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第二章 初恋(正徳二年~正徳三年)
33 月見の宴
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数日後、於三の処遇が新右衛門に伝えられた。
梅芳院の助言と岡部家との話し合いを受けての殿様の決定である。
まず、於三は沢井甚太夫夫妻の養女となる。また名を満津と改める。
現在の奥向きは殿様のものであるため、満津は城内にある御殿の離れにあたる御隠居所を改装した建物に祖母のきよと住むことが決まった。
改装が済むまでは於三は沢井家に、きよは岡部家に留め置かれることになった。
また、殿から岡部家に守役の勤めの礼として銀十枚(江戸時代の平均的相場で四十七万三千円相当)が下されることも合わせて決まった。
新右衛門にとっては、ありがたいことこの上なかった。岡部家は信之助の腕の負傷の件で沢井家に負い目を持っていたが、沢井家が於三を養女にし新右衛門の側室にすることで、それが少しだけ軽減されるように思えた。
それに幼い実乃は於三の妹ということになるので、将来は側室になることはない。実乃にとってもよいことに新右衛門には思えた。
また沢井家でも、七年前の御分家啓幸の件で長男忠一郎が連座し、以来殿から少し距離を置かれているように思われたので、今回のことで、ようやくそれが許されたと安堵した。
於三は沢井家に引き取られ、そこで教育を受けながら城に入るのを待つ身となったのであった。
新右衛門は早く改装が終らぬか、合間を見ては工事を見に行った。普請作事奉行の土橋がじきじきの指揮をとっての工事は城下の職人を集めてのもので、勿体ないくらい丁寧なものだった。
明日は満月という朝、食事の後に新右衛門は殿様から今宵は沢井家で月を観ると伝えられた。
沢井家には東から南に開けた広い座敷があり、庭の松の向こうに満月が出るありさまが美しいと言われていた。満月には少し足らぬが、天気もよいゆえということだった。
沢井家に行く、すなわち於三に会えるということで、新右衛門は朝の剣術も午後の歌も上機嫌であった。
沢井家もまた朝から皆大忙しだった。
月見の話は十日前にあったので準備はしていたが、それでも当日もやれ毛氈の位置はこれではいけないとか、松の枝が少し伸び過ぎではないかとか、家の中を司る家宰は主人以上に目を光らせるのだった。
女達も酒や肴が足りるか、器に間違いはないか大騒ぎである。
甚太夫の妻の須万は於三改め満津の身だしなみを整えるため、早朝から動きまわっていた。
午前のうちに入浴させ、髪を高島田に結わせ、小袖、打掛を着付け、化粧をしと、自分の身だしなみはさておいて女達に指示し、自分の目で検分した。
五つの実乃の衣服や髪も整えさせ、自分の衣裳を身に付け、化粧を済ませれば早くも七つ(午後五時頃)。
甚太夫が殿様御一行を案内してお城の門を出る時刻である。
準備万端相整いましたと家宰の報告を受けて、須万は満津と実乃を連れて玄関へ向かった。
満津は着慣れぬ打掛の裾を踏まぬようにゆっくりと歩いた。先触れの声が聞こえる頃、玄関に並んで座り頭を下げた。
主人の甚太夫に先導されて殿様とお仙の方が先に入った。その後から新右衛門が入った。おつきの小姓や近習、奥女中らが続いた。近習らは別室に案内された。その中には岡部惣左衛門がいた。座敷には小姓と奥女中だけがついていくのである。
満津は頭を下げたまま、足だけを見ていた。新右衛門の足はすぐにわかった。殿様と違い大きいのだ。
女達は立ち上がり、座敷に向かった。実乃は乳母に連れられ別室に下がった。
座敷の中央上座には殿様が座り、そのそばにはお仙の方、やや離れた下座に新右衛門が座っていた。
甚太夫は今宵はわざわざの御成り有り難き幸せと挨拶した。
「苦しうない、面を上げよ」
といつもの言葉で甚太夫は顔を上げ、家族を紹介した。といっても妻の須万と養女の満津だけなのだが。
満津は紹介された後、顔を上げた。
新右衛門は息を呑んだ。
岡部家での於三は髪は結っていたが、長い髪をくるりと頭の後ろにまとめただけで名前などないような結い方だった。それが奥の女のような高島田を結い、顔は白く化粧し、紅を唇に差しているのだ。まるで別人のようだった。衣装も絹の小袖に結び花の柄を散らした打掛と見たこともない豪華さである。
