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第12章 "幻の島"・ワールドエンド
満月の夜、出立の時
しおりを挟む満月の夜_____空の妖精神が言っていた、最果ての"幻の島"・ワールドエンドの道が開けるという日。
最後の旅が始まる______んだけど。
「………………あのー、これはどういうことでしょうかねえ?」
いつもの黒いドレスではなく、黒いビキニ、ミニスカという斬新かつ超軽装備のアルティアは、黄金色の瞳を歪めて前を見た。
そこには____
金髪の短髪、青瞳、剣士の姿をした"魔法剣王子"・クリスティド・スフレ・アド・シースクウェア、
深緑の髪を二つ結びにし、黄緑瞳、メガネをかけ緑のロープを纏う"幻獣姫"・エリアス・ラピュード・ヴァリアース、
青紫の長髪、黒瞳、黒いコート状の着物を纏った"魔剣"ダーインスレイヴ、
白黒ごまプリン頭のツインテール、黒瞳、宙に浮くストールと白のワンピースの"聖女"フラン・ダリ・ジュエルズ・セイレーン、
銀髪のベリーベリーショートヘア、金色赤色オッドアイ、身体中に剣を纏う"人狼側近"・ガロ、
茶髪のオールバック、茶瞳、燕尾服姿の"特殊側近"・リード…………………
全員が私とラフェエルの部屋に集結していた………って!
「私は!ラフェーしか連れてかないって言ったでしょ!なに戦闘準備満々で待機してるわけ!?」
「私達はアルティア様の護衛ですので、もちろんついて行きます」
「で、ですね、わ、わたくしたちはアルティア様の味方です!」
爽やかに笑うクリスティドとオドオドしながらも力強く私を見つめて言うエリアス。
「まー俺は魔剣だから主人の傍にいなきゃな?」
「聖女だって味方なんだからアルティア先輩が負けるわけないですわね!」
ニカ、と歯を見せて笑うダーインスレイヴと謎にドヤ顔をするフランも乗っかってきた。
「ガロ、アルさま、守る」
「当然ですね、主を守るのが私達側近なので」
フンフン!と気合十分のガロにさも当然な顔でそう述べるリーブ。
…………………今回の場所は誰かに見られたりの心配が少ないからこんなに人を連れてかなくていいと思っていたのに………………
「………………何を言っても無駄だろう。死んでも責任は取らん」
そう素っ気なく言ったのは紅銀の短髪、紅い瞳、動きやすそうなシンプルなデザインの服を着た"生贄皇子"・ラフェエルだ…………って。
「死なれたら私が後味悪いわよ!」
「なら守ればいいだろう、お前が。私はしないがな」
悪魔の微笑みである。ここに悪魔がいますよー!
「悪魔とは私のことですか?」
「_____!」
ふと、仲間以外の声が聞こえた。知ってる声に私は振り返る。そこには__「アルティア様~~~~!」…………っ!
「ぐぁっ!」
声の主は私に突撃するように抱きしめてきた。リーブよりも燕尾服が似合うメガネを掛けた悪魔であり父・ガーランドの右腕のカイテルだ。
「ちょ、カイテル!」
「アルティア様が居なくなって約1年…………私は枕を何度濡らしたか…………ですが!それを乗り越えた貴方様はとてもお美しい!このカイテル、感激でございます~!」
「………………………………………」
最後の旅、ということでカッコ良くキメたいなと思っていたのに見事に出鼻をくじかれ閉口するアルティアでした。
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