66 / 139
第八章 首都に棲む鬼
02 鬼の巣窟
しおりを挟む
「サカリアスが首都にいる」
「へえ。あいつこの前勲章もらったばかりじゃね」
「どういうことだ。まさか母上が」
「いや。軍が間違えて招集したらしい。閣議の後、軍務大臣が統合本部の元帥に文句を言っていた」
「なんだよ、そりゃ。ったく、そんなんだからスナイデルの騒ぎ一つ止められないんだ」
男達は確かにと顔を見合わせて笑った。
ここは首都テラセカンドの官庁街の外側にある高級住宅街の中でもひときわ広い敷地を有するガルベス公爵邸である。主のアレホは皇帝の秘書官を務めているが、今日は二人の秘書官に仕事を任せて定時に屋敷に帰っていた。
彼はある目的のために六人の弟たちを屋敷に呼んでいた。
屋敷の中央部にある応接間に集まった七人の皇子は用意された酒を飲み、料理を貪りながら、それぞれが最近耳にした話を口々に語っていた。
サカリアスが首都にいると言ったのが、第一皇子であるこの家の主人ガルベス公爵アレホである。年齢は39歳。皇帝の秘書官なので、政府内のかなり詳しい話まで知っている。閣議にも出席したので、軍務大臣と統合本部元帥との会話も聞いていた。
勲章のことを言ったのは第四皇子ウルバノ子爵ドロテオ34歳。彼は弟がもらった勲章の値段の相場のことで頭がいっぱいだった。
どういうことだとうろたえたのは第三皇子モンテス伯爵カミロ35歳。宮内省式典局副局長。皇室メンバーについての情報には詳しいはずだが、第八皇子であるサカリアスのことは聞いていなかった。もっとも執務室でワインをがぶ飲みしていては仕事をまともにしているか怪しいものだが。今日も兄の用意した極上の赤ワインを浴びるように飲んでいる。
スナイデルの騒ぎ一つ止められないと言ったのは第六皇子フーゴ男爵フラビオ31歳。反社会組織白竜会の代表である。ここにいる七人の中では下から二番目の年齢のはずだが、顔つきといい体格といい、一番貫禄があった。
「アビガイル姉のところにいたはずだが」
第二皇子バンデラス伯爵ブルーノ37歳、内務省副大臣が言う。彼こそが査察団をクライフに送り込んだ張本人である。ファン・エッセンからサカリアスが侯爵邸で休暇を過ごしていると聞いていた。
「大方、サカリアスだと知らない軍の人事局の下っ端が緊急招集リストに入れたんだろうよ。軍、大丈夫か。安月給で人が集まらないんじゃないか」
第七皇子バカ男爵ガスパル30歳、金融会社コンベニエンサの社長である。兄弟の中で一番金回りがいいが、身につけているものはそれほど高価なものではない。彼自身は倹約家だった。また、高価な物を着用して兄たちを刺激するのは避けたいという意図もあった。
「そんなことはない。公務員だから退職後も保証されてるんだ」
アレホが反論した。
「保証ねえ。イグナシオ叔父なんぞ、農場とは名ばかりの農家をやってなんとか食いつないでるらしいじゃないか」
第五皇子のコマス子爵エロイ32歳はそう言って、好物のチョコレートを口に放り込んだ。
「その叔父だが、今どこにいるか知ってるか?」
アレホの問いに弟たちは顔を見合わせた。
「とうとう食い詰めて都落ちか」
ガスパルが言った。
「いや、クリスティのスーシェ基地だ」
アレホ以外の全員が信じられないという顔だった。
「しかも復職して大佐になって参謀本部入りだ」
「誰の差し金だ?」
フラビオが詰め寄るように尋ねた。
アレホはまあ落ち着けと言い、ブランデーに口を付けた。
「元はサカリアスが私的に呼んだようだが、イグナシオが皇帝に復職を願い出て宇宙軍に皇帝が働きかけたようだ」
「皇帝が?」
宮内省勤めのカミロが首を傾げた。
「皇帝はイグナシオ叔父には甘いところがあるんだよな」
イグナシオと同い年のドロテオは不愉快そうに言った。幼い頃一緒に育てられた彼はいつもイグナシオだけが母に可愛がられていたと感じていた。実際は母は盗癖のある実子を厳しく躾けていただけなのだが、ドロテオはいつも自分だけが爪弾きにされていたと思っている。
