28 / 51
シャルル=ヘイストンの華麗なる事情 【side B】
シャルルの事情 ⑤
しおりを挟む
「…え?虐められている…?」
中間の試験をあと数日後に控えた朝食の席の事だった。
いつもの様に早めに席に就いた僕は、新聞を読み終えて目の前に置くと上座に座る父上に訊き直した。
「あの姉さまが…ですか?」
「どうやらその様だ」
父上は重々しく頷いた。
僕は驚いて父上に尋ねた。
「そんな…毎日同じ馬車に乗っていますが、姉さまはそんな事を一言も…」
(確かにここ二日ばかりは一緒に行けていないが)
今まであんなに毎日朝夕と同じ馬車で通学しているのにも関わらず、姉さまはそんな事をおくびにも出さなかったのに。
「儂にもあの子は直接言ってこんよ。…が、どうにもおかしいと思ったのだ。いくつか学用品が無くなってしまったと執事から聞いて買い与えたはいいが、また違うものを失くしてしまったと報告があってな。
いくらおっちょこちょいのアリシアでも失くす頻度が多すぎるし、学用品ならともかく、どう考えても授業で使うような高価なダンスシューズまでは無くさんだろう?」
「そう言えば僕の所にも姉さまが教科書を借りに来ることがありました。少し元気も無かった様な…」
「…それで詳細を執事に訊いたのだ。するとトーマスよりもしかしたら御学友に犯人がいるのかもしれないと返答があった。アリシアがちらと洩らしたらしい」
「ちょっと待って下さい、父上」
いつもなら滅多にしないのだが、僕は思わずその場で立ち上がった。
父上の話しの途中だったが、どうしても一つ気になる事があってその話を遮ってまで訊いてしまったのである。
「何故それを執事が…トーマスが知っているのですか?おかしいではありませんか。毎日一緒に通学している僕――や父上ならともかくなぜ執事に…。姉さまは僕じゃなくてトーマスなら相談出来たってことですか?」
父上は僕の顔をびっくりした様に見ながら言った。
「いやいや、問題はそこではないだろう?シャルルよ。ちと落ちついて、一度座れ。執事もはっきりとはそれを聞いとらん。ただアリシアが『今学友の一人とケンカ中だから』と一度言ったのを聞いただけだと言っとった」
「…そうですか。分かりました」
そう言って僕はまだ食事の途中だったが、自分の朝食の席にさっとナフキンを投げた。
「――埒が明かないので姉さまに直接聞く事にします。失礼します、父上」
「なに?――あ、おいシャルル。今日もアリシアは…」
唖然しながらも何かを言いかけた父上を置いて、僕はそのまま朝食の席を靴音も高く後にした。
++++++
「トーマス…!トーマスはいるか!?」
滅多にない大声を上げる僕の剣幕に驚いた小柄な執事が、エントランスの方向から小走りに戻って来た。
「お、おはようございます。お呼びになりましたか?シャルル様。どうか致しましたか?」
「姉さまの事でおまえに聞きたい事が…いや、待って。姉さまは一体何処?」
そう言えば姉さまの姿が見当たらないではないか。
(朝食の席に来るのがいつも遅めの姉さまではあるが、この時間まで降りてこないのは…)
『流石におかしいだろ』と僕が辺りを見渡していると、トーマスはそんな僕の考えを呼んだかのように答えた。
「シャルル様、あの…アリシア様なら本日も早く学校へと行かれると、もうお発ちになりましたが…」
「何だって!?」
僕がくるりと振り向き執事をギラっと見据えた瞬間、トーマスの身体がびくりと跳ね上がった。
「シャ、シャルル様…あの…???」
「...トーマス、おまえ…姉さまの一体何を知っているの?」
僕は自分の声が氷点下になっているのを感じながらも、状況が飲み込めずに疑問符を顔に張り付けた執事へと尋ねた。
「あ…あのシャルル様…申し訳ありません。何を言っておられるのかが少し…??」
『全て僕に白状しろ』の僕の言葉に、パニックになって、ひたすらはわわと怯えてちょび髭を震わせる気の毒なトーマスの姿がそこにあった。
++++++
トーマスの話によると、どうやら姉さまが喧嘩をしていると云う相手は『エリー』という名前の令嬢らしい。
学年に二クラスしかない女子クラスと言えど、『エリ―』なんて愛称の名前は掃いて捨てる程いると云うのに、何て紛らわしいんだ。
「…エリー、エリー、エリー…」
ぶつぶつと呟き考え込みながら僕が通学用に準備された馬車に乗り込むと、いつもはにこやかな御者の顔が一瞬曇った。
