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第三章 幽愁暗恨
第30話 迷子
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「さて、私が迷子なのか、それともメイが迷子なのかわかりませんがとりあえず奥へ進んで見ましょうか」
涼香はいつのまにかメイと逸れていた。皇室へと続く廊下を歩いていくと扉の前で足を止めた。
「ここが皇室でしたわね。果たして誰がいるのやら、明らかに扉の向こうには嫌な気配を感じますが」
静かに涼香は扉を開けた。暗闇の中、奥の玉座には人が座っていた。正確には人ではないが。
「やはりあなたですか、嫌になりますわね」
「・・・・・」
「あら?無視ですの、久しぶりに会ったというのに」
玉座の人物、夜月六花は無表情のまま手をかざして、何も無い空間から矢を無数に作り出す。
「そういう芸は先日見ましたの」
矢が放たれ、涼香の身体を貫くがもちろんそれは氷になり、再び涼香は現れる。
「めんどくさいですが早速やりましょうか」
涼香がオーラを纏おうとしたが出なかった。
「あれ?おかしいですわね」
再び矢が放たれる。そしてまた氷になり再び涼香が現れる。
「同じ芸を二回もするなんて、あなた本物じゃないですわね」
涼香は扉の違和感を思い出し気づく。
「なるほどこれは夢かまたは幻ですね。前に一度、その手の類と殺り合ったことがありますの。その時と状況が似てましたからもしやと思いましたが。あなたの言動と私の力が使えないところをみると、おそらくそのどちらかでしょうか」
「すごいね、お姉さん!ルナの夢を一瞬で見破るなんて」
六花の姿をしたルナは楽しそうに声をあげる。
「ルナといいますのね。六花を知っているんでしょう。おそらく自分の知っている情報から対象に夢や幻を見せているんでしょうね。ということは六花を知っている。そしてもしこれが夢ならば、あなたの本体はここにはないが精神そのものはここにある。そしておそらくここで死ねば現実世界でも死ぬ。どうですか?」
「正解!正解!大正解!すごいねお姉さん!そうそうこれは夢。六花さんは知っているよ、でも話したことはないの。後はこの京に居る全員の情報も持ってるよ。だからほら」
ルナが指を鳴らすとメイ、糸音、遊、火憐、シャオが現れた。
「この子達を一斉にあなたと戦わせたらどうなるのか。やっちゃって!」
ルナの掛け声で動き出す夢の住人達。しかし涼香には全くきかなかった。それもそのはず夢とはいえ意識の持たない有象無象の上位互換達の動きはあまりにも単純だった。
「その技をもし数年後のあなたが使っていたらもう少しは楽しめたでしょうね」
「すごいよ!お姉さん!でもそんな事言っても結局出れないじゃんここからは。だからこれを繰り返して飽きるまで遊ぶよ!飽きたらまた別の遊びを考えるの」
「子供というのはどうにも苦手ですわね。もういいでしょう。ここから出ますわ」
「あはは、なーに言ってるのかな?出れないよ私の本体を殺すか気絶させないと出られないよ。しかも私は外にいるから攻撃はきかないしね」
「死ねば出れるんだろ?」
「だからさ、何言ってるの?死んだら出れるけど死ねば現実に戻っても死ぬんだよ」
「そう、それでいいですわ。ではごきげんよう」
涼香は氷刃を作り出して、自身の胸に突き刺した。
「あはは、本当に死んじゃったよ。つまんないの。まぁいいや、あっちのお姉さんはどうかな!見に行ってみーよ」
涼香はいつのまにかメイと逸れていた。皇室へと続く廊下を歩いていくと扉の前で足を止めた。
「ここが皇室でしたわね。果たして誰がいるのやら、明らかに扉の向こうには嫌な気配を感じますが」
静かに涼香は扉を開けた。暗闇の中、奥の玉座には人が座っていた。正確には人ではないが。
「やはりあなたですか、嫌になりますわね」
「・・・・・」
「あら?無視ですの、久しぶりに会ったというのに」
玉座の人物、夜月六花は無表情のまま手をかざして、何も無い空間から矢を無数に作り出す。
「そういう芸は先日見ましたの」
矢が放たれ、涼香の身体を貫くがもちろんそれは氷になり、再び涼香は現れる。
「めんどくさいですが早速やりましょうか」
涼香がオーラを纏おうとしたが出なかった。
「あれ?おかしいですわね」
再び矢が放たれる。そしてまた氷になり再び涼香が現れる。
「同じ芸を二回もするなんて、あなた本物じゃないですわね」
涼香は扉の違和感を思い出し気づく。
「なるほどこれは夢かまたは幻ですね。前に一度、その手の類と殺り合ったことがありますの。その時と状況が似てましたからもしやと思いましたが。あなたの言動と私の力が使えないところをみると、おそらくそのどちらかでしょうか」
「すごいね、お姉さん!ルナの夢を一瞬で見破るなんて」
六花の姿をしたルナは楽しそうに声をあげる。
「ルナといいますのね。六花を知っているんでしょう。おそらく自分の知っている情報から対象に夢や幻を見せているんでしょうね。ということは六花を知っている。そしてもしこれが夢ならば、あなたの本体はここにはないが精神そのものはここにある。そしておそらくここで死ねば現実世界でも死ぬ。どうですか?」
「正解!正解!大正解!すごいねお姉さん!そうそうこれは夢。六花さんは知っているよ、でも話したことはないの。後はこの京に居る全員の情報も持ってるよ。だからほら」
ルナが指を鳴らすとメイ、糸音、遊、火憐、シャオが現れた。
「この子達を一斉にあなたと戦わせたらどうなるのか。やっちゃって!」
ルナの掛け声で動き出す夢の住人達。しかし涼香には全くきかなかった。それもそのはず夢とはいえ意識の持たない有象無象の上位互換達の動きはあまりにも単純だった。
「その技をもし数年後のあなたが使っていたらもう少しは楽しめたでしょうね」
「すごいよ!お姉さん!でもそんな事言っても結局出れないじゃんここからは。だからこれを繰り返して飽きるまで遊ぶよ!飽きたらまた別の遊びを考えるの」
「子供というのはどうにも苦手ですわね。もういいでしょう。ここから出ますわ」
「あはは、なーに言ってるのかな?出れないよ私の本体を殺すか気絶させないと出られないよ。しかも私は外にいるから攻撃はきかないしね」
「死ねば出れるんだろ?」
「だからさ、何言ってるの?死んだら出れるけど死ねば現実に戻っても死ぬんだよ」
「そう、それでいいですわ。ではごきげんよう」
涼香は氷刃を作り出して、自身の胸に突き刺した。
「あはは、本当に死んじゃったよ。つまんないの。まぁいいや、あっちのお姉さんはどうかな!見に行ってみーよ」
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