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第三章 幽愁暗恨
第39話 虎と鷹
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カラクは真宵を見つめる。
「いかんな、この獣化の影響で腹が減ってきた」
そしてカラク死んだであろう真宵に近づき大きな口を開けると。
ドン!!
工場に乾いた銃声が鳴る。真宵の手が銃を持ってカラクの口内に弾を撃ち込んだ。
「かっはっっ!ば、ばかな!」
「捕食者は獲物を食す時、一番油断するんだぜ。それに夜月で教わらなかったか?どんな時も油断はしてはいけないと」
真宵はフラつきながら立ち上がる。
「なぜ、あれを喰らって生きている!?」
「こんな事もあろうかと、糸音先輩に特注で服を仕立てて貰ったんだ。かなり金はかかったけど、今思えば頼んで良かった。金は命に変えられんって言うしね」
「虎の爪も通らないなど、一体何の素材だ!」
「さぁ、詳しくは知らないけどね、というよりあれくらってまだ生きてるのかよ」
「あんな鉛玉一発では死なねえよ!まぁ!だが動き続ければ死ぬかもな。俺が失血で死ぬのが先か、お前が俺に殺されるのが先か」
「本当は使いたくなかったが、死んだら元も子もないから使うとするよ」
「なんだ?」
真宵の足が獣の足に変わっていく。
「まさか!てめぇも使えるのか!?」
「そりゃあ、一応、夜月だからね」
真宵は襲撃があった日から遊と過ごす事が多くなり、度々仕事にも連れ出されていた。
「真宵、お前抑えているだろう?」
ある仕事を終えて帰路に着く途中でそんなことを言われた。
「抑えるって何をですか?」
「とぼけるなよ。くだらないプライドで負けてもカッコ悪いだろ?なら有るもの全て利用して勝ったらいいんだよ。要はお前は妹を守りたいんだろ、なら使えよ、力をよ」
「有るもの全て利用、、、」
「それを使えるなら、お前はもっと強くなるぞ、ならそれで抗ってみせろよ」
カラクは嬉しそうに笑う。
「はっは、面白くなってきたぞ!真宵!」
「面白くはないが、負ける気はしなくなったな」
「ほざけよ!」
カラクの虎の爪が真宵を襲う、がしかし真宵は飛んだ。
「おいおい、まじかよ」
「俺は鷹だぞ。飛んだりもするさ」
真宵の背中にはいつの間にか羽が生えていた。そしてそのまま急降下してカラクを爪で襲う。
「狩る側が狩られる側にってか!」
カラクは爪で鷹の爪を受けると後方に飛んで、空中にいる真宵に飛びかかる。
「狩るのはこっち側だぜ!」
真宵は旋回して華麗に避けると鷹の爪でカラクの片目を潰す。
「くっ!な、なんて速さだ!」
「鷹の真骨頂は速さなんだぜ」
「図に乗るな!」
カラクは再び空中にいる真宵に飛びかかる。
しかし空振りに終わり、勢い余って壁に激突する。
「くそが!」
振り返ると真宵は空中から消えていた。
「どこだ!、、、ん?」
カラクの体ににいつの間にか糸が巻かれていた。
「こんなもの!、、ふん!!」
カラクは力一杯糸を千切ろうとするがぴくりともしない。
「無理だぜ。それは千切れないよ。糸音さん特製の拘束糸」
「てめぇ、自分の力じゃねぇくせに!」
「そうだな。俺の力ではない、けど勝つために守るためになら利用できるものは利用する。結果が全てさ」
かくして真宵とカラクの戦いは終わった。
「さて、先輩の方はどうかな」
「いかんな、この獣化の影響で腹が減ってきた」
そしてカラク死んだであろう真宵に近づき大きな口を開けると。
ドン!!
工場に乾いた銃声が鳴る。真宵の手が銃を持ってカラクの口内に弾を撃ち込んだ。
「かっはっっ!ば、ばかな!」
「捕食者は獲物を食す時、一番油断するんだぜ。それに夜月で教わらなかったか?どんな時も油断はしてはいけないと」
真宵はフラつきながら立ち上がる。
「なぜ、あれを喰らって生きている!?」
「こんな事もあろうかと、糸音先輩に特注で服を仕立てて貰ったんだ。かなり金はかかったけど、今思えば頼んで良かった。金は命に変えられんって言うしね」
「虎の爪も通らないなど、一体何の素材だ!」
「さぁ、詳しくは知らないけどね、というよりあれくらってまだ生きてるのかよ」
「あんな鉛玉一発では死なねえよ!まぁ!だが動き続ければ死ぬかもな。俺が失血で死ぬのが先か、お前が俺に殺されるのが先か」
「本当は使いたくなかったが、死んだら元も子もないから使うとするよ」
「なんだ?」
真宵の足が獣の足に変わっていく。
「まさか!てめぇも使えるのか!?」
「そりゃあ、一応、夜月だからね」
真宵は襲撃があった日から遊と過ごす事が多くなり、度々仕事にも連れ出されていた。
「真宵、お前抑えているだろう?」
ある仕事を終えて帰路に着く途中でそんなことを言われた。
「抑えるって何をですか?」
「とぼけるなよ。くだらないプライドで負けてもカッコ悪いだろ?なら有るもの全て利用して勝ったらいいんだよ。要はお前は妹を守りたいんだろ、なら使えよ、力をよ」
「有るもの全て利用、、、」
「それを使えるなら、お前はもっと強くなるぞ、ならそれで抗ってみせろよ」
カラクは嬉しそうに笑う。
「はっは、面白くなってきたぞ!真宵!」
「面白くはないが、負ける気はしなくなったな」
「ほざけよ!」
カラクの虎の爪が真宵を襲う、がしかし真宵は飛んだ。
「おいおい、まじかよ」
「俺は鷹だぞ。飛んだりもするさ」
真宵の背中にはいつの間にか羽が生えていた。そしてそのまま急降下してカラクを爪で襲う。
「狩る側が狩られる側にってか!」
カラクは爪で鷹の爪を受けると後方に飛んで、空中にいる真宵に飛びかかる。
「狩るのはこっち側だぜ!」
真宵は旋回して華麗に避けると鷹の爪でカラクの片目を潰す。
「くっ!な、なんて速さだ!」
「鷹の真骨頂は速さなんだぜ」
「図に乗るな!」
カラクは再び空中にいる真宵に飛びかかる。
しかし空振りに終わり、勢い余って壁に激突する。
「くそが!」
振り返ると真宵は空中から消えていた。
「どこだ!、、、ん?」
カラクの体ににいつの間にか糸が巻かれていた。
「こんなもの!、、ふん!!」
カラクは力一杯糸を千切ろうとするがぴくりともしない。
「無理だぜ。それは千切れないよ。糸音さん特製の拘束糸」
「てめぇ、自分の力じゃねぇくせに!」
「そうだな。俺の力ではない、けど勝つために守るためになら利用できるものは利用する。結果が全てさ」
かくして真宵とカラクの戦いは終わった。
「さて、先輩の方はどうかな」
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