「農業と年金じゃ暮らせなかったってことだな」
ガスパルは笑った。
「で、妙なことに、イグナシオ叔父はドイルに行ってる。しかも例の海賊にさらわれた父娘のことを調べている。海賊討伐部隊にもついて行ってる」
アレホにフラビオが興味深げに尋ねた。
「なあ、その父娘、何者なんだ? 皇帝がわざわざ弔意を示すってのは普通じゃないぜ」
「飲食店の雇われ経営者と娘だが、気になるのはサパテロという姓だ」
アレホは言った。
「サパテロなんてそこらへんに束になって売ってるじゃないか。うちにもサパテロ姓の娘が一人いるし」
エロイのいう娘とは、街で見つけて親から買い取った10代の少女である。彼の家には常に三人から四人おり、20歳になるとアレホの好みの娘は譲っている。それ以外はまとまった金をやって暇を出す。
「サパテロか。そういや、いたな、皇帝の愛人に。子連れのやもめ公務員だ」
内務省勤めのブルーノは思い出した。とはいえ社交界に全く顔を出さなかった愛人だったのでほとんど情報はない。
「なんとかっていう将軍の事件に関連して首都星系から追放された奴?」
フラビオも思い出した。
「アゴスト少将の一件だ」
宮内省勤めのカミロも思い出した。
「追放された後の行方はわからないのか?」
アレホに尋ねられカミロはわからないと答えた。
「本人が罪を犯したわけじゃないからな。連座の場合、報告義務はない。首都星系から出る宇宙船に強制的に乗せられた後のことはわからない。ただ、首都星系に入ろうとすると身分証明書を照合されて入星を拒否される」
「なるほど。ということはもし父親のほうが追放された愛人だったとしたら、皇帝がそれをイグナシオ叔父から知らされ、必要以上の弔意を示したというわけか」
フラビオが興味深げにニタリと笑った。
「皇帝も焼きが回ったな」
ブルーノが言う。
「あの人も年をとったということだ。どうも最近お疲れが見えるんだ」
アレホは言う。さすがに彼も秘書官の端くれである。皇帝の健康状態に気付いているようだった。
「それでだ。実は今日集まってもらったのは、次の皇帝の話だ」
「気が早くないか」
第七皇子という立場上、六人もの兄が健在の間は皇太子になれないのが確実なガスパルは言った。
「今だからだ。順番から言えば、私が皇太子だ」
アレホの発言に他の六人はまたかと思った。順番から言えば。母が皇帝に即位してからずっと聞かされていた。一番上のアビガイル姉がゲバラ侯爵家に嫁ぎ、継承権を放棄しているから確かにそうなのだが。
「だが、血筋を重視する連中は、サカリアスが皇太子だと言う。奴は軍人だというのに。奴がいる限り、私は皇太子になれない。いや私だけではない。おまえたちもだ。あいつが皇帝になったらあいつの血筋が直系として続き、私たちの子孫は傍系で、継承権から遠ざかるのだ」
「兄貴、やるのか」
フラビオの問いにアレホは頷いた。
「それじゃうちの会社の奴を貸す」
「うまくいったら、おまえを公爵にしよう」
「それよりゲバラ侯爵領をくれ」
「おい、待てよ。ゲバラ侯爵領は俺だ」
ブルーノが叫んだ。
「おまえにやったらガスパルの物になるんじゃないか。まずは今の借金を返したらどうだ」
アレホの言葉にブルーノは顔を真っ赤にした。
「で、今サカリアスはどこだ? 軍の施設だと仕込みに時間がかかるんだ」
フラビオの表情はまるで古の地球の映画に出てくるヤクザそのものだった。
「慌てるな。奴はこの近くだ。軍務大臣公邸から軍務省の第三庁舎に徒歩で通っている」
「そいつはいい。皇子が徒歩とはな」
「歩くのが速いがな」
「動く標的のほうがやりがいはある」
フラビオは肉食獣のように舌なめずりをした。
「へえ。あいつこの前勲章もらったばかりじゃね」