若くしなやかな体躯と可愛らしい小尻の彼は、一時期僕の遊び相手でもあった。
しかし彼は馬車の扉を閉める直前に、少し恨めし気に僕に尋ねてきたのだった。
「…そちらのお名前の方は、もしかしてシャルル様のガールフレンドですか?」
「――まさか…止めてくれよ。そんな訳無いだろう?」
僕はあわてて御者の彼へと言った。
僕は同学年の婦女子に――いや女自体に全く興味が無いというのに。
「アリシア姉さまの御学友のお名前だ。僕には(直接)関係が無い令嬢だよ」
いつもの様に彼へにっこりと笑いかける。
すると御者の彼は安堵した様に微笑んだ。
「そうですか――では出発しますね、シャルル様」
と優雅に馬車の扉を閉めた。
(…危ない危ない。こんなバカバカしい事で各所で余計な恨みを買ってはいけない)
僕の姉さまの事を虐め、学用品を隠し、僕に朝からこんなアホな言い訳をさせる『エリー』嬢とやらに対して、僕は本気で怒りを覚え始めたのだった。
中間の試験をあと数日後に控えた朝食の席の事だった。
いつもの様に早めに席に就いた僕は、新聞を読み終えて目の前に置くと上座に座る父上に訊き直した。
「あの姉さまが…ですか?」
「どうやらその様だ」
父上は重々しく頷いた。
僕は驚いて父上に尋ねた。
「そんな…毎日同じ馬車に乗っていますが、姉さまはそんな事を一言も…」
(確かにここ二日ばかりは一緒に行けていないが)
今まであんなに毎日朝夕と同じ馬車で通学しているのにも関わらず、姉さまはそんな事をおくびにも出さなかったのに。
「儂にもあの子は直接言ってこんよ。…が、どうにもおかしいと思ったのだ。いくつか学用品が無くなってしまったと執事から聞いて買い与えたはいいが、また違うものを失くしてしまったと報告があってな。
いくらおっちょこちょいのアリシアでも失くす頻度が多すぎるし、学用品ならともかく、どう考えても授業で使うような高価なダンスシューズまでは無くさんだろう?」
「そう言えば僕の所にも姉さまが教科書を借りに来ることがありました。少し元気も無かった様な…」
「…それで詳細を執事に訊いたのだ。するとトーマスよりもしかしたら御学友に犯人がいるのかもしれないと返答があった。アリシアがちらと洩らしたらしい」
「ちょっと待って下さい、父上」
いつもなら滅多にしないのだが、僕は思わずその場で立ち上がった。
父上の話しの途中だったが、どうしても一つ気になる事があってその話を遮ってまで訊いてしまったのである。
「何故それを執事が…トーマスが知っているのですか?おかしいではありませんか。毎日一緒に通学している僕――や父上ならともかくなぜ執事に…。姉さまは僕じゃなくてトーマスなら相談出来たってことですか?」
父上は僕の顔をびっくりした様に見ながら言った。
「いやいや、問題はそこではないだろう?シャルルよ。ちと落ちついて、一度座れ。執事もはっきりとはそれを聞いとらん。ただアリシアが『今学友の一人とケンカ中だから』と一度言ったのを聞いただけだと言っとった」
「…そうですか。分かりました」
そう言って僕はまだ食事の途中だったが、自分の朝食の席にさっとナフキンを投げた。
「――埒が明かないので姉さまに直接聞く事にします。失礼します、父上」
「なに?――あ、おいシャルル。今日もアリシアは…」
唖然しながらも何かを言いかけた父上を置いて、僕はそのまま朝食の席を靴音も高く後にした。
++++++
「トーマス…!トーマスはいるか!?」
滅多にない大声を上げる僕の剣幕に驚いた小柄な執事が、エントランスの方向から小走りに戻って来た。
「お、おはようございます。お呼びになりましたか?シャルル様。どうか致しましたか?」
「姉さまの事でおまえに聞きたい事が…いや、待って。姉さまは一体何処?」
そう言えば姉さまの姿が見当たらないではないか。
(朝食の席に来るのがいつも遅めの姉さまではあるが、この時間まで降りてこないのは…)
『流石におかしいだろ』と僕が辺りを見渡していると、トーマスはそんな僕の考えを呼んだかのように答えた。
「シャルル様、あの…アリシア様なら本日も早く学校へと行かれると、もうお発ちになりましたが…」
「何だって!?」
僕がくるりと振り向き執事をギラっと見据えた瞬間、トーマスの身体がびくりと跳ね上がった。
「シャ、シャルル様…あの…???」
「...トーマス、おまえ…姉さまの一体何を知っているの?」
