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【第10章】もつ少し真面目に取り組めば良かった。

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【10章】

大変豪華なフレンチトーストを頂いた。
日本のカフェで頂いたら\2,000- くらいしそうな……

ドリンクは別料金で、的なやつね。

さて……

聖女さま、のところへ向かいますか。

「ジョー? 聖女さまのところへ行ってくるわね」

「え? あ? はい! 私も同行します」

「大丈夫。1人で行ってくるわ。お兄様達によろしくね」

「え? あの」

「ホン・ジュマモノウ」

源を召喚……
手乗りサイズでお願い。
この前は部屋が壊れる勢いだったからね。

『お呼びですか、シャルル様』

「えぇ、一緒に聖女さまのところへ行きましょう」

『シャルル様の御意向とあらば何処へでも』

そこらへんの男より紳士な使い魔だわ。

「うん。行こう。じゃあ、後の事は宜しくねジョー!」

目を白黒させるジョーを残して私は

「ホン・ジュマモノウ」

白煙と源と共に消える。

少し可哀想な気もするが、仕方ない。
今すぐ、聖女さまの所へ行かねばならんのよ。

✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼


「聖女さま、私です。シャルルです」

「貴様! 聖女さまはお忙しいのだ。アポイントメントはお取りになっているのか?」

アポイントメントって、、フツーアポって言うのでは??

守衛みたいな背の高いオジサンに見下ろされる。
いや、でも、聖女さまが目覚めたらすぐに来いって。

「聖女さまに呼ばれたのですが」

「聖女さまが貴様のような一市民を呼ぶわけないだろう。何の訳があって呼ぶんだ」

一応、公爵家なんだけどな。

「アンドレア・シャルル! 公爵家! 第5覚醒までした! 目が締めたら会いに来いって言われてるの。貴方じゃ話にならないようね? 上の者を出しなさいッ」

ここは、悪名高い嫌われていた、シャルルモードの方が良いのでは??

「あの、シャルル嬢?」

「本当だったのか?」

「おい、マジかよ」

「顔はカワイイじゃん?」

何人かの守衛に囲まれた。
若い人、結構歳の人、様々だった。

「じゃあさ、俺の好物出してよ。できンでしょ。第5まで覚醒してンなら」

まぁ、本当にしてればだけどね。

若い守衛が嫌らしい笑みを浮かべてる。
こう言う男の人嫌いだわ。

「良いわよ?」

守衛を見て、頭に流れてきたイメージを具体化する。

『ホン・ジュマモノウ』

白煙と共にハンバーガー? のような物が現れた。

守衛の表情が引き攣る。

「マジかよ。これは間違いなく俺の好物。フランキーのワクワクハンバーガーだ」

なんか、ダサいね。

「フツーのハンバーガーと何か違うの?」

「あぁ、バンズが他のとは比べ物にならないくらいふわっふわで美味いんだよ。喰ってみ」

喰ってみって私が出したんだけどね?!?!
とは言いつつ、良い香りがするし、3日間飲まず食わずで食べわたのはフレンチトーストだけなのでお腹はぺこぺこ。
空腹時にその香りは嗅いではいけない。
悪魔の香り。

「いただきます」

そう言って、フランキーのワクワクハンバーグを頬張る。

!!!

これは!

たしかに美味しい!

「美味しい!」

「だろ?」

でもでも、やっぱり、こうやって、具体化しちゃった、お店の利益が損なわれる訳で、なんだか申し訳ない気がする。

そんなに、具体化できる人間がいないからOKなの?
でも、何人かはいるわけでしょう?

密造的な事ができちゃう訳だよね?

うーーーん、なんかそう言う法整備はされているのかな。

文明の発展具合は中世のヨーロッパ的な?
洋服とかもそんな感じ。馬車や車、家の感じも。

スマホなんて勿論ないし、TVもない。
蓄音機はあるけど、オーディオはない。

それらを作れば大儲けできる?
でも、具体化する事しかできない。

詳しい構造なんて、分からないから、図面もCADも書けないし。

うーーん、
なんとかして、この世界で自分の立ち位置を確立しないと、アンドレア・シャルルは国外追放される可能性が高い。
例のギャルゲーのルート次第。
誰を先に攻略するかによって追放される女の子は変わる訳だから……

もう少し真面目に取り組めば良かった。
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