Galaxy Day's

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戦う隊VS戦い隊

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えー、読者の皆様こんにちは。この作品の一応の
主人公、コズモル・ロワイヤルです。あの、本日は
この作品があまりにもクソすぎるため、これ以上
話を進めても意味ないだろうという作者の判断により、
誠に勝手ながら、予定を急遽変更して特番を
やりたいと思います。と!いうわけでっ!今から
『俺のスーパー戦隊大布教』と『惑星クレイ大探検』
の二本立てをお送りしま…


しばらくおまちください


「え?どうしたのアオイヤルにブルーネア、
そんな怖い顔してあんたら… (ビンタ) 痛ぇっ!
ちょっとなんでいきなりビンタよアオブルふたり… 
(殴) ゴルバチョフ!今グーで殴ったよ!
この人らグー使った… (殴×50くらい)
あばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばば」



前回までのあらすじだぜ~!!
罠にハマり、吸い込まれてしまった俺達。
ロワイヤルが必死こいて俺達を取り戻そうとするも、
真の元凶である『バキシー・ム・バンリキー』に
襲われ 心の乱れもあって大苦戦!アオイヤルと
ブルーネアの助言で正気を取り戻したロワイヤルは
新たな武器、『ディフェンダーク』で防御を強化!
バキシーを倒し、それから最期に生み出した
『バンリキー・モンスター』を倒し、吸い込まれて
しまった俺達を見事に助け出したわけだ!んで、
バキシーが落としていったディスクにゴールドマスク
の秘密… もとい、バキシーやゴールドマスクの悪行が
覗かれ、ひとまずはなんとか一件落着ってとこだ!
「どうだアオイヤル、前回のあらすじなんて
これくらいのモンで十分だろ?」
「前回は長すぎたと反省してます… でも、これくらい
がいいよね、参考にされてもらうよアカイヤル」


男なら誰しも一度は憧れただろう、変身ヒーロー。
不思議な道具を使って姿を変え、超人的なパワーを
発揮し、悪を懲らしめ、人々を助けて善を勧める。
それが集団を組んでいるとなると魅力だって倍増。
友情を信じ、力を合わせ、目の前の困難を乗り越える。
ともかく、俺はそういったものに憧れ、こんにちに
至るまで、好み続けているのだ。世を欺き、団結し、
人々の平和と安全のため、悪と日夜戦うヒーロー。
物語の主人公でもある彼らにあこがれ、自分もそう
なりたいと思ったことは一度や二度ではないはず。
俺だって、テレビの前で目を輝かせ カックイイ~と
ヒーローに痺れている子供の頃もあった。変身して、
違う自分になる。それはまさに何年経っても色褪せる
ことのない、永遠の夢。おそらく全生命体の夢!
そう思っていた。奇しくも俺はその夢を叶えたのだ。
今もその夢を行なっている。変身して、違う自分に
なるという。しかし… その立場は憧れ、カッコよく
思っていたヒーローとは真逆。彼らと戦う悪人ヴィラン
俺はやっている。カックイイとヒーローに痺れてた
子供の頃から俺は悪党としての運命さだめを心に決めていた。

そんなヒーローに痺れていたあの頃から時が流れ、
そのようなヒーローと、俺達は今まさに対峙している。
左から紺色に近い青い髪に灰色のメッシュをした
気怠げな青年、サラサラな金髪をした上品な青年、
四角の渦巻きみたいな意図をした特徴的な
赤髪が目をひく、彼らのリーダーである青年、
緑色のロングヘアの活発な女性、ピンクのウェーブ
がかったロングヘアの眠そうな垂れ目の女性。
彼らは全員、右腕についてるブレスレットのような
モノに下から手をかざすと、光と共にヒーローの姿に
変身する。全身タイツのようなスーツを観にまとった、
左から 青・黄・赤・緑・桃 のカラーの、この惑星ほし
守っている5人のヒーロー。俺達は、彼らと決闘を
することとなったのだ。緊迫し、張り詰めたこの
雰囲気に応えるかのように、雷鳴轟く嵐の雲が 
俺達が今いる採石場に迫っていた。

さて… まずどうしてこうなったって?
話せば長くなる。では、時を戻そう…!
時を戻そう、やっと言えたよこのセリフ…


今日はとっても天気のいい日曜日。
こんな日はどこかに出かけるもよし、世間一般的には
休みだからゴロゴロしたり、好きなことをするもよし。
皆様はどんな日曜の過ごし方をされますか?
俺達? ふっ。そりゃあ俺らの過ごし方はもちろん…

「惑星侵略じゃーーーい!!ムカつく奴等は皆殺し
じゃーーーい!!ハッハッハッハッハッハッ!」

初回冒頭以来の、俺達を悪人ヴィランたらしめる惑星の侵略。
これが俺達の仕事みたいなもの。こっちの判断でやろう
って勝手に決めりゃいいだけだから、曜日や月日も
関係ない。逆に言い換えれば毎日が休み、毎日が日曜日
ということでもある。でもなんやかんやいろいろあって
あんまりサボれないのが事実なわけだ。とにかく、
俺達は目をつけた惑星の侵略活動に精を出していた。
ちなみに今 俺はひとり。俺達はアンドロイド兵隊
ジャーディアンや巨大怪獣 カオスキングドラゴンを
率いて、この惑星ほしの各地を手分けして襲っていた。
今回目をつけた惑星ほしの名はブーシロー。
特殊な能力を持ったカードを他星に売る事業を生業に
して発展してきた惑星だが、技術が進歩していくに
つれ、アイドルやバンドだったりと、いろいろと
他に売れる事業が増えてきて、ここ最近じゃプロレス
が盛んだったりと、類稀に見る転身を遂げた惑星だ。
そんな惑星ほしをな~ぜ、侵略する事になったのかというと
だね…。ん?あ、なんや 電話だ。俺のスマホから
着メロにしてる某ショットライザーの待機音が流れる。
俺は瞬時にスマホを手に取り、電話に応えた。
電話の主は俺の嫁、エレーネアだった。

「しもしも~、どうしたエレピー」
『ちょっとロワピー!大変大変!』
「大丈夫大丈夫。落ち着け、どないしたん?」

何やら慌てた様子のエレーネアに俺は某双子のお姫様
みたいなノリで落ち着かせると、エレーネアは
話し始めた。そーいやヴァルーナもアイツらと同類
だよなぁ… 最もプリンセスらしくないプリンセス。
まぁそうしたのは他でもない俺ら両親なんだけど。

『新帝都心 ヨーコ・ハマーの方に差し向けた
ジャーディアンがみ~んな殺られてたのよ!
あたしが様子を見に行ってみたら既にもう…』
「あぁ?本気マジかよ、この惑星ほしにもいたんだな、
ジャーディアンや俺らの軍備力とまともに
やり合える奴らが…。ここ最近の侵略は、一方的に
こっちが好き勝手やってばっかだったから、まさか
対抗してくれる奴らが出てくるなんてなぁ、
ひっさしぶりに面白くなりそうじゃねーか、ヘッ」
『いやまぁそうなんだけど…。とにかく、
みんなあたしの連絡でこっちに向かってるから、
ロワピーも早く来てっ!』
「おう、わーった」

俺はそれだけ言うと電話をきった。そして
フィンガースナップ指パッチンをして呼び出した 
ロワイヤクラウンに乗って、エレーネアの言う、
新帝都心 ヨーコ・ハマーのある方角へ向かった。

新帝都心 ヨーコ・ハマー。惑星 ブーシローの中でも
五指に入る大都市で、有名な施設は 高さ約300mに
のぼる、超高層複合ビル『スカイマークタワー』と
その近くにある、大観覧車 コスモスクロック22
がシンボルの都市型遊園地、『コスモスワールド』
など。この都市では特殊能力を持つ人間が存在し、
探偵と怪盗が互いに争い合っている…わけはなく、
な~んの特殊能力もない民が平和に暮らしている。
まぁその平和を今俺らがぶっ壊してる真っ最中なん
ですが。はてさて、スカイマークタワーやその周辺に
建っているビル群が見える海岸駐車場についた俺は
おびただしい数のジャーディアンの残骸を目の当たりに
した。バラバラの肢体、転がる腕や脚、血のように
うっすらと流れるオイル、破損した箇所から散る火花。
アンドロイド故に惨たらしさは多少 抑えられている
かもしれないが、実際にジャーディアンではなく、
血の通ってる生命体にこの惨状を置き換えたら、
これほどまでに悲惨な景色はないだろう。しかし、
俺はそんな景色を何回も見て来たので、特に動じる
こともなかった。ジャーディアン達の残骸を一通り 
見渡していたら、俺をここに呼んだ嫁のエレーネアに
声をかけられた。エレーネアの後ろでは
呼ばれたであろう他のメンツも一緒だ。
とりあえず俺はこの惨状に思ったことを呟く。

