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第11章 "宿命"を変えるには?
謎大き最果て
しおりを挟む_____"天国にいちばん近い島"・ファーマメント王国の最南端に、大きな神殿がある。
そこは、この国を守る空の妖精神と風の精霊が住む神殿で、緊急時や有事以外は立ち入り禁止である。最も、聖域一帯には結界が張ってあるため、限られた人間しか出入りできないのだが。
「____そんな神聖な聖域に泊めさせてくれるなど、心が優しくなったのか?
空の妖精神・スカイ様」
その神殿でも1番神聖な場所に、ダーインスレイヴは居た。
その目の前には…………空の妖精神・スカイと風の精霊・ウェイトが居た。
スカイはダーインスレイヴの言葉に片眉をぴくり、と上げていう。
『龍神は嫌いだがお前とは話したかったからな、特別に泊めてやったのだ』
「それはありがたいですねえ」
『………………こんな時にまでガーランドの真似をするな、腹立たしい』
「……………申し訳ございません、つい、癖でして」
ダーインスレイヴの顔から笑みが消えた。仰々しく頭を下げる男を他所に、風の精霊・ウェイトはスカイを見る。
『でも、本当にどうして?スカイちゃん。私達を痛めつけ、あまつさえ国民まで殺そうとしたのに』
『何度も同じことを言わせるな。………それと、そのちゃん付けをやめろ』
嫌そうな顔をするスカイにむう、とウェイトは頬を膨らませた。
『ちゃんと公的な場では様、って呼んでるわよ!二人きりなんだからいいじゃない!』
『ダーインスレイヴが居るだろう。……いや、いても言うな。
それより、ダーインスレイヴ。…………何故、あの小娘と旅をしている?何故、魔剣などになった?…………………………5000年前、ワールドエンドで何があったんだ』
「質問が多いです。…………それに、どれも答えるのが難しいものです」
ダーインスレイヴは依然そのことに関して口を開こうとしない。
…………ワールドエンド。それは、文字通り"幻の島"で、普通には行けない。行けたとしても"真なる王"_初代龍神_がいる限り、妖精神でも足を踏み入れることは出来ないのだ。
好奇心と探究心が強い太陽神・ドゥルグレが何度も試したらしいが、不可能だったらしい。
故に、ワールドエンドの鍵となる立場に居ながら、"情報"が圧倒的に少ない。知っているのは形式、システムだけだ。
つまり………………私達は、何も知らないのだ。
でも。
このダーインスレイヴは、5000年前確かにサイファーとガーランドと共に居た。何が起きたのか、何があったのか知っていると思ったのだ。
『……………なあ、ダーインスレイヴよ。何故話そうとしない?サイファーはどのように殺された?
ワールドエンドとは一体なんなんだ』
「…………………あそこに行ったことは、今でも後悔してる気持ち半分、"隠された真実の全て"を知れた収穫半々、という所です。
あそこで俺はこの世の"闇"を見たんです」
『………………………』
そう言ったダーインスレイヴは先程のヘラヘラした顔はなかった。真剣で、憎しみも含んだ顔。見ようによっては恐ろしくも見える。ダーインスレイヴは続けた。
「ガーランドは、今も尚"戦っている"。この世を変えるために、歪んだ"死の螺旋"を断ち切るために………………………あの娘、アルティアを選んだんです。
サイファーとの"約束"を守る為に」
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