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15 フレンドリー(?)な上様
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思いの外早く、左京様の居場所はわかった。
母上が伯父上に連絡を入れた翌日の夜、伯父上がわざわざお越しになって知らせてくれた。
「左京は大奥の姫君や若君に気に入られたようだ」
伯父上の言葉に私も母上もしばし言葉を失った。大奥? 左京様は総務省の主任なのに。
「先日の欧州でのお仕事ぶりに上様と御台所はいたくお喜びあそばれ、城に参るように命令があったそうだ。お褒めの言葉を頂いてすぐに下城できるはずだったのだが、そこで予期せぬことがあったらしい」
伯父上は困惑の表情を浮かべた。
「上様には姫君様が三人と若君様が一人おいで。上の姫君様方は城中で家庭教師に学ばれておる。下の若君様は本来ならば城中に学問所を設けて、同じ年頃の旗本の子弟と席を並べて学ばれるところを、上様のお考えで城外の普通の小学校に名を変え身分を隠して通学されていらっしゃる」
若君様が城外の小学校に通われているとは初めて聞く話だった。
「無論、警備の関係で秘密の話だ。私もたまたま同じ小学校に孫を通わせている財界の友人から漏れ聞いた話。先の上様も小学校までならとお許しになっていたそうだ。ところが、先の上様はお隠れになり、大納言様が将軍になられた。本来ならその時点で小学校を辞め城中の学問所で学ばれるべきところであったが、あと一年卒業するまで小学校にいたいと若君様が仰せになった。六年間学んだ者達と一緒に卒業したいのであろうな。その意を汲んだ上様はならばと来年三月までの通学をお許しになった。とはいえ、若君様も上様の子としての公務もあり、この夏はお忙しかった。それで夏休みの宿題がまだだいぶ残っていた」
まさか、私はとんでもない想像をしていた。そんなことがあるのだろうか。
「それって、夏休みの宿題の手伝いってこと?」
母上が私よりも先に口にしていた。伯父上は頷いた。
まるで庶民の子どものようだった。いや、庶民の子どもでも、家の手伝いがあっても夏休みの宿題をきちんと終わらせる生徒はいっぱいいる。
「でも、側に仕える御小姓が手伝えば終わるのではないですか」
私の問いに伯父上は困惑した表情になった。
「普通はそう思うのだが、御小姓たちは皆昌平黌やその受験専用の私塾に通っており、夏休みがない。故に宿題もないのだ。夏休みの宿題をしたことがない。中には小学校に通っていた者もいるが、ここだけの話、宿題を家臣にやらせていたようで箸にも棒にも掛からぬ。それに学んでいることが違う。昌平黌は朱子学を中心にしておる。漢文は読めるから四書五経や史書には明るい。ところが算数や理科、それから家庭科等の知識がない。家庭科の宿題の献立作り等できるはずもない。故に若君様お一人でやるしかない」
政府に仕えるエリートを養成する昌平黌にも意外な弱点があるようだった。
「でも、どこの子どもも一人で宿題はやっていますし、できるだけの量しか出しません」
実際、私の組の生徒も二人遅れただけで他は全員期日を守って提出した。遅れた一人は母親の入院で家族の面倒を見ていたため。もう一人は宿題忘れの常習で放課後残して終わらせた。他の生徒は皆自力で(中には違う字体のものも少々あるが)日記、算数のドリル、漢字の練習帳、読書感想文、図工と書道の作品一点ずつ、家庭科の献立作りと実際の調理のレポート、自由研究を期日までに終わらせている。
「若君様は津由子さんの組のお嬢さん方のように優秀ではないようでな。剣術や柔術はそこそこお出来になるらしいのだが」
若君様のことをそんなふうに言うなんて、伯父上もなかなか大胆である。
「だからって、お城に留め置くなんて」
母上は憤慨していた。
「最初は上様が実はうちの子が、という話であったらしい。恐らく御家人だから普通に小学校を出ていると思われ、仰せになったのだろう」
「ちょっと待って。上様と直にお目通りしたのですか」
母上は顔色を変えた。私も驚いた。御家人は面会できないはずである。お褒めの言葉を頂くにしても間に必ず人が入るはずである。
「私も驚いたが、そのようだ。上様は旗本であろうと御家人であろうと、直に面会される。この前、野球の優勝校の面々が面会したが、上様は町人の出の監督に直に声をお掛けになったそうだ」
どうやら今度の上様は先の上様とは少々違うようだ。
「上様はうちの子が夏休みの宿題が終わらず困っている、どうしたらよかろうかと仰せでな、左京は何と答えたと思う?」
私だったら、直接手を貸さず、とにかく期日までに終わるように自分の力でやらせ、間に合わなかったら正直に先生に自分で伝えさせる。とはいえ、将軍家の子どもが宿題が終わらなくて先生に怒られたり、保護者の上様に連絡がいったりするのは、さすがにまずい気がする。
「困っているのは若君ですか、上様ですかと言ったというのだ」
私も母上も背筋が凍った。上様に質問するなんて、ありえない。いくら今の上様が御家人に直接声を掛けるようなフレンドリーな人であっても、将軍は将軍なのだ。
「いやはや、左京も豪気なことよ。一体誰に似たのやら。ところが、上様もさるもの、困っているのは余だ、息子は平気な顔で庭で蝉を取っていると仰せだったと」
庭。普通の家の庭ではない。お城の庭だ。あちこちに巨木が生い茂っていて、昆虫採集には困るまい。私の組は女子だけなのであまりないけれど、男子の組は夏休みに昆虫の標本を提出する子が多い。お城で昆虫採集なんて贅沢である。
「すると左京はこう言ったそうだ。今すぐ、上様自ら若君様から虫取り網を取り上げて宿題に取り掛からせてくださいと」
私は今週の切腹に左京様が出ることになったらどうしようと思った。上様にそんなことを言うなんて。
「なんと上様はあいわかったと立ち上がり、吹上の庭までお出ましになり、若君様を中奥に連れ戻し、机の前に座らせたそうだ。この話をしてくれたのはさる旗本の方なのだが、腕白な若君様が上様に叱られてしゅんとなったのを初めて拝見したと言っておった」
伯父上、一体どういう人脈をお持ちなのだろう。上様や若君様の言動を間近で見られるような旗本を知っているなんて。
「その後、上様は控えていた左京に息子の宿題を見てくれと仰せになった。左京は恐れ多いと固辞したそうだが、若君様のまわりには先ほども言ったように昌平黌の者が多い上に、労働法の関係で一緒の学校に通って警備を担当している御庭番の子どもに手伝わせるわけにはいかないからとな」
労働法を上様は知っているはずなのに、何故左京様を家に帰してくれないのだろう。
「さしもの左京もこれは断れなかった。その日は中奥でずっと若君様について宿題をやらせたそうだ。気が付けば城の門が閉まる暮れ六つ。帰ろうとすると、上様にお礼に夕餉を馳走したいと言われ、なんと御台所様のおいでになる大奥で御一家と食事をされることに」
「ちょっと待った! 大奥、入っていいわけ?」
母上の疑問は私の疑問でもある。大奥に成人男性、それも御家人が入れるものなのだろうか。いくら上様がフレンドリーでもそれはあり得ない。
「先の上様の時も、親しい方を呼ぶことはあったらしい。今の上様も西の丸においでの頃は家族団欒で食事を楽しんでいたそうだ。しかも、朝はパン食らしい」
衝撃の話だった。上様が朝パンを食べるなんて。
「厨には洋式旅籠に勤務経験のあるパン職人と菓子職人がいるというから、将軍の位に就かれてからもパンをお召しになっているはず。左京も洋食のディナーを食べることになったようだ。その席で姫君様から欧州の話を聞かれ、それが大層姫君様方のお気に召したようだ」
驚愕の事実の連続に私も母上もあっけにとられるばかりだった。だからといって左京様が帰ってこないことに納得できるはずもない。
「一体、何故、家にお戻りになれないのですか」
伯父上は真面目な顔で答えた。
「若君様が自由研究のため、夜、城の庭に集まる虫を調べておられた。その手伝いのために城に泊まっていたのは確かな話」
「もう二学期ですけれど」
「……私もそれ以上のことは調べられなかった。ただ城中にいることは確実」
安心していいのか、わからない答えだった。
「いくらなんでもそろそろ帰って来るとは思うが。とにかく思いつく限りの伝手を当たっている」
伯父上とて左京様を探してばかりもいられまい。
けれど城に入れぬ我が身ではどうしようもない。
母上が伯父上に連絡を入れた翌日の夜、伯父上がわざわざお越しになって知らせてくれた。
「左京は大奥の姫君や若君に気に入られたようだ」
伯父上の言葉に私も母上もしばし言葉を失った。大奥? 左京様は総務省の主任なのに。
「先日の欧州でのお仕事ぶりに上様と御台所はいたくお喜びあそばれ、城に参るように命令があったそうだ。お褒めの言葉を頂いてすぐに下城できるはずだったのだが、そこで予期せぬことがあったらしい」
伯父上は困惑の表情を浮かべた。
「上様には姫君様が三人と若君様が一人おいで。上の姫君様方は城中で家庭教師に学ばれておる。下の若君様は本来ならば城中に学問所を設けて、同じ年頃の旗本の子弟と席を並べて学ばれるところを、上様のお考えで城外の普通の小学校に名を変え身分を隠して通学されていらっしゃる」
若君様が城外の小学校に通われているとは初めて聞く話だった。
「無論、警備の関係で秘密の話だ。私もたまたま同じ小学校に孫を通わせている財界の友人から漏れ聞いた話。先の上様も小学校までならとお許しになっていたそうだ。ところが、先の上様はお隠れになり、大納言様が将軍になられた。本来ならその時点で小学校を辞め城中の学問所で学ばれるべきところであったが、あと一年卒業するまで小学校にいたいと若君様が仰せになった。六年間学んだ者達と一緒に卒業したいのであろうな。その意を汲んだ上様はならばと来年三月までの通学をお許しになった。とはいえ、若君様も上様の子としての公務もあり、この夏はお忙しかった。それで夏休みの宿題がまだだいぶ残っていた」
まさか、私はとんでもない想像をしていた。そんなことがあるのだろうか。
「それって、夏休みの宿題の手伝いってこと?」
母上が私よりも先に口にしていた。伯父上は頷いた。
まるで庶民の子どものようだった。いや、庶民の子どもでも、家の手伝いがあっても夏休みの宿題をきちんと終わらせる生徒はいっぱいいる。
「でも、側に仕える御小姓が手伝えば終わるのではないですか」
私の問いに伯父上は困惑した表情になった。
「普通はそう思うのだが、御小姓たちは皆昌平黌やその受験専用の私塾に通っており、夏休みがない。故に宿題もないのだ。夏休みの宿題をしたことがない。中には小学校に通っていた者もいるが、ここだけの話、宿題を家臣にやらせていたようで箸にも棒にも掛からぬ。それに学んでいることが違う。昌平黌は朱子学を中心にしておる。漢文は読めるから四書五経や史書には明るい。ところが算数や理科、それから家庭科等の知識がない。家庭科の宿題の献立作り等できるはずもない。故に若君様お一人でやるしかない」
政府に仕えるエリートを養成する昌平黌にも意外な弱点があるようだった。
「でも、どこの子どもも一人で宿題はやっていますし、できるだけの量しか出しません」
実際、私の組の生徒も二人遅れただけで他は全員期日を守って提出した。遅れた一人は母親の入院で家族の面倒を見ていたため。もう一人は宿題忘れの常習で放課後残して終わらせた。他の生徒は皆自力で(中には違う字体のものも少々あるが)日記、算数のドリル、漢字の練習帳、読書感想文、図工と書道の作品一点ずつ、家庭科の献立作りと実際の調理のレポート、自由研究を期日までに終わらせている。
「若君様は津由子さんの組のお嬢さん方のように優秀ではないようでな。剣術や柔術はそこそこお出来になるらしいのだが」
若君様のことをそんなふうに言うなんて、伯父上もなかなか大胆である。
「だからって、お城に留め置くなんて」
母上は憤慨していた。
「最初は上様が実はうちの子が、という話であったらしい。恐らく御家人だから普通に小学校を出ていると思われ、仰せになったのだろう」
「ちょっと待って。上様と直にお目通りしたのですか」
母上は顔色を変えた。私も驚いた。御家人は面会できないはずである。お褒めの言葉を頂くにしても間に必ず人が入るはずである。
