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第五章 混迷の星
03 必要とされるということ
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侯爵邸の西棟のさらに西側にある使用人用の住宅がアマンダと父の住まいである。四方を林に囲まれているので、侯爵邸を囲む高い塀とも遮られ、塀の向こうの道路を走る大型車の音が時折伝わるだけで夜は比較的静かだった。
部屋着に着替えたアマンダは居間の映像端末に流れる報道をちらっと見たが、スタジアムの話も皇帝杯の話もない。アナウンサーは観光局のお知らせと天気概況、各星系の株式市場といった情報を読み上げていた。
「スタジアムにいた映像クルーは映像を消去させられているな」
レオポルドはそう言うと別の局の映像に切り替えた。
時代物のドラマだった。ドイルでも放映されて人気だったドラマの再放送だった。
『宮中でござる』
『ええい、離せ!』
遠い昔のテラで頻繁に映像化された作品を200年前の話に翻案したものだった。宮中で刃傷沙汰を起こし罰せられた伯爵の家臣たち47人が復讐するという話だった。
また映像が切り替わった。
「本日の皇帝陛下」というタイトルが目に飛び込んできた。家ではできるだけ見ないように、父に見せないようにしていた番組だった。
アマンダは切り替えたほうがいいと思って端末のリモコンを手にした。
「あ、替えなくていい」
レオポルドはそう言うと、画面に集中した。隣の椅子に座ったアマンダも見ざるを得なかった。
『テラセカンド聯合帝國の臣民の皆様、本日の皇帝陛下の時間です』
その後、男性アナウンサーは昨日の日付を言ったので再放送らしい。
朝5時の起床に始まり食事のメニュー、体温、血圧、身につけた衣装、公務内容、閣議の様子等等が詳しく報じられる。就寝時間も伝えられるが、どこで就寝したかには触れられない。
「お元気そうだ」
レオポルドは呟いた。よかったですねと相槌を打っていいものか、アマンダは困った。
父は端末の電源を切った。
「アマンダ、星の離宮に住んでた頃はいろいろと苦労をかけたね」
あの頃の話を父がするのは珍しかった。アマンダも父の触れてはいけない過去のように思えて、自分から話すことはなかった。
「食事も作らなくてもよかったし、掃除も洗濯もしなくてよかったから楽だった。学校にはいろいろ驚いたけれど。でも伯爵令嬢や男爵令嬢と同じ教室にいたっていうのは面白い経験よね」
嫌な思いはしたこともあったけれど、モニカやカルメンシータ達のような温かい人たちもいた。今頃どうしているだろうか。
「お父さんのほうが大変だったんでしょ。陛下は恐ろしい方という話を聞くから」
「大変ではないよ。仕事だから。だが、そのせいで、おまえたちにはしなくてもいい苦労をさせた」
「仕事?」
皇帝の愛人が仕事ということだろうか。アマンダには愛人と仕事が結びつかなかった。
「そうだ。仕事だ。世間の人はそうは思わないけれどね。公務員は公務員住宅に住んで国から給与をもらう。それと一緒だよ。星の離宮は公務員住宅の扱いになっている。ただし、試験は面接だけだが」
「陛下の?」
「そうなるな」
レオポルドは笑った。笑いごとではないはずだった。
「恐らく、私の知らないところで家系や経歴は調べていたとは思う。が、決めたのは陛下だ」
「誰が調べたの?」
「陛下はお忙しいから、側近だろう。前の愛人が不始末をした直後だから、不始末をしそうもない年齢の男を探していたんだろう。勤め先の福祉事務所の所長がすぐに地域の福祉行政のトップになったところを見ると、推薦したのは所長だったのかもしれないな」
そんな裏があったとはアマンダは想像したこともなかった。父は所長の出世と引き換えに皇帝に差し出されたようなものではないか。
「ひどい……」
