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第四章 捲土重来
第57話 見えない敵
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一
「おや、かくれんぼは終わりですかお嬢様」
糸見が男の前に現れた。
「あぁ、そういえば名前を聞いていなかったな」
「失礼、申し遅れました。私はゴルドーと申します。以後、お見知りおきを」
「いや、もう見ることはない」
「おやおや、強気ですね」
「すぐに終わるからな」
「そうですね」
ゴルドーはコインを飛ばしてきた。さっきよりも速く、弾丸と同等の威力があるであろうコインが飛んでくる、しかし糸見は動かなかった。
「な、なにー!?」
糸見は飛ばされたコインを避けずにゴルドーが飛ばしたコインの軌道の上に糸を飛ばす。
そしてコインが当たる寸前で急所を外して肩を貫通する。そして糸見から放たれた糸はゴルドーの手に絡みつく。
「こんな糸、すぐに、!?」
気づいた時には遅かった、ゴルドーの頭上には糸見がいた。そして糸見は糸をゴルドーの首に絡めて、片手で引っ張り、もう片方で心臓の当たりに拳を打った。
「うっ!!」
ゴルドーは悶えることなく即死した。
糸見はゴルドーの体を支える。
「すまない、スーツの人。この人を頼む」
糸見は近くにいたスーツの男にゴルドーを預ける。
「まずは一人だな」
「ブラボー、ガールは強いし賢いねー」
糸見とゴルドーの戦いをカメラで見ていたゴトーが手を叩いて喜んでいた。
「ゴルドーのことは残念だけど、どうやって殺したんだあれ」
同じ部屋にいる真っ黒い忍びの男に問いかけた。
「一発目の糸、あれはおそらく噂に聞く異能殺しの糸、糸で首を締め上げ、心臓に打撃を加え一瞬で心臓を止めた、高度な暗殺術ですね」
「お前の相手になりそうかい?」
「あぁ、楽しめそうだ」
男はそう言うと闇に消えていった。
「まったく、一体どういう原理なのやら。さてと、こっちの二人はどうかな」
ニ
「ボスからのメール見たか?フィ」
「あぁ、敵は三人か。とりあえずボスを待とう」
二人は地下で若者から情報収集をしていた。その途中で糸見から連絡きて、中断してシーバはソファに座り待っていた。
「油断するなよシーバ、敵は誰かわからない、近づく者には警戒しろ。後ルールのこともあるからとりあえずはプレイヤーとわかるまでは攻撃するなよ」
「あぁ、わかってるよ」
そうこうしていると若者が一人、シーバに近づいてきた。
「お兄さん、がたいいいね。ちょっと触らせてよ」
「ガキ、今忙しいんだ、あっち行ってろ」
「ええ、いいじゃん。ちょっとだけ」
若者は勝手にシーバに触れる、するとシーバが振り解こうとすると
「シーバ!!!」
フィが大声をあげ威圧する。
すると若者は驚いて、逃げ去っていく。
「気をつけろ、どんな行動がルールに抵触するかわからん」
「すまねぇ」
二人は静かに待つ。しかし数分たっても一向に来ない糸見を案じて、二人が動きだす。
「おかしいぞ、時間がかかり過ぎている」
「もしかして敵と交戦中かもしれんな」
「ならば、我々が上へ行こう、階段は一つで出入り口はそこだけだからすれ違いもないだろう」
二人は階段へと歩きだす。そして、彼らの背後から先ほどの若者が走ってきていた。
「ん?なんだ」
シーバは振り返り若者と激突した。その若者の手にナイフが握られていた。
「いってぇ」
シーバは刺されたが、さすがの肉体。刃物は筋肉によって臓器には達していなかった為、致命傷にはならなかった。
「いけるか、シーバ」
「ああ、しかしこれは、、」
「なんかヤバそうだな」
見ると、二人の周りには血走った目をした若者が数人手に武器を持ってこちらを見ていた。さらには階段から同じ様に手に武器をもった若者が数人降りてきた。
「シーバ、手を出してはダメだ。この中には敵はいない、おそらく何かで操っているのだろう。本体を見つけるまで逃げるぞ」
二人は走りだした、若者の間をすり抜けて、一先ず逃げる、幸いにも地下のフロアは広かったので、逃げる場所はいくつかある。逃走しながらフィは思考する。
(ルールを利用した、やり方だな。見た感じざっと十人ほどか、これ以上は増えないと思いたいが。それに若者達の目、あれは完全に正気ではなかった。ルールとして客に危害を加えてはならない、このルールに基づくなら若者達は精神まで完全に操られているわけではないのか。それならあの目は何だ、あの危機迫るような、まるで命の危機に瀕しているかの様な、、、)
「とりあえず、まいたか」
「あぁ、しかしどうするよ」
二人は大きい謎のゲーム機の影に身を潜めた。
「一体、親玉はどこなんだ」
「シーバ、若者達は完全には操られていないはずだ。だから対話はできる」
「だがよ、一方的に攻撃をしてくる奴に会話が通じるとは思えないぞ」
「少し時間を稼いでくれ、考える」
「しゃあねぇな」