「こいつぁ、随分とまぁ 派手にやってくれたよなぁ」
「誰なんだろうねぇ、これやったやつ」
「この人数を1人で殺れたとは思えません。
複数人で殺った可能性が高いです」
「そしたら問題は相手が何人かですよねぇ…」
「ジャーディアンみたいに一杯いたら手強いですよ」

オリンピアス、ジイ、ウミギロン、サヒダロンの順に
見解を述べる。一体、ジャーディアンをこんな風に
殺ったのはどこのどいつなのやら。しかし、誰にしろ
このやり方はまるで…   この後のセリフは突如として
発生した爆風の衝撃によって一瞬にして
かき消された。その直後、刺さるような声が響く。

「何人かって?5人だよ!」
「だっ、誰だっ!?」

オリンピアスの一声と共に、俺達が声がする方を
向くと、そこにいたのは全身タイツのようなスーツ… 
いや鎧の意図もあるな…?とにかくそういった装甲を
観にまとった、左から 青・黄・赤・緑・桃 のカラーを
した5人組だった。その姿を見た瞬間、俺はどこか
心ときめく気持ちになった。こんな時にそんな気持ち
になってる場合か って、この場にアオイヤルがいたら
そうツッコまれているのは想像に難くないだろう。
そんなことを考えていたら、センターにいる5人の中で
一際目立つであろう赤の戦士が俺達にこう問いかけた。

「お前達か?コイツらの親玉は」

コイツら… ジャーディアン達のことだろう。この
口ぶりからしてジャーディアン達をあんな有様に
したのは、どうやら彼らで当たっているらしい。
一番左端にいる青の戦士が俺達に向けている、左手に
持っている盾のような武器。そこには砲身がついて
いる。そこからわずかに煙が立ち上っており、
おそらくさっきの爆風はその銃撃によるものだろう。

「いかにもその通りだけど? …ん、まぁ~、そんな
身なりしてて、おそらく聞くまでもないだろうけど、
一応 形式上聞いとくわ。アンタ達、一体何者?」

エレーネアが逆にそう問いかけると その5人は妙に
ハイテンション気味になり、ポーズをとりながら
名乗りはじめた。心なしか なんかカッコいい曲が
流れてるような気がする。おそらく俺の脳内で。

「ストライレッド!」
「ストライピンク!」
「ストライイエロー!」
「ストライグリーン!」
「ストライブルー!」

五色ごしき戦士 ストライジャー!!」

彼らがそう叫びながら、やたらカッコいいポーズを
取ると同時に背後で色とりどりの爆発が起こった。
俺とエレーネア、ジイにミギヒダは歓声を
上げながら拍手し、ヴァルーナはその逆。
めんどくさそうに拍手し、オリンピアスは拍手
しながら、興味深そうな表情をし こうつぶやいた。

「ほぉ、フフフ…。まさかこの惑星ほしにも
いたんだねぇ、スーパー戦隊が」

スーパー戦隊… それは長きにわたって続いてきた、
チームヒーローの栄光の歴史である。もはや全生命体
がうっすらと知っている概念故、今から深く語るまで
もないだろう。2話で若干触れ込んだ通り、俺は特撮が
大好き。故にこういうのは、ウルトラスーパー
ドストライクな性癖レベルで大好きなのだ。さっき
心ときめいたのも無理はない。ちなみにそれは俺だけ
じゃない。エレーネアも、ジイも。そんな俺達の
血が流れているオリンピアスも、そしてミギヒダも
また、それが好きなのだ。ヴァルーナはあんまり
興味なさそうだけど 俺達と共に見ていた故か、
知識は割と豊富である。おっと、これ以上 俺達の
趣味趣向を話してても時間の無駄なので話を戻そう。
今まで俺達が侵略し、滅ぼしてきた惑星ほしの中に、
こういった戦隊… そうでなくとも共通の意図をした
集団のヒーローは多数存在していた。彼らのように
色とりどりだが共通の意図を持ったデザインの奴等も
いれば、ベルトで変身し、姿形の意図がまるで別々な
奴等、ウルトラでっかく巨大化する奴等、果てには
戦隊というよりかは、もはやプリティーな方の
やたらとかわいい姿の全員女性の、集団ヒロインとも
言うべき奴等。そいつらは全員、各々の惑星ほしを護る
ために、俺達と戦った。しかし、今じゃ誰も
生きていない。俺達にその惑星ほしごと滅ぼされたのだ。
そいつら全員、俺達の好みにめっちゃ刺さった。
しかし、俺達に刃向かうのならば… 致し方がない。
その惑星ほしは言い逃れができないレベルの所業を
犯しているし…、何より弱肉強食の世界。
殺らなければ殺られるのは自分達。そうして俺達は
今こうして生きているのだ。たとえどれだけ好きに、
推しになった奴でも、自分達に楯突くのならば
殺らねばならない。それが悪役ヴィランというもの。
つくづくやな商売だと感じる。
悪なんだからやなのは当たり前だけど。

「ねぇこれ一応 僕達も名乗っといた方がいいのかな」
「そりゃあ、名乗りにゃ名乗りで
返すのが礼儀ってやつだしな」

オリンピアスと俺がそう言ってると、黄の戦士… 
ストライイエローが爽やかなイケボで遮った。

「そんなことする必要はない。
コズモルチー・ファミリー。悪名高きキミ達の
存在はボク達ヒーローの間では伝説級に有名さ。
…それに、自分達が名乗りたいだけだろ?」
「お前 なんでわかったの?さてはエスパーか?
黄色でエスパー…、ジャスミンなのかお前!?」
「わかりづらい例えやめろ」

ストライブルーからのツッコミ。でもちょいと
気だるけって感じで、同じ青いアイツアオイヤルに比べりゃ、
キレはそんなにない。すると、ジイが5人に尋ねる。

「ジャスミンで思い出しましたけど、あなた達、
もしかして宇宙警察の方でしょうか?この星の
Sスペース.Pパトロール.Dデルタであってもおかしくはない」
「略称は海外版のアレなんだ」
「名前出したらマズいからじゃないの?」

エレーネアとオリンピアスが茶々を入れると、
緑の女性戦士… ストライグリーンが、
はつらつとした声で ジイの質問にこう返答した。

「ううん、違う。あたし達は趣味でこれやってんの」
「オイオイ、某埼玉か」
「そこ漢字にしちまうのかよ」

俺がまた茶々を入れると、またまた
ストライブルーからの気だるけ気味なツッコミが。

「うん… あたしさぁ、思ったの。いつまでこんな
しょーもないやりとりしてるのかなぁ… って!」

エレーネアの発した一言で、場の空気は一変した。
俺もそれは薄々思っていた。目の前に、明らかに
俺らの敵って感じの連中がいるってのに、俺達は
今のところ クソゴミぶっちぎりでアホでつまんねー
ギャグだらけのカスみたいなやりとりしてるばかり。

「よし、じゃあ俺 今から戦闘モードに入るわ、
エレピー 鼻押して鼻」
「鼻?はい」

エレーネアは俺の鼻をボタンを押す要領で押した。
俺は たちまち戦闘準備万端な気分になった。

「それじゃあエレピーも
戦闘モードに入ってもらおうか」
「え?別にあたしもう入って… んっ♡」

俺はエレーネアの豊満な右胸の中央に
人差し指を押した。確か乳首があった方だ。

「んも~♡ ロワピ~♡ ふたりきりならともかく~…
仮にも戦闘寸前、しかも初対面の連中がいる前で
なにやっとんじゃいコラーーーーーーッ!!」

甘い声を徐々にドスの効いた声にしながら、
エレーネアは俺の右腕を掴んで、そのまま
俺の身体全体をひっくり返した。俺はその拍子に
コンクリートの地面に頭をぶつけた。
その衝撃で視界がキラキラ瞬いた。