その驚く顔を見て殿様は微笑んだ。
甚太夫は言った。
「満津、若君様にご挨拶を」
満津は今さらとは思ったが、名前が変わって化粧で別人のようになったのだからと思い直した。
「満津にございます」
「苦しうない。近う寄れ」
兄の真似をして言った。満津はなんだかおかしかったが笑いを堪えて、前に膝行した。
「堅い挨拶はそろそろよかろう。もう間もなく月が上る」
殿様がそう言うと宴の膳が運ばれて来た。殿様達は縁側近くに作られた席に陣取って月を眺めながら盃を傾け肴に舌鼓を打ったのだった。
新右衛門もまた、満津と並んで月を愛でた。いや、月を観ながら満津を愛でたと言っていいかもしれなかった。顔を見合わせるだけで幸せだった。
満津の酌で飲む酒は旨かった。満津も少しだけと言って盃に口を付けた。
「おいしい」
それを耳にしたお仙の方が微笑んだ。
「今度は女だけで宴をいたしましょう。よいささを用意します」
「かたじけのうございます」
「余には飲ませてもらえぬのか」
殿様はおどけて言う。
「まあ、申し訳ございません。殿様の分も用意申し上げます」
お仙の方はにっこりと笑った。満津は美しいと思った。自分がここにいるのが恥ずかしく思えるほどに。
お仙の方はお仙の方で、満津の若さがまぶしかった。新右衛門の子を宿しているやもしれぬという噂を思うと、なぜだか心穏やかではいられない。あと数年でお褥すべりの三十になる。それまでに殿のお子を授かることはできぬのだろうかとあれこれ考えるとつらいので、松の枝にかかる月を眺めた。
そのお仙に殿はささやいた。
「今宵はこちらに泊まる」
聞いていなかったので驚いた。女中らは知っているのだろうか。
「女中には言っておる。心配せずともよい」
お仙はほっとした。泊まるとなると化粧や着替えの心配がいる。
だが、殿がこのような予定外とも思える行動をとるのは珍しかった。城代家老や奥の御年寄りの立てた計画通りの日程をこなし、それ以外のことをするなど今までなかった。大体、臣下の家に月見に行くこと自体、お仙の知る限り初めてのことだった。
先日の騎馬での岡部家訪問も異例のことだった。そういえば、若君が城に来てから、そういうことが増えたような気がする。
奥に来る殿様が笑顔を見せることが増えたのも、お仙や奥女中らを安堵させた。
何はともあれ殿様が変わろうとしているのはいいことかもしれなかった。
一昨年の殿はお仙から見ても元気がなかった。在府の間、殿はお仙とも他の女とも一度も契りがかなわなかったのだから。
月見の宴程度で殿がお元気になられるのなら結構とお仙は殿の盃に酌をするのだった。
月が中天にかかる前に宴は終わった。
さすがに初冬の夜は冷える。
満津とお仙の方はそれぞれ先に寝室に連れて行かれた。女中達がついて夜の支度をするのだ。
二人は別々の廊下を通ってそれぞれの部屋に入った。
が、満津は気付いてしまった。沢井家に来て数日だが、満津は間取りを大体把握していた。お仙の方の連れて行かれた先と満津の入った部屋は襖をはさんで隣り合っていた。
実直な沢井甚太夫がそのような部屋の割り振りをするはずがなかった。
恐らく殿様の意思でそのようになったに違いないと満津は考えた。新右衛門は部屋の割り振りに口出しすることなどできない。
殿様は何をお考えなのだろうかと、満津はせっかく結われた髪を部屋に持ち込んだ湯で解かれている間考えたが、答えは出なかった。
白綸子の寝巻に着替えさせられ、布団のそばで待っていると足音が聞こえた。足音は続きの間に入った。新右衛門の声が聞こえた。
「与五郎、宿直か」
「はい」
衣擦れの音がするので、着替えているのだろう。
「岡部殿は外で警護です」
「そうか、今宵は冷えるな。後で警護に何か温かいものでも出してもらえるように沢井殿に伝えてくれぬか」
「承りました」
惣左衛門は剣の腕が立つから警護なのだろう。与五郎というのは小ヶ田頼母の養子だというから、少しは剣ができるのだろうかと満津は思った。
不意に襖が開いた。満津は驚いて顔を上げた。
このままでは非礼と思い頭を下げようとしたら、駆け寄った新右衛門に抱きしめられていた。
その瞬間、満津はあの中年男にされたことを忘れた。沢井家に来てからも、あのことを思い出すたびに怖くなり、今夜の来訪を知った時は普通に新右衛門を受け入れらるか不安だった。けれど、新右衛門の腕に包まれた瞬間、満津はあの日のことなどなかったような穏やかな幸せを感じた。
梅芳院の助言と岡部家との話し合いを受けての殿様の決定である。
まず、於三は沢井甚太夫夫妻の養女となる。また名を満津と改める。
現在の奥向きは殿様のものであるため、満津は城内にある御殿の離れにあたる御隠居所を改装した建物に祖母のきよと住むことが決まった。
改装が済むまでは於三は沢井家に、きよは岡部家に留め置かれることになった。
また、殿から岡部家に守役の勤めの礼として銀十枚(江戸時代の平均的相場で四十七万三千円相当)が下されることも合わせて決まった。
新右衛門にとっては、ありがたいことこの上なかった。岡部家は信之助の腕の負傷の件で沢井家に負い目を持っていたが、沢井家が於三を養女にし新右衛門の側室にすることで、それが少しだけ軽減されるように思えた。
それに幼い実乃は於三の妹ということになるので、将来は側室になることはない。実乃にとってもよいことに新右衛門には思えた。
また沢井家でも、七年前の御分家啓幸の件で長男忠一郎が連座し、以来殿から少し距離を置かれているように思われたので、今回のことで、ようやくそれが許されたと安堵した。
於三は沢井家に引き取られ、そこで教育を受けながら城に入るのを待つ身となったのであった。
新右衛門は早く改装が終らぬか、合間を見ては工事を見に行った。普請作事奉行の土橋がじきじきの指揮をとっての工事は城下の職人を集めてのもので、勿体ないくらい丁寧なものだった。
明日は満月という朝、食事の後に新右衛門は殿様から今宵は沢井家で月を観ると伝えられた。
沢井家には東から南に開けた広い座敷があり、庭の松の向こうに満月が出るありさまが美しいと言われていた。満月には少し足らぬが、天気もよいゆえということだった。
沢井家に行く、すなわち於三に会えるということで、新右衛門は朝の剣術も午後の歌も上機嫌であった。
沢井家もまた朝から皆大忙しだった。
月見の話は十日前にあったので準備はしていたが、それでも当日もやれ毛氈の位置はこれではいけないとか、松の枝が少し伸び過ぎではないかとか、家の中を司る家宰は主人以上に目を光らせるのだった。
女達も酒や肴が足りるか、器に間違いはないか大騒ぎである。
甚太夫の妻の須万は於三改め満津の身だしなみを整えるため、早朝から動きまわっていた。
午前のうちに入浴させ、髪を高島田に結わせ、小袖、打掛を着付け、化粧をしと、自分の身だしなみはさておいて女達に指示し、自分の目で検分した。
五つの実乃の衣服や髪も整えさせ、自分の衣裳を身に付け、化粧を済ませれば早くも七つ(午後五時頃)。
甚太夫が殿様御一行を案内してお城の門を出る時刻である。
準備万端相整いましたと家宰の報告を受けて、須万は満津と実乃を連れて玄関へ向かった。
満津は着慣れぬ打掛の裾を踏まぬようにゆっくりと歩いた。先触れの声が聞こえる頃、玄関に並んで座り頭を下げた。
主人の甚太夫に先導されて殿様とお仙の方が先に入った。その後から新右衛門が入った。おつきの小姓や近習、奥女中らが続いた。近習らは別室に案内された。その中には岡部惣左衛門がいた。座敷には小姓と奥女中だけがついていくのである。
満津は頭を下げたまま、足だけを見ていた。新右衛門の足はすぐにわかった。殿様と違い大きいのだ。
女達は立ち上がり、座敷に向かった。実乃は乳母に連れられ別室に下がった。
座敷の中央上座には殿様が座り、そのそばにはお仙の方、やや離れた下座に新右衛門が座っていた。
甚太夫は今宵はわざわざの御成り有り難き幸せと挨拶した。
「苦しうない、面を上げよ」
といつもの言葉で甚太夫は顔を上げ、家族を紹介した。といっても妻の須万と養女の満津だけなのだが。
満津は紹介された後、顔を上げた。
新右衛門は息を呑んだ。
岡部家での於三は髪は結っていたが、長い髪をくるりと頭の後ろにまとめただけで名前などないような結い方だった。それが奥の女のような高島田を結い、顔は白く化粧し、紅を唇に差しているのだ。まるで別人のようだった。衣装も絹の小袖に結び花の柄を散らした打掛と見たこともない豪華さである。
その驚く顔を見て殿様は微笑んだ。
甚太夫は言った。
「満津、若君様にご挨拶を」
満津は今さらとは思ったが、名前が変わって化粧で別人のようになったのだからと思い直した。
