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第四章 紅葉(享保元年~享保三年)
10 秋葉の妻
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明けて享保三年の国許、満津の方は松の内が明けると、照妙寺に参詣した。
英琴尼は梅芳院の遺志を継ぎ、慎ましく暮らし、身よりのない女子どもを慈しんでいるようだった。
これからもよしなにと挨拶を終え、寺を出てしばらく後。
すすき野原の間の道を行列が進んでいると、突然駕籠が止まった。
警護の男達が叫んでいるのが聞こえた。
「無礼者、よけぬか」
「満津の方様の行列と知ってのことか」
嫌な感じがする。こういう居丈高な警護の態度はあまり好ましくないと思うのだが、彼らは職務だからこのように声を荒げているのだ。優しくしろとは満津からは言えない。
女の声が聞こえた。
「秋葉家を、秋葉家への御沙汰をなんとか」
秋葉家。お仙の方の従兄の家。ということは秋葉家の縁者であろうか。妹や母親は肥後に去ったはずである。
満津は駕籠の小窓を開け、おつきの女中に声をかけた。
「話を聞きたい」
女中は急ぎ警護の者に駆け寄った。
警護の者は明らかに渋っていた。無理もあるまい。もし満津に危害が及べば切腹物である。
満津は駕籠の戸を自分で開けた。傍にいた警護の女中が駆け寄ったが、満津はさっと乗り物から降りた。
黒い紋付の羽織を身に着けた切り下げ髪の女が警護の前で頭を下げていた。
「何があったのですか」
満津の声に警護の者はあっと叫んだ。すぐに二人の侍が左右を守るように立った。
「御方様、中へお戻りを」
「私に用があるのでしょう。話を聞きたい」
満津はそう言うとずんずん前へ進み、警護の堀内権蔵の横に立った。
女は頭を下げたまま振り絞るような声を出した。
「御慈悲を。秋葉源五の妻奈緒にございます」
切腹した秋葉源五の妻だった。実家は戌亥町であったはず。
「こんな場所でわざわざ行列を止めてまでの訴え、よほどのことがあるのでしょう。長くは聞けませんが、時間が許す限りは聞きます」
「有難きお言葉」
女はそう言うと、顔を上げた。美しい女性だった。満津は江戸から来た御年寄を思い出した。
「秋葉家の再興をお許しください。肥後にいる義理の妹から文があり、義母が病に倒れたと。このまま秋葉の家が滅びては義母は死んでも死にきれませぬ」
「そなたはもう秋葉の者ではないのでしょう」
「夫に命じられ実家には戻りましたが、離縁したつもりはございません。心は秋葉家の者です」
その強い口調に満津は心動かされそうになった。だが、評定所の決定を覆すなど、越権行為である。
「私の立場ではどうすることもできません。評定所の決めたことに私も逆らうことはできないのです」
「なれど、貞蓮院様の御沙汰には罪一等を減じたではありませんか」
堀内の顔がひきつった。
「黙って聞いておれば、調子に乗りおって」
いきり立つ堀内を満津は目で制した。
「貞蓮院様は先の殿の側室。私にとっては母も同じこと。罪一等を減じて欲しいと願いましたが、決めたのは評定所。私が決めることはできないのです。奈緒様、今はこらえてくだされ。何も秋葉家を潰したかったわけではないのです。誤った行いをした者達を糺すための裁きであったのです。秋葉源五は従妹の行いを糺すことができなかった。だからこその切腹。秋葉の死は無駄にはなりません。皆が自分のすべきこと、行いを糺すほだしになったはずです」
満津は自分でもなんてひどいことを言っているのだろうと思う。だが、自分の立場では評定所の決定に異議や不満を申し立てるわけにはいかない。自分もまた山置家に仕える者の一人であって殿様の一族ではないことを嫌というほど思い知らされている。娘の香姫と自分では、加部家からの扱いが全く違うのだ。