僕は自分の声が氷点下になっているのを感じながらも、状況が飲み込めずに疑問符を顔に張り付けた執事へと尋ねた。
「あ…あのシャルル様…申し訳ありません。何を言っておられるのかが少し…??」
『全て僕に白状しろ』の僕の言葉に、パニックになって、ひたすらはわわと怯えてちょび髭を震わせる気の毒なトーマスの姿がそこにあった。
++++++
トーマスの話によると、どうやら姉さまが喧嘩をしていると云う相手は『エリー』という名前の令嬢らしい。
学年に二クラスしかない女子クラスと言えど、『エリ―』なんて愛称の名前は掃いて捨てる程いると云うのに、何て紛らわしいんだ。
「…エリー、エリー、エリー…」
ぶつぶつと呟き考え込みながら僕が通学用に準備された馬車に乗り込むと、いつもはにこやかな御者の顔が一瞬曇った。
若くしなやかな体躯と可愛らしい小尻の彼は、一時期僕の遊び相手でもあった。
しかし彼は馬車の扉を閉める直前に、少し恨めし気に僕に尋ねてきたのだった。
「…そちらのお名前の方は、もしかしてシャルル様のガールフレンドですか?」
「――まさか…止めてくれよ。そんな訳無いだろう?」
僕はあわてて御者の彼へと言った。
僕は同学年の婦女子に――いや女自体に全く興味が無いというのに。
「アリシア姉さまの御学友のお名前だ。僕には(直接)関係が無い令嬢だよ」
いつもの様に彼へにっこりと笑いかける。
すると御者の彼は安堵した様に微笑んだ。
「そうですか――では出発しますね、シャルル様」
と優雅に馬車の扉を閉めた。
(…危ない危ない。こんなバカバカしい事で各所で余計な恨みを買ってはいけない)
僕の姉さまの事を虐め、学用品を隠し、僕に朝からこんなアホな言い訳をさせる『エリー』嬢とやらに対して、僕は本気で怒りを覚え始めたのだった。
2
お気に入りに追加
678
あなたにおすすめの小説
かつて私を愛した夫はもういない 偽装結婚のお飾り妻なので溺愛からは逃げ出したい
おうぎまちこ(あきたこまち)
恋愛
※また後日、後日談を掲載予定。
一代で財を築き上げた青年実業家の青年レオパルト。彼は社交性に富み、女性たちの憧れの的だった。
上流階級の出身であるダイアナは、かつて、そんな彼から情熱的に求められ、身分差を乗り越えて結婚することになった。
幸せになると信じたはずの結婚だったが、新婚数日で、レオパルトの不実が発覚する。
どうして良いのか分からなくなったダイアナは、レオパルトを避けるようになり、家庭内別居のような状態が数年続いていた。
夫から求められず、苦痛な毎日を過ごしていたダイアナ。宗教にすがりたくなった彼女は、ある時、神父を呼び寄せたのだが、それを勘違いしたレオパルトが激高する。辛くなったダイアナは家を出ることにして――。
明るく社交的な夫を持った、大人しい妻。
どうして彼は二年間、妻を求めなかったのか――?
勘違いですれ違っていた夫婦の誤解が解けて仲直りをした後、苦難を乗り越え、再度愛し合うようになるまでの物語。
※本編全23話の完結済の作品。アルファポリス様では、読みやすいように1話を3〜4分割にして投稿中。
※ムーンライト様にて、11/10~12/1に本編連載していた完結作品になります。現在、ムーンライト様では本編の雰囲気とは違い明るい後日談を投稿中です。
※R18に※。作者の他作品よりも本編はおとなしめ。
※ムーンライト33作品目にして、初めて、日間総合1位、週間総合1位をとることができた作品になります。
隠された王女~王太子の溺愛と騎士からの執愛~
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
グルブランソン国ヘドマン辺境伯の娘であるアルベティーナ。幼い頃から私兵団の訓練に紛れ込んでいた彼女は、王国騎士団の女性騎士に抜擢される。だが、なぜかグルブランソン国の王太子が彼女を婚約者候補にと指名した。婚約者候補から外れたいアルベティーナは、騎士団団長であるルドルフに純潔をもらってくれと言い出す。王族に嫁ぐには処女性が求められるため、それを失えば婚約者候補から外れるだろうと安易に考えたのだ。ルドルフとは何度か仕事を一緒にこなしているため、アルベティーナが家族以外に心を許せる唯一の男性だったのだが――
【完結】【R18】男色疑惑のある公爵様の契約妻となりましたが、気がついたら愛されているんですけれど!?
