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第一章 報仇雪恨(見)
第1話 Fate
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「失礼します。おはようございます糸音様、朝食の準備ができましたので居間にお越しください」
そう言って、ツグハはノックと共に現れた。
「おはようツグハ。直ぐに支度していくよ」
「すいませんが糸音様、私は先に学園の方に行ってますので、その・・・」
「あぁ、学園への行き方は覚えてるから問題ないよ。」
「わかりました。では失礼します。」
ツグハが去った後、窓の外を眺めた。
ここは広大に広がる、望める森と呼ばれる、木と竹藪に囲まれた森林の中にある夕凪邸。
夕凪邸は二階建てで西館と東館に分かれている。私の部屋はちょうど西館と東館の真ん中の二階の部屋である。
そして今日から通う夕ヶ丘学園は、森を抜けたところにある。
(行き方は覚えているよな?)
糸音は自分に言い聞かせ居間に向かった。
居間で軽い朝食を済ませると糸音は門の外に出た。
夕凪邸の前は竹藪が広がっている、門を出てまっすぐ向かうと目的地の学園がある。
学園へのルートを頭の中で確認して糸音は竹藪へと入って行った。
望める森という名前は誰がつけたのかわからないが森と呼べる程、木はあまり無く竹林が正解なのではと思うこともある、でもそんな事は糸音にとってはどうでもいい事だった、問題はここが夕凪家の敷地内ということだ、本来なら一般人は立ち寄れないように人除けをしているはずなのだが、糸音がそれに気づいたのは竹藪に入ってから数分後だった。
「素人が」
糸音は元職業柄、人より五感が鋭くなってる。
そのためコソコソとつけ回されるのは糸音にとってはストレスにしかならなかった。
「いい加減にしろ、尾行しているつもりかは知らんが後ろでちょこまかされるとストレスだ」
糸音は物陰に隠れている者に言った。
すると後ろからチャイナドレスの女が現れた。
見たところ糸音と歳は変わらない感じで如何にも格闘家という出で立ち。
「尾行じゃなくて様子を見てただけや」
「後をつけて様子を見てたらそれは尾行と同じだ」
「それはすまんかった、なんや只者じゃないと思ってな。それで見つけた時からずっと追ってたんや、それとここに入ってくるということは!!」
チャイナドレスの女は急に近づいて糸音に凄まじい殴打で襲いかかった。
糸音はそれを颯爽と避ける。
「へぇ~やるやんか、うちの攻撃を全部躱すなんて」
嬉しそうに言うチャイナドレスの女
「何でそんなに楽しそうなんだ?それに襲われる理由がわからない」
「いいや気にしなくていい。うちは強いやつと戦うのが好きなだけや、だからあんたとやる!」
「勝手にきめるな。それに先を急がないといけないんだ、だから構ってる暇はないし襲われる理由がない」
「理由ならある。あんたがこの森に入ってきたからや、ここは関係者しか入れないんやで。せやけど、うちは先生から何も聞いてないし、あんたみたいな強くて怪しいやつほっとかれへん、せやから成敗や!」
そう言ってチャイナガールは向かってきた。先ほどの殴打より少し早いが糸音はそれを軽く交わしながら距離を取り会話を続けた。
「いやいやいや、待て待て、私は夕凪糸音でここは私の家の敷地内、だからなんにも怪しい者ではない!」
「夕凪糸音?先生に子供なんかおらんはずやけど?」
「子供じゃなくて妹!」
「妹ね、でも証拠がないんじゃわからん!」
「くそ!」
名前も知らない相手との防戦一方は続く。
そう言って、ツグハはノックと共に現れた。
「おはようツグハ。直ぐに支度していくよ」
「すいませんが糸音様、私は先に学園の方に行ってますので、その・・・」
「あぁ、学園への行き方は覚えてるから問題ないよ。」
「わかりました。では失礼します。」
ツグハが去った後、窓の外を眺めた。
ここは広大に広がる、望める森と呼ばれる、木と竹藪に囲まれた森林の中にある夕凪邸。
夕凪邸は二階建てで西館と東館に分かれている。私の部屋はちょうど西館と東館の真ん中の二階の部屋である。
そして今日から通う夕ヶ丘学園は、森を抜けたところにある。
(行き方は覚えているよな?)
糸音は自分に言い聞かせ居間に向かった。
居間で軽い朝食を済ませると糸音は門の外に出た。
夕凪邸の前は竹藪が広がっている、門を出てまっすぐ向かうと目的地の学園がある。
学園へのルートを頭の中で確認して糸音は竹藪へと入って行った。
望める森という名前は誰がつけたのかわからないが森と呼べる程、木はあまり無く竹林が正解なのではと思うこともある、でもそんな事は糸音にとってはどうでもいい事だった、問題はここが夕凪家の敷地内ということだ、本来なら一般人は立ち寄れないように人除けをしているはずなのだが、糸音がそれに気づいたのは竹藪に入ってから数分後だった。
「素人が」
糸音は元職業柄、人より五感が鋭くなってる。
そのためコソコソとつけ回されるのは糸音にとってはストレスにしかならなかった。
「いい加減にしろ、尾行しているつもりかは知らんが後ろでちょこまかされるとストレスだ」
糸音は物陰に隠れている者に言った。
すると後ろからチャイナドレスの女が現れた。
見たところ糸音と歳は変わらない感じで如何にも格闘家という出で立ち。
「尾行じゃなくて様子を見てただけや」
「後をつけて様子を見てたらそれは尾行と同じだ」
「それはすまんかった、なんや只者じゃないと思ってな。それで見つけた時からずっと追ってたんや、それとここに入ってくるということは!!」
チャイナドレスの女は急に近づいて糸音に凄まじい殴打で襲いかかった。
糸音はそれを颯爽と避ける。
「へぇ~やるやんか、うちの攻撃を全部躱すなんて」
嬉しそうに言うチャイナドレスの女
「何でそんなに楽しそうなんだ?それに襲われる理由がわからない」
「いいや気にしなくていい。うちは強いやつと戦うのが好きなだけや、だからあんたとやる!」
「勝手にきめるな。それに先を急がないといけないんだ、だから構ってる暇はないし襲われる理由がない」
「理由ならある。あんたがこの森に入ってきたからや、ここは関係者しか入れないんやで。せやけど、うちは先生から何も聞いてないし、あんたみたいな強くて怪しいやつほっとかれへん、せやから成敗や!」
そう言ってチャイナガールは向かってきた。先ほどの殴打より少し早いが糸音はそれを軽く交わしながら距離を取り会話を続けた。
「いやいやいや、待て待て、私は夕凪糸音でここは私の家の敷地内、だからなんにも怪しい者ではない!」
「夕凪糸音?先生に子供なんかおらんはずやけど?」
「子供じゃなくて妹!」
「妹ね、でも証拠がないんじゃわからん!」
「くそ!」
名前も知らない相手との防戦一方は続く。
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