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第一章 報仇雪恨(見)
第13話 提案
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フィは違和感を感じていた。違和感というより嫌な予感だ、まるで自分が化物の封印を解いてしまったのではと、パンドラの箱を開けてしまったのではと、確実にこの手で殺したと言うのならまだ安心はできる、だが毒殺で完全に殺したことを確認するまでは安心できなかった、だからフィは糸音の遺体であろその首に触れようとした、その瞬間糸音は目を覚ました。後にフィは目が開いたその瞬間、針でトドメをささなかった事を後悔することになる。
「嫌な予感はあたりましたか」
「嫌な予感?それよりわたしは死んでいたのか?」
「さぁ、どうでしょう。確認する前に起きましたからね。というより本来生きているのがおかしいのですが」
「そうか。じゃあ、続き、いや終わらせよう」
「そうですね、貴方を殺してさっさとボスの元に向かいますか」
再び針の雨が糸音を襲うが、糸音はそれを自身が持つ針で撃ち落とす。
「バカな!毒を喰らってここまで正確に投擲ができるはずが」
「ありがとう、師匠」
糸音は音も無く消える。辺りを警戒し何処にいるか探るフィだがそれも虚しくいつの間にか地面に張っていた。いや正確には貼られていた。
「なんだこれは?!」
「それは糸、わたしは本来糸使いの殺し屋、夕凪糸音、夕凪糸衛の弟子だ」
フィは貼り付けにされたまま、背中から強力な一撃をくらう!
「ぐっっはっっ!!」
「行くか」
糸音は学園へ向かう。
ニ
「やるねぇ、真宵君」
悪戦苦闘の状態が数分続いている。
「さすがに強いな、何者だ?」
「わたしは何でも屋で、金次第で何でもやるよ。ちなみ連れ去って来いっていう依頼の方は五百万だったかな」
真宵は今のセリフの違和感を聞き逃さなかった。
「その言い方だと依頼は一件ではないな」
「正解!一件は誘拐ともう一つは君たちの足止め。もうじき時間だし、君たちに一つ提案しよう」
「提案だと?」
「そう、提案、というか契約。君たちはどう足掻いてもわたしには勝てない。それに依頼は足止め、時間も時間だしこれはもう完了している。誘拐の方はね正直どうでもいいんだよ、何故ならあまりにも破格だからだ、本来なら0ひとつ足りない案件だと思うんだよね。こっちはけっても、問題は無いこともないが当分は大丈夫かな。そこで提案、君たちは学生だから依頼料には期待していない。だから依頼者ではなく協力者っていうのはどうかな?今度わたしの仕事を手伝ってもらうって言う話」
「何を言っている?ふざけるな!お前に何のメリットがあるって言うんだ」
「メリットならあるよ。誘拐の依頼主より君たちとお友達になる方が今後メリットになると思ったからだよ。それに君たちを気に入ったんって言ってるんだよ」
真宵は少しだけ考えて
「なるほどな、いいだろう」
「兄さん!」
「心配するな、ユズ」
「契約成立だね。じゃあ連絡先送るねー」
真宵は女が携帯を手に、近づきそして連絡先を交換した瞬間、手に持っていたナイフで女の喉を掻っ切る。
「ガハッッ!やるじゃんお兄ちゃん」
!?
真宵が切ったものは木だった。
「何処へ行った!」
もう女の気配は無かった。真宵の携帯が鳴り画面を覗くとそこには
真宵君、譲葉ちゃん、なかなか楽しかったよー、ありがとね。またね!波風紫織より
「波風紫織、覚えたぞ。今度こそ必ず」
「兄さん、ありがとう」
いつの間にか譲葉が袖を掴んでいた。
「あぁ、俺こそすまなかった。でも無事でよかったよ。早く先生の所へ行こう。きっと爆発があった方だ」
「嫌な予感はあたりましたか」
「嫌な予感?それよりわたしは死んでいたのか?」
「さぁ、どうでしょう。確認する前に起きましたからね。というより本来生きているのがおかしいのですが」
「そうか。じゃあ、続き、いや終わらせよう」
「そうですね、貴方を殺してさっさとボスの元に向かいますか」
再び針の雨が糸音を襲うが、糸音はそれを自身が持つ針で撃ち落とす。
「バカな!毒を喰らってここまで正確に投擲ができるはずが」
「ありがとう、師匠」
糸音は音も無く消える。辺りを警戒し何処にいるか探るフィだがそれも虚しくいつの間にか地面に張っていた。いや正確には貼られていた。
「なんだこれは?!」
「それは糸、わたしは本来糸使いの殺し屋、夕凪糸音、夕凪糸衛の弟子だ」
フィは貼り付けにされたまま、背中から強力な一撃をくらう!
「ぐっっはっっ!!」
「行くか」
糸音は学園へ向かう。
ニ
「やるねぇ、真宵君」
悪戦苦闘の状態が数分続いている。
「さすがに強いな、何者だ?」
「わたしは何でも屋で、金次第で何でもやるよ。ちなみ連れ去って来いっていう依頼の方は五百万だったかな」
真宵は今のセリフの違和感を聞き逃さなかった。
「その言い方だと依頼は一件ではないな」
「正解!一件は誘拐ともう一つは君たちの足止め。もうじき時間だし、君たちに一つ提案しよう」
「提案だと?」
「そう、提案、というか契約。君たちはどう足掻いてもわたしには勝てない。それに依頼は足止め、時間も時間だしこれはもう完了している。誘拐の方はね正直どうでもいいんだよ、何故ならあまりにも破格だからだ、本来なら0ひとつ足りない案件だと思うんだよね。こっちはけっても、問題は無いこともないが当分は大丈夫かな。そこで提案、君たちは学生だから依頼料には期待していない。だから依頼者ではなく協力者っていうのはどうかな?今度わたしの仕事を手伝ってもらうって言う話」
「何を言っている?ふざけるな!お前に何のメリットがあるって言うんだ」
「メリットならあるよ。誘拐の依頼主より君たちとお友達になる方が今後メリットになると思ったからだよ。それに君たちを気に入ったんって言ってるんだよ」
真宵は少しだけ考えて
「なるほどな、いいだろう」
「兄さん!」
「心配するな、ユズ」
「契約成立だね。じゃあ連絡先送るねー」
真宵は女が携帯を手に、近づきそして連絡先を交換した瞬間、手に持っていたナイフで女の喉を掻っ切る。
「ガハッッ!やるじゃんお兄ちゃん」
!?
真宵が切ったものは木だった。
「何処へ行った!」
もう女の気配は無かった。真宵の携帯が鳴り画面を覗くとそこには
真宵君、譲葉ちゃん、なかなか楽しかったよー、ありがとね。またね!波風紫織より
「波風紫織、覚えたぞ。今度こそ必ず」
「兄さん、ありがとう」
いつの間にか譲葉が袖を掴んでいた。
「あぁ、俺こそすまなかった。でも無事でよかったよ。早く先生の所へ行こう。きっと爆発があった方だ」
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