「どういうことだ。まさか母上が」
「いや。軍が間違えて招集したらしい。閣議の後、軍務大臣が統合本部の元帥に文句を言っていた」
「なんだよ、そりゃ。ったく、そんなんだからスナイデルの騒ぎ一つ止められないんだ」
男達は確かにと顔を見合わせて笑った。
ここは首都テラセカンドの官庁街の外側にある高級住宅街の中でもひときわ広い敷地を有するガルベス公爵邸である。主のアレホは皇帝の秘書官を務めているが、今日は二人の秘書官に仕事を任せて定時に屋敷に帰っていた。
彼はある目的のために六人の弟たちを屋敷に呼んでいた。
屋敷の中央部にある応接間に集まった七人の皇子は用意された酒を飲み、料理を貪りながら、それぞれが最近耳にした話を口々に語っていた。
サカリアスが首都にいると言ったのが、第一皇子であるこの家の主人ガルベス公爵アレホである。年齢は39歳。皇帝の秘書官なので、政府内のかなり詳しい話まで知っている。閣議にも出席したので、軍務大臣と統合本部元帥との会話も聞いていた。
勲章のことを言ったのは第四皇子ウルバノ子爵ドロテオ34歳。彼は弟がもらった勲章の値段の相場のことで頭がいっぱいだった。
どういうことだとうろたえたのは第三皇子モンテス伯爵カミロ35歳。宮内省式典局副局長。皇室メンバーについての情報には詳しいはずだが、第八皇子であるサカリアスのことは聞いていなかった。もっとも執務室でワインをがぶ飲みしていては仕事をまともにしているか怪しいものだが。今日も兄の用意した極上の赤ワインを浴びるように飲んでいる。
スナイデルの騒ぎ一つ止められないと言ったのは第六皇子フーゴ男爵フラビオ31歳。反社会組織白竜会の代表である。ここにいる七人の中では下から二番目の年齢のはずだが、顔つきといい体格といい、一番貫禄があった。
「アビガイル姉のところにいたはずだが」
第二皇子バンデラス伯爵ブルーノ37歳、内務省副大臣が言う。彼こそが査察団をクライフに送り込んだ張本人である。ファン・エッセンからサカリアスが侯爵邸で休暇を過ごしていると聞いていた。
「大方、サカリアスだと知らない軍の人事局の下っ端が緊急招集リストに入れたんだろうよ。軍、大丈夫か。安月給で人が集まらないんじゃないか」
第七皇子バカ男爵ガスパル30歳、金融会社コンベニエンサの社長である。兄弟の中で一番金回りがいいが、身につけているものはそれほど高価なものではない。彼自身は倹約家だった。また、高価な物を着用して兄たちを刺激するのは避けたいという意図もあった。
「そんなことはない。公務員だから退職後も保証されてるんだ」
アレホが反論した。
「保証ねえ。イグナシオ叔父なんぞ、農場とは名ばかりの農家をやってなんとか食いつないでるらしいじゃないか」
第五皇子のコマス子爵エロイ32歳はそう言って、好物のチョコレートを口に放り込んだ。
「その叔父だが、今どこにいるか知ってるか?」
アレホの問いに弟たちは顔を見合わせた。
「とうとう食い詰めて都落ちか」
ガスパルが言った。
「いや、クリスティのスーシェ基地だ」
アレホ以外の全員が信じられないという顔だった。
「しかも復職して大佐になって参謀本部入りだ」
「誰の差し金だ?」
フラビオが詰め寄るように尋ねた。
アレホはまあ落ち着けと言い、ブランデーに口を付けた。
「元はサカリアスが私的に呼んだようだが、イグナシオが皇帝に復職を願い出て宇宙軍に皇帝が働きかけたようだ」
「皇帝が?」
宮内省勤めのカミロが首を傾げた。
「皇帝はイグナシオ叔父には甘いところがあるんだよな」
イグナシオと同い年のドロテオは不愉快そうに言った。幼い頃一緒に育てられた彼はいつもイグナシオだけが母に可愛がられていたと感じていた。実際は母は盗癖のある実子を厳しく躾けていただけなのだが、ドロテオはいつも自分だけが爪弾きにされていたと思っている。
「農業と年金じゃ暮らせなかったってことだな」