「所長としては元貴族で妻を亡くし三人の子を育てている部下を助けるつもりだったのかもしれない。結果としてはその通り助かった。でも、アマンダ達にはしなくてもいい苦労をさせてしまった」
「仕方ないもの。陛下の命令なら断れない」
「……断れたかもしれないんだ」
「え?」
これもまた想像だにしない話だった。
「アマンダが大人になったから話せることなんだが、陛下は最初に断ってくれてもいいと仰せだった」
「そんなことを仰せになったの?」
「ああ。私も驚いた。でもね、断れなかった」
父が断れないということはやはり皇帝の迫力に負けたということなのか。あるいは色香のある女性だったのか。
「窓口に相談に来る女性と変わらなかったんだ、あの人は。いや、それ以上に傷付いていた」
「福祉事務所の窓口に来る人と?」
驚くような話ばかりが続く。
「そうだ。生活苦や家族からの暴力に耐えかねて来る女性達と変わらないんだ。孤独で飢えていた。周りに味方はいない、常に緊張を強いられる生活だからね。だから見捨てられなかった。今、この人に必要とされていると思った」
「必要とされている……」
アマンダの脳裏にサカリアスの言葉が甦った。
『私にはあなたが必要だ』
衝撃でアマンダは父と会話をしていることを忘れそうになった。
「そう。今、この人から逃げたら後悔すると思った。だから愛人になった。家で三人の子どもが待っていることはわかっていたのに。心細かっただろう。子どもだけで家で待っているのは。私はおまえたちの気持ちよりも目の前の女性を選んでしまった。悪い親だ。そして死んだお母さんを裏切ってしまった。悪い夫だ」
レオポルドの口調にはどこか自分に酔っている感じもあったが、アマンダにはそんなことまで感じられなかった。サカリアスの言葉の本当の意味がどこにあるのか、アマンダは考えていた。
「だが、後悔はしていない。出来る限りの仕事をしたんだから。首都を出なければならなくなった時も不思議と後悔はなかった。もう、私は必要なくなったのだと思った。私がいなくても大丈夫だと。ただ子ども達には申し訳ないと思った。短い間に環境が二度も変化することになってしまった。だから、次の仕事は家の近くでできる仕事にしようと思っていた。子ども達とできるだけ近くにいたかった」
エストレージャの仕事は父にとって願ったりかなったりのものだったのだ。
「そうだったんだ。ありがとう、お父さん」
「ちっともありがたい話じゃないだろう。子どもより優先する人がいたというのは」
「だって仕事だったんでしょ。それで家族が暮らせたんだから」
そう割り切らなければ救われないとアマンダは思った。
そして、自分も割り切らなければならないのだろうかと思った。
サカリアスが自分を必要としている。話相手ということだと思っていた。だがアマンダには語るべき豊富な知識も経験もない。それなのに必要だとサカリアスは言う。
つまり、それは愛人ということではないか。話相手というのは名目に過ぎないのではないか。
愛人ならば経済的支援をすることができる。アマンダと父は着の身着のままで救助された。今着ている服も住まいも食事も侯爵家から与えられたものだった。だから少しでも恩を返したいという気持ちもあって働いている。正体が露見する危険は承知の上である。だが、愛人なら外に出て働かなくていい。危険は減る。
サカリアスはアマンダを守るために愛人の話を持ち掛けたのではないか。ただ愛人とストレートに言うのは貴族的ではないから必要だと遠回しに言ったのではないか。「どう言えばいいんだ」と困っていたのは、愛人になれとはっきり言えなかったからではないか。
アマンダはサカリアスは親切な人だと思っているが、恋愛の対象として考えたことはない。応接間に二人にされた時に父に「殿方と同じ部屋に二人でいてはいけないのでは」と言ったのははあくまでも一般的な意味でしかなかった。親切なサカリアスは愛人という形でアマンダとその父レオポルドを支援しようとしているのではないか。