「満津にございます」
「苦しうない。近う寄れ」
兄の真似をして言った。満津はなんだかおかしかったが笑いを堪えて、前に膝行した。
「堅い挨拶はそろそろよかろう。もう間もなく月が上る」
殿様がそう言うと宴の膳が運ばれて来た。殿様達は縁側近くに作られた席に陣取って月を眺めながら盃を傾け肴に舌鼓を打ったのだった。
新右衛門もまた、満津と並んで月を愛でた。いや、月を観ながら満津を愛でたと言っていいかもしれなかった。顔を見合わせるだけで幸せだった。
満津の酌で飲む酒は旨かった。満津も少しだけと言って盃に口を付けた。
「おいしい」
それを耳にしたお仙の方が微笑んだ。
「今度は女だけで宴をいたしましょう。よいささを用意します」
「かたじけのうございます」
「余には飲ませてもらえぬのか」
殿様はおどけて言う。
「まあ、申し訳ございません。殿様の分も用意申し上げます」
お仙の方はにっこりと笑った。満津は美しいと思った。自分がここにいるのが恥ずかしく思えるほどに。
お仙の方はお仙の方で、満津の若さがまぶしかった。新右衛門の子を宿しているやもしれぬという噂を思うと、なぜだか心穏やかではいられない。あと数年でお褥すべりの三十になる。それまでに殿のお子を授かることはできぬのだろうかとあれこれ考えるとつらいので、松の枝にかかる月を眺めた。
そのお仙に殿はささやいた。
「今宵はこちらに泊まる」
聞いていなかったので驚いた。女中らは知っているのだろうか。
「女中には言っておる。心配せずともよい」
お仙はほっとした。泊まるとなると化粧や着替えの心配がいる。
だが、殿がこのような予定外とも思える行動をとるのは珍しかった。城代家老や奥の御年寄りの立てた計画通りの日程をこなし、それ以外のことをするなど今までなかった。大体、臣下の家に月見に行くこと自体、お仙の知る限り初めてのことだった。
先日の騎馬での岡部家訪問も異例のことだった。そういえば、若君が城に来てから、そういうことが増えたような気がする。
奥に来る殿様が笑顔を見せることが増えたのも、お仙や奥女中らを安堵させた。
何はともあれ殿様が変わろうとしているのはいいことかもしれなかった。
一昨年の殿はお仙から見ても元気がなかった。在府の間、殿はお仙とも他の女とも一度も契りがかなわなかったのだから。
月見の宴程度で殿がお元気になられるのなら結構とお仙は殿の盃に酌をするのだった。
月が中天にかかる前に宴は終わった。
さすがに初冬の夜は冷える。
満津とお仙の方はそれぞれ先に寝室に連れて行かれた。女中達がついて夜の支度をするのだ。
二人は別々の廊下を通ってそれぞれの部屋に入った。
が、満津は気付いてしまった。沢井家に来て数日だが、満津は間取りを大体把握していた。お仙の方の連れて行かれた先と満津の入った部屋は襖をはさんで隣り合っていた。
実直な沢井甚太夫がそのような部屋の割り振りをするはずがなかった。
恐らく殿様の意思でそのようになったに違いないと満津は考えた。新右衛門は部屋の割り振りに口出しすることなどできない。
殿様は何をお考えなのだろうかと、満津はせっかく結われた髪を部屋に持ち込んだ湯で解かれている間考えたが、答えは出なかった。
白綸子の寝巻に着替えさせられ、布団のそばで待っていると足音が聞こえた。足音は続きの間に入った。新右衛門の声が聞こえた。
「与五郎、宿直か」
「はい」
衣擦れの音がするので、着替えているのだろう。
「岡部殿は外で警護です」
「そうか、今宵は冷えるな。後で警護に何か温かいものでも出してもらえるように沢井殿に伝えてくれぬか」
「承りました」
惣左衛門は剣の腕が立つから警護なのだろう。与五郎というのは小ヶ田頼母の養子だというから、少しは剣ができるのだろうかと満津は思った。
不意に襖が開いた。満津は驚いて顔を上げた。
このままでは非礼と思い頭を下げようとしたら、駆け寄った新右衛門に抱きしめられていた。
その瞬間、満津はあの中年男にされたことを忘れた。沢井家に来てからも、あのことを思い出すたびに怖くなり、今夜の来訪を知った時は普通に新右衛門を受け入れらるか不安だった。けれど、新右衛門の腕に包まれた瞬間、満津はあの日のことなどなかったような穏やかな幸せを感じた。
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