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第二章
漆 干菓子と涙
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青い柿。
志緒の一言は明らかに駒井甚太夫を動揺させた。
それは志緒の疑いを強固なものに変えた。
兄辰之助は幸之助に殺されたようなものだったと。
兄の死の真相を闇に葬るために、駒井夫妻は家柄の低い村田家の志緒を幸之助のいいなずけにしたのだと。
村田の両親はそれで納得し、志緒には何も言わずにいたのだと。
無論、山中吉之進の言ったことがすべて信用できるとは思えない。だが、彼の母杉の言いかけた「自業自得」という言葉と矛盾しない部分があった。
幸之助の急死は、幸之助の過去の罪への罰なのだと考えると自業自得と言えるのかもしれなかった。それ以外に幸之助に罪があるとは思えない。
だが、志緒には幸之助への恨みはない。兄の記憶がないせいだろう。それに、幸之助は志緒に優しかった。いや、誰に対しても意地の悪いことをするのを見たことがなかった。姉の佐登も義兄の誠之助も幸之助の礼儀正しさや品行の良さを褒めていた。志緒もそんな幸之助にふさわしい娘になろうと思っていた。
恐らく幸之助は過去の罪を反省し、生まれ変わろうとしていたのではないか。だから誰に対しても優しかったのではないか。
己のやったことを反省せず、座敷牢から出て両親を殺めた吉之進に比べれば、ずっと立派だと志緒には思えた。
幸之助のことよりも、志緒の心をざわつかせるのは両家の親の態度だった。
縁談話で息子の罪を表沙汰にしないよう丸め込んだ駒井家、そして丸め込まれた実家村田家。どちらの態度も許せなかった。
志緒はまるで取引の道具のようだった。しかも志緒は何も知らなかったのだ。騙されたような気持だった。
志緒は直接聞いたわけではないが、後でいよに聞かされた言葉を思い出す。山中藤兵衛が息子吉之進の所業を詫びに来た時に駒井甚太夫が言っていたという言葉を。
『おぬしが謝って済む話ではない。何故昼間から酒びたりになるような暮らしを止めなかったのだ。わしなら、見苦しい有様になる前に斬って捨てるわ』
酒のことを除けば、兄が死んだ後村田の父重兵衛が駒井甚太夫に言ってもおかしくない言葉だった。
幸之助は親が謝っても済まないことをしたのだ。父親から手打ちにされてもおかしくないことだった。
一体、甚太夫は山中藤兵衛にどんな気持ちで言ったのか。
過去のことであり、それがなければ志緒は幸之助のいいなずけになることも、源之輔と縁組することもなかったとはいえ、経緯をまったく知らずのこのこと駒井家に嫁に行った自分が滑稽にすら思えてくる。
思えば源之輔と夫婦になることを駒井夫妻が望んだのも、兄のことがあったからだろう。幸之助が死んでは約束が果たされぬのだから。辰之助の死の真相が暴露されぬとも限らない。
が、先ほど吉之進は捕縛される前に幸之助と兄の経緯を語っている。屋根や床下にいた者達に聞こえてしまったのではないか。それが広まればどういうことになるか。
志緒は自分の感情はひとまず置き、話が広まらぬようにせねばならぬと気付いた。
「志緒さん」
誠之助の声に振り返った。先ほどまで捕り方の手伝いをしていた誠之助はまだ襷掛け姿であった。
「お疲れさまでございます」
「ここは暑いでしょう。吉田の家で一休みしては」
確かに庭木のない村田家の庭は暑かった。それにまだ大勢の捕り手や役人が往来していた。
「ありがとうございます」
「吉之進の語ったこと、我々は聞いてはおりません」
そんなはずはなかった。床下の者達は声を頼りに短槍を刺したはずである。
とまどう志緒の顔を見た誠之助は言った。
「聞こえても聞かなかったのです」
そういうことかと志緒は気付いた。
「お気遣いありがとう存じます」
「気遣いではなく、それが我らの仕事です」
そう言うと、誠之助は一礼し踵を返した。
志緒は誠之助が声をかける前に足音がしなかったことに気付いた。
家中には表に出ない特殊な仕事をする人々がいると聞いたことがあった。どこの家の誰がそれかは、はっきりわからない。だが、家中に大事が起きた時に彼らが密かに動いて被害を最小限に食い止めるのだと。
誠之助の実家がそうなのか、あるいは誠之助自身がそうなのか、わからない。屋根の上にいた人々や床下にいた人々がそれなのかもわからない。だが、彼らが吉之進の話を聞かなかったことにするというのは嘘ではないと志緒は感じていた。
吉田家へ向かう志緒の前を戸板に乗せられうめく吉之進が運ばれていく。足の傷の他にも槍で受けた胴体の傷から出る血が衣服を濡らしていた。恐らく彼に残された時間はさほどあるまい。母の杉とどちらが先に逝くのか。
吉田家の座敷には佐登と新之助、重兵衛が休んでいた。新之助は村田家の庭でしたように母に抱きつこうとしていたが、重兵衛が母上は腕を怪我しているからいけないと叱っていた。新之助はしょんぼりと祖父のそばに座った。
「志緒、そなたの態度、実に堂々としていたと柴田様が仰せであった」
重兵衛の嬉し気な言葉も今の志緒には空しかった。
「おそれいります」
どこか他人行儀な態度の志緒に佐登は何か言いたげだった。もしここが吉田家でなければ、志緒は佐登に兄のことを聞きたかった。だが、他家でできるような話でもなかった。
志緒は足袋と草履は後で返すと言って吉田家を辞した。
ちょうどそこへいよが迎えに来た。
「若奥様、御活躍伺いました」
もう吉之進が捕縛された話が駒井家に伝わっているようだった。
「活躍などしておりません。あちらが油断したのです」
「油断させたのが御活躍なのです。これで亡くなった御子様の敵が討てましたな」
敵討ちというのは、目上の者、たとえば主君や父、夫が殺害された場合だけに行われるから、正確には子どもの敵討ちというのはない。だが、いよのように思う者は多いかもしれなかった。
志緒自身には敵を討ったという実感はない。小脇差を使わなかったからではない。子のことより駒井家に対する侮辱の言葉に志緒は怒りを感じていた。吉之進の足を見た時以外子のことを思い出さなかった自分は冷たい女なのかもしれないと思えてくる。
何より兄と幸之助のことが大き過ぎた。
志緒が黙ってしまったので、いよはそれ以上何も言わなかった。若奥様はきっと息子に斬られた山中夫妻のことがあるから口数が少ないのだろうと思っていた。やはり若奥様は他の家の若奥様たちに比べお考えが深いといよは志緒に対する敬意をますます抱くのだった。
駒井家に戻ると、佐江が来ていた。
「志緒姉さま、お疲れさまです。家のことは今日は私がしますからお休みになってください。母上も今休んでいます」
佐江にも話が伝わっているようだった。
「佐江さんこそ家はいいの。寛次郎さまが困るのではなくて」
「夫が行けと。こういう時こそおまえの出番だと言われました」
寛次郎はなかなか心利く者のようだった。とはいえ母が休んでいるから自分も休むなどというわけにはいかない。甚太夫が帰ってくれば、湯茶や食事の支度も必要になる。
「そろそろ父上が戻っておいでになるはず。休むわけには参りません」
「それではその後、休んでくださいね。火事からずっとお休みになっていないのでしょ」
「気が高ぶっているからとても休む気にはなれないの」
「ではお茶を。少しは落ち着くかと」
佐江はすぐにお茶と菓子を居間に運んできた。菓子は佐江が持って来たものだった。
「そんなに気を使わなくても」
「いいの。これは頂き物だから。二人だけだと食べきれないの」
佐江の持って来た干菓子は口の中でほろりと崩れた。
「ああ、美味しい」
あの日、姉の美初良が持ってきたカステイラや干菓子のことを思い出した。津奈や姉と一緒に口にした干菓子は甘く美味しかった。悪阻が楽になってやっと食べられるようになった喜びを思い出した。あの直後、吉之進に足蹴にされたのだ。
「志緒姉さま?」
佐江の声で志緒は我に返った。気付かぬうちに両の目から涙が溢れていた。
「あ、私……」
「鍋の火を見てきます」
佐江は部屋を出て障子を閉めた。
途端に志緒の目から涙がぼろぼろと床の上に落ちた。
朝からの目まぐるしい出来事の連続による緊張の糸がぷっつりと切れたせいなのか。
志緒はただただ無心に涙を流した。
涙を袂で拭いた後、志緒はすっかり冷めた茶を口にした。
まだ心は容易に元に戻っていないようだった。それでも涙と一緒にいくばくかの心の澱が流れたようだった。
「志緒さん、入っていい?」
津奈の声だった。いいえと言えばいらぬ心配をかける。
「はい」
ゆっくりと入って来た津奈は志緒の前に端座し、丁寧に指を床につけて頭を下げた。白髪の混じった髷がかすかに揺れていた。
「志緒さん、ごめんなさい」
「母上、何を……」
津奈は休んでいたはずだから甚太夫に告げた「青い柿」のことは知らないはずだった。
「たった今、甚太夫が帰って来て、『青い柿』とあなたが言ったと聞いて」
どうやら志緒がこの部屋にいる間に父が帰って来たらしい。
「あなたの兄辰之助さまが亡くなったのは、私のせいなのです」
幸之助のせいではないのか。志緒は再び混乱の渦の中に投げ込まれようとしていた。
志緒の一言は明らかに駒井甚太夫を動揺させた。
それは志緒の疑いを強固なものに変えた。
兄辰之助は幸之助に殺されたようなものだったと。
兄の死の真相を闇に葬るために、駒井夫妻は家柄の低い村田家の志緒を幸之助のいいなずけにしたのだと。
村田の両親はそれで納得し、志緒には何も言わずにいたのだと。
無論、山中吉之進の言ったことがすべて信用できるとは思えない。だが、彼の母杉の言いかけた「自業自得」という言葉と矛盾しない部分があった。
幸之助の急死は、幸之助の過去の罪への罰なのだと考えると自業自得と言えるのかもしれなかった。それ以外に幸之助に罪があるとは思えない。
だが、志緒には幸之助への恨みはない。兄の記憶がないせいだろう。それに、幸之助は志緒に優しかった。いや、誰に対しても意地の悪いことをするのを見たことがなかった。姉の佐登も義兄の誠之助も幸之助の礼儀正しさや品行の良さを褒めていた。志緒もそんな幸之助にふさわしい娘になろうと思っていた。
恐らく幸之助は過去の罪を反省し、生まれ変わろうとしていたのではないか。だから誰に対しても優しかったのではないか。
己のやったことを反省せず、座敷牢から出て両親を殺めた吉之進に比べれば、ずっと立派だと志緒には思えた。
幸之助のことよりも、志緒の心をざわつかせるのは両家の親の態度だった。
縁談話で息子の罪を表沙汰にしないよう丸め込んだ駒井家、そして丸め込まれた実家村田家。どちらの態度も許せなかった。
志緒はまるで取引の道具のようだった。しかも志緒は何も知らなかったのだ。騙されたような気持だった。
志緒は直接聞いたわけではないが、後でいよに聞かされた言葉を思い出す。山中藤兵衛が息子吉之進の所業を詫びに来た時に駒井甚太夫が言っていたという言葉を。
『おぬしが謝って済む話ではない。何故昼間から酒びたりになるような暮らしを止めなかったのだ。わしなら、見苦しい有様になる前に斬って捨てるわ』
酒のことを除けば、兄が死んだ後村田の父重兵衛が駒井甚太夫に言ってもおかしくない言葉だった。
幸之助は親が謝っても済まないことをしたのだ。父親から手打ちにされてもおかしくないことだった。
一体、甚太夫は山中藤兵衛にどんな気持ちで言ったのか。
過去のことであり、それがなければ志緒は幸之助のいいなずけになることも、源之輔と縁組することもなかったとはいえ、経緯をまったく知らずのこのこと駒井家に嫁に行った自分が滑稽にすら思えてくる。
思えば源之輔と夫婦になることを駒井夫妻が望んだのも、兄のことがあったからだろう。幸之助が死んでは約束が果たされぬのだから。辰之助の死の真相が暴露されぬとも限らない。
が、先ほど吉之進は捕縛される前に幸之助と兄の経緯を語っている。屋根や床下にいた者達に聞こえてしまったのではないか。それが広まればどういうことになるか。
志緒は自分の感情はひとまず置き、話が広まらぬようにせねばならぬと気付いた。
「志緒さん」
誠之助の声に振り返った。先ほどまで捕り方の手伝いをしていた誠之助はまだ襷掛け姿であった。
「お疲れさまでございます」
「ここは暑いでしょう。吉田の家で一休みしては」
確かに庭木のない村田家の庭は暑かった。それにまだ大勢の捕り手や役人が往来していた。
「ありがとうございます」
「吉之進の語ったこと、我々は聞いてはおりません」
そんなはずはなかった。床下の者達は声を頼りに短槍を刺したはずである。
とまどう志緒の顔を見た誠之助は言った。
「聞こえても聞かなかったのです」
そういうことかと志緒は気付いた。
「お気遣いありがとう存じます」
「気遣いではなく、それが我らの仕事です」
そう言うと、誠之助は一礼し踵を返した。
志緒は誠之助が声をかける前に足音がしなかったことに気付いた。
家中には表に出ない特殊な仕事をする人々がいると聞いたことがあった。どこの家の誰がそれかは、はっきりわからない。だが、家中に大事が起きた時に彼らが密かに動いて被害を最小限に食い止めるのだと。
誠之助の実家がそうなのか、あるいは誠之助自身がそうなのか、わからない。屋根の上にいた人々や床下にいた人々がそれなのかもわからない。だが、彼らが吉之進の話を聞かなかったことにするというのは嘘ではないと志緒は感じていた。
吉田家へ向かう志緒の前を戸板に乗せられうめく吉之進が運ばれていく。足の傷の他にも槍で受けた胴体の傷から出る血が衣服を濡らしていた。恐らく彼に残された時間はさほどあるまい。母の杉とどちらが先に逝くのか。
吉田家の座敷には佐登と新之助、重兵衛が休んでいた。新之助は村田家の庭でしたように母に抱きつこうとしていたが、重兵衛が母上は腕を怪我しているからいけないと叱っていた。新之助はしょんぼりと祖父のそばに座った。
「志緒、そなたの態度、実に堂々としていたと柴田様が仰せであった」
重兵衛の嬉し気な言葉も今の志緒には空しかった。
「おそれいります」
どこか他人行儀な態度の志緒に佐登は何か言いたげだった。もしここが吉田家でなければ、志緒は佐登に兄のことを聞きたかった。だが、他家でできるような話でもなかった。
志緒は足袋と草履は後で返すと言って吉田家を辞した。
ちょうどそこへいよが迎えに来た。
「若奥様、御活躍伺いました」
もう吉之進が捕縛された話が駒井家に伝わっているようだった。
「活躍などしておりません。あちらが油断したのです」
「油断させたのが御活躍なのです。これで亡くなった御子様の敵が討てましたな」
敵討ちというのは、目上の者、たとえば主君や父、夫が殺害された場合だけに行われるから、正確には子どもの敵討ちというのはない。だが、いよのように思う者は多いかもしれなかった。
志緒自身には敵を討ったという実感はない。小脇差を使わなかったからではない。子のことより駒井家に対する侮辱の言葉に志緒は怒りを感じていた。吉之進の足を見た時以外子のことを思い出さなかった自分は冷たい女なのかもしれないと思えてくる。
何より兄と幸之助のことが大き過ぎた。
志緒が黙ってしまったので、いよはそれ以上何も言わなかった。若奥様はきっと息子に斬られた山中夫妻のことがあるから口数が少ないのだろうと思っていた。やはり若奥様は他の家の若奥様たちに比べお考えが深いといよは志緒に対する敬意をますます抱くのだった。
駒井家に戻ると、佐江が来ていた。
「志緒姉さま、お疲れさまです。家のことは今日は私がしますからお休みになってください。母上も今休んでいます」
佐江にも話が伝わっているようだった。
「佐江さんこそ家はいいの。寛次郎さまが困るのではなくて」
「夫が行けと。こういう時こそおまえの出番だと言われました」
寛次郎はなかなか心利く者のようだった。とはいえ母が休んでいるから自分も休むなどというわけにはいかない。甚太夫が帰ってくれば、湯茶や食事の支度も必要になる。
「そろそろ父上が戻っておいでになるはず。休むわけには参りません」
「それではその後、休んでくださいね。火事からずっとお休みになっていないのでしょ」
「気が高ぶっているからとても休む気にはなれないの」
「ではお茶を。少しは落ち着くかと」
佐江はすぐにお茶と菓子を居間に運んできた。菓子は佐江が持って来たものだった。
「そんなに気を使わなくても」
「いいの。これは頂き物だから。二人だけだと食べきれないの」
佐江の持って来た干菓子は口の中でほろりと崩れた。
「ああ、美味しい」
あの日、姉の美初良が持ってきたカステイラや干菓子のことを思い出した。津奈や姉と一緒に口にした干菓子は甘く美味しかった。悪阻が楽になってやっと食べられるようになった喜びを思い出した。あの直後、吉之進に足蹴にされたのだ。
「志緒姉さま?」
佐江の声で志緒は我に返った。気付かぬうちに両の目から涙が溢れていた。
「あ、私……」
「鍋の火を見てきます」
佐江は部屋を出て障子を閉めた。
途端に志緒の目から涙がぼろぼろと床の上に落ちた。
朝からの目まぐるしい出来事の連続による緊張の糸がぷっつりと切れたせいなのか。
志緒はただただ無心に涙を流した。
涙を袂で拭いた後、志緒はすっかり冷めた茶を口にした。
まだ心は容易に元に戻っていないようだった。それでも涙と一緒にいくばくかの心の澱が流れたようだった。
「志緒さん、入っていい?」
津奈の声だった。いいえと言えばいらぬ心配をかける。
「はい」
ゆっくりと入って来た津奈は志緒の前に端座し、丁寧に指を床につけて頭を下げた。白髪の混じった髷がかすかに揺れていた。
「志緒さん、ごめんなさい」
「母上、何を……」
津奈は休んでいたはずだから甚太夫に告げた「青い柿」のことは知らないはずだった。
「たった今、甚太夫が帰って来て、『青い柿』とあなたが言ったと聞いて」
どうやら志緒がこの部屋にいる間に父が帰って来たらしい。
「あなたの兄辰之助さまが亡くなったのは、私のせいなのです」
幸之助のせいではないのか。志緒は再び混乱の渦の中に投げ込まれようとしていた。
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