「私も驚いたが、そのようだ。上様は旗本であろうと御家人であろうと、直に面会される。この前、野球の優勝校の面々が面会したが、上様は町人の出の監督に直に声をお掛けになったそうだ」
どうやら今度の上様は先の上様とは少々違うようだ。
「上様はうちの子が夏休みの宿題が終わらず困っている、どうしたらよかろうかと仰せでな、左京は何と答えたと思う?」
私だったら、直接手を貸さず、とにかく期日までに終わるように自分の力でやらせ、間に合わなかったら正直に先生に自分で伝えさせる。とはいえ、将軍家の子どもが宿題が終わらなくて先生に怒られたり、保護者の上様に連絡がいったりするのは、さすがにまずい気がする。
「困っているのは若君ですか、上様ですかと言ったというのだ」
私も母上も背筋が凍った。上様に質問するなんて、ありえない。いくら今の上様が御家人に直接声を掛けるようなフレンドリーな人であっても、将軍は将軍なのだ。
「いやはや、左京も豪気なことよ。一体誰に似たのやら。ところが、上様もさるもの、困っているのは余だ、息子は平気な顔で庭で蝉を取っていると仰せだったと」
庭。普通の家の庭ではない。お城の庭だ。あちこちに巨木が生い茂っていて、昆虫採集には困るまい。私の組は女子だけなのであまりないけれど、男子の組は夏休みに昆虫の標本を提出する子が多い。お城で昆虫採集なんて贅沢である。
「すると左京はこう言ったそうだ。今すぐ、上様自ら若君様から虫取り網を取り上げて宿題に取り掛からせてくださいと」
私は今週の切腹に左京様が出ることになったらどうしようと思った。上様にそんなことを言うなんて。
「なんと上様はあいわかったと立ち上がり、吹上の庭までお出ましになり、若君様を中奥に連れ戻し、机の前に座らせたそうだ。この話をしてくれたのはさる旗本の方なのだが、腕白な若君様が上様に叱られてしゅんとなったのを初めて拝見したと言っておった」
伯父上、一体どういう人脈をお持ちなのだろう。上様や若君様の言動を間近で見られるような旗本を知っているなんて。
「その後、上様は控えていた左京に息子の宿題を見てくれと仰せになった。左京は恐れ多いと固辞したそうだが、若君様のまわりには先ほども言ったように昌平黌の者が多い上に、労働法の関係で一緒の学校に通って警備を担当している御庭番の子どもに手伝わせるわけにはいかないからとな」
労働法を上様は知っているはずなのに、何故左京様を家に帰してくれないのだろう。
「さしもの左京もこれは断れなかった。その日は中奥でずっと若君様について宿題をやらせたそうだ。気が付けば城の門が閉まる暮れ六つ。帰ろうとすると、上様にお礼に夕餉を馳走したいと言われ、なんと御台所様のおいでになる大奥で御一家と食事をされることに」
「ちょっと待った! 大奥、入っていいわけ?」
母上の疑問は私の疑問でもある。大奥に成人男性、それも御家人が入れるものなのだろうか。いくら上様がフレンドリーでもそれはあり得ない。
「先の上様の時も、親しい方を呼ぶことはあったらしい。今の上様も西の丸においでの頃は家族団欒で食事を楽しんでいたそうだ。しかも、朝はパン食らしい」
衝撃の話だった。上様が朝パンを食べるなんて。
「厨には洋式旅籠に勤務経験のあるパン職人と菓子職人がいるというから、将軍の位に就かれてからもパンをお召しになっているはず。左京も洋食のディナーを食べることになったようだ。その席で姫君様から欧州の話を聞かれ、それが大層姫君様方のお気に召したようだ」
驚愕の事実の連続に私も母上もあっけにとられるばかりだった。だからといって左京様が帰ってこないことに納得できるはずもない。
「一体、何故、家にお戻りになれないのですか」
伯父上は真面目な顔で答えた。
「若君様が自由研究のため、夜、城の庭に集まる虫を調べておられた。その手伝いのために城に泊まっていたのは確かな話」
「もう二学期ですけれど」
「……私もそれ以上のことは調べられなかった。ただ城中にいることは確実」
安心していいのか、わからない答えだった。
「いくらなんでもそろそろ帰って来るとは思うが。とにかく思いつく限りの伝手を当たっている」
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