「んもぉ… これは夜の戦闘モードでやれっつーの…」
「お見苦しいところを見せてしまいすみませんねぇ」

ジイがさっきからドン引きしかりなストライジャーに
頭を下げる。オリンピアスやヴァルーナ、ミギヒダの
方はというと、羞恥やら呆れやら さまざまな反応を
していた。俺は「イテテ…」と言いながら起きる。

「さっきの衝撃で完全に戦闘モードに本能覚醒よ!
さぁ、お前達、派手にやろーぜっ!!リーダーの
赤いのは俺様が相手だ!さぁ勝負勝負ッッッ!!」
「あぁ、望むところだぜ!」
「ピンクいのはあたしとよ。同じピンク同士、
格の違いってやつを見せてやろーじゃない!」
「エヘヘ、不束者だけどうか
よろしくお願いしますね~」

今ようやく初めて喋ったピンクの女性戦士、
ストライピンク。ほわほわした可愛い声色だ。

「いや、不束者ってそーゆー意味じゃ…  でも、この
喋り方といい、あなた天然ちゃん?かーわーいー!」
「何にでも可愛いって言う人のマネ? まぁいいや、
黄色いの、あたしが撃ち抜いてやっから覚悟しな。
ミギヒダ!援護よろしこ!」
「ギョイサー!!」
「キミこそ、いくら女の子で、子供だからと
いって、ボクは手加減はしないよ」
「なめんじゃねーぞこのブスがぁっ!!」
「落ち着けヴァルーナ。つかソイツは流石にブス
じゃないっしょ。おい、グリーン。貴様の
相手はボクだ。貴様みたいなタイプ見てると、
なんかイライラしてしょーがない」
「誰が相手でも!あたしは負けないから!」
「…チッ、こいつムカつくわ~ 細切れにしたろ」

小声で愚痴るオリンピアス。確かにこーゆー
タイプはオリンピアスの天敵っぽいよなぁ…。

「…どうやら、俺の相手は
アンタみてーだな、紫の変なオッサン」
「そう変なオッサ… 変なオッサン!?
言ったわね!?アンタレディーに対して
最大の侮辱を!!!ムッ↓キィー↑!!!」
「いやアンタレディーじゃねーだろ」
「フッ… まぁいい、このオレがただの変なオッサン
じゃねーとこ見せてやっからよ、ハスキーボーイ」
「変わり身はやっ」

コズモル・ロワイヤル VS ストライレッド
コズモル・エレーネア VS ストライピンク
コズモル・ヴァルーナ VS ストライイエロー
コズモル・オリンピアス VS ストライグリーン
クラーケ・デム・ザップ  VS ストライブルー

以下、ご覧のような形となり、俺達は対峙する。
さっきまでいたはずの ウミギロンとサヒダロンは
いつのまにかいなくなっている。まぁおそらく、
ヴァルーナをはじめとする俺達がピンチになったら、
どこからともなく現れて、背中辺りに不意打ちを
カマすんだろう。ヴァルーナ達のいつもの手口だ。
お互いに持っている武器を構えた。ここにいる
全員がそれぞれ持っている、剣や槍の切っ先の
ように、鋭く張り詰めた空気が場を支配する。
一陣の風が吹き、ザブンとこの地の下の水が
たゆたう。それが戦闘開始の合図だ。その音が耳に
響くと共に、俺達は全員 走り出し 武器を交えた。

俺とストライレッドの戦い、お互い熱血的に
荒々しくも堅実な剣術が続く。ジャンプして相手と
距離を置くと、ストライレッドは炎を纏った剣戟を
俺に飛ばしてくる。俺はそれを華麗に避けると
同じくエンペライトセーバーの闇を纏った剣戟を
飛ばした。ストライレッドは盾のような武器で
それをガード… いや、切り捨てると俺に向かって
くる。よく見ると盾のような武器は剣のような形も
していた。俺は即座にディフェンダークを取り出し、
ストライレッドに向かって走り出した。

私とストライピンクの戦い、私がエレネアローを
射っても 彼女はそれをことごとくかわし続ける。
「おっとっと…」だったり「うわっ 危ない…」
とか、妙に可愛いリアクション付きで。これぞ
まさしく あざとピンクってやつなのか。でも彼女の
天然らしさはどこかそれを感じさせない。それに、
あの動き… まるで風を操って、それに乗ってる
ような。とても素人の、戦いにおいての動きでは
ない。リアクションは妙に素人臭いけど、こういう
ことの動きは明らかに年季が入っていると見た。
いつまでも当たらないことに業を煮やしたあたしは
エレネアローをエレネアローサーベルに変形させ、
ストライピンクに向かっていった。
遠距離がダメならいっちょ、近距離戦よ~♡

私とストライイエローの戦い、ヴァルナスチームガン
から放つ銃弾を 彼は剣で弾き飛ばす。その流れで
電撃を纏わせながら私を突こうとしてきたので、
すんでのところでスチームダガーでガードした。
動きを見る限り どうやらコイツ、フェンシング
やってるっぽいな? フェンシングなら昔、ちょっと
かじったことがある。しかし、私は銃だったりとか
そういう遠距離の戦い方の方が得意だなって
思い直して、今日になるまで銃の腕を磨いてきた
のだ。そっちがその気なら近距離戦? ハッ、
やってやるよ!ただし、卑怯な手でな!私は肩から
煙を放ち、彼の視界から消えた。そして煙に紛れて
彼の後ろに移動し、不意打ちのスチームダガーの
一太刀を、困惑している彼の背中に加えた。

僕とストライグリーンとの戦い、彼女はどうやら
グリーネアさんと同じ、木属性のようだ。剣を
振るうたびに葉が舞い踊る。僕はそれを羽根で
吹き飛ばしながら、オリンポスラッシャーで
攻撃を続けた。僕がふと彼女の顔を見やると、彼女は
真っ直ぐな眼差しでこちらを見続けている。それは
強い日差しのような目力。見れば見るほど不快にしか
ならない。ムカつく。目の前から消したい…!
それだけの一心で、僕は攻撃の手をさらに激しく
した。おそらく彼女のこの気の強そうな目は、そんな
僕の浅ましい考えも見通しているだろう。ただでさえ
強く持っていた殺意がさらに膨れ上がった気がした。

私とストライブルーの戦い、私は紫色の長槍、
バトランスをパワフルに振り回しながら、彼の
剣さばきと互角に渡り合っていました。私は 彼が
剣に力を込めていて両腕がお留守なことに気づき、
すかさず毒を注入せんと 左腕から触手を3本
放ちました。しかし、ストライブルーは同じく
すかさず左腕をかざし、水でできたシールドを
作ったのです。しかも超低温。私がその冷たさに
びっくりした隙をつき、ストライブルーは私に
蹴りをお見舞いし、突き飛ばしてしまいました。

そんな感じでいい勝負してた矢先、突然 僕と戦って
いたストライグリーンが何かに気づいてハッとして、
向こうに十台くらい停められている車の方向に
向かう。僕も何事かと釣られ、それについて行く。
当然ながら、先ほどの襲撃で車に乗っていたで
あろう者達は、全員 車を乗り捨てて逃げた模様。
見るとそこには、泣きそうになりながら怯えている
小さな女の子が。影に隠れてて気づかなかった。

「ねぇ、大丈夫!?ケガない!?パパとママは?」

女の子をなだめながら 抱きかかえて逃そうとする
ストライグリーン。それを見た僕は、魔でも
差したのだろうか… 彼女の背後に向かって、
力の限り 憎しみを込めて 長槍 『オリンポスピア』を
振り下ろした。悪役なんだし不意打ち上等。
手段がどうあれ、最終的に勝てばよかろうなのだ。
そして、今にも彼女に当たりそうになった時、
ストライイエローの剣がそれを受け止めた。直後に
鍔迫り合いの隙間から発生した雷撃と轟音で
ストライグリーンと女の子も後ろのこの状況に
気づき、ストライグリーンは女の子を抱きしめる。
アレちょっと待ってヴァルーナは? この黄色男、
ヴァルと戦ってたはずだよね?アイツどこ行った?
ストライイエローは盾のような武器に、レイピアの
ような細い鋒を生やし、雷をまとった二刀流で
僕を吹き飛ばした。その際、やけくそ気味で
オリンポスピアから発した衝撃波が偶然 
ストライグリーンの頬に当たり、ぼくの方向に
鮮血が飛び散った。吹っ飛ばされた先では
父さんとヴァルーナがストライレッドと戦い、
母さんとウミギロンがストライピンクと、ジイと
サヒダロンがストライブルーと戦っていた。しかも
なんだかちょっと全員 押され気味。大まかに見れば
なんか分が悪いと個人的に感じたこの状況。おまけに
ストライイエローとさっきの女の子を逃したであろう
ストライグリーンも僕に遠慮なく襲いかかってきた。
なんだろう…?この容赦ないくらいの執拗さ。
戦隊のくせして、まるで僕達のようであると感じる。