それはお仙の方も同様であった。だが、彼女は家臣としてしてはいけないことの一線を越えてしまった。
厳しい罰が彼女や周辺の人間に下されるのは致し方ないことだった。もし満津に同じことがあれば、満津もまた同じような厳しい罰を受けねばならない。
「むごうございます」
奈緒は涙をこらえていた。
「さあ、家へ御帰りなさい。母上や兄上、妹御が待っておられる。心配をかけてはならぬ。堀内様、誰かを付けて家に送って差し上げなさい」
満津の命令に従い、堀内は部下を二人呼んで、その場に座ったまま立ち上がろうとしない奈緒の両脇をかかえて立たせた。
「秋葉の家のことは私はどうにもできぬ。だが、もし、そなたがそれ以外で困ったことがあるのなら、私のできることであれば相談に乗ります」
満津にはそれしか言えない。
「御方様、さようなことは」
堀内の顔に困惑の色が広がった。
「何も無理を言っているわけではありません。私のできることであれば、です。私は学もありません。血のつながった身内もおりません。大したことはできないことぐらい、堀内様も御存じのはず」
満津は於絹の方とも違う自分の立場をわかっていた。於絹の方にはまだ小田切家という血のつながった人々がいた。彼らの力は大きかった。それに引き換え自分には沢井家とは血のつながりはない。
奈緒は両脇の男の腕から身を離した。もう涙はなかった。
「ようわかりました。御方様はさような方なのですね。家が一つなくなり、その家の者が苦しむことよりもまつりごとの方が大事なのですね」
満津にとって堪える言葉だった。けれど、動揺を見せてはならない。自分は奥を代表する人間なのだ。私情を見せてはならぬ。
「これ、黙らぬか。はよう家へ連れて行け」
堀内は二人の部下に命じた。二人は奈緒を引きずるようにして戌亥町のほうへ向かった。
「御方様、このような時は乗り物から出てはなりません。逆恨みする者がいれば何をされるか」
堀内の言葉もわかる。だが、満津には放っておけなかった。自分の思うことを満津に話したことで奈緒の気持ちは少しは落ち着いたはずであろう。黙って一人で思い詰めてもろくなことにはならぬ。
数日後、満津は浮橋から奈緒が姑の看病のため、大久間の関所から肥後へ出たことを聞いた。
これでいいのだと満津は思う。
実家で何もせず肩身の狭い思いをするよりは、姑の看病を手伝うほうがよほど奈緒にとっては生きがいがあるはずである。
江戸からは帰国の件で頻繁に文が届くようになった。香姫にも殿から文が届いた。
狆が手に入ったので連れ帰るという知らせが来た時には香姫は飛び上がって喜んだ。
「ちんとはどのようないきものなのですか」
まわりの者達に聞いてまわるが、実際の狆を見たことがあるのは、江戸から来た浮橋だけだった。
浮橋は大きな猫くらいの大きさの賢い生き物だと話した。
猫は奥でも飼っていたので、猫のように鈴を付けようか、どうやって飼おうかと香姫はあれこれ考えるのだった。
それはともかく、父上にお礼の手紙を書くように言われると、香姫は最近覚えた文字で礼の手紙を書いた。文字を教えるのはまだ早いのではないかと満津は思っていたが、浮橋が姫様には早いということはございませんと言って教えたものだった。
「ほんに浮橋のおかげで姫はこの一年しっかりとしてきた」
満津は江戸から来た御年寄にそう言ったのだった。
「姫様が素直だからこそ、文字を覚えるのもお早いのです。御方様や乳母様の躾けの賜物でございます」
浮橋はふっくらとした唇でほほ笑んだ。
浮橋が退出した後、満津は奥女中達の囁く噂を思い出していた。
浮橋様は江戸で殿の御手付きだったのではないかと。
ありえない話ではないと満津は思う。浮橋は美しい。
数か月後に帰国する殿に尋ねてみようかと思ったりもするが、それを聞いたところでどうにもならぬとも思う。
たとえ御手付きだったとしても、今は離れているということは、もうそのような関係ではないということなのだから。
それに、浮橋は自分にも姫にも心を込めて仕えていてくれる。その事実だけで十分ではないのか。
満津はそこで考えるのをやめた。
今の浮橋を見よう。過去は過去なのだと。
英琴尼は梅芳院の遺志を継ぎ、慎ましく暮らし、身よりのない女子どもを慈しんでいるようだった。
これからもよしなにと挨拶を終え、寺を出てしばらく後。
すすき野原の間の道を行列が進んでいると、突然駕籠が止まった。
警護の男達が叫んでいるのが聞こえた。
「無礼者、よけぬか」
「満津の方様の行列と知ってのことか」
嫌な感じがする。こういう居丈高な警護の態度はあまり好ましくないと思うのだが、彼らは職務だからこのように声を荒げているのだ。優しくしろとは満津からは言えない。
女の声が聞こえた。
「秋葉家を、秋葉家への御沙汰をなんとか」
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満津は駕籠の小窓を開け、おつきの女中に声をかけた。
「話を聞きたい」
女中は急ぎ警護の者に駆け寄った。
警護の者は明らかに渋っていた。無理もあるまい。もし満津に危害が及べば切腹物である。
満津は駕籠の戸を自分で開けた。傍にいた警護の女中が駆け寄ったが、満津はさっと乗り物から降りた。
黒い紋付の羽織を身に着けた切り下げ髪の女が警護の前で頭を下げていた。
「何があったのですか」
満津の声に警護の者はあっと叫んだ。すぐに二人の侍が左右を守るように立った。
「御方様、中へお戻りを」
「私に用があるのでしょう。話を聞きたい」
満津はそう言うとずんずん前へ進み、警護の堀内権蔵の横に立った。
女は頭を下げたまま振り絞るような声を出した。
「御慈悲を。秋葉源五の妻奈緒にございます」
切腹した秋葉源五の妻だった。実家は戌亥町であったはず。
「こんな場所でわざわざ行列を止めてまでの訴え、よほどのことがあるのでしょう。長くは聞けませんが、時間が許す限りは聞きます」
「有難きお言葉」
女はそう言うと、顔を上げた。美しい女性だった。満津は江戸から来た御年寄を思い出した。
「秋葉家の再興をお許しください。肥後にいる義理の妹から文があり、義母が病に倒れたと。このまま秋葉の家が滅びては義母は死んでも死にきれませぬ」
「そなたはもう秋葉の者ではないのでしょう」
「夫に命じられ実家には戻りましたが、離縁したつもりはございません。心は秋葉家の者です」
その強い口調に満津は心動かされそうになった。だが、評定所の決定を覆すなど、越権行為である。
「私の立場ではどうすることもできません。評定所の決めたことに私も逆らうことはできないのです」
「なれど、貞蓮院様の御沙汰には罪一等を減じたではありませんか」
堀内の顔がひきつった。
「黙って聞いておれば、調子に乗りおって」
いきり立つ堀内を満津は目で制した。
「貞蓮院様は先の殿の側室。私にとっては母も同じこと。罪一等を減じて欲しいと願いましたが、決めたのは評定所。私が決めることはできないのです。奈緒様、今はこらえてくだされ。何も秋葉家を潰したかったわけではないのです。誤った行いをした者達を糺すための裁きであったのです。秋葉源五は従妹の行いを糺すことができなかった。だからこその切腹。秋葉の死は無駄にはなりません。皆が自分のすべきこと、行いを糺すほだしになったはずです」
満津は自分でもなんてひどいことを言っているのだろうと思う。だが、自分の立場では評定所の決定に異議や不満を申し立てるわけにはいかない。自分もまた山置家に仕える者の一人であって殿様の一族ではないことを嫌というほど思い知らされている。娘の香姫と自分では、加部家からの扱いが全く違うのだ。
それはお仙の方も同様であった。だが、彼女は家臣としてしてはいけないことの一線を越えてしまった。
厳しい罰が彼女や周辺の人間に下されるのは致し方ないことだった。もし満津に同じことがあれば、満津もまた同じような厳しい罰を受けねばならない。
「むごうございます」
奈緒は涙をこらえていた。
「さあ、家へ御帰りなさい。母上や兄上、妹御が待っておられる。心配をかけてはならぬ。堀内様、誰かを付けて家に送って差し上げなさい」
満津の命令に従い、堀内は部下を二人呼んで、その場に座ったまま立ち上がろうとしない奈緒の両脇をかかえて立たせた。
「秋葉の家のことは私はどうにもできぬ。だが、もし、そなたがそれ以外で困ったことがあるのなら、私のできることであれば相談に乗ります」
満津にはそれしか言えない。
「御方様、さようなことは」
堀内の顔に困惑の色が広がった。
「何も無理を言っているわけではありません。私のできることであれば、です。私は学もありません。血のつながった身内もおりません。大したことはできないことぐらい、堀内様も御存じのはず」
満津は於絹の方とも違う自分の立場をわかっていた。於絹の方にはまだ小田切家という血のつながった人々がいた。彼らの力は大きかった。それに引き換え自分には沢井家とは血のつながりはない。
奈緒は両脇の男の腕から身を離した。もう涙はなかった。
「ようわかりました。御方様はさような方なのですね。家が一つなくなり、その家の者が苦しむことよりもまつりごとの方が大事なのですね」
満津にとって堪える言葉だった。けれど、動揺を見せてはならない。自分は奥を代表する人間なのだ。私情を見せてはならぬ。
「これ、黙らぬか。はよう家へ連れて行け」
堀内は二人の部下に命じた。二人は奈緒を引きずるようにして戌亥町のほうへ向かった。
「御方様、このような時は乗り物から出てはなりません。逆恨みする者がいれば何をされるか」
堀内の言葉もわかる。だが、満津には放っておけなかった。自分の思うことを満津に話したことで奈緒の気持ちは少しは落ち着いたはずであろう。黙って一人で思い詰めてもろくなことにはならぬ。
数日後、満津は浮橋から奈緒が姑の看病のため、大久間の関所から肥後へ出たことを聞いた。
これでいいのだと満津は思う。
実家で何もせず肩身の狭い思いをするよりは、姑の看病を手伝うほうがよほど奈緒にとっては生きがいがあるはずである。
江戸からは帰国の件で頻繁に文が届くようになった。香姫にも殿から文が届いた。
狆が手に入ったので連れ帰るという知らせが来た時には香姫は飛び上がって喜んだ。
「ちんとはどのようないきものなのですか」
まわりの者達に聞いてまわるが、実際の狆を見たことがあるのは、江戸から来た浮橋だけだった。
浮橋は大きな猫くらいの大きさの賢い生き物だと話した。
猫は奥でも飼っていたので、猫のように鈴を付けようか、どうやって飼おうかと香姫はあれこれ考えるのだった。
それはともかく、父上にお礼の手紙を書くように言われると、香姫は最近覚えた文字で礼の手紙を書いた。文字を教えるのはまだ早いのではないかと満津は思っていたが、浮橋が姫様には早いということはございませんと言って教えたものだった。
「ほんに浮橋のおかげで姫はこの一年しっかりとしてきた」
満津は江戸から来た御年寄にそう言ったのだった。
「姫様が素直だからこそ、文字を覚えるのもお早いのです。御方様や乳母様の躾けの賜物でございます」
浮橋はふっくらとした唇でほほ笑んだ。
浮橋が退出した後、満津は奥女中達の囁く噂を思い出していた。
浮橋様は江戸で殿の御手付きだったのではないかと。
ありえない話ではないと満津は思う。浮橋は美しい。
数か月後に帰国する殿に尋ねてみようかと思ったりもするが、それを聞いたところでどうにもならぬとも思う。
たとえ御手付きだったとしても、今は離れているということは、もうそのような関係ではないということなのだから。
それに、浮橋は自分にも姫にも心を込めて仕えていてくれる。その事実だけで十分ではないのか。
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