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第12.5章 "隠された真実"と"真なる王"
神と精霊の復活
しおりを挟む「な、なんでアンタ達がいるの!?」
思わず大きな声を出して聞いた。だって、妖精神も精霊も全員居るんだよ?何かのパーティ?
『まあ、ある意味パーティだよなぁ』
『あのねあのね、アルティアが"真なる王"を継承する2代目龍神がいなくなったから、僕達中に入れたんだよ!』
「はい?」
氷の精霊・シヴァと水の精霊・アクアがそんなことを言う。全く状況がわからない私の頭を、太陽神・ドゥルグレの4本の手がグシャグシャする。
『流石俺をむりやり屈服させたことあるぜ~!ワールドエンドに1度来てみたかったんだよ!』
『ドゥルグレ、馴れ馴れしいぞ。……………アルティア様、お久しぶりです。そして……………世界を変える第1歩を踏み出して頂き、ありがとうございます』
そう言って土の精霊・グランドは傅く。
やっぱりよくわからない。
『強いのに、鈍いね。まあそこがアルティアのいいところだと言えばそれまでだけど。
それより、できるよ?神と精霊の復活』
「!それ、教えて!」
ゼグスの言葉にはっと我に返る。コイツらがここにいることよりそっちの方が数倍大事な話だ。
ゼグスはアルティアに身体を揺すられながらものんびりした口調で言う。
『簡単さ、多分、あの2つの石の中に2人はいるから、アルティアが闇の魔力を注ぎ込めばいいんだよ』
『そうだ。………ゼグスから聞いたが、魔力を上げた時は聖女の力を借りたのだろう?今回はそれは不要だ。
お前の持つ闇の力を存分に注ぎ込めばいい』
空の妖精神・スカイが素っ気なく言う。
そんな簡単な事でいいの?
……………まあ、他の方法も知らないしたまには神のお告げを聞いてみるのもアリ、か。
「……………わかった、やってみる」
アルティアはそれだけ言って、再び宙を浮く。2つの石の間まできて、両手を2つの石に向ける。
………………注ぐなら、全力で放出した方がいいよね?
アルティアはすぅ、と息を吸って、言った。
「____闇魔法・黒山羊」
アルティアの手から黒い魔力が集まっていく。先程の魔法と負けず劣らずの大きな黒い玉がパチパチと火花を散らして、放たれた。
2つの石は黒い魔力の塊に飲み込まれる。
石を粉々にするくらいの気持ちでぶつけないのに壊れないの凄いなぁなんて他人行儀なことを考えていると、ぱき、という音がした。
目を凝らすと……………石に亀裂が入っていて。パキパキと亀裂が広がっていく。
そして。
「____!」
パキィン、と音を立てて石が弾き飛んだ。黒い魔力が吸い込まれるように消えていき……………2人の男が姿を現した。
1人はスキンヘッドの頭、サングラスをかけたスーツ…………というか、スーツってこの異世界で初めて見たぞ?世界観どうした?やっぱり"地球"と何か繋がりがあるのだろうか……………
それはさておき、もう1人は黒髪を逆立てたのチャイナ服のようなものを着た男だ。
男達は未だに残留している私の黒い魔力を鼻や口から吸い取りながら、降りてきた。
『…………………これは………………』
『久しぶりに、動く……………どうなっているんだ?』
『ハデス!ケルベロス!』
不思議そうな顔をする男たちに真っ先に駆け寄ったのはこの中でも最年長だと言っていたゼグスとシヴァだ。ゼグスはチャイナ服の男を、シヴァはスーツの男を抱きしめたり、肩を抱いたりしている。
『ゼグスではないか!なぜ、ここに…………それに何故俺様が動けるのだ!?』
『…………俺達は龍神の力の源…………これは、どういう…………?』
『それはね、次期龍神がとうとう、とうとう龍神に反抗してくれたからなんだ!』
『………!それは本当か!』
『おーよ、ほら、そこにいるだろう?あの女、あの女が俺たちの世界を変えてくれた次期龍神サマだ』
「うっ……………」
シヴァの言葉のせいで視線が全てこちらを向く。物凄いガラ悪い感の溢れる2人に思わず肩を竦めた。
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