかシファが立っていた。
「やられたか」
「フィ!!」
「頼んだぞ、シーバ」
血を吹き出してフィはその場に倒れた。
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