ガスパルは笑った。
「で、妙なことに、イグナシオ叔父はドイルに行ってる。しかも例の海賊にさらわれた父娘のことを調べている。海賊討伐部隊にもついて行ってる」
アレホにフラビオが興味深げに尋ねた。
「なあ、その父娘、何者なんだ? 皇帝がわざわざ弔意を示すってのは普通じゃないぜ」
「飲食店の雇われ経営者と娘だが、気になるのはサパテロという姓だ」
アレホは言った。
「サパテロなんてそこらへんに束になって売ってるじゃないか。うちにもサパテロ姓の娘が一人いるし」
エロイのいう娘とは、街で見つけて親から買い取った10代の少女である。彼の家には常に三人から四人おり、20歳になるとアレホの好みの娘は譲っている。それ以外はまとまった金をやって暇を出す。
「サパテロか。そういや、いたな、皇帝の愛人に。子連れのやもめ公務員だ」
内務省勤めのブルーノは思い出した。とはいえ社交界に全く顔を出さなかった愛人だったのでほとんど情報はない。
「なんとかっていう将軍の事件に関連して首都星系から追放された奴?」
フラビオも思い出した。
「アゴスト少将の一件だ」
宮内省勤めのカミロも思い出した。
「追放された後の行方はわからないのか?」
アレホに尋ねられカミロはわからないと答えた。
「本人が罪を犯したわけじゃないからな。連座の場合、報告義務はない。首都星系から出る宇宙船に強制的に乗せられた後のことはわからない。ただ、首都星系に入ろうとすると身分証明書を照合されて入星を拒否される」
「なるほど。ということはもし父親のほうが追放された愛人だったとしたら、皇帝がそれをイグナシオ叔父から知らされ、必要以上の弔意を示したというわけか」
フラビオが興味深げにニタリと笑った。
「皇帝も焼きが回ったな」
ブルーノが言う。
「あの人も年をとったということだ。どうも最近お疲れが見えるんだ」
アレホは言う。さすがに彼も秘書官の端くれである。皇帝の健康状態に気付いているようだった。
「それでだ。実は今日集まってもらったのは、次の皇帝の話だ」
「気が早くないか」
第七皇子という立場上、六人もの兄が健在の間は皇太子になれないのが確実なガスパルは言った。
「今だからだ。順番から言えば、私が皇太子だ」
アレホの発言に他の六人はまたかと思った。順番から言えば。母が皇帝に即位してからずっと聞かされていた。一番上のアビガイル姉がゲバラ侯爵家に嫁ぎ、継承権を放棄しているから確かにそうなのだが。
「だが、血筋を重視する連中は、サカリアスが皇太子だと言う。奴は軍人だというのに。奴がいる限り、私は皇太子になれない。いや私だけではない。おまえたちもだ。あいつが皇帝になったらあいつの血筋が直系として続き、私たちの子孫は傍系で、継承権から遠ざかるのだ」
「兄貴、やるのか」
フラビオの問いにアレホは頷いた。
「それじゃうちの会社の奴を貸す」
「うまくいったら、おまえを公爵にしよう」
「それよりゲバラ侯爵領をくれ」
「おい、待てよ。ゲバラ侯爵領は俺だ」
ブルーノが叫んだ。
「おまえにやったらガスパルの物になるんじゃないか。まずは今の借金を返したらどうだ」
アレホの言葉にブルーノは顔を真っ赤にした。
「で、今サカリアスはどこだ? 軍の施設だと仕込みに時間がかかるんだ」
フラビオの表情はまるで古の地球の映画に出てくるヤクザそのものだった。
「慌てるな。奴はこの近くだ。軍務大臣公邸から軍務省の第三庁舎に徒歩で通っている」
「そいつはいい。皇子が徒歩とはな」
「歩くのが速いがな」
「動く標的のほうがやりがいはある」
フラビオは肉食獣のように舌なめずりをした。
0
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説


会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる