【完結】転生したらヒロインでも悪役令嬢でもなく世界征服してる龍神の後継者だったのでこの世界の常識をぶっ壊してみようと思います!

Ask

文字の大きさ
上 下
269 / 270
最終章 We are Free !

次期龍神と生贄皇子 #Epilog

しおりを挟む
 





 「ぷはぁ~~~~~!つっかれた!」




 演説が終わったその夜、アルティアはいつもの如くベッドにダイブした。今までの部屋ではない。皇妃の部屋だ。しかし、ベッドだけは今まで持ち歩いていた黒いベッド。……………ガーランドの遺品だ。




 私は、生きた。
 みんなの力で復活したのだ。



 ただ、どうしても寿命だけは元通りにならなかった。
 初代龍神が居なくなったが、未だにワールドエンドにある人柱の呪いは解かれていなかった。



 それだけではなく、ゼグスやハデスに魔力を与えた時に寿命も縮んでたらしく、神々に見てもらったら、1万歳の寿命が3000歳まで落ちているらしい。…………それでも長いけどね。

 で、私の力はというと、簡潔に言っちゃうと引き継いでます。普通1度死んだらチート機能ってなくなりませんかね?13本の屈服印も未だに健在なんで強くてニューゲームの気分ですよ。



 とはいえ、もう旅をする気は無い。
 ラフェエルとのんびり田舎で畑でも耕してようと思ったら、周りがそれを許してくれなかったわけで。



 結局ラフェエルは皇帝になった。確かにね、あんなにハイスペックな農民が居たら普通に怖いですよええ。ただの農民に剣を持たせたら新たな伝説ができるでしょう。


 …………で、そんなラフェエルを置いて私だけ平々凡々と生きるのは無理なわけで。そもそも、ラフェエルが好きで、一緒に生きたい!と思って生き返ったのに、ラフェエルと離れ離れになったら生き返った意味がない。



 そんなこんなで私は皇妃という大層な肩書きを得たのである。龍神から皇妃って、これは進化なのか退化なのか………………



 「どうした、アル」

 「あ、ラフェエル」



 そんなことを考えてたら、いつの間にか部屋にラフェエルがいた。物凄く疲れた顔をしている。………そりゃあ"世界最終日"から自国のみではなく他国の世話まで見てたらこうもなりますって。



 そんなお疲れラフェエルは、ツカツカと靴を鳴らして私のベッドに来ては隣に寝そべった。…………信じられます?あの、『位が高い者がだらだらするな』って言ってた人が!今では着替えもせずにベッドに倒れるんですよ!


 いや~好きな人の趣味趣向が移るっていうけど、まさか私の怠け癖が移ってしまうとは…………でも、私の存在でラフェエルが変わるのはとっても嬉しい。



 「ふふ、お疲れ、ラフェー」



 「……………ん」




 ラフェーはそう言って、私の唇に自分のそれを重ねる。何度も何度も重ねられ、それらは徐々に甘く、深くなる。



 いや、まてまてまてまて?ベッドの上で?こんなキスしてたら?




 「っふ、ラフェ、やめ………」



 「……………やめない。お前は今日から私の妃だろう?」



 「は、い…………?」



 ぐるん、と視界が一回転して、天井とラフェエルのイケメン顔が広がった。ラフェエルは熱の篭った瞳で、しゅるり、と自分の首元のリボンを解きながら言う。




 「……………今日私は皇帝になり、お前は妃となった。そして、龍神ですら無くなったお前は、ただの"私が愛する女"となり、生涯を共にするのだ 。


 つまり…………言いたいことはわかるな?」



 「あ、えと、そ、そうだけど、普通は花嫁修業とかで、婚約者的な……………」



 「何度も同じことを言わせるな。


 ______名実共に真の夫婦になろう」


 「ちょ、あっ……………んん~~~~!」






 私が何かを言う前に、唇を塞がれた。
 それはもう、いつもの理不尽な所業が嘘のように、甘く蕩けるほど愛されました。












しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

[完結]私を巻き込まないで下さい

シマ
恋愛
私、イリーナ15歳。賊に襲われているのを助けられた8歳の時から、師匠と一緒に暮らしている。 魔力持ちと分かって魔法を教えて貰ったけど、何故か全然発動しなかった。 でも、魔物を倒した時に採れる魔石。石の魔力が無くなると使えなくなるけど、その魔石に魔力を注いで甦らせる事が出来た。 その力を生かして、師匠と装具や魔道具の修理の仕事をしながら、のんびり暮らしていた。 ある日、師匠を訪ねて来た、お客さんから生活が変わっていく。 え?今、話題の勇者様が兄弟子?師匠が王族?ナニそれ私、知らないよ。 平凡で普通の生活がしたいの。 私を巻き込まないで下さい! 恋愛要素は、中盤以降から出てきます 9月28日 本編完結 10月4日 番外編完結 長い間、お付き合い頂きありがとうございました。

筆頭婚約者候補は「一抜け」を叫んでさっさと逃げ出した

基本二度寝
恋愛
王太子には婚約者候補が二十名ほどいた。 その中でも筆頭にいたのは、顔よし頭良し、すべての条件を持っていた公爵家の令嬢。 王太子を立てることも忘れない彼女に、ひとつだけ不満があった。

雪解けの白い結婚 〜触れることもないし触れないでほしい……からの純愛!?〜

川奈あさ
恋愛
セレンは前世で夫と友人から酷い裏切りを受けたレスられ・不倫サレ妻だった。 前世の深い傷は、転生先の心にも残ったまま。 恋人も友人も一人もいないけれど、大好きな魔法具の開発をしながらそれなりに楽しい仕事人生を送っていたセレンは、祖父のために結婚相手を探すことになる。 だけど凍り付いた表情は、舞踏会で恐れられるだけで……。 そんな時に出会った壁の花仲間かつ高嶺の花でもあるレインに契約結婚を持ちかけられる。 「私は貴女に触れることもないし、私にも触れないでほしい」 レインの条件はひとつ、触らないこと、触ることを求めないこと。 実はレインは女性に触れられると、身体にひどいアレルギー症状が出てしまうのだった。 女性アレルギーのスノープリンス侯爵 × 誰かを愛することが怖いブリザード令嬢。 過去に深い傷を抱えて、人を愛することが怖い。 二人がゆっくり夫婦になっていくお話です。

まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?

せいめ
恋愛
 政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。  喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。  そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。  その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。  閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。  でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。  家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。  その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。    まずは亡くなったはずの旦那様との話から。      ご都合主義です。  設定は緩いです。  誤字脱字申し訳ありません。  主人公の名前を途中から間違えていました。  アメリアです。すみません。    

【完結】内緒で死ぬことにした〜いつかは思い出してくださいわたしがここにいた事を、なぜわたしは生まれ変わったの?〜  

たろ
恋愛
この話は 『内緒で死ぬことにした  〜いつかは思い出してくださいわたしがここにいた事を〜』 の続編です。 アイシャが亡くなった後、リサはルビラ王国の公爵の息子であるハイド・レオンバルドと結婚した。 そして、アイシャを産んだ。 父であるカイザも、リサとハイドも、アイシャが前世のそのままの姿で転生して、自分たちの娘として生まれてきたことを知っていた。 ただアイシャには昔の記憶がない。 だからそのことは触れず、新しいアイシャとして慈しみ愛情を与えて育ててきた。 アイシャが家族に似ていない、自分は一体誰の子供なのだろうと悩んでいることも知らない。 親戚にあたる王子や妹に、意地悪を言われていることも両親は気が付いていない。 アイシャの心は、少しずつ壊れていくことに…… 明るく振る舞っているとは知らずに可愛いアイシャを心から愛している両親と祖父。 アイシャを助け出して心を救ってくれるのは誰? ◆ ◆ ◆ 今回もまた辛く悲しい話しが出てきます。 無理!またなんで! と思われるかもしれませんが、アイシャは必ず幸せになります。 もし読んでもいいなと思う方のみ、読んで頂けたら嬉しいです。 多分かなりイライラします。 すみません、よろしくお願いします ★内緒で死ぬことにした の最終話 キリアン君15歳から14歳 アイシャ11歳から10歳 に変更しました。 申し訳ありません。

婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪

naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。 「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」 まっ、いいかっ! 持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。

氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。 私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。 「でも、白い結婚だったのよね……」 奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。 全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。 一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。 断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

若奥様は緑の手 ~ お世話した花壇が聖域化してました。嫁入り先でめいっぱい役立てます!

古森真朝
恋愛
意地悪な遠縁のおばの邸で暮らすユーフェミアは、ある日いきなり『明後日に輿入れが決まったから荷物をまとめろ』と言い渡される。いろいろ思うところはありつつ、これは邸から出て自立するチャンス!と大急ぎで支度して出立することに。嫁入り道具兼手土産として、唯一の財産でもある裏庭の花壇(四畳サイズ)を『持参』したのだが――実はこのプチ庭園、長年手塩にかけた彼女の魔力によって、神域霊域レベルのレア植物生息地となっていた。 そうとは知らないまま、輿入れ初日にボロボロになって帰ってきた結婚相手・クライヴを救ったのを皮切りに、彼の実家エヴァンス邸、勤め先である王城、さらにお世話になっている賢者様が司る大神殿と、次々に起こる事件を『あ、それならありますよ!』とプチ庭園でしれっと解決していくユーフェミア。果たして嫁ぎ先で平穏を手に入れられるのか。そして根っから世話好きで、何くれとなく構ってくれるクライヴVS自立したい甘えベタの若奥様の勝負の行方は? *カクヨム様で先行掲載しております

処理中です...