シーバはゲーム機の影から出て、若者達の目を引かせ、走りだす。
「うまく逃げ切ってくれシーバ」
「おや、かくれんぼは終わりですかお嬢様」
糸見が男の前に現れた。
「あぁ、そういえば名前を聞いていなかったな」
「失礼、申し遅れました。私はゴルドーと申します。以後、お見知りおきを」
「いや、もう見ることはない」
「おやおや、強気ですね」
「すぐに終わるからな」
「そうですね」
ゴルドーはコインを飛ばしてきた。さっきよりも速く、弾丸と同等の威力があるであろうコインが飛んでくる、しかし糸見は動かなかった。
「な、なにー!?」
糸見は飛ばされたコインを避けずにゴルドーが飛ばしたコインの軌道の上に糸を飛ばす。
そしてコインが当たる寸前で急所を外して肩を貫通する。そして糸見から放たれた糸はゴルドーの手に絡みつく。
「こんな糸、すぐに、!?」
気づいた時には遅かった、ゴルドーの頭上には糸見がいた。そして糸見は糸をゴルドーの首に絡めて、片手で引っ張り、もう片方で心臓の当たりに拳を打った。
「うっ!!」
ゴルドーは悶えることなく即死した。
糸見はゴルドーの体を支える。
「すまない、スーツの人。この人を頼む」
糸見は近くにいたスーツの男にゴルドーを預ける。
「まずは一人だな」
「ブラボー、ガールは強いし賢いねー」
糸見とゴルドーの戦いをカメラで見ていたゴトーが手を叩いて喜んでいた。
「ゴルドーのことは残念だけど、どうやって殺したんだあれ」
同じ部屋にいる真っ黒い忍びの男に問いかけた。
「一発目の糸、あれはおそらく噂に聞く異能殺しの糸、糸で首を締め上げ、心臓に打撃を加え一瞬で心臓を止めた、高度な暗殺術ですね」
「お前の相手になりそうかい?」
「あぁ、楽しめそうだ」
男はそう言うと闇に消えていった。
「まったく、一体どういう原理なのやら。さてと、こっちの二人はどうかな」
ニ
「ボスからのメール見たか?フィ」
「あぁ、敵は三人か。とりあえずボスを待とう」
二人は地下で若者から情報収集をしていた。その途中で糸見から連絡きて、中断してシーバはソファに座り待っていた。
「油断するなよシーバ、敵は誰かわからない、近づく者には警戒しろ。後ルールのこともあるからとりあえずはプレイヤーとわかるまでは攻撃するなよ」
「あぁ、わかってるよ」
そうこうしていると若者が一人、シーバに近づいてきた。
「お兄さん、がたいいいね。ちょっと触らせてよ」
「ガキ、今忙しいんだ、あっち行ってろ」
「ええ、いいじゃん。ちょっとだけ」
若者は勝手にシーバに触れる、するとシーバが振り解こうとすると
「シーバ!!!」
フィが大声をあげ威圧する。
すると若者は驚いて、逃げ去っていく。
「気をつけろ、どんな行動がルールに抵触するかわからん」
「すまねぇ」
二人は静かに待つ。しかし数分たっても一向に来ない糸見を案じて、二人が動きだす。
「おかしいぞ、時間がかかり過ぎている」
「もしかして敵と交戦中かもしれんな」
「ならば、我々が上へ行こう、階段は一つで出入り口はそこだけだからすれ違いもないだろう」
二人は階段へと歩きだす。そして、彼らの背後から先ほどの若者が走ってきていた。
「ん?なんだ」
シーバは振り返り若者と激突した。その若者の手にナイフが握られていた。
「いってぇ」
シーバは刺されたが、さすがの肉体。刃物は筋肉によって臓器には達していなかった為、致命傷にはならなかった。
「いけるか、シーバ」
「ああ、しかしこれは、、」
「なんかヤバそうだな」
見ると、二人の周りには血走った目をした若者が数人手に武器を持ってこちらを見ていた。さらには階段から同じ様に手に武器をもった若者が数人降りてきた。
「シーバ、手を出してはダメだ。この中には敵はいない、おそらく何かで操っているのだろう。本体を見つけるまで逃げるぞ」
二人は走りだした、若者の間をすり抜けて、一先ず逃げる、幸いにも地下のフロアは広かったので、逃げる場所はいくつかある。逃走しながらフィは思考する。
(ルールを利用した、やり方だな。見た感じざっと十人ほどか、これ以上は増えないと思いたいが。それに若者達の目、あれは完全に正気ではなかった。ルールとして客に危害を加えてはならない、このルールに基づくなら若者達は精神まで完全に操られているわけではないのか。それならあの目は何だ、あの危機迫るような、まるで命の危機に瀕しているかの様な、、、)
「とりあえず、まいたか」
「あぁ、しかしどうするよ」
二人は大きい謎のゲーム機の影に身を潜めた。
「一体、親玉はどこなんだ」
「シーバ、若者達は完全には操られていないはずだ。だから対話はできる」
「だがよ、一方的に攻撃をしてくる奴に会話が通じるとは思えないぞ」
「少し時間を稼いでくれ、考える」
「しゃあねぇな」
シーバはゲーム機の影から出て、若者達の目を引かせ、走りだす。
「うまく逃げ切ってくれシーバ」
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