「なんだコイツら、しっつけぇな…!えぇい!
これ以上は分が悪い!一旦体制を立て直すぞ!」
 「撤収~!」

父さんも母さんも僕と同じようなことを
感じたのか、こう宣言。こうして僕達全員は
ヴァルーナの肩の煙突やヴァルナスチームガンから
放った煙に紛れてこの地から撤退したのだった。
その直前、あの5人がまるで唸り声か鳴き声のような
不気味な声をあげていたのは気のせいだと信じたい。
ちなみに後から聞いた話によると、ストライイエロー
はストライグリーンの危機… つまり僕が彼女の背後に
オリンポスピアを振り下ろそうとした瞬間に
いち早く気づき、ヴァルーナを吹っ飛ばし乱入。
その弾みでヴァルーナは父さんと激突。それを救出
しようと現れたウミギロンとサヒダロンも風と水が
原因で足元が滑ってしまい、母さんやジイと激突。
そしてさっき僕が戻る頃には分が悪くなっていった…
とのこと。ミギヒダはこのミスに猛省してました。

「ほんとすみませんすみません…」
「でも風と水で滑ったら不可抗力ですよそれは~」
「は?言い訳すんなお前ら」
「まぁとにかくさぁ、その後もあいつらを一通り
見てみたけど、いかにも、もうあからさまに
ヒーローやってます!って感じの連中だったよ」
「どんなことしてたんだい?」
「え~、昨日はみたらし団子の上に、なんだか
よくわからない物質をトッピングしたストライ団子
っていうやつを売り出して、それの宣伝してたり…
ちなみに一個300円。一昨日は街の清掃活動に
変身前の状態で参加してた。んでその前の日は
銀行強盗達を撃退して、人質にされてた人たちを
全員救出。ホントヒーローって感じよね~」
「ん?エレーネアちゃん、ちなみに、
その銀行強盗グループ 逮捕されてたよね?」
「え?ニュース見る限り 逮捕されてたけど、
それがどったのアオイヤ~ル君」
「それが、その銀行強盗グループ、その逮捕された
夜に、謎の怪物達の襲撃を輸送中に受け、殺された
らしいんだよ。夜中のことだったから どんな姿を
していたかは分からなかったようだけど。ただ、
怪物達は5人だったということだけはわかる」
「ん?5人…? う~ん、これらの映像を記録している
バズトリックも、夜は俺らの元に戻したからな~」
「何にせよ、彼らと戦ってからもう1週間。彼等の
分析は、まだまだこれからといったところでしょう」

 そう、今 俺たちはジャークネスの会議室にて、
彼等の分析会議を行なっていたのだ。色が同じな
アカイヤル、アオイヤル、イエーネア、ミドイヤルの
4人も交えて。ちなみにグリーネアはジャークネスの
城下街のゴミ拾いに六帝将代表で参加するという理由
で欠席。マジメな生き方してるよなホントあいつ…
ちなみに、彼女が本来座る椅子のところには
代わり?として彼女の等身大パネルを置いている。
アカイヤルとミドイヤルは度々、コックリコックリ
眠りかけ、その都度 アオイヤルとイエーネアに
チョップや肩ポンをされ、起きるが しばらくして
すぐにまたコックリコックリ眠りかけ… を繰り返す。
ちなみに、さっき俺の言葉に出てきたバズトリック
っていうのは、監視・偵察用に俺が作った
ハエとカメラの融合マシン。このデータを
テレビやディスプレイなどにつなぐことで、
撮った映像を映し出すことができるのだ。
俺達はそれを見ながら、彼ら、ストライジャーに
ついて、分析を計っていたのだ。敵に勝つにはその
敵を徹底的に知ること という、我等 コズモルチーの
ポリシーの一つに基づいて。解説が遅くなって
申し訳ないね。そんなこと思ってる間に、
イエーネアは疑問の呟きをする。

「そのみたらし団子の上にかけたよくわからない
物質ってんのは、いったいなんなわけ…?」
「あぁ、昨日 行かせたバズトリックの一体にその物質
が付着しててさ、今 ブルーネアがそれを調べてる」
「でさ、彼らの変身前はこんな感じなんだけど…」

エレーネアの一言とともに、空中に浮くディスプレイ
には、ストライジャーの変身後の姿と
変身前の姿のデータがくっきりと映し出された。
ストライレッドは、四角の渦巻きみたいな意図をした
特徴的な赤髪が目をひく 目つきがちょっと悪い青年。
ストライピンクは、ピンクのウェーブがかった
ロングヘアの眠そうな垂れ目の女性。顔はいい。
ストライイエローは、サラサラな金髪をした上品な
青年。かなりのイケメン。あんな貴族みたいな
優雅な口調をするのも納得って感じ。
ストライグリーンは、緑色のロングヘアをした
いかにも活発そうって感じの女性、顔はいい。
ストライブルーは、紺色に近い青い髪に灰色の
メッシュをした気怠げそうな目つきの悪い青年。
でも顔はかなりいい。以上が彼らの変身前の姿だ。
すると、アオイヤルがストライレッドの変身前の
姿を見て、妙に狼狽えたような口調で話し始める。

「ん?ちょっと待ってちょっと待って、なんかこの
見た目、どっかで見たことあるようなないような…
ちなみにエレーネアちゃん、コイツの名前って…」
「ストライレッドの変身前?確か…
『シンドー・クロス』…って名乗ってたわね…。
あ、ちなみにシンドーが苗字でクロスが名前。
私たちと同じ名前の法則みたい」

それを聞いたアオイヤルは冷汗をかき始める。

「あっ、これ、ちょ~っとヤバいやつかなぁ?」
「えっ何がっスか?」

オリンピアスの疑問をスルーし、アオイヤルは
早口気味でエレーネアに質問をする。

「ちなみに残りの連中はなんていうの?
…イヤな予感しかしないけど」
「え~っとね、ストライピンクは『オガサキ・ユミ』
ストライイエローは『ギバ・リオン』
ストライグリーンは『マンジョー・トコネ』、 
そして、ストライブルーは『ジョーシ・カズヤ』
って名前だけど… どーしたアオイヤル!?」

エレーネアの説明が終わる頃には アオイヤルは
顔面蒼白、ヒステリック気味に怯えていた。

「ダメだってもうめっちゃヤバいじゃん今回の敵!!
今回の舞台は惑星『』、並びにレッドは
この特徴的な頭だし、そして他の連中も聞いたこと
あるような名前だし!もう完全にアウトじゃん!!」
「大丈夫だって!ヤバいったって、今までどんな
ヤバい奴らにも 俺ら負けなしだったじゃん」
「ヤバいってそういうことじゃないんだよ!!
こう、なんというか… 権利云々的な…」
「はぁ?何言ってんだお前」
「アオイヤル、たまにお前って
わけわかんねーこと言うよな」

アカイヤルにそんなこと言われたらおしまいである。

「それにしても、ストライレッドのこの頭 随分と
変わってんな。なんかこう渦巻きなぐるぐる頭…」
「やめろアカイヤル!!彼のその外見的特徴には
一切触れるな。他のキャラの特徴にもね」
「なんでだよ」
「アオイヤルがここまで怯えてるってことは
きっとさぞかし強敵ってことだよな、んじゃ、
次の戦いには俺も一緒に行かせてよ。同じ緑の
コイツとどっちが強いのか勝負したいし!」
「ストライグリーンはボクの獲物… と言いたい
ところですが、奴を殺るなら、この際 手段は
なんだっていい。一緒にやりましょミドイヤルさん」
「いいけど… ん?どーしたのオリ坊それ?」
「いやあのキミたち、別にボクは彼らの
強さで怯えてるっていうわけじゃなくてだね…」
「じゃあどうしてそんなキョドってんのよ青二才」
「いやそれはそのなんと言いますか…  って誰が
青二才だこの野郎!!なったろかサムライマン!!」

そうこうしてるうちにブルーネアが会議室に入って
きた。例の謎の物質の解析が終わったのだろう。

「やぁやぁやぁ分析 終わっタータンチェ~ック、
連中が団子にかけてた謎の物質がわかったよ」
「ホントかえ?ブルーネア」
「うんそう… うん?いやちょっと待って!?」

ブルーネアは何やら驚いた様子を見せると、すぐに
右腰のホルスターから武器の銃、アイスナイパーを
ひとつ取り出すと、オリンピアスに向けた。

「へっ!?ブルーネアさん!?」
「ちょっとブルーネア…!?」

真っ先にオリンピアスの元に寄ろうとするエレーネア
をよそに、アイスナイパーから発射されたのは弾丸… 
ではなく水色のライト。それがオリンピアスに
向けられ、アイスナイパーから警告ブザーのような
音が鳴り、オリンピアスの元に寄ろうとしてた
エレーネアその音にビックリしてすっ転んだ。

「ふぇっ!?…なんすかこれ!?」
「どうやらオリンピアス君、キミにも
かかっているようだね、今、私が調べてた
のと同じ、謎の物質でできた粉が!」
「えぇ!?オリンピアスにも!?」
「なんかオリ坊についてるな~って
思ってたけど… え?同じのだったの?」
「ミドイヤルアンタわかってたの!?」
「いや、なんかうっすらと膝のとこ、
変な色してるな~って思って…」
「どこで付着させてきたんだよオリンピアスお前」

兄を呼び捨てにする妹・ヴァルーナ。
まぁ別に今に始まったことじゃないけど。

「えぇ…? 全く覚えがないんだけども…」
「アンタたちは、ストライジャーと戦ったのよね?
それだったらアンタ達にも付着してるハズだけど…」

ブルーネアはアイスナイパーのサーチライトを
俺→エレーネア→ジイ→ヴァル→ミギヒダの順に
当てたが さっきと違い、アイスナイパーからは
うんともすんともしなかった。

「オリンピアス君以外には反応なし。
一体、なぜ オリンピアス君にだけ…」
「思い出してくださいオリンピアス様!」
「そうですよ、もしかしたらこれは重要な
手がかりになるかもしれませんよ!」
「せかすなミギヒダ!わからんものは
わからんのだい!!…申し訳ない皆様」
「別に責めてるわけではありませんよ…」
「付着…?あ、まさか」

オリンピアスは思い出したかのようにペラペラ
思い当たることを話し始めた。話によると、
オリンピアスがストライイエローに吹っ飛ばされた
際、オリンポスピアから発した衝撃波が 偶然 
ストライグリーンの頬に当たり、オリンピアスの
方向に鮮血が飛び散った。付着っていうのは血液
もそう。その血液がそうなんじゃないかと
オリンピアスは悟ったのだ。

「じゃあ、この膝の部分の変な色は…」
「おそらく、血が付着してから、ずっと
そのままにしてたから、変色したんだろうね。
とゆーか、なんで気づかなかったのさ!?」
「いやだって、洗濯したら落ちるかな~… って
でもなんか結局シミになっちゃったから…」
「汚れ感覚かい!!あと、それに…」

ブルーネアはそう言うと、特殊な素材を使った
タオルでオリンピアスの膝を拭う。すると…

「ほら、ご覧」
「あっ!バズトリックについてたのと同じっぽい!」

タオルには液体に紛れ、粉がベットリ。

「奴らが散布していたのは、危険な物質である
ことが調査の結果、判明したよ。この物質は口から
直接摂取すると、あまりのエネルギーに脳が
耐えきれず 凶暴化したり、最悪 その摂取した者が
肉体的に爆発するものなんだよ。ほら、ご覧2回目」

ブルーネアの操作により、空中に浮くディスプレイ
には、惑星 ブシローのニュースが映し出された。

「こちら、チョトーキョー中心部です。
市民の皆様が突如、次々に暴れ出し始めました!
くれぐれも皆様は、外に出なっ… アーッ!!」

ブルーネアは操作し チャンネルを変えた。

「こちらファイボウ学園前でも学生達が
次々に暴徒化していくという事態が… あっ、
ちょっと!マイク返して!…って!?貴方達は!?」
「ちょっと借りるぜ」
「やいやいやい!見てるか!?コズモルチー!!
「原因を究明した結果、この騒動の元凶は
君たちにあるとわかった」
「ハァッ!?何言ってんのアイツら!?」
「私たち、何もやってませんよ!?」
「この騒動、あなた達を倒せば治るって~!」
「そこでっ!あたし達は、アンタらに決闘を
申し込むわ!明日の正午、ストーンボート山に
全員で来なさい!逃げても、必ず見つけて
叩き潰すからっ!」
「アイツらホントに正義の味方?
なんか発言が物騒に聞こえるんだが…」
「とにかく、明日の12:00きっかりだぞ?
わかったな!…はい、マイク返すわ」
「…え~、との事です。そのコズモルチーが
見てるかどうかわからないと思いますし、
もし見てなかったらどうするんだと言いたいところ
ですが、とりあえずスタジオにお返しします」

俺達はまさかの正義側の宣戦布告に呆然だった。

「ま、マジか…?」
「一応聞いとくけど、ホントにやってないの?」
「いやいやいやいや!確かにあの惑星ほしでは
破壊活動やら殺戮やらいろいろやったけど、
そんな悪事 今回、やった覚えないわよ!?」
「いやそれも十分 悪いと思うけど…」
「とにかく、明日戦おうってことならちょうどいい。
メッタメッタのギッタギッタの
スカスカのポンタンにやっつけてしまおう!」
「おう、俺たちも一緒に行っていいよね?
全員って行ってたし」
「とりあえず、一応グリーネアにもこのことは
言っとくわ。あと、アオイヤルにブルーネア」
「なんだい?」
「ちょっと調べて欲しいことがある…。
そのさっき言った、銀行強盗グループの
殺人事件のアレについてだが…」

それからしばらくして、俺とエレーネアは
同じベッドで就寝の準備に入っていた。

「まったく、オリンピアスの言ってる通りよ…。
アイツらホントに正義の戦隊かっつーの…
いくら私達が悪役とは言えど、やってない事の
濡れ衣着せるとか、私達とやってること
変わんねーだろって話よね」
「まぁ、その辺もブルーネアに調査させてる。
あのブルーネアが分析した粉が あの騒動の
原因である事は間違いない。そして、あの粉は
ストライジャーの連中がかけてたって言うし、
同じものが オリンピアスの服に付着していた
ストライグリーンの血から検出された…」
「…となると、やっぱり…!?」
「あぁ、その辺も含めて 明日 暴きに行く
つもりさ。さ、それにそなえて寝ようぜ」

俺は寝ようとしたのだが、エレーネアに
手を引かれ、押し倒される形になった。
そのあと、エレーネアは俺の身体に密着し
始めたのだ。バスローブ越しの豊満な胸が
俺のパジャマ越しの胸板に押し付けられる。

「ちょ…!?待っ…!?エレーネアッ!?///」
「あら、発散させたろって思ったのよ?
こないだの戦いで、あたしの乳首押して…
あれ、たまってたってことでしょ…?///」
「…まぁな。///」
「…んじゃ、一仕事の前にたまってるモノ
全部発散して、気合入れ直そっか?///」
「…なるべくほどほどにする。///」

就寝の準備に入っていたと言ったが、前言撤回。
久方ぶりの欲望と肉体の溶け合い、重なり合いが
はじまった。一方、俺たちふたりがそんな幸せな
夜を過ごしてる間、惑星 ブシローのどこかの街
では、拘置所が謎の5体の怪人の襲撃に
合っていたのは、あとから聞いた話であった。

「お前らに 可能性なんかねぇ…」



翌日正午、惑星 ブシローのストーンボート山。
俺達は今まさに対峙している。そうここだ、
冒頭で言ったシーン。長々と待たせてゴメンネ!
彼らは全員、右腕についてるブレスレットのような
モノに下から手をかざすと、光と共にヒーローの姿に
変身する。緊迫し、張り詰めたこの
雰囲気に応えるかのように、雷鳴轟く嵐の雲が 
俺達が今いる採石場… あ いや、
ストーンボート山へと迫っていた。