父の話だと愛人になるには家系や経歴の調査が必要らしい。すでにアマンダの素性をサカリアスは知っている。調査は不要なのだ。愛人にしても何の問題もない。
父は当然娘が愛人になることを望むはずがない。だが、結婚となると障害は高い。皇帝の血を引く皇子は貴族ではない女性と結婚することはできない。アマンダは死んだことになっている。今は平民のバネサ・オリバなのだ。たとえ生きていても、父はアギレラ大公ではないからやはり平民である。結婚ではなく愛人しかないのだ。
そしてこれは一番肝心なことだが、アマンダはサカリアスの妻になることなど微塵も考えていなかった。親切で見返りを求めない高潔な人、器の大きな人だと思っていた。立派過ぎて、本当は直接言葉を交わしてはいけないのではないかと思うほどだった。
そういう人が自分を愛人として必要としている。
一体どうしたらいいのか。
生活と安全のためと割り切ればいいのかもしれないが、父の気持ちを思えばできることではない。
何よりアマンダ自身の気持ちが追い付かなかった。あまりに突拍子もなさ過ぎた。
「アマンダ、どうしたんだ」
父の声に我に帰った。
「なんでもない」
「スタジアムの件は私もショックだよ。だけど、気をしっかり持たないといけない。この件の処置を侯爵夫人や帝國政府が誤れば、大混乱になる。ここも危険なことになるかもしれない」
父はアマンダが上の空なのは、スタジアムの事件が原因だと思っていた。
「明日は閉園かしら」
「そうなるだろう。場合によっては侯爵夫人が追悼演説をすることになるかもしれない。以前、他の星でスタジアムの事故があった時に領主が追悼演説をして事態を収拾したことがある」
父の話がアマンダを喫緊の課題に引き戻した。
「ここ、道路に近いから危ないんじゃ」
「塀を壊さない限り入れないさ。だが、道路から物を投げられたら危険だな。最悪、屋敷に逃げることになる。地下に安全な避難場所を作っているはずだ。貴族の屋敷はたいてい籠城できるようになっている」
「地下道迷路みたいだものね」
「デボラさんが詳しいようだね。サカリアス殿下がいるから心配ない。彼は軍人だ。彼を信じて従うことだ」
父の言葉がアマンダの背中をわずかに押した。
殿下を信じてみようか。
部屋着に着替えたアマンダは居間の映像端末に流れる報道をちらっと見たが、スタジアムの話も皇帝杯の話もない。アナウンサーは観光局のお知らせと天気概況、各星系の株式市場といった情報を読み上げていた。
「スタジアムにいた映像クルーは映像を消去させられているな」
レオポルドはそう言うと別の局の映像に切り替えた。
時代物のドラマだった。ドイルでも放映されて人気だったドラマの再放送だった。
『宮中でござる』
『ええい、離せ!』
遠い昔のテラで頻繁に映像化された作品を200年前の話に翻案したものだった。宮中で刃傷沙汰を起こし罰せられた伯爵の家臣たち47人が復讐するという話だった。
また映像が切り替わった。
「本日の皇帝陛下」というタイトルが目に飛び込んできた。家ではできるだけ見ないように、父に見せないようにしていた番組だった。
アマンダは切り替えたほうがいいと思って端末のリモコンを手にした。
「あ、替えなくていい」
レオポルドはそう言うと、画面に集中した。隣の椅子に座ったアマンダも見ざるを得なかった。
『テラセカンド聯合帝國の臣民の皆様、本日の皇帝陛下の時間です』
その後、男性アナウンサーは昨日の日付を言ったので再放送らしい。
朝5時の起床に始まり食事のメニュー、体温、血圧、身につけた衣装、公務内容、閣議の様子等等が詳しく報じられる。就寝時間も伝えられるが、どこで就寝したかには触れられない。
「お元気そうだ」
レオポルドは呟いた。よかったですねと相槌を打っていいものか、アマンダは困った。
父は端末の電源を切った。
「アマンダ、星の離宮に住んでた頃はいろいろと苦労をかけたね」
あの頃の話を父がするのは珍しかった。アマンダも父の触れてはいけない過去のように思えて、自分から話すことはなかった。
「食事も作らなくてもよかったし、掃除も洗濯もしなくてよかったから楽だった。学校にはいろいろ驚いたけれど。でも伯爵令嬢や男爵令嬢と同じ教室にいたっていうのは面白い経験よね」
嫌な思いはしたこともあったけれど、モニカやカルメンシータ達のような温かい人たちもいた。今頃どうしているだろうか。
「お父さんのほうが大変だったんでしょ。陛下は恐ろしい方という話を聞くから」
「大変ではないよ。仕事だから。だが、そのせいで、おまえたちにはしなくてもいい苦労をさせた」
「仕事?」
皇帝の愛人が仕事ということだろうか。アマンダには愛人と仕事が結びつかなかった。
「そうだ。仕事だ。世間の人はそうは思わないけれどね。公務員は公務員住宅に住んで国から給与をもらう。それと一緒だよ。星の離宮は公務員住宅の扱いになっている。ただし、試験は面接だけだが」
「陛下の?」
「そうなるな」
レオポルドは笑った。笑いごとではないはずだった。
「恐らく、私の知らないところで家系や経歴は調べていたとは思う。が、決めたのは陛下だ」
「誰が調べたの?」
「陛下はお忙しいから、側近だろう。前の愛人が不始末をした直後だから、不始末をしそうもない年齢の男を探していたんだろう。勤め先の福祉事務所の所長がすぐに地域の福祉行政のトップになったところを見ると、推薦したのは所長だったのかもしれないな」
そんな裏があったとはアマンダは想像したこともなかった。父は所長の出世と引き換えに皇帝に差し出されたようなものではないか。
「ひどい……」
「所長としては元貴族で妻を亡くし三人の子を育てている部下を助けるつもりだったのかもしれない。結果としてはその通り助かった。でも、アマンダ達にはしなくてもいい苦労をさせてしまった」
「仕方ないもの。陛下の命令なら断れない」
「……断れたかもしれないんだ」
「え?」
これもまた想像だにしない話だった。
「アマンダが大人になったから話せることなんだが、陛下は最初に断ってくれてもいいと仰せだった」
「そんなことを仰せになったの?」
「ああ。私も驚いた。でもね、断れなかった」
父が断れないということはやはり皇帝の迫力に負けたということなのか。あるいは色香のある女性だったのか。
「窓口に相談に来る女性と変わらなかったんだ、あの人は。いや、それ以上に傷付いていた」
「福祉事務所の窓口に来る人と?」
驚くような話ばかりが続く。
「そうだ。生活苦や家族からの暴力に耐えかねて来る女性達と変わらないんだ。孤独で飢えていた。周りに味方はいない、常に緊張を強いられる生活だからね。だから見捨てられなかった。今、この人に必要とされていると思った」
「必要とされている……」
アマンダの脳裏にサカリアスの言葉が甦った。
『私にはあなたが必要だ』
衝撃でアマンダは父と会話をしていることを忘れそうになった。
「そう。今、この人から逃げたら後悔すると思った。だから愛人になった。家で三人の子どもが待っていることはわかっていたのに。心細かっただろう。子どもだけで家で待っているのは。私はおまえたちの気持ちよりも目の前の女性を選んでしまった。悪い親だ。そして死んだお母さんを裏切ってしまった。悪い夫だ」
レオポルドの口調にはどこか自分に酔っている感じもあったが、アマンダにはそんなことまで感じられなかった。サカリアスの言葉の本当の意味がどこにあるのか、アマンダは考えていた。
「だが、後悔はしていない。出来る限りの仕事をしたんだから。首都を出なければならなくなった時も不思議と後悔はなかった。もう、私は必要なくなったのだと思った。私がいなくても大丈夫だと。ただ子ども達には申し訳ないと思った。短い間に環境が二度も変化することになってしまった。だから、次の仕事は家の近くでできる仕事にしようと思っていた。子ども達とできるだけ近くにいたかった」
エストレージャの仕事は父にとって願ったりかなったりのものだったのだ。
「そうだったんだ。ありがとう、お父さん」
「ちっともありがたい話じゃないだろう。子どもより優先する人がいたというのは」
「だって仕事だったんでしょ。それで家族が暮らせたんだから」
そう割り切らなければ救われないとアマンダは思った。
そして、自分も割り切らなければならないのだろうかと思った。
サカリアスが自分を必要としている。話相手ということだと思っていた。だがアマンダには語るべき豊富な知識も経験もない。それなのに必要だとサカリアスは言う。
つまり、それは愛人ということではないか。話相手というのは名目に過ぎないのではないか。
愛人ならば経済的支援をすることができる。アマンダと父は着の身着のままで救助された。今着ている服も住まいも食事も侯爵家から与えられたものだった。だから少しでも恩を返したいという気持ちもあって働いている。正体が露見する危険は承知の上である。だが、愛人なら外に出て働かなくていい。危険は減る。
サカリアスはアマンダを守るために愛人の話を持ち掛けたのではないか。ただ愛人とストレートに言うのは貴族的ではないから必要だと遠回しに言ったのではないか。「どう言えばいいんだ」と困っていたのは、愛人になれとはっきり言えなかったからではないか。
アマンダはサカリアスは親切な人だと思っているが、恋愛の対象として考えたことはない。応接間に二人にされた時に父に「殿方と同じ部屋に二人でいてはいけないのでは」と言ったのははあくまでも一般的な意味でしかなかった。親切なサカリアスは愛人という形でアマンダとその父レオポルドを支援しようとしているのではないか。
父の話だと愛人になるには家系や経歴の調査が必要らしい。すでにアマンダの素性をサカリアスは知っている。調査は不要なのだ。愛人にしても何の問題もない。
父は当然娘が愛人になることを望むはずがない。だが、結婚となると障害は高い。皇帝の血を引く皇子は貴族ではない女性と結婚することはできない。アマンダは死んだことになっている。今は平民のバネサ・オリバなのだ。たとえ生きていても、父はアギレラ大公ではないからやはり平民である。結婚ではなく愛人しかないのだ。
そしてこれは一番肝心なことだが、アマンダはサカリアスの妻になることなど微塵も考えていなかった。親切で見返りを求めない高潔な人、器の大きな人だと思っていた。立派過ぎて、本当は直接言葉を交わしてはいけないのではないかと思うほどだった。
そういう人が自分を愛人として必要としている。
一体どうしたらいいのか。
生活と安全のためと割り切ればいいのかもしれないが、父の気持ちを思えばできることではない。
何よりアマンダ自身の気持ちが追い付かなかった。あまりに突拍子もなさ過ぎた。
「アマンダ、どうしたんだ」
父の声に我に帰った。
「なんでもない」
「スタジアムの件は私もショックだよ。だけど、気をしっかり持たないといけない。この件の処置を侯爵夫人や帝國政府が誤れば、大混乱になる。ここも危険なことになるかもしれない」
父はアマンダが上の空なのは、スタジアムの事件が原因だと思っていた。
「明日は閉園かしら」
「そうなるだろう。場合によっては侯爵夫人が追悼演説をすることになるかもしれない。以前、他の星でスタジアムの事故があった時に領主が追悼演説をして事態を収拾したことがある」
父の話がアマンダを喫緊の課題に引き戻した。
「ここ、道路に近いから危ないんじゃ」
「塀を壊さない限り入れないさ。だが、道路から物を投げられたら危険だな。最悪、屋敷に逃げることになる。地下に安全な避難場所を作っているはずだ。貴族の屋敷はたいてい籠城できるようになっている」
「地下道迷路みたいだものね」
「デボラさんが詳しいようだね。サカリアス殿下がいるから心配ない。彼は軍人だ。彼を信じて従うことだ」
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