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第四章 捲土重来
第59話 カジノの秘密
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普通の格闘技会場だと声援や熱気に溢れている物だが、フィが目にした先にはそんな物は無くただただ、リングと思われる鳥籠で数人の若者が殺し合いをしていた。そしてその目には光は無くまるで人形の様だった。
「これが、このカジノの秘密か」
「おや、バレてしまいましたな」
声の方へ振り向くと小柄な男が一人歩いてきた。
「お前がシファか」
「あぁ、しかし上の連中は一体何をしているんだ。侵入者を許すなんて」
「シーバは耐久性が良くてな、囮役には最適さ。ところでここは何だ?」
「ここは、人身売買の場所さ。上で役に立たなくなった客をここで殺し合いをさせて勝てば夜月に売り渡す。いわばリサイクル商法さ、借金をして返せなくなった屑どもでもこれを使えば金になる」
「なるほど、噂は本当だったようだな。それで親玉が出てきて大丈夫なのか?どう見てもお前は戦闘向きじゃないと思うが」
「あぁ、私は戦わない。その代わりこの子達が戦うってよ!」
頭上から三人ほど人が降ってきて、フィの前に立ち塞がる。しかし、フィが人だと思っていたそれは人ではなかった。正気を失い牙を剥き出しにした獣の様な顔つきでフィを睨みつける。
「吸血鬼か」
「そうそう、安心しなよ。そいつらはもう客じゃなく化け物だから、ルールの外だよ」
「なら遠慮なく」
フィは三匹の吸血鬼を相手に立ち回る。
「おー、流石にすごいな。だがいつまでもつかな」
シファは高みの見物を決め込んでいる。
「チッ、仕方ない!」
隙を見て懐から小瓶を出して自身の手にかけると、吸血鬼に順番に触れていく。
そして吸血鬼は悲鳴を上げる。
「へぇー、吸血鬼にも有効な毒もあるんだな」
吸血鬼の体が次々に崩れていく。
「これで、終わりだな、、な、何!」
目の前に少年が二人いた。
「シファはどこだ!」
「シファさんなら、あなたの後ろに、、」
「!?」
ドスッ!
フィは振り返るとそこには誰も居なかった。居なかったが、背中に痛みを感じ見てみると先ほど二人居た少年の一人がぶつかって来ていた。だがその痛みはそれによる物では無く背中に刺さったナイフからだった。
「くっそ、、」
すぐにナイフを抜き距離をとる。
「はっはっ!騙されやすいんだね。私はね別人になれる異能を持っているんだよ、だからほら!」
シファは顔に手をやると顔を次から次へと変える。
「ふざけた、能力だな」
(まずったな、致命傷にはならなかったが、この能力はルール上やりずらい)
「さぁ、続きだ」
シファの周りに若者が集まりシファを守る様な陣形をとる。
「やっぱり厄介だ」
フィは会場内を逃走する。若者達は一斉に駆け出した。一対大多数の鬼ごっこが始まった。
「これが、このカジノの秘密か」
「おや、バレてしまいましたな」
声の方へ振り向くと小柄な男が一人歩いてきた。
「お前がシファか」
「あぁ、しかし上の連中は一体何をしているんだ。侵入者を許すなんて」
「シーバは耐久性が良くてな、囮役には最適さ。ところでここは何だ?」
「ここは、人身売買の場所さ。上で役に立たなくなった客をここで殺し合いをさせて勝てば夜月に売り渡す。いわばリサイクル商法さ、借金をして返せなくなった屑どもでもこれを使えば金になる」
「なるほど、噂は本当だったようだな。それで親玉が出てきて大丈夫なのか?どう見てもお前は戦闘向きじゃないと思うが」
「あぁ、私は戦わない。その代わりこの子達が戦うってよ!」
頭上から三人ほど人が降ってきて、フィの前に立ち塞がる。しかし、フィが人だと思っていたそれは人ではなかった。正気を失い牙を剥き出しにした獣の様な顔つきでフィを睨みつける。
「吸血鬼か」
「そうそう、安心しなよ。そいつらはもう客じゃなく化け物だから、ルールの外だよ」
「なら遠慮なく」
フィは三匹の吸血鬼を相手に立ち回る。
「おー、流石にすごいな。だがいつまでもつかな」
シファは高みの見物を決め込んでいる。
「チッ、仕方ない!」
隙を見て懐から小瓶を出して自身の手にかけると、吸血鬼に順番に触れていく。
そして吸血鬼は悲鳴を上げる。
「へぇー、吸血鬼にも有効な毒もあるんだな」
吸血鬼の体が次々に崩れていく。
「これで、終わりだな、、な、何!」
目の前に少年が二人いた。
「シファはどこだ!」
「シファさんなら、あなたの後ろに、、」
「!?」
ドスッ!
フィは振り返るとそこには誰も居なかった。居なかったが、背中に痛みを感じ見てみると先ほど二人居た少年の一人がぶつかって来ていた。だがその痛みはそれによる物では無く背中に刺さったナイフからだった。
「くっそ、、」
すぐにナイフを抜き距離をとる。
「はっはっ!騙されやすいんだね。私はね別人になれる異能を持っているんだよ、だからほら!」
シファは顔に手をやると顔を次から次へと変える。
「ふざけた、能力だな」
(まずったな、致命傷にはならなかったが、この能力はルール上やりずらい)
「さぁ、続きだ」
シファの周りに若者が集まりシファを守る様な陣形をとる。
「やっぱり厄介だ」
フィは会場内を逃走する。若者達は一斉に駆け出した。一対大多数の鬼ごっこが始まった。
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