「来たってことは昨日のアレ、見てくれてたんだな」
「偶然だよ。惑星 ブシローのテレビつけてたら
たまたまテメーらが目に入ったってだけだ。
まぁなんにせよ俺らもお前らのことに関して、
ちと知りたいことがあるし、この決闘はある意味 
ちょうどいいタイミングなのかもしれねぇな」

5人は一瞬 ビクッと身体を震わせたような
気がしたが、ストライブルーがごまかすかの
ように 啖呵を切った。

「…なめんじゃねぇ。今度こそ確実に
ブッ倒してやるよ」
「ブッ倒されるのは… はてさてどちらか…?」
「減らず口が減らないわねぇ!」
「お前らには言われたくない。問答無用で殺す」
「昨日の決着をつけようか…!」
「へーへー、どっちが勝つんでしょーねぇ…」
「絶対に、やっつけてみせるんだからっ!」
「はー、可愛い。あたしにゃ負けるけど」
「よし、じゃあ まず名乗れ」
「…は?」

言われたストライレッドをはじめ、
ストライジャーの5人はキョトン。

「だからぁ、お前ら戦隊だろ?集団ヒーロー、
戦隊といえば名乗り。コレ常識中の常識。
さぁ、早く名乗ってくれ。その間、俺様達は
ここから一歩も動かないし、攻撃もしない!」
「…マジか?」
「早くしやがれ!あんま尺ねぇんだから…」
「いや尺とか言うなよ!…わかったから。
みんな、行くぞっ!」
「おう!」

ストライレッドの号令と共に、5人は早速 
名乗りを始めた。徐々に妙にハイテンション気味に
なってるし、心なしか なんかカッコいい曲が
流れてるような気がする。おそらく俺達の脳内で。

「今こそ斬り開け!我が真に願う世界!
ストライレッド!」
「吹き荒れよ!新世界へと導く風!
ストライピンク!」
「飛翔雷電!無限の力と世界をこの手に!
ストライイエロー!」
「咲き誇れ!紡ぎ出す輝きの光!
ストライグリーン!」
「食らいつき、あがけ!求む理想を掴むまで!
ストライブルー!」

「今こそ切り裂け!未来を壊すモノ達を!
五色ごしき戦士 ストライジャー!!」

彼らがそう叫びながら、やたらカッコいいポーズを
取ると同時に背後で色とりどりの爆発が起こった。
俺とエレーネア、ジイにオリンピアス、ミギヒダは
歓声を上げながら拍手し、ヴァルーナはその逆。
めんどくさそうに拍手した。ちなみこの時、
山の麓で見ていたアオイヤル曰く、
「やっぱりコレホントアウトだって~~~!!」
だそうで。ホント何言ってんだか。

「よし!次は俺たちの番だ。派手にやろうぜ!」
「えっ!?お前らもやんのかよ!?」
「あぁ、言ったろ?名乗りには名乗りで返すのが
礼儀ってモンだ。んじゃ、行くぜ~!」

俺の号令と共に、俺達7人も早速 名乗りを始めた。
やっぱりこっちも徐々に妙にハイテンション気味に
なってるし、心なしか なんかカッコいい曲が
流れてるような気がする。おそらく俺達の脳内で。

「漆黒皇帝!コズモル・ロワイヤル!」
「最光皇妃!コズモル・エレーネア!」
「猛毒、ハジケ執事!クラーケ・デム・ザップ!」
「月影皇子…!コズモォル・ゥオリンピアスッ!」
「煙巻皇女!コズモル・ヴァァァルーナ!」
「金銀侍女!ヴァル・ウミギロン!」
「銀金侍女!ヴァル・サヒダロン!」

「史上最強の悪役ヴィラン!!」
「全員揃って!我等、悪役家族!」
「コズモルチー・ファミリー!!!」

俺らがそう叫びながら、やたらカッコいいポーズを
取ると同時にやはり背後で色とりどりの爆発が
起こった。ストライピンクは目をキラキラ
させながら拍手し、ストライイエローもちょっと
呆れ気味に拍手。他の3人は驚いていた。
いや、なにをそんなに驚く必要があんねん。
お前らもついさっきやってたんだぜこれをよ。

「さぁ、やるこたぁ済んだ。派手にやろうぜッ!」
「行くぜオイ!」

名乗りという、ヒーローの儀式も済んだことだし、
さぁここからが 戦いの始まりだ。以前戦ったのと
同じ配置で、俺達は戦い合うのであった。

コズモル・ロワイヤル VS ストライレッド
コズモル・エレーネア VS ストライピンク
コズモル・ヴァルーナ VS ストライイエロー
コズモル・オリンピアス VS ストライグリーン
クラーケ・デム・ザップ  VS ストライブルー

以前戦ったのと同じ配置

俺とストライレッドの戦い、炎を纏った彼の剣と、
闇を纏った俺の剣が激突する。お互い斬ろうとして、
それをかわして、互いの隙をついて鍔迫り合いが
続く。やはり剣の腕は五分五分らしい。

私とストライピンクの戦い、私がエレネアローを
射ると、ストライピンクは 相変わらずの天然気味
なあざと可愛いリアクションをしてかわすと、
「お返しですよ~」と言いながら、盾型の武器を
弓状にして 風を纏った一撃を射った。私は
「あぶねッ!」とビックリしながらかわすと、
エレネアローをエレネアローサーベルに変形させ、
迫り来る矢を斬り落としながら 向かっていった。

私とストライイエローの戦い… いや厳密に言うなら
私達とストライイエローの戦いだ。なんてたって、
今度はウミギロンとサヒダロンも一緒なので、
3vs1という 私お得意の卑怯な状態。しかし
ストライイエローは少しも怯まずに堅実な手捌きで
私達の相手をしていくのだった。

僕とストライグリーンとの戦い、接近して
今気づいたが、彼女の頬には絆創膏が貼られている。
1週間前の傷はまだ癒えてないよう。だが、
ストライグリーンはそんなこと特に気にせず、
盾型武器から鉤爪を出して、剣と合わせて
僕に攻撃をし続けるのであった。

私とストライブルーの戦い、バトランスでの
攻撃、相手側の攻撃を液状化しての回避、
触手千本の攻撃 等、私特有の変幻自在なやり方で
ストライブルーを翻弄していきました。

このような感じで、各々が色とりどりの戦闘模様を
見せていた際、ロワイヤルはこう言った。

「そろそろ 第二段階だな… タッチだお前ら!」

そう言って彼は指パッチンフィンガースナップ。すると、山の麓で待機してた
アカイヤル、イエーネアちゃん、ミドイヤル、
そしてこの僕、アオイヤルがジャンプして
彼らの前に姿を現したのだ。

「というわけで、あとはよろしく頼むわ!」

そう言って、ロワイヤル、ジイさん、
オリンピアス君、ヴァルーナちゃん、
ウミギロンちゃんとサヒダロンちゃん達は どこか
へと逃げていった。あまりにも突然すぎることで
ストライジャーの5人は当然 驚いたのだった。

「あっ おい!どこへ行きやがる!!」
「逃げるな卑怯者!!」

ストライブルーとグリーンが声を張り上げるが
そこへ僕とミドイヤルが降り立ったのだった。

「はいスト~ップ!」
「選手交代。君達の次の相手は僕達だ」

イエーネアと僕はこういって、それぞれ自分の
得物を携えて、彼らと戦うのだった。ちなみに
配置はこう変わった。共通の色同士の対決だ。

レッダー・アカイヤル VS ストライレッド
コズモル・エレーネア VS ストライピンク
キールス・イエーネア VS ストライイエロー
グリング・ミドイヤル VS ストライグリーン
ブルース・アオイヤル  VS ストライブルー

俺とストライレッドの戦い、炎と炎、男と男の
ぶつかり合いだ!こっちの方が きっとアイツも
戦いのハリがあるってモンだろうぜ!

私はさっきとそんな状況変わんないのでカット!

あたしとストライイエローの戦い、さっきと
違って、1vs1のバトルになったはいいけど、
得物を使わず、拳法で戦う私に 相手も少なからず
動揺している節がある。ご自慢らしい
フェンシング技、あたしに通じるかしら…?

俺とストライグリーンの戦い、木属性ってところが
グリーネアを彷彿とさせて ちょいとやりづらいけど
こんな明るくはつらつとしたグリーネアがいるわけ
ねーだろって、己に言い聞かせて戦った。コイツ、
結構やるっぽい。でも俺だって強いんだぜ!

僕とストライブルーの戦い、水属性同士の
ぶつかり合い。僕は幻覚を見せようとするも、
相手の攻撃によって阻まれてしまう。やはり
ロワイヤル達の言う通り、結構なやり手で
あることがわかる。

こんな風にそうこうしていると、

「キャ~~~~~ッ!!お助けくださ~~~い!」
「ハッハッハッハッ!!俺らの姿を
見ちまった以上、生かしてはおけねぇぜ…!」

ひとりの淑女が ガラの悪いチンピラ達6人に
絡まれている光景が現れたのだ。

「彼らはあの時の銀行強盗グループじゃないか!」
「あっ!?アイツら生きてたの!?」
「おっ、おい!冗談だろ!?
昨日殺ったはずじゃ…!?」
「ならもう一度、殺ってやるまでだぁ!!」

そう言って、ストライジャー5人は僕達をおしのけ、
銀行強盗達に襲いかかった。

「ふふふ… かかってくれましたね」

次の瞬間、ストライジャー5人の足にイバラが
巻きつき、5人はたちまち動けなくなった。

「な、なんだコリャ!?」
「ふふふ… なんだ?俺ら、お前に殺されたのか?
えぇ、オイ? へへへへへへ…」
「そうだ、お前らは昨夜、
俺達が殺したはずなんだ!」
「そうそう、刑務所に輸送されてるところを
5人がかりで… あなた達 一体なんなの!?」
「もっ、もしかして… 幽霊とかじゃ…
僕達に殺されたことを怨んで…」
「へぇ~、これでハッキリしたよ。自分達から
ボロを出してくれてありがとさん!」
「へ?」
「うふふふ… 残念でした!」

淑女を一気に服を脱ぎ捨てた。その正体は、
なんと!グリーネアちゃんだったのだ!

「そっ、その姿…!まさかお前も…!?」
「そうですよ、貴方達の実態を暴くために
ちょっと一芝居うたせてもらいました!」
「と、いうことは…!?」

チンピラ達も服を脱ぎ捨て、逃げ帰ったはずの
ロワイヤル達という正体を明かした。

「ハッ!これでハッキリしたぜ。お前らは
正義を盾に、人を殺した偽善者共だってな!」
「そっ、そっ、それだけで… それがなんだって
いうのよ!?アンタ達のやってる事の方が
はるかに悪いじゃない!」
「そうさ、今 世界中で人々が暴徒化している。
その首謀者である君達がそんなことを…」
「ひとのせいにしない方がいいよ。
この騒動の真の首謀者たる君達が… ね」

そう言いながら現れたのはブルーネアちゃん。

「なっ、何を言ってる!? 俺達がそんな…」
「解析はもう済んでいる。君たちは、この
ストライ団子を全世界に流通させ、それを
食べて人々を暴徒化させ、その罪を私達に
なすりつけようとした… ストライ団子に
かかっているこの物質は口から直接摂取すると、
あまりのエネルギーに脳が耐えきれず 凶暴化
したり、最悪 その摂取した者が肉体的に
爆発するものなんだよ。幸い私や部下達が、
この惑星ほしの暴徒達を凍らせて沈静化させたから
肉体的に爆発したものは1人もいなかったけど」
「そっ、それって貴方の…」
「んじゃ、論より証拠を」

そう言ってブルーネアちゃんの前に
ひとりのジャーディアンが現れる。
ブルーネアちゃんはジャーディアンに
持っていたストライ団子を食べさせると、
ジャーディアン 最初はその美味しさに悶絶
していたが、次第にだんだん凶暴化していき、
ブルーネアちゃんに襲いかかった。

「お~っと、を食べるムシ」

出た~!ブルーネアちゃんお得意のおやじギャグ!
それにより、一瞬でジャーディアンは凍りついた。

「どうだい?暴徒化した人たちと同じ症状が
出たでしょ? どう見てもこの団子 いや、この団子
に君たちがトッピングした、この物質が原因と
言わざるを得ないだろ!…それと、おまけに 
この状況は今、バズトリックによって 惑星ほし中に
配信されている。だから、いずれこの惑星ほしの全ての
存在がこの事実を知るのも時間の問題。どうだい?
これでもまだシラを切るっていうのかい?…偉大
なる、スーパー戦隊の名を騙る 偽善者サンたち♫」

真実を突きつけられ、ストライジャーの5人は、
完全に敗北したって感じの表情をしていた。

「…なにが悪いんだよ?」
「…は?」
「俺たちはなぁ、お前らみたいな悪い連中が
生きてりゃ これからも悪いことをするかも
しれないって可能性が心許せないから、こんなことを
したんだよ…!この惑星ほしの連中だって、どーせ裏では
悪いことをしまくってるんだ…!せめてもう
これ以上、そういう人を出したくないから 
正義を奨励してるのに、この惑星ほしの連中はちっとも
それがわからないで、悪事を繰り返し続けてる…」
「そんなの君たちの憶測だろ?
まぁ、わからなくはないけど…」
「俺たちはなぁ、悪人共の命を切り裂いて、
悪人共の未来を壊すストライジャーなんだよ…!
それなのに、お前らが…! 許さねぇ…!」
「許さない…!」
「許さねぇ…!」
「うがああああぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

5人揃って獣のように叫んだ次の瞬間、
ストライジャー達は変身前の姿に戻った後、
悍ましい怪人の姿に 変貌したのだった。

ストライレッドことシンドー・クロスは
『クロスジェッツドラゴン』というドラゴンに、
ストライピンクことオガサキ・ユミは
『キルフィーグ』というシスターを模した怪物に、
ストライイエローことギバ・リオンは
『ガルドマイズ』という騎士を模した怪物に、
ストライグリーンことマンジョー・トコネは
『バーギャ』という花だらけの女神を模した怪物に、
ストライブルーことジョーシ・カズヤは
『ズアーロ』という青黒い魔導士を模した怪物に、
それぞれ変貌した。この名前もアウトだよな…?

「俺たちは、必ずテメェらを倒す!!」
「倒す…!この私達がァッ!!」
「悪足掻きがよした方がいい。この姿に
なってしまった以上、もう抑えきれない!」
「この姿で大勢の悪人共を屠ってきた…!
アンタたちが、勝てはしないわよ…!」
「テメェら… 殺す!!」

彼らは各々の攻撃を、やけくそ気味に僕らに
見舞う。それをかわしながらロワイヤルと
オリンピアス君の親子は言う。

「なるほどなぁ、俺達とだいたい一緒だったって
わけか。あの時 ジャーディアン達があんな無惨な
状態で殺られてたのも、納得がいったぜ。
あのやり方は、まさに俺達と同じ…!」
「確かに。あの容赦ないくらいの執拗さも
それ故だったってわけかぁ…」
「だがどっちにしたって、偽善ぶってる
コイツらの方が、個人的にゃ悪いと思う。
だからさっさと、ぶっ倒すに限るぜ!」

ロワイヤルがその啖呵を切ると共に、
僕達は全員、怪人達に向かっていった。

ロワイヤルはアカイヤルと共に
クロスジェッツドラゴンを攻撃し、

エレーネアちゃんはミギヒダちゃん達と
共にキルフィーグを攻撃し、

ヴァルーナちゃんはイエーネアちゃんと共に
ガルドマイズを攻撃し、

オリンピアスくんはミドイヤル、グリーネア
ちゃんと共に、バーギャを攻撃し、

ジイさんは僕、ブルーネアちゃんと共に
ズアーロを攻撃し、追い詰めるのだった。

「くっ、バカなっ…!俺達が殺られるわけ…!」
「くたばれや!戦隊の名を騙る僭称者共!」
「よ~し、ここらで、必殺奥義!いってみよー!」

ロワイヤルの号令と共に、
コズモル家、最大の大技が放たれる。


その場に現れた歯車型ハンドルを、ロワエレ夫妻
以外のジイさん、オリンピアス君、ヴァルーナちゃん、
ミギヒダちゃんが一緒に回すことで、ロワエレ夫妻
の足元から、自由の女神みたいなオブジェが
せり上がる。この時点で何が何だかわからない。

「大胆不敵・乱舞 オブ ダーク!!」

その必殺奥義名が叫ばれると共に、下にいた
5人は腕からビームを放ち、相手を拘束。
そして自由の女神のようなオブジェの上に立つ
ロワエレ夫妻が、閃光の如き速さで急接近。
そのままドラゴンとフェニックスのエネルギー体に
包まれながら、エンペライトセーバーと
エレネアローサーベルによる連続斬撃で
相手を細切れにするのだった。


そしてこの大技をまともに喰らった5人は、
たちまち悲鳴と共に大爆発するのだった。

「やったわね、ロ~ワピ~♡」
「おいおい!アレは!?」

ミドイヤルの指摘と共に、爆風から現れた
元ストライジャーの怪物達は 怨嗟の声の共に
肉体を結合させ、巨大な合体怪獣
『カイザー・ヘリテーゼ』へと変貌するのだった。

「ストライジャー・ジェネレーション!!」

そのよくわからない掛け声と共に、
カイザー・ヘリテーゼは等身大の僕達に
向かって、ビームを発射するのだった。

「アレは、合体ロボ的なアレなのかしら…?」
「あんな歪で怪獣なロボがいるかよ。
さっさと後片付けしちまおう」

そう言いながらロワイヤルはスマホを取り出し、
メガゾード召喚アプリを起動し、
メガゾードを召喚するのだった。

暗黒召喚サモライズ!ロワドルーン!」

空から飛んでくるはロワイヤルの専用ゾード、
ロワドルーン。ロワイヤルはそれに飛び乗った…
「ほんじゃ次は俺視点でお送りするぜ~!!」
おいコラ!セリフに勝手に被さるんじゃないよ!


俺が操作するロワドルーンは空中を飛び回り
ながら、内部に内蔵されている銃火器を発射し、
カイザー・ヘリテーゼを牽制するのだった。
カイザー・ヘリテーゼも負けじとビームを
放射するが、ロワドルーンは軽々スイスイと 
かわし続ける。するとカイザー・ヘリテーゼは
時計の針を模した大剣を出して、ロワドルーンに
その一撃が直撃するのだった。

「うわ~~っ!?マママ、マジかぁ~~~ッ!?」

たちまち主翼から火をあげて墜落するロワドルーン。
俺は慌てて立て直さんと ロワドルーンを変形させた。

巨人変形メガゾードライズ!デストロワイヤル!!」

俺のその叫びと共にロワドルーンは変形していき、
本来の姿である巨大ロボメガゾード、デストロワイヤルとなった。

「デストロワイヤル、活動開始アクティビティオン!」

地に降り立ち、対峙するデストロワイヤルと
カイザー・ヘリテーゼ。互いの得物である剣が
ぶつかり合う。カイザー・ヘリテーゼは一旦離れると

「こうなったら… 必殺究極奥義だ!!」
「獄炎!」
「極天!」
「死苑!」
「星葬!」
「絶海!」
「終焉!」
「ゼロス・バースト!!」

6つのドラゴンを模した強大なビームが
放たれた。デストロワイヤルはすぐさま
背中に接続されてる盾を 左手に装着して
防御するが、あまりにもそのゼロス・バーストの
威力は凄まじく、跳ね飛ばされてしまった。

「あぁ、ヤバいわよ…!デストロワイヤルが…!」
「ゼロス・バースト…。ネーミング的にも、
威力的にも、演出的にも、参考にできそうだな…」
「なに感心してんねん!!」
「おいブルーネア!やっぱりこのまま黙って
見てるなんてできねぇぜ!早く俺にもなにか…」
「慌てないでよ。ちゃんと作ってある。でも、
完全調整がまだだからもう少し待ってくれない?」
「ぐっ…!」

そんな声が外野から響く中、俺は突然 
ひらめキング。ある一手を思いついた。

「おいお前ら!お前らの中でよぉ、
いったい誰が一番強いんだ?」

俺はデストロワイヤルを起き上がらせ、
迫るカイザー・ヘリテーゼに聞いてみた。
そっちの様子を見る限り、5人の自我は
それぞれ残されている模様だ。

「え?そりゃあリーダーである俺が…」
「いや、それを言ったら僕が…」
「いやいや、あたしでしょ強いのは」
「いやいやいや、私強いと思うよ~」
「いやいやいやいや、俺に決まってっだろ」

そんなこと言い合ってるうちに、いがみ合いが
始まるのはあっという間だった。右腕だったり、
左脚だったり 四肢が勝手に動き出して、
カイザー・ヘリテーゼは勝手に転倒する。

「しめた 今だ!」

デストロワイヤルは ガヤガヤ言いながら
転んだままでジタバタし続ける
カイザー・ヘリテーゼを蹴り飛ばした。

「アビリティギア全開!!」

デストロワイヤルはキングレイモアに、内部メカに
組み込まれているアビリティギアのエネルギーを
全て込めて、時計回りに回しながらエネルギーを溜め…

「ギガンティック・ダイナミック!!」

その叫びと共にカイザー・ヘリテーゼを一刀両断!

「あああぁぁ~~っ!もっと仲良くしとけば~!!」

5人全員 息ピッタリのタイミングでそう言いながら、
全身から火花を散らし、爆発四散するのだった。

「ワ~ッハッハッハッハッハッハッハ~!」

地上にいる俺以外の皆は歓喜し、
俺自身も高笑いを響かせたのだった。



「…あのあと、結局滅ぼしたんだ。惑星 ブシロー」
「あぁ、アイツらへのせめてもの供養さ」

今 私たちはジャークネスの司令室にて
ふたりきりでいた。ロワイヤルは司令室の玉座に
ふんぞり返っている。私はそれにココアを入れて
ロワイヤルに渡した。

「アイツらの信念まで俺らと一緒だったからさ、
ぶっちゃけホントは倒すの気が引けたんだよね。
もう少しまかり間違ってたら、俺らのお供に
なれたはずなのになぁ… あーゆータイプ
でも、結局 気に入らなかったよ。あーゆー
偽善ぶるタイプは。俺らみたいに
悪役って 開き直ってりゃよかったんだよ」
「あぁ、アレね…」

「俺たちはなぁ、お前らみたいな悪い連中が
生きてりゃ これからも悪いことをするかも
しれないって可能性が心許せないから、こんなことを
したんだよ…!この惑星ほしの連中だって、どーせ裏では
悪いことをしまくってるんだ…!せめてもう
これ以上、そういう人を出したくないから 
正義を奨励してるのに、この惑星ほしの連中はちっとも
それがわからないで、悪事を繰り返し続けてる…」

私はココアを口に運びながら、ストライレッドの
あの動機を脳内再生した。確かに、今まで滅ぼして
きた連中は、ぶっちゃけ私たちと同類ってくらいの
極悪人ばかりで。滅ぼされたって、それこそ文句は
言えないくらいだった。でも、世間はいかなる理由わけ
あろうと、犠牲を出すことは許されない。…なんて
甘っちょろいことをぬかす。それはなんか、心許せない。

「ま、なんであろうとあたし達はあたし達だよ
そーゆーのも含めて、いいモノになったと思うわ。
今度プロデュースするオリジナル戦隊のネタに
できるわよありゃあ!!」
「えぇ~、アイツらをかぁ?」

実は私とロワイヤル、ジャークネスで放映されている
番組のプロデュースをする時もある。実績もわりかし
それなりにあり、それぞれ 異名を取っている程。
ロワイヤルは『宇宙の●倉』、私は『宇宙の武●』。
出来とどんな感じなのかはこの異名でお察しして
いただければ…。また、プロデュースだけでなく、
テレビ出演も行っている。ジャークネスを統治する
皇族夫婦ということで贔屓されてるワケじゃないよ!?
ただ、私達がテレビ映えするタイプだと思うので…

「あっ、そうそう。テレビ出演といえば…
近々やる 特番の司会やってほしいって
オファー来てたわよ ロワピ~」
「ほぉ どんな名前だ?」
「え~と、名前はねぇ… 『俺のスーパー戦隊大布教』
と『惑星クレイ大探検』この2本よ」
「いやそれ冒頭のアレじゃん!?」
「…と、ゆーわけで 次回は特番としてホントに
これがやるかもしれないわよ!お楽しみに~!」
「いややらないからね~~~ッ!?」
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