天使ノ探求者

はなり

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第一章 報仇雪恨(見)

第7話 合流

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糸音と逸れて数時間、槍士はある男と対峙していた。

「何の用で俺をこんな暗がりに連れてきたんだ?」

槍士は目の前の男に面を貸せと言われ路地裏に連れてこられた

「喧嘩か?ならさっさと済まそうぜ、俺は今、人探し!?」
 
話の途中で男は攻撃をしてくる

「ちょ、危ねえじゃねぇか!なるほど喧嘩じゃなく殺し合いの方か」

「ごちゃごちゃうるせぇガキだな。大人しく殺されろ」

男は死神が持つような大鎌を持っていた

「それがお前の獲物ってわけか。ならこっちも」

そう言うと槍士は懐から数本の連なった棒を取り出す。

「ヌンチャクか?そんなんで俺を殺せるとでも?」

「まぁ見ときなって」

槍士は走りだすとヌンチャクで器用に攻撃を繰り出す。

「やっぱヌンチャクじゃねぇか」
「!?」

男の腕に切り傷が付く。

(なんだ!この切り傷は!)

「だから言っただろヌンチャクじゃないって。こいつは棒状にバラして繋げ槍にすることもできる優れ物、名をチャクソウフレイボルグ」

「クソガキが舐めやがって!」

男は大鎌を振り翳し槍士を襲う。
先ほどよりもより速くなって槍士を襲うが

「スピードを上げたところで変われないぜ!」

槍士は華麗に攻撃を捌く!
そして大鎌を吹き飛ばした!

「終わりだぜ!」
「な!?」

大鎌が槍士の背中に突き刺さる!

「油断したなガキが!生憎こいつもお前のと同じような武器でな」

槍士は地に足をつき男の方を見ると、大鎌の持ち手の下に鎖がついていてそれを振り回していた。

「なる・・ほどな。さっき吹き飛ばしたと思った大鎌は鎖で繋がってたってわけか」

「軽傷みたいだが。次は外さねー、ぶっ殺す!」

「ぶっ殺すなんてダサイセリフ吐くなよ。噛ませキャラっぽいぜ。」

「うっせぇ!クソガキが死ねや!」

男は大鎌を投げてきた、が槍士はかろうじて避ける。

(見えたぞ!)

槍士は避ける間際、鎖を掴み取る。

(なん・・だと!こいつ鎖の謎を!)

「なるほどな、こいつはよくできてやがる。」

槍士は鎖を見て笑う。

「鎖の色がこの暗闇の色と同化して見えなくしていたとはな、離れてみると銀に見えるが角度と距離によっては全く見えなくなる」

槍士はじっくり鎖を観察する。

「たった数回でそれを見抜いたところが褒めてやろう、しかしそれを知ったところでお前に勝ち目はない!」

槍士は周りに妙な気配を感じた。

「おいおいマジかよ、こいつはやべぇな」

いつのまにか槍士達の周りにうめき声をあげ目に正気を失った人たちがフラフラしていた。
 
「お前は終わりだ、こいつらはな吸血鬼の成れの果てだ、俺の命令で動きお前を殺すぞ。この手で殺せないのは解せんが、どっちにしろ任務は達成できるから良しとするか」

槍士に徐々に近づく吸血鬼達

「あーやべぇ」

「終わったなガキ。このまま食べられて死ねや」

どうすっかな、あれをやるかどうすか。

(変わってやろうか?小僧)

槍士の中のが話かける。

いや、あんたを出すには俺の気力が足りねー。

(最初からこの俺を出すべきだったな、まぁでも大丈夫だろ)

ん?
 
一匹の吸血鬼が襲いかかってきたがその手前で壁へ吹き飛んだ。

「大丈夫か槍士」

「どうも、ありがとな糸音ちゃん」
 


「なんだ?その女はリストにはなかったぞ。まぁ邪魔しようってんなら、ぶっ殺すまでだ!」

吸血鬼達が一斉に糸音に襲いかかる、が糸音は手に持った針を飛ばして吸血鬼達を次から次へと壁に貼り付けていく。

「おーやるね糸音ちゃん。俺も負けてられねぇ」
 
槍士は持っていた鎖を勢いよく手繰り寄せ男を宙に上げた。
 
(コイツ!何て力だ!)
 
槍士はそのまま男を引き寄せ自身の獲物で突いた。

「終わりだ」
 
しかし男は槍士の槍を持ちそれを折りもう片方に持っていた鎖を引っ張る。槍士の肩を大鎌が掠める。
 
「なん・・だと」
 
完全に心臓を突いたはず、まさか!!

「敵が完全に沈黙するまで油断はするなと教わらなかったかガキ。俺は半分吸血鬼になってんだぜ。」

「槍士!」

「大丈夫だ、ちょっと掠っただけだ」
 
しかし槍士の足元がふらつく

「掠ってもやばいぜそれは」

「毒か」

槍士は意識が遠のき倒れる。

「そう。お前はもう終わりだ死ね」

「槍士!」

男は槍士に向かって鎌を振り下ろした。

瞬間、何が起こったか誰にも説明できないが結論から言うと槍士は一瞬で男の背後に立っていた。

「なん・・だ?」

男は何で自分の後ろに槍士がいるのか理解できなかった。それ以前に動きがまるで見えなかった。瞬間移動したというのが一番しっくりくるが毒を喰らった者の動きではなかった。男が思考していると

「全く世話のやける小僧だ」

槍士の声は変わっていた。そして男は一つの結論に辿り着いた。

「朝霜の憑依術か」
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