夏琳トウ(明石唯加)
恋愛
「俺と結婚してくれたら、衣食住完全補償。なんだったら、キミの実家に支援させてもらうよ」
「え、じゃあ結婚します!」
メラーズ王国に住まう子爵令嬢マーガレットは悩んでいた。
というのも、元々借金まみれだった家の財政状況がさらに悪化し、ついには没落か夜逃げかという二択を迫られていたのだ。
そんな中、父に「頼むからいい男を捕まえてこい!」と送り出された舞踏会にて、マーガレットは王国の二大公爵家の一つオルブルヒ家の当主クローヴィスと出逢う。
彼はマーガレットの話を聞くと、何を思ったのか「俺と契約結婚しない?」と言ってくる。
しかし、マーガレットはためらう。何故ならば……彼には男色家だといううわさがあったのだ。つまり、形だけの結婚になるのは目に見えている。
そう思ったものの、彼が提示してきた条件にマーガレットは飛びついた。
そして、マーガレットはクローヴィスの(契約)妻となった。
男色家疑惑のある自由気ままな公爵様×貧乏性で現金な子爵令嬢。
二人がなんやかんやありながらも両想いになる勘違い話。
◆hotランキング 10位ありがとうございます……!
――
◆掲載先→アルファポリス、ムーンライトノベルズ、エブリスタ
大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました
扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!?
*こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。
――
ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。
そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。
その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。
結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。
が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。
彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。
しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。
どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。
そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。
――もしかして、これは嫌がらせ?
メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。
「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」
どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……?
*WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。
偽りの花婿は花嫁に真の愛を誓う
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「このまま中止するか、俺を代理にして式を挙げるか」
結婚式当日。
大幅に遅れに遅れてやってきた花婿は……知らない男でした。
彼曰く、本来の花婿はついさっき、結婚詐欺で逮捕。
決断を迫られた私は、見ず知らずの彼と結婚式を挙げることに。
……そこまではまあよかった、が。
「李亜、俺のものになれ」
結婚式費用と引き換えに、彼に買われた……。
咲乃李亜 28
FoSCompany営業統括部 営業職に就いていたキャリアウーマン
寿退社したものの、結婚詐欺に遭って一文無し
仕事の面では優秀
けれどそのせいで冷たく見られがち
見た目が地味すぎて老けて見られる
自分のことには引っ込み思案
×
御津川慧護 34
世界に名だたるMITSUGAWA警備の若き社長
顔、いい
背も高い
ただし、性格はGoing My Way
猪突猛進、狙った獲物は逃がさない
初夜からはじまる慧護との関係に、李亜は落ちるのか……!?
レティシアの結婚 ~とある圧倒的少数派公爵令嬢の運命の出会いとその後についての備忘録~
高瀬 八鳳
恋愛
とある一般的でない公爵令嬢が、運命の人と出会い、人生が大きくかわるお話。
お互い全く相手の顔に魅了されない美男美女が、人間としての魅力を感じていくきっかけを書いてみたいと思いました。
どの世界でも枠におさまらないマイノリティは苦労しがちですが、人と人との出会いは、時に想定外の化学反応を引き起こしたりするのでオモシロイですよね。
お気軽に楽しんで頂ければ幸いでございます。
※ さほど残酷な描写はないかと思いますが、少し大人な表現もあるので、念の為R15と致します。
※ 恋愛物語的要素はあると思ってますが、甘々なラブストーリーを期待されると、コレチガウ、と感じられるかもしれません。ご了承下さい。
※ あくまでも個人的な願望や好みの詰まった創作物語です。
腹黒伯爵の甘く淫らな策謀
茂栖 もす
恋愛
私、アスティア・オースティンは夢を見た。
幼い頃過ごした男の子───レイディックと過ごした在りし日の甘い出来事を。
けれど夢から覚めた私の眼前には、見知らぬ男性が居て───そのまま私は、純潔を奪われてしまった。
それからすぐ、私はレイディックと再会する。
美しい青年に成長したレイディックは、もう病弱だった薄幸の少年ではなかった。
『アスティア、大丈夫、僕が全部上書きしてあげる』
そう言って強姦された私に、レイディックは手を伸ばす。甘く優しいその声は、まるで媚薬のようで、私は抗うことができず…………。
※R−18部分には、♪が付きます。
※他サイトにも重複投稿しています。
王太子殿下の執着が怖いので、とりあえず寝ます。【完結】
霙アルカ。
恋愛
王太子殿下がところ構わず愛を囁いてくるので困ってます。
辞めてと言っても辞めてくれないので、とりあえず寝ます。
王太子アスランは愛しいルディリアナに執着し、彼女を部屋に閉じ込めるが、アスランには他の女がいて、ルディリアナの心は壊れていく。
8